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JP7131395B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、大幅なタイヤ重量の増加を伴わずに、ピンチカットに対する耐久性を改善することを可能にした空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤが十分に舗装されていない道路で使用される場合、外傷に対する耐久性がタイヤ性能の一つの指標となる。より具体的には、縁石やポットホールなどの路面の段差を乗り越える際、タイヤサイド部が押し上げられて路面の突起物とリムフランジとの間に挟まれることによってカーカス層が破断する、所謂、ピンチカットに対する耐久性が求められている。
これに対して、サイドウォ-ル部に補強層を配置することや、ゴムゲ-ジを厚すること行われてきたが、タイヤのサイド剛性が過度に高くなることや、タイヤ重量が嵩み過ぎることから、近年では、サイドウォール部の外壁にタイヤ周方向に対して直交する方向に延びる複数の帯状の突起をタイヤ周方向に対して所定の間隔を隔てて形成し、この突起により外部の障害物からの損傷を防ぐことが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、このようなタイヤ構造では、サイドウォール部に突起を設けることによってゴム量が増加する傾向があるので、それに伴ってタイヤ重量が増加するという問題がある。また、タイヤの転がり抵抗を低減するためにタイヤの軽量化が求められているが、上述したタイヤ構造は軽量化に対して不利である。
特開2009-279954号公報
本発明の目的は、大幅なタイヤ重量の増加を伴わずに、ピンチカットに対する耐久性を改善することを可能にした空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、これら一対のビード部間に複数本のカーカスコードをラジアル方向に配列してなる少なくとも1層のカーカス層が装架された空気入りタイヤにおいて、前記トレッド部におけるトレッド展開幅TDWとタイヤ最大幅SWとが0.70≦TDW/SW≦0.75の関係を満たし、
タイヤ子午線断面で、前記サイドウォール部の外表面をなすプロファイルラインが互いに異なる曲率半径を有する少なくとも3つの円弧から構成され、前記トレッド展開幅TDWの終点を点P1とし、前記サイドウォール部の外表面上におけるトレッドパターンの終点を点P2としたとき、前記プロファイルラインにおいて、前記点P1から前記点P2までの円弧の曲率半径R1と、前記点P2からタイヤ最大幅位置までの円弧の曲率半径R2と、タイヤ最大幅位置からタイヤ径方向内側の部位をなす円弧の曲率半径R3とがR1>R2>R3の関係を満たし、前記ビード部のビードヒールからタイヤ最大幅位置までのタイヤ径方向の高さSDHとタイヤ断面高さSHとが0.47≦SDH/SH≦0.50の関係を満たすことを特徴とするものである。
本発明では、トレッド部におけるトレッド展開幅TDWとタイヤ最大幅SWとは0.70≦TDW/SW≦0.75の関係を満たしているので、従来の空気入りタイヤに比べて、柔軟性に優れたフレックスゾーン(サイドウォール部の撓み領域)におけるペリフェリを増加させることができるため、最大撓み量を増加させることできる。また、サイドウォール部の外表面をなすプロファイルラインは互いに異なる曲率半径を有する少なくとも3つの円弧から構成され、このプロファイルラインにおいて、点P1から点P2までの円弧の曲率半径R1と、点P2からタイヤ最大幅位置までの円弧の曲率半径R2と、タイヤ最大幅位置からタイヤ径方向内側の部位をなす円弧の曲率半径R3とはR1>R2>R3の関係を満たしているので、タイヤ構造を変化させることなく、高荷重時における縦バネを向上させることができる。更に、ビード部のビードヒールからタイヤ最大幅位置までのタイヤ径方向の高さSDHとタイヤ断面高さSHとは0.47≦SDH/SH≦0.50の関係を満たしているので、タイヤ構造を変化させることなく、縦バネをより一層向上させることができる。このように本発明に係る空気入りタイヤの構造によれば、大幅なタイヤ重量の増加を伴わずに、ピンチカットに対する耐久性を改善することが可能である。
本発明では、タイヤ最大外径位置から点P2までのタイヤ径方向の距離Lとタイヤ断面高さSHとは0.17≦L/SH≦0.27の関係を満たすことが好ましい。これにより、ピンチカットに対する耐久性を効果的に改善することができる。
