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JP2013095287A - 乗用車用空気入りタイヤ - Google Patents

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JP2013095287A
JP2013095287A JP2011240259A JP2011240259A JP2013095287A JP 2013095287 A JP2013095287 A JP 2013095287A JP 2011240259 A JP2011240259 A JP 2011240259A JP 2011240259 A JP2011240259 A JP 2011240259A JP 2013095287 A JP2013095287 A JP 2013095287A
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curvature
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thickness
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JP2011240259A
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Inventor
Soichi Takahashi
聡一 高橋
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Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C13/00Tyre sidewalls; Protecting, decorating, marking, or the like, thereof
    • B60C2013/005Physical properties of the sidewall rubber
    • B60C2013/007Thickness

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  • Tires In General (AREA)

Abstract

【課題】タイヤの軽量化を図りつつ、高い操縦安定性を維持する。
【解決手段】タイヤ子午線断面において、タイヤ最大幅位置Mがタイヤ断面高さHの50±3%の範囲にあり、バットレス部18とサイドウォール部14とビード部12の厚みD1,D2,D3が、D1/D2=1.2〜2.0かつD3/D1=1.2〜2.0の関係を満たし、更に、サイドウォール部14におけるタイヤ外面プロファイルが、最大幅位置Mよりもタイヤ半径方向外側に位置する曲率半径R1の第1円弧40と、最大幅位置Mよりもタイヤ半径方向内側に位置する曲率半径R2の第2円弧42と、そのタイヤ半径方向内側に位置する曲率半径R3の第3円弧44を備えて、これら3つの円弧を滑らかに繋いでなり、かつこれら曲率半径がR2>R1>R3の関係を満たす。
【選択図】図1

Description

本発明は、乗用車用空気入りタイヤに関するものである。
近年、空気入りタイヤにおいても低燃費性が強く求められるようになっており、タイヤの低燃費性を向上するために、タイヤの軽量化が行われている。このような軽量化は、タイヤを構成する各ゴム部の厚さを薄くし、また、タイヤを構成するプライの数を減らすことにより行うことができる。その中でも、低燃費性を考慮に入れた場合、トレッド部とサイドウォール部の間に位置するバットレス部を薄くするのが効果的である。
しかしながら、このようなタイヤの軽量化は、低燃費性をもたらし得る反面、タイヤの剛性やコーナリングパワーの低下を伴うという問題がある。
