FIFAワールドカップの熱戦が繰り広げられている。開幕戦では、主催国ブラジルがクロアチアにまさかのオウンゴールから3‐1で逆転勝利。ブラジルのユニフォームで黄色く染まったスタジアムが嵐のような歓喜に沸いた。 国を歓喜に包む「国技」、サッカーのボールを模したわけではないが、ブラジルにはまあるいボールのような「国民的お菓子」がある。「ブリガデイロ」だ。コンデンスミルク、ココアパウダー、バターを混ぜ合わせボール状に形づくったチョコレート菓子で、表面にチョコレートスプレーをまぶすのがお約束。 ブリガデイロという名前は、空軍司令官(ブリガデイロ、准将の意味)だった20世紀のブラジルの政治家エドゥアルド・ゴメスにちなんだもの。1940年代に大統領選に出馬したゴメスの夫人がこのお菓子を発案、資金集めのパーティーで振る舞われたのだ。ゴメス氏は2度大統領選に打って出たが、いずれも落選。けれど、チョコレート菓