本発明では、ビード部における各ビードコアの外周側にビードフィラーが配置され、ビード部のビードヒールからビードフィラーのタイヤ径方向外端までのタイヤ径方向の高さBHとタイヤ断面高さSHとは0.18≦BH/SH≦0.30の関係を満たすことが好ましい。これにより、タイヤ重量を増加させることなく、ピンチカットに対する耐久性を効果的に改善することができる。
本発明では、カーカス層は各ビード部のビードコアの廻りにタイヤ内側から外側へ巻き上げられ、トレッド部でタイヤ径方向最内側に位置するカーカス層の端末は曲率半径R2に対応するタイヤ内部の領域内に配置されていることが好ましい。これにより、ピンチカットに対する耐久性を効果的に改善することができる。
本発明における各寸法は、タイヤを正規リムにリム組みして正規内圧を充填した状態で測定される。「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えば、JATMAであれば標準リム、TRAであれば“Design Rim”、或いはETRTOであれば“Measuring Rim”とする。「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表“TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“INFLATION PRESSURE”である。
本発明の実施形態からなる空気入りタイヤの一例を示す子午線半断面図である。 図1の空気入りタイヤの一部を拡大して示す断面図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1及び図2は本発明の実施形態からなる空気入りタイヤの一例を示すものである。
図1に示すように、本実施形態の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、トレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2と、これらサイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3とを備えている。図1では、タイヤ中心線CLを境とするタイヤ幅方向の一方側の半断面のみが描写されているが、この空気入りタイヤはタイヤ中心線CLの両側で対称的な構造を有している。勿論、非対称的な構造を採用することも可能である。
一対のビード部3間には、複数本のカーカスコードをラジアル方向に配列してなる少なくとも1層のカーカス層4が装架されている。このカーカス層4の各端部は、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側に巻き上げられている。各ビードコア5のタイヤ外周側には、ゴムからなる断面三角形状のビードフィラー6が配置されている。図1において、カーカス層4は、トレッド部1においてタイヤ径方向内側に位置するカーカス層4Aと、タイヤ径方向外側に位置するカーカス層4Bの2層構造を有している。カーカス層4Aの端末4Aeはタイヤ最大幅位置T1よりもタイヤ径方向外側に配置され、カーカス層4Bの端末4Beはビードフィラー6の中腹に配置されている。
トレッド部1におけるカーカス層4のタイヤ外周側には、複数層(図1では2層)のベルト層7が埋設されている。ベルト層7は、タイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。ベルト層7の補強コードとしては、スチールコードが好ましく使用される。ベルト層7のタイヤ外周側には、高速耐久性の向上を目的として、タイヤ周方向にする対して5°以下の角度で配列してなる少なくとも1層(図1では2層)のベルトカバー層8が配置されている。図1において、タイヤ径方向内側に位置するベルトカバー層8はベルト層7の全幅を覆うフルカバーを構成し、タイヤ径方向外側に位置するベルトカバー層8はベルト層7の端部のみを覆うエッジカバー層を構成している。ベルトカバー層8の補強コードとしては、ナイロンやアラミド等の有機繊維コードが好ましく使用される。
なお、上述したタイヤ内部構造は空気入りタイヤにおける代表的な例を示すものであるが、これに限定されるものではない。