また、従来の乗用車用空気入りタイヤにおいては、タイヤ最大幅位置よりも下側におけるサイドウォール部の外面プロファイルが、曲率半径を一定とした円弧状に形成されるか、又は当該単一の円弧に外側に突出する断面山形のリムプロテクターを備えた態様が一般的である。このような従来の外面プロファイルにおいて、低燃費化のためにバットレス部の厚みを薄くすると、操縦安定性が悪化するという問題がある。そのため、タイヤの軽量化を図りつつ、高い操縦安定性を維持することが求められる。
ところで、下記特許文献1には、転がり抵抗を低減するために、サイドウォール部におけるタイヤ最大幅位置よりも下方領域に、サイドウォール部の折れ曲がりを容易とするための外凸の折れ曲がり部を形成する突出域を設ける構成が開示されている。しかしながら、この文献では、最大幅位置よりも下側の形状のみに着目しており、最大幅位置よりも上側の形状については言及されていない。また、サイドウォール部の折れ曲がりを容易にすることでタイヤの転がり抵抗を低減するものであり、バットレス部の厚みを低減することによる軽量化についても、また、操縦安定性の向上効果についても開示されていない。
下記特許文献2には、操縦性を低下させることなく、軽量化を図るために、サイドウォール部の形状を下脹れにすることが開示されているが、カーカスを1層にして軽量化を図りつつ十分な剛性を得るために、タイヤ最大幅位置をタイヤ半径方向内方側に偏倚させるものであり、本発明の特徴を示唆するものではない。
一方、下記特許文献3〜5には、サイドウォール部における外面のプロファイルや、カーカスの断面形状を規定する発明が開示されているが、いずれもトラックやバス用のタイヤにおける耐久性を向上するためのものであり、乗用車用空気入りタイヤに係る本発明の特徴を示唆するものではない。
特開2003−136919号公報 特開平7−276928号公報 特開平8−127204号公報 特開平8−108712号公報 特開平1−094001号公報
上記従来の外面プロファイルにおいて、低燃費化のためにバットレス部の厚みを薄くした場合に、操縦安定性が悪化するという要因について検討したところ、ビード部周りのゴム厚みが、バットレス部やサイドウォール部のゴム厚みよりも厚くなることにより、タイヤの内面形状において、タイヤ最大幅位置よりも下側の曲率半径が、上側の曲率半径に対して小さくなる傾向にあることが判明した。
詳細には、図2に示す比較例に係る乗用車用空気入りタイヤでは、軽量化のため、ビード部101の厚みD3に対してバットレス部102の厚みD1が薄く設定され、かつ、バットレス部102の厚みD1に対してサイドウォール部104の最大幅位置Mでの厚みD2が薄く設定されている。また、サイドウォール部104におけるタイヤ外面プロファイルは、最大幅位置Mよりも上側(即ち、タイヤ半径方向外側)の曲率半径R1と下側(即ち、タイヤ半径方向内側)の曲率半径R2とが同一であり、単一の円弧106で形成されている。このように外面が単一の円弧106で形成されていると、ビード部101周りの厚みD3が大きい分、タイヤの内面形状において、最大幅位置Mよりも上側の円弧の曲率半径r1に対して、下側の円弧の曲率半径r2が小さくなる(r1>r2)。なお、図2では、最大幅位置Mよりも下側において、上側と同じ曲率半径r1でそのままタイヤ内面が延長されたと仮定した場合の仮想線を点線Xで示している。タイヤの内面形状は、カーカス110の断面形状と概ね一致するので、このようにタイヤ内面形状がサイドウォール部104において2つの円弧により形成されると、カーカス110の断面形状もこの部分で2つの円弧で形成されることになる。
このようにカーカス110の断面形状が、タイヤ最大幅位置Mの近傍で2つの円弧により形成され、即ち単一の円弧で形成されていないと、タイヤの内圧充填時にタイヤ全体におけるカーカス110の張力が不均一になり、このことが操縦安定性の悪化につながる要因であることが判明した。