3月19日、大阪・万博記念公園の「太陽の塔」の再生がなり、およそ半世紀ぶりに内部の一般公開が始まった。現在では「太陽の塔」は、万博のテーマ「進歩と調和」を体現するものだと思われている。だが製作者・岡本太郎の狙いはまったく逆だった。1年半にわたり再生プロジェクトを密着取材したNHKのプロデューサーが、太郎の真意を解説する――。 あれは「進歩と調和」ではなく「縄文の怪物」 3月19日、大阪・万博記念公園の「太陽の塔」の再生がなり、およそ半世紀ぶりに内部の一般公開が始まった。私たちは、1年半に及ぶ再生プロジェクトに密着取材した。この前代未聞の難しいプロジェクトの陣頭指揮をとったのが、岡本太郎記念館館長の平野暁臣さんだ。 「太陽の塔」が大阪万博の真ん中に立っている意味を知っているだろうか。 多くの人は実は誤解している。あれは科学技術と資本主義の祭典、万博のシンボルだ、または万博が掲げたテーマ「進歩