上記空気入りタイヤにおいて、プロファイルラインPLは、タイヤ子午線断面でサイドウォール部2の外表面を形成する輪郭線である。このプロファイルラインPLは、少なくとも3つの円弧Cを有している。これら円弧Cは、互いに異なる曲率半径Rを有しており、いずれもタイヤ径方向内側に中心を持つ円弧である。図1に示すプロファイルラインPLは3つの円弧C1~C3から構成されている。なお、プロファイルラインPLは、複数の円弧Cを互いに滑らかに連結した複合円弧であり、サイドウォール部2の外表面上に形成された凸部又は凹部を含まない。
トレッド展開幅TDWは、タイヤ子午線断面において、トレッド部1の外表面をなす円弧であって最もサイドウォール部2側に位置する円弧C0の延長線と、プロファイルラインPLをなす円弧C1~C3のうち最もトレッド部1側に位置する円弧C1の延長線との交点を点P1としたとき、トレッド部1の踏面の輪郭に沿って測定される両側の点P1間の距離である。このとき、トレッド部1におけるトレッド展開幅TDWとタイヤ最大幅SWとは0.70≦TDW/SW≦0.75の関係を満たしている。また、ビード部3のビードヒール3eからタイヤ最大幅位置T1までのタイヤ径方向の高さSDHとタイヤ断面高さSHとは0.47≦SDH/SH≦0.50の関係を満たしている。
上述した点P1は、言い換えれば、トレッド展開幅TDWの終点(トレッド端)である。また、点P2は、サイドウォール部2の外表面上におけるトレッドパターンの終点(パターンエンド)である。プロファイルラインPLにおいて、点P1から点P2までの円弧C1の曲率半径R1と、点P2からタイヤ最大幅位置T1までの円弧C2の曲率半径R2と、タイヤ最大幅位置T1からタイヤ径方向内側の部位をなす円弧C3の曲率半径R3とはR1>R2>R3の関係を満たしている。特に、曲率半径R2に対する曲率半径R1の比R1/R2は1.05~1.40の範囲であり、曲率半径R3に対する曲率半径R2の比R2/R3は1.01~1.10の範囲であることが好ましい。更に、曲率半径R1は100mm~120mmの範囲であることがより好ましい。
なお、点P2は、タイヤ上でトレッドパターンのパターンエンドであるが、タイヤ金型においては、トレッド部1を成形するためのセクターとサイドウォール部2を成形するためのサイドプレートとの割り位置に相当する。また、円弧C3におけるタイヤ径方向内側の端部は、タイヤ金型において、サイドウォール部2を成形するためのサイドプレートとビード部3を成形するためのビードリングとの割り位置に相当する。
上述した空気入りタイヤでは、トレッド部1におけるトレッド展開幅TDWとタイヤ最大幅SWとは0.70≦TDW/SW≦0.75の関係を満たしているので、従来の空気入りタイヤに比べて、柔軟性に優れたフレックスゾーン(サイドウォール部2の撓み領域)におけるペリフェリを増加させることができるため、最大撓み量を増加させることできる。また、サイドウォール部2の外表面をなすプロファイルラインPLは互いに異なる曲率半径R1~R3を有する少なくとも3つの円弧C1~C3から構成され、このプロファイルラインPLにおいて、点P1から点P2までの円弧C1の曲率半径R1と、点P2からタイヤ最大幅位置T1までの円弧C2の曲率半径R2と、タイヤ最大幅位置T1からタイヤ径方向内側の部位をなす円弧C3の曲率半径R3とはR1>R2>R3の関係を満たしているので、タイヤ構造を変化させることなく、高荷重時における縦バネを向上させることができる。更に、ビードヒール3eからタイヤ最大幅位置T1までのタイヤ径方向の高さSDHとタイヤ断面高さSHとは0.47≦SDH/SH≦0.50の関係を満たしているので、タイヤ構造を変化させることなく、縦バネをより一層向上させることができる。このように本発明に係る空気入りタイヤの構造によれば、大幅なタイヤ重量の増加を伴わずに、ピンチカットに対する耐久性を改善することが可能である。
特に、図1に示す実施形態の場合、サイドウォール部2の外表面をなすプロファイルラインPLは3つの円弧C1~C3から構成されていることで、上述した効果を得ながら、プロファイルラインPLを最小の円弧数で構成することができるため、生産性の観点で有利である。また、カーカス層4が2層で構成されていることで、タイヤの耐久性を向上させることができるため、過酷地における舗装が十分でない道路での使用に好適である。