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、タイヤの軽量化を図りつつ、高い操縦安定性を維持することができる乗用車用空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明に係る乗用車用空気入りタイヤは、トレッド部からバットレス部及びサイドウォール部を経てビード部にて係止されたカーカスと、前記トレッド部において前記カーカスの外側に配されたベルトを備える乗用車用空気入りタイヤであって、タイヤの子午線断面において、タイヤ最大幅位置がタイヤ断面高さの50±3%の範囲にあり、タイヤ最大幅位置からタイヤ最大径点までの垂直高さの1/2の高さにおけるタイヤ外面の位置からのタイヤ厚みであるバッドレス部の厚みD1と、タイヤ最大幅位置でのタイヤ厚みであるサイドウォール部の厚みD2と、リムライン上でのタイヤ外面からのタイヤ厚みであるビード部の厚みD3との関係が、D1/D2=1.2〜2.0かつD3/D1=1.2〜2.0の関係を満たすものである。また、前記サイドウォール部におけるタイヤ外面プロファイルが、タイヤ内腔に中心を持つ曲率半径R1を有して前記タイヤ最大幅位置よりもタイヤ半径方向外側に延びる第1円弧と、タイヤ内腔に中心を持つ曲率半径R2を有して前記タイヤ最大幅位置よりもタイヤ半径方向内側に延びる第2円弧と、タイヤ内腔に中心を持つ曲率半径R3を有して前記第2円弧のタイヤ半径方向内側に位置する第3円弧とを備えて、これら3つの円弧を滑らかに繋いでなり、前記曲率半径R1、R2及びR3が、R2>R1>R3の関係を満たすものである。
本発明によれば、タイヤ最大幅位置がタイヤ断面高さの50±3%の範囲にある乗用車用空気入りタイヤにおいて、バットレス部の厚みD1とサイドウォール部の厚みD2とビード部の厚みD3を上記所定の関係を満たすようにしたことにより、ビード部の剛性を維持しながら、バットレス部が薄肉化されて軽量化を図ることができる。また、このような寸法関係の下、タイヤ最大幅位置よりも下側(即ち、タイヤ半径方向内側)における外面プロファイルを、R2及びR3の2段階の曲率半径に設定し、上側(即ち、タイヤ半径方向外側)の曲率半径R1との関係をR2>R1>R3としたことにより、タイヤの内面形状において、最大幅位置Mよりも下側の曲率半径を大きくして、最大幅位置付近のタイヤ内面形状を単一の曲率半径を持つ形状に近づけることができる。このようにタイヤ内面形状を均一化することができるので、カーカス張力を均一化することができ、そのため、軽量で剛性の低いタイヤであっても、操縦安定性を向上することができる。
実施形態に係る乗用車用空気入りタイヤの右側断面図である。 従来例に係る乗用車用空気入りタイヤの右側断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る乗用車用空気入りタイヤ10の構造を、タイヤ軸を含む子午線断面で切断した右側半断面図である。ここでは、左右対称のタイヤであるため、左側半分は図示を省略している。
図1の空気入りタイヤ10は、左右一対のビード部12と、ビード部12から半径方向外方に延びる左右一対のサイドウォール部14と、接地面を構成するトレッド部16と、トレッド部16の幅方向両側でサイドウォール部14との間を繋ぐ左右一対のバットレス部18とを備えてなる。ここで、バットレス部18は、トレッド部16とサイドウォール部14との間に設けられて、通常走行時には接地しない部分である。
空気入りタイヤ10は、一対のビード部12間にまたがって延びるカーカス20を備える。カーカス20は、トレッド部16からバットレス部18及びサイドウォール部14を経て、ビード部12に埋設された環状のビードコア22にて係止されており、上記各部12,14,16,18を補強する。カーカス20の両端部は、この例では、ビードコア22の周りを内側から外側に折り返すことにより係止されており、従って、両端部に折返し部20Aを備えている。
カーカス20は、カーカスコードをタイヤ周方向に対して70〜90度の角度で配列した、少なくとも1枚のカーカスプライからなり、この例では1枚のカーカスプライで形成されている。カーカスコードとしては、例えば、レーヨン、アラミド、ポリエステル等の有機繊維コードが好ましく用いられる。カーカス20は、タイヤ内面に沿って配設されており、カーカス20の内面側には、耐空気透過ゴム層としてインナーライナー層24が設けられている。
