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本の未来を論じる上で避けては通れないものの一つが、図書館の役割だろう。さて、その図書館のうち、とくに図書館システムと呼ばれる、図書館が保有する資料を総合的に管理するシステムについて、昨今の日本国内の動向を紹介したい。 図書館システムの惨憺たる現状 一般に図書館システムと言った場合、利用者の立場からすれば、図書館内にある蔵書検索端末を思い浮かべるだろう。これは図書館業界においてはOPAC(Online Public Access Catalogue)と呼ばれており、最近ではOPACをウェブ上で公開する図書館も増えている。ちなみに慶應義塾大学の上田修一教授の調査によれば、2009年3月31日時点で749ある大学図書館のうち、81.6%にあたる611館がウェブでOPACを公開している(ウェブOPAC)。 また、 日本図書館協会の調べでは、2009年12月時点で全国の公共図書館(都道府県立、市区町
図書館の主要な業務の一つに、レファレンスサービスというものがある。ものすごく簡単に言うと、ユーザーの疑問や質問に答えることだ。「○○について知りたい」「××について調べたい」というユーザーが来た時に、求めている情報や資料、あるいはその調べ方を提供する役割である。 ということを踏まえたうえで、以下に引用。 分からないものを検索する 技術力が全くない人間であっても、検索エンジンは、正しく問いさえすれば、あらゆる答えを教えてくれる。 問題になってくるのは「問いかた」で、自分が抱えている問題をどう言語化すればいいのか、 分からない人はたいていの場合これが分からないし、分からないものは、検索できない。 「問題」と「検索」との間に、誰か「人」に入ってもらうと、「何が問題なのか分からない」問題は、 しばしば検索可能な、解答可能な問題に置き換わる。 次世代の検索エンジンは、たぶん「ここではないどこか」みた
文と写真●山口真也 やまぐち・しんや● 本稿を作成するに当たって、台東区と荒川区の図書館関係者をはじめ、さまざまな方々にご協力を頂きました。 この場を借りて、改めてお礼申し上げます。どうも有り難うございました。 石浜図書館、根岸図書館、南千住図書館には、一時期、山谷労働者たちが多く集まった。 そこでは、閲覧室で酒を飲む、酔っぱらって糞尿を垂れ流すなどの迷惑行為が多発し、近隣住民からの苦情が寄せられた。図書館側は閲覧室を廃止するなど様々な対策を行い、その結果、山谷労働者の利用は徐々に減っていった。今では三館とも、近隣住民が快適に利用できる「正常な図書館」になっている。 しかし、山谷地区図書館の課題は、「正常な図書館」になること以外にもあるのではないだろうか。 三館の活動経緯と、大阪釜ヶ崎地区の図書館活動を比較しながら、山谷労働者と公共図書館のあり方を考えてみたい。 はじめに 「山谷」という名
図書館とホームレス問題の先行事例について - 火薬と鋼に書いたクライマー事件に関して、案外Webではちゃんと紹介しているところがないので概要を書いておこうと思う。 この問題に限った話ではないが、ブログやニュースで採り上げられる図書館関係の問題は、だいたい過去に似た事例があったり先行研究があったりする。特に図書館関係のブログ書いてる人間は、もっと文献を提示すべきだと思う。大学で先行研究をよく調べろと教わらなかったか?先人の蓄積を無駄にするな。 背景 1980年代、アメリカではレーガン政権下でホームレスの増加が問題となっていた。ホームレス支援法(McKinney–Vento Homeless Assistance Act - Wikipedia)もこの時代に生まれている。図書館界でもこうした状況を反映して公共図書館におけるホームレスを対象とした活動や研究が進むようになっていった。例えばSimm
現場を脇においたような意見が多くてゲンナリする。今に始まったことでもないが。 生存がかかっているホームレスの対応ってライブラリアンにできるの? できません。ライブラリアンは医療や福祉の専門家ではありません。行政の担当セクションに連絡通報した段階で、するべきことは尽きています。もちろん個人的に勉強して何がしかの知識を持っているスタッフがいる可能性はありますが、組織として期待するのは無理です。ましてや、カウンターパートは派遣などのいわゆる非正規雇用のスタッフが多く、手が回らないでしょう。 ありうる対応策としては、専門家が図書館に常駐もしくは高い頻度で巡回することでホームレスの保護に当たる、というあたりが限度でしょうか。図書館は、情報の案内は出来ても、人生の案内は出来ません。シェルターにもなれません。 図書館の目的外利用って追い出されるの? 館内が非常に混雑していたとき、携帯ゲーム機で遊んでいた
まぁこの辺のブログの問題ですね。http://d.hatena.ne.jp/Romance/20080830#p1 http://d.hatena.ne.jp/chnpk/20080831/1220163097 http://d.hatena.ne.jp/muffdiving/20080830/1220185777 http://d.hatena.ne.jp/machida77/20080831/p1 で、こんなコメントを書きました。 naoya_fujita 2008/08/31 20:45 えーと、ホームレスの方々のドヤになっている漫画喫茶で働いている僕からの意見ですが、大反対です。悪臭は暴力です。まず。病気も蔓延する。実際に。これは端的に身体的な暴力と同義です。 そして、ホームレスはかわいそうですが、図書館は「文化」のために、そして学習してよりよい世の中を最終的に作り出すための場だと