ここで、トレッド展開幅TDWのタイヤ最大幅SWに対する比TDW/SWは、0.70より小さいとフレックスゾーンにおけるペリフェリを増加させることができるもののトレッド展開幅TDWが過度に狭くなるため好ましくなく、逆に0.75より大きいとフレックスゾーンにおける最大撓み量が減少し、ピンチカットに対する耐久性を十分に確保することができない。また、高さSDHのタイヤ断面高さSHに対する比SDH/SHは、0.47より小さいと円弧C2の長さが過度に長くなって縦バネを適度に向上させることができず、0.50より大きいと円弧C2の長さを十分に確保することができず、縦バネが低下する傾向がある。
上記空気入りタイヤにおいて、タイヤ最大外径位置T2から点P2までのタイヤ径方向の距離を距離Lとする(図1参照)。このとき、距離Lとタイヤ断面高さSHとは0.17≦L/SH≦0.27の関係を満たすことが好ましい。このようにタイヤ断面高さSHに対する距離Lの比L/SHを適度に設定することで、ピンチカットに対する耐久性を効果的に改善することができる。ここで、タイヤ断面高さSHに対する距離Lの比L/SHが、0.17より小さいとベルト層7の端部とトレッド部1を構成するトレッドゴム層の端部とのタイヤ径方向の距離を十分に確保することができないため、製造上、好ましくなく、逆に0.27より大きいとトレッドゴム層の体積の増加により転がり抵抗が悪化する傾向がある。
また、ビード部3のビードヒール3eからビードフィラー6のタイヤ径方向外端6eまでのタイヤ径方向の高さを高さBHとする(図1参照)。このとき、高さBHとタイヤ断面高さSHとは0.18≦BH/SH≦0.30の関係を満たすことが好ましい。このように高さBHとタイヤ断面高さSHに対する高さBHの比BH/SHを適度に設定することで、タイヤ重量を増加させることなく、ピンチカットに対する耐久性を効果的に改善することができる。ここで、タイヤ断面高さSHに対する高さBHの比BH/SHが、0.18より小さいと高荷重時における縦バネの改善効果を十分に得ることができず、逆に0.30より大きいとタイヤ重量が増加するため好ましくない。
更に、トレッド部1でタイヤ径方向最内側に位置するカーカス層4の端末4eは、曲率半径R2に対応するタイヤ内部の領域内に配置されていることが好ましい。この曲率半径R2に対応するタイヤ内部の領域は、タイヤ子午線断面において、プロファイルラインPLをなす円弧C2と、その円弧C2の両端部の各々からタイヤ内面に対して引いた垂線と、タイヤ内面とによって囲まれる領域(図2に示す斜線部の領域)である。図2において、カーカス層4Aの端末4Aeが上記領域に配置されている。このようにカーカス層4の端末4eを配置することで、ピンチカットに対する耐久性を効果的に改善することができる。ここで、カーカス層4の端末4eが上記領域を超えてタイヤ径方向外側に配置されている場合、タイヤ重量が増加するため好ましくなく、逆にカーカス層4の端末4eが上記領域に到達せずに上記領域よりタイヤ径方向内側に配置されている場合、高荷重時における縦バネの改善効果を十分に得ることができない。
上述した説明では、サイドウォール部2の外表面をなすプロファイルラインPLが3つの円弧C1~C3から構成された空気入りタイヤを示したが、これに限定されるものではなく、プロファイルラインPLを4つ以上の円弧C1~Cn(nが4以上)から構成することもできる。例えば、プロファイルラインPLが4つの円弧C1~C4からなる場合、点P1,2及び円弧C1,2は上述した説明と同様に定義すると共に、新たに、ビードフィラー6のタイヤ径方向外端6eと同じ高さに位置するプロファイルラインPL上の点を点P3と定義する。この場合、プロファイルラインPLは、円弧C1と、円弧C2と、タイヤ最大幅位置T1から点P3までの円弧C3と、点P3からタイヤ径方向内側の部位をなす円弧C4とを含む複合円弧である。このようにプロファイルラインPLが4つ以上の円弧C1~Cnから構成される場合、円弧C1~Cnの曲率半径R1~Rnは曲率半径R1を最大として順次小さくなるように構成される。
タイヤサイズ205/65R16で、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、これら一対のビード部間に少なくとも1層のカーカス層が装架された空気入りタイヤにおいて、タイヤ最大幅SWに対するトレッド展開幅TDWの比(TDW/SW)、曲率半径R1、曲率半径R2、曲率半径R3、タイヤ断面高さSHに対する高さSDHの比(SDH/SH)、タイヤ断面高さSHに対する距離Lの比(L/SH)、タイヤ断面高さSHに対する高さBHの比(BH/SH)、カーカス層の端末の位置を表1のように設定した従来例、比較例1,2及び実施例1~6のタイヤを製作した。
