島内の韓国展望所からは、晴れた日には、遠く釜山をはっきりと望むことができる。しかし、眼下には防衛の要、航空自衛隊海栗島分屯基地のレーダー施設が広がっている=上対馬 古事記や日本書紀にも登場する「対馬」(長崎県)。国境を背負い、古来、防衛の要衝だった“防人の島”が、韓国パワーに席巻されている。韓国からの観光ラッシュに続き、島の不動産が続々と韓国資本に買い占められている。リゾートホテルに民宿、釣り宿…。過疎化に悩む対馬自身が本土よりはるかに近い韓国に傾斜せざるを得ないという複雑な事情もあり、豊富な資金力を武器に買収はこれからも激しさを増すだろう。韓国人観光客のなかには、自国領土と本気で信じ込んでいる人すらいる。日本人が気づかない間に、対馬は、安全保障、主権国家としての領土保全にかかわる深刻な事態にさらされつつある。(編集委員 宮本雅史)自衛隊基地隣接地も 対馬空港に到着してまず耳にしたのは、島