トレッド部16におけるカーカス20の外側にはベルト26が配設されている。すなわち、ベルト26は、トレッド部16においてカーカス20とトレッドゴム28との間に設けられている。ベルト26は、ベルトコードをタイヤ周方向に対して10〜35度の角度で配列した、少なくとも2枚のベルトプライからなり、この例では2枚のベルトプライ26A,26Bで形成されている。ベルトコードとしては、スチールコードや高張力を有する有機繊維コードが用いられる。
ベルト26の外周には、キャッププライやエッジプライと称される有機繊維コードよりなる補強層30が配されている。補強層30はタイヤ周方向に対して0〜10°の角度のコード配列よりなる。
サイドウォール部14においてカーカス20のタイヤ外面側にはサイドウォールゴム32が設けられている。この例では、サイドウォールゴム32のタイヤ半径方向外側端部とトレッドゴム28の幅方向両端部が、バットレス部18において接合されており、該接合部におけるタイヤ外面側にウィングゴム34が設けられている。一方、ビード部12において、ビードコア22の外周側には、カーカス20とその折返し部20Aとの間に、タイヤ半径方向外側に向かって先細状に延びるビードフィラー36が配されている。また、折返し部20Aのタイヤ外面側にはリムストリップ38が配されて、ビード部12におけるタイヤ外面を構成している。
本実施形態に係る空気入りタイヤ10では、図1に示す子午線断面において、タイヤ外面のプロファイル及び厚みが以下のように設定されている。ここで、図1に示す子午線断面は、空気入りタイヤ10をリム組みしていない状態(従って、当然に内圧は充填されていない)での断面である。リム組みしていない状態での断面形状は、空気入りタイヤを加硫成形する際のモールド形状と同一視できるものであり、従って、以下に述べるタイヤ外面のプロファイル及び厚みの設定は、そのままモールド形状における設定としても適用できる。
(1)タイヤ最大幅位置Mが、タイヤ断面高さHの50±3%の範囲に設定されている。この範囲にする事で、タイヤ内面形状において、タイヤ最大断面幅位置Mを境とした上側の円弧の曲率半径r1と下側の円弧の曲率半径r2との曲率半径を均一化しやすくなる。本実施形態に係る空気入りタイヤ10は、このように、タイヤ最大幅位置Mが、タイヤ断面高さHに対して、ビードヒールBから略1/2の高さにあることを前提とするものである。
ここで、タイヤ最大幅位置Mは、タイヤ外面がタイヤ軸方向においてタイヤ中心線Cから最も離れた位置である。また、タイヤ断面高さHは、ビードヒールBからタイヤ最大径点Aまでの垂直高さであり、ビードヒールBを通りタイヤ軸と平行な直線Fからタイヤ最大径点Aに向けて垂直に測る高さである。ビードヒールBとは、タイヤが組み付けられるリムのビードシート及びリムフランジにそれぞれ接触するビード部内周面と外側面の各延長線の交点を点Eとして、該点Eを通りタイヤ軸に平行な直線Fとタイヤ表面との交点である。また、タイヤ最大径点Aは、タイヤ外面がタイヤ高さ方向においてタイヤ軸から最も離れた位置であり、通常はトレッド表面における幅方向中心、即ちタイヤ中心線C上の点である。
(2)バットレス部18の厚みをD1、サイドウォール部14の厚みをD2、ビード部12の厚みをD3としたとき、D1/D2=1.2〜2.0かつD3/D1=1.2〜2.0の関係を満たすように設定されている。
ここで、バットレス部18の厚みD1は、タイヤ最大幅位置Mからタイヤ最大径点Aまでの垂直高さH1の1/2の高さ(H1/2)におけるタイヤ外面の位置をPとしたとき、該位置Pからタイヤ内面に向かって最短距離として測定されるタイヤ厚みである。サイドウォール部14の厚みD2は、タイヤ最大幅位置Mでのタイヤ厚みであり、即ち、タイヤ最大幅位置Mからタイヤ内面に向かって最短距離として測定されるタイヤ厚みである。ビード部12の厚みD3は、リムラインQ上でのタイヤ外面からのタイヤ厚みであり、即ち、リムラインQが通るタイヤ外面の位置からタイヤ内面に向かって最短距離として測定されるタイヤ厚みである。リムラインQは、ビード部12表面に設けられた環状のラインであり、タイヤをリムに組んだときにリムフランジの若干タイヤ半径方向外側に位置して、タイヤとリムとが同心円状態で組まれているかを否かチェックするために設けられている。ビード部にリムプロテクターが設けられている場合、該リムプロテクターの頂点がリムラインに相当することもある。