図書館にも女性専用席 ホームレス対策…「不公平」の声も 東京都内の図書館で、女性専用・優先席を設ける動きが広がっている。現在のところ、23区内220館のうち8館で実施。女性専用車両の痴漢対策というよりは、主な理由がホームレス対策だ。「安心して使える」「使いやすくなった」と歓迎する女性の声もあるが、男性からは「不公平だ」との声もある。(安岡一成) ■苦肉の策 台東区の中央図書館。今年4月からフロアの一角に設けられた「女性専用席」に女性が2人腰掛け、料理雑誌を読んでいた。周りの棚にはファッションや子育てなどの女性向け雑誌が並ぶ。いつも利用しているという主婦は(58)「ホームレスがいっぱいで利用しづらかったから、女性専用席は悲願だった。おかげで落ち着いて読めるようになった」と話す。 台東・荒川の両区には日雇い労働者やホームレスが多く滞在する通称・山谷(さんや)地区がまたがる。雨天や暑さ寒さが厳し
公共図書館とホームレス問題がブクマ等で盛り上がっていますが。 あるべき図書館(公共施設)とは - Arisanのノート http://d.hatena.ne.jp/kmizusawa/20080509/p2 図書館での不快な出来事と分煙 - 素通りできなかった時のために 公共図書館における「場所」と「機能」: 愚智提衡而立治之至也 図書館論議・補足 - Arisanのノート あと大昔にこんな記事も書いてた、自分。 ホームレスな人への図書館サービス - かたつむりは電子図書館の夢をみるか さて。 Arisanさんの最初のエントリにつけた自分のブクマコメント*1は正直言いすぎだったし誤読気味だと思うが、一方でG.C.Wさんの「炊き出しのような直接的なホームレス支援に乗り出すというのは本末転倒の謗りを免れない.」という話も(たとえそれが先読み・先回りの結果であったとしても)最初の問題提起からする
『産経』の記事なり; 図書館にも女性専用席 ホームレス対策…「不公平」の声も 8月30日9時25分配信 産経新聞 東京都内の図書館で、女性専用・優先席を設ける動きが広がっている。現在のところ、23区内220館のうち8館で実施。女性専用車両の痴漢対策というよりは、主な理由がホームレス対策だ。「安心して使える」「使いやすくなった」と歓迎する女性の声もあるが、男性からは「不公平だ」との声もある。(安岡一成) ■苦肉の策 台東区の中央図書館。今年4月からフロアの一角に設けられた「女性専用席」に女性が2人腰掛け、料理雑誌を読んでいた。周りの棚にはファッションや子育てなどの女性向け雑誌が並ぶ。 いつも利用しているという主婦は(58)「ホームレスがいっぱいで利用しづらかったから、女性専用席は悲願だった。おかげで落ち着いて読めるようになった」と話す。 台東・荒川の両区には日雇い労働者やホームレスが多く滞在
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080830-00000909-san-soci このニュースに関連して公共図書館のホームレス利用について、各ブログで話題になっている。 図書館がホームレス排除に苦心しているとかいう件についての私からの提案 - planet カラダン ここで女性専用席を設けてホームレス対策としているのが問題なのは全くid:Romanceさんの主張の通りだと私も思う。 関連して、ホームレスの図書館利用に制限を設けるかどうかという問題も議論となっている。 http://d.hatena.ne.jp/muffdiving/20080830/1220185777が分かりやすい。 この問題に関しては必然的に行政レベルのホームレス対策の話につながるが、図書館での対応に限定しても先行研究や事例が山のようにある。日本の図書館情報学ではまだこの分野の研
国立国会図書館が、1990年から閲覧可能だった「合衆国軍隊構成員等に対する刑事裁判権関係実務資料」なる資料を、法務省からの依頼を受け今年6月に閲覧禁止にした上でNDL-OPAC*1からもデータを削除したと報道され、波紋を起こしています。 関連ニュース・他の方によるエントリ てえへんだ、てえへんだ…国会図書館が裁判権放棄を裏付ける文書を急きょ閲覧禁止に! - 情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄 国会図書館の法務省資料/政府圧力で閲覧禁止/米兵犯罪への特権収録 米兵裁判権放棄に関する法務省文書の閲覧禁止について : 世界の片隅でニュースを読む http://blogs.yahoo.co.jp/siminkjp/14570426.html http://www.47news.jp/CN/200808/CN2008081101000935.html http://ryukyu
図書館入り口入ってすぐの所に「新書マップコーナー」を設置。ICタグを貼り付けた約3000冊の新書や選書をそろえた。ICタグリーダーを組み込んだ台の上に本を置くと、タグを読み取って書籍情報を取得し、独自の全文検索エンジン「想」に情報を入力する仕組みだ。本は1冊でも複数冊でも検索可能。複数置けば“OR検索”になる。 想は、大量のテキスト情報をマッチングして全文検索できるシステムで、ネットでも公開している(関連記事参照)。千代田図書館では、図書館の蔵書のほか新書のデータベース「新書マップ」、Wikipedia、近所の神保町古書店街の在庫情報「BookTownじんぼう」、毎日新聞のデータベース、世界大百科事典などからデータベースを選んで検索できる。 システムは、専用コーナーに12セット設置し、自由に利用できるようにした。“検索キー”として利用できる書籍は、今年度内に7000冊まで増やす計画だ。 図
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