科学研究の世界を舞台に,科学情報や科学文献を対象にした新しい学際的な研究領域が生まれ,科学情報メディア論や科学コミュニケーション論が形成された。このようなものが科学界や研究活動の現状をとらえ,その発展に寄与できるとは,以前では考えられなかったであろう。また,この研究領域は論文の書き方から文献の検索,レビューやデータベースの重要性,さらに研究動向の分析や研究評価,発表倫理といった今日的テーマへと展開してきている。科学研究の世界で,科学情報や科学文献に焦点をあてた新しい学際的な研究領域が,1960年代に生まれ注目された。プライスの“Little Science, Big Science”により示された領域である。その後,科学情報メディア論や科学コミュニケーション論が1980年前後に本格的に形成された。ランカスター(Toward Paperless Information Systems, 19