上記のようにD1/D2は1.2〜2.0に設定されるが、これは、D1/D2が1.2未満であると、バットレス部18が薄すぎて、タイヤの剛性を確保することが難しくなるからである。逆に、D1/D2が2.0を超えると、バットレス部18が厚すぎて、軽量化による低燃費性の向上効果が得られないからである。D1/D2は、より好ましくは1.3〜1.8である。
上記のようにD3/D1は1.2〜2.0に設定されるが、これは、D3/D1が1.2未満では、バットレス部18が厚すぎて、軽量化による低燃費性の向上効果が得られないからである。また、この場合、タイヤ内面形状においてタイヤ最大幅位置Mよりも上側(即ち、タイヤ半径方向外側)での曲率半径r1が下側(即ち、タイヤ半径方向内側)での曲率半径r2よりも小さくなる傾向があり、タイヤ内面形状の均一化効果も損なわれるおそれがある。逆に、D3/D1が2.0を超えると、バットレス部18が薄すぎて、タイヤの剛性を確保することが難しくなる。また、この場合、ビード部12が厚すぎて、下記(3)の外面プロファイルを規定範囲に設定したとしても、タイヤ内面形状の均一化効果が損なわれるおそれがある。D3/D1は、より好ましくは1.3〜1.8である。
(3)サイドウォール部14におけるタイヤ外面プロファイルを、タイヤ最大幅位置Mから上側の曲率半径R1と、下側の2段階の曲率半径R2及びR3とにより形成した上で、これら曲率半径がR2>R1>R3の関係を満たすように設定されている。
詳細には、この例では、バットレス部18における上記位置Pからビード部12のリムラインQまでのタイヤ外面プロファイルが、曲率半径R1を持ちタイヤ最大幅位置Mよりも上側に延びる第1円弧40と、曲率半径R2を持ちタイヤ最大幅位置Mよりも下側に延びる第2円弧42と、曲率半径R3を持ち第2円弧42の下側に位置する第3円弧44とを備えて、これら3つの円弧40,42,44を滑らかに繋いでなる。タイヤ最大幅位置Mより上側には第1円弧40が位置しており、タイヤ最大幅位置Mより下側には第2円弧42と第3円弧44が位置している。
第1円弧40と第2円弧42は、交点ではなく接点Jを介して接続されており、即ち、接点Jにおいて共通の接線を持ち、該接点Jを両者の境界としている。第2円弧42と第3円弧44も、交点ではなく接点Kを介して接続されており、即ち、接点Kにおいて共通の接線を持ち、該接点Kを両者の境界としている。
上記曲率半径R1、R2及びR3は、タイヤ内腔に中心を持ち、従って、第1、第2及び第3円弧40,42,44は、いずれも外向きに凸の湾曲状に形成されている。この例では、第1円弧40の曲率半径R1の中心O1は、タイヤ最大幅位置Mを通りタイヤ軸と平行な直線G上にあり、第2円弧42の中心O2も、この直線G上にある。そのため、第1円弧40と第2円弧42の境界である接点Jは、タイヤ最大幅位置Mと一致しており、よって、タイヤ最大幅位置Mを境にして、その上側が第1円弧40、下側が第2円弧42になっている。第3円弧44の曲率半径R3の中心O3は、第2円弧42の中心O2と上記接点Kを結ぶ直線L上にある。なお、第1円弧40と第2円弧42の境界は、必ずしもタイヤ最大幅位置Mになくてもよく、その近傍にある場合でも同様の作用効果が奏される。
そして、上記のようにこれら曲率半径R1,R2,R3は、R2>R1>R3の関係を満すよう設定されている。このように設定することにより、上記(1)及び(2)の寸法設定と相俟って、タイヤ最大幅位置M付近のタイヤ内面形状を単一の曲率半径を持つ形状に近づけることができる。詳細には、バットレス部18に対して厚みの大きなビード部12側である、最大幅位置Mよりも下側の部分において、従来よりもタイヤ外面側に張り出した形状とすることにより、その分、タイヤ内面側の形状を外側に広げることができる。そのため、タイヤ最大幅位置Mよりも下側のタイヤ内面での曲率半径r2が大きくなり、タイヤ内面形状が単一の曲率半径を持つ形状に近づく。このようにタイヤ内面形状を均一化することができるので、カーカス20の張力を均一化することができ、よって、軽量で低剛性のタイヤであっても、操縦安定性を向上することができる。ここで、R2≦R1であると、タイヤ内面形状において最大幅位置Mよりも下側の曲率半径r2が小さくなり単一の曲率半径を持つ形状に近づけることができない。一方、R1≦R3であると、タイヤ内面形状において最大幅位置Mよりも下側の曲率半径r2が上側の曲率半径r1よりも大きくなってしまい、タイヤ内面形状を均一化することが困難となる。
