梶谷真司「邂逅の記録57:ハワイ大学との共同サマーセミナー(4) 鳥取編」
22日(木)の朝、私たちは鳥取で一番大きな禅寺である天徳寺に到着した。中島先生の大学院の中国哲学研究室の後輩であり、それ以来特別親しい関係にある宮川敬之禅師のお寺である。宮川家は代々永平寺で要職を務めてきたが、敬之さんは、東大で中国哲学を学んだ、ある意味異端の禅僧である。西洋哲学にも通じておられ、東西の哲学的言語によって禅を思想と実践の両面から語ることのできる稀有な人である。UTCPにとっては、永平寺での研修が「体験」であり、哲学のセミナーとしては、むしろこの天徳寺での2日間がメインであった。今年のテーマが「哲学の実践(Practicing Philosophy)」であることを考えれば、このサマーセミナーの最後を飾るには、これ以上ふさわしい場所はないだろう。 |