千葉県柏市の住宅街で渡来敏明さん(59)と妻の礼子さん(59)が殺害され、近所の住宅が放火された事件で、警察官への公務執行妨害で逮捕された酒巻馨容疑者(77)が学生時代から〝トラブルメーカー〟だったことが明らかになった。
殺人事件が発生したのは18日夜。その直後に住宅8棟が全焼する火災が発生し、県警は目撃情報などから火元とみられる家に住む酒巻容疑者を放火の疑いで逮捕状をとって行方を追った。
翌19日、同県印西市で「不審な車がある」との通報があり、警察官が職務質問をしようとしたところ、警察官に向かって車を急発進させたため、公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕された。酒巻容疑者は下半身にやけどを負っており病院で治療を受けている。警察は酒巻容疑者が夫婦の殺人に関与している可能性があるとみて、調べを進めている。
酒巻容疑者は周囲に「渡来さんに渡した金を返してくれない」と話しており、夫婦との間に何らかの金銭トラブルがあったことが指摘されている。同容疑者はもともとトラブルメーカーとして知られ、近隣住民とのいさかいもあったようだ。
酒巻容疑者と同じ中学校の1学年下だったという男性も「(酒巻容疑者を)知る人はみんないいイメージはないと思うよ」と話す。酒巻容疑者は学生時代から素行が悪かったようで、この男性も20歳の時に同容疑者とトラブルになったという。
「車を貸してくれと言うので貸した。1日ぐらいで返してくれると思ったら1週間以上も返してくれなかった。当時は電話もなかったし連絡も取れなかったので、警察に相談しようかと思っていた時に黙って返されていた」。ところが「車の中に入れていた歌謡曲のカセットテープとかがなくなっててね。それ以来、関わるのはやめた」と苦々しい思い出を振り返った。
夫婦への殺害の関与を含め、なぜ自宅に火をつけたのかなど不審な点も多いだけに早期の全容解明が待たれる。