なお、表1において、カーカス層の端末の位置が「領域内」の場合、カーカス層の端末が曲率半径R2に対応するタイヤ内部の領域内に配置されていることを意味し、カーカス層の端末の位置が「領域外」の場合、カーカス層の端末が上記領域に到達せずに上記領域よりタイヤ径方向内側に配置されていることを意味する。
これら試験タイヤについて、下記試験方法により、ピンチカットに対する耐久性及び転がり抵抗を評価し、その結果を表1に併せて示した。
ピンチカットに対する耐久性:
各試験タイヤをそれぞれリムサイズ16×6Jのホイールに組み付けて、空気圧230kPaの条件で走行試験を実施し、縁石に乗り上げてタイヤがバーストする速度を測定した。評価結果は、従来例を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど、耐久性が優れていることを意味する。
転がり抵抗:
各試験タイヤをそれぞれリムサイズ16×6Jホイールに組み付けて、ISO25280に準拠して、空気圧230kPaの条件で、ドラム試験機を用いて転がり抵抗を測定した。評価結果は、従来例を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど転がり抵抗が優れていることを意味する。
Figure 0007131395000001
この表1から判るように、実施例1~6の空気入りタイヤは、従来例に比して、ピンチカットに対する耐久性及び転がり抵抗が改善されていた。
一方、比較例1,2は、いずれも曲率半径R1~R3が本発明で規定する関係式を満たしていないので、ピンチカットに対する耐久性及び転がり抵抗の改善効果が十分でなかった。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
C 円弧
R 曲率半径
CL タイヤ中心線
T1 タイヤ最大幅位置
T2 タイヤ最大外径位置
PL プロファイルライン

Claims (4)

  1. タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、これら一対のビード部間に複数本のカーカスコードをラジアル方向に配列してなる少なくとも1層のカーカス層が装架された空気入りタイヤにおいて、
    前記トレッド部におけるトレッド展開幅TDWとタイヤ最大幅SWとが0.70≦TDW/SW≦0.75の関係を満たし、
    タイヤ子午線断面で、前記サイドウォール部の外表面をなすプロファイルラインが互いに異なる曲率半径を有する少なくとも3つの円弧から構成され、前記トレッド展開幅TDWの終点を点P1とし、前記サイドウォール部の外表面上におけるトレッドパターンの終点を点P2としたとき、前記プロファイルラインにおいて、前記点P1から前記点P2までの円弧の曲率半径R1と、前記点P2からタイヤ最大幅位置までの円弧の曲率半径R2と、タイヤ最大幅位置からタイヤ径方向内側の部位をなす円弧の曲率半径R3とがR1>R2>R3の関係を満たし、
    前記ビード部のビードヒールからタイヤ最大幅位置までのタイヤ径方向の高さSDHとタイヤ断面高さSHとが0.47≦SDH/SH≦0.50の関係を満たすことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. タイヤ最大外径位置から前記点P2までのタイヤ径方向の距離Lとタイヤ断面高さSHとが0.17≦L/SH≦0.27の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ビード部における各ビードコアの外周側にビードフィラーが配置され、前記ビード部のビードヒールから前記ビードフィラーのタイヤ径方向外端までのタイヤ径方向の高さBHとタイヤ断面高さSHとが0.18≦BH/SH≦0.30の関係を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記カーカス層が各ビード部のビードコアの廻りにタイヤ内側から外側へ巻き上げられ、前記トレッド部でタイヤ径方向最内側に位置するカーカス層の端末が前記曲率半径R2に対応するタイヤ内部の領域内に配置されていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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