2013年の『スター・トレック イントゥ・ダークネス』で描かれたU.S.S.エンタープライズは、ワープ・ドライブによって銀河を高速移動する。(PHOTOGRAPH BY CBS, GETTY IMAGES) 映画『スター・トレック』の世界では、有名なワープ・ドライブ(ワープ航法)のおかげで、銀河系の横断がいとも簡単だ。このフィクションのテクノロジーを使えば、人類やその他の文明は何百年もかけることなく、わずか数日で恒星間を移動できる。(参考記事:「『スター・トレック』がつくった未来」) 現実世界では、そこまでの高速移動は不可能だ。なぜなら、宇宙の仕組みを説明するアインシュタインの特殊相対性理論によると、光速より速く移動するものは存在しないから。 現行のロケット推進システムはこの法則に縛られているものの、野心的なエンジニアや物理学者が数多く、スター・トレックの宇宙移動に少しでも近づくための概念