(4)上記曲率半径R1、R2及びR3は、(R1+R3)/R2≦1.5の関係を満たすように設定されていることが好ましい。これにより、R2を十分大きく設定して、タイヤ最大幅位置Mより下側でのタイヤ外面側への張り出し量を確保することができ、操縦安定性の向上効果を高めることができる。(R1+R3)/R2の下限は、特に限定されないが、通常は0.5以上である。
なお、図1に示すように、トレッド部16におけるトレッド表面からバットレス部18に至るタイヤ外面プロファイルは、比較的なだらかな曲線により形成されている。そして、バットレス部18における上記位置Pからビード部12のリムラインQまでのタイヤ外面プロファイルが上記3つの円弧40,42,44により形成されており、リムラインQより下側(即ち、タイヤ半径方向内側)ではビードヒールBに向かって内向きに凸の湾曲状に形成されている。そのため、リムラインQを含むその近傍は、当該リムラインQを頂点として外側に膨らんだリムプロテクターに形成されている。
本実施形態は、偏平率が0.65以下のラジアルタイヤに適用することが好ましく、より好ましくは偏平率が0.40〜0.60のラジアルタイヤに適用することである。
以上のように本実施形態によれば、タイヤ最大幅位置Mがタイヤ断面高さHの50±3%の範囲にある乗用車用空気入りタイヤ10において、バットレス部18の厚みD1とサイドウォール部14の厚みD2とビード部12の厚みD3を上記所定の関係を満たすようにしたことにより、ビード部12である程度の剛性を確保しながら、バットレス部18が薄肉化されて軽量化を図ることができる。また、このような寸法関係の下、タイヤ最大幅位置Mよりも下側における外面プロファイルを、R2及びR3の2段階の曲率半径に設定し、上側の曲率半径R1との関係をR2>R1>R3としたことにより、タイヤの内面形状において、最大幅位置Mよりも上側の曲率半径r1と下側の曲率半径r2を略等しくすることができ、最大幅位置M付近のタイヤ内面形状を単一の曲率半径を持つ形状とすることができる。このようにタイヤ内面形状を均一化することができるので、カーカス20の張力を均一化することができる。そのため、軽量で、低剛性のタイヤでありながら、高い操縦安定性を維持することができ、よって、低燃費性を向上しつつ、操縦安定性を維持することができる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない限り、種々の変更が可能である。
図1に示す構造を有し、タイヤサイズが205/55R16の空気入りラジアルタイヤを、下記表1に示す仕様に従い試作した。また、比較例1として、図2に示す構造を有し、その他は実施例と同様の構成とした空気入りラジアルタイヤを、表1に示す仕様に従い試作した。
各空気入りラジアルタイヤをリム(サイズ:16×6.5 )に装着し、空気圧を220kPaとして、2000ccのFF車に装着し、乾燥路面での操縦安定性(ドライ操縦安定性)を評価した。評価は、テストドライバーによる官能評価により、比較例1の操縦安定性を「4」とした7段階で行った。数字が大きいほど、操縦安定性に優れることを意味する。
結果は、表1に示す通りであり、比較例1では、D1を薄くすることで軽量化は図られていたものの、外面プロファイルがR1=R2で単一の円弧で形成されていたため、タイヤの内面形状において、最大幅位置Mよりも上側の曲率半径r1に対して、下側の円弧の曲率半径r2が小さくなっていた。そのため、ドライ操縦安定性に劣るものであった。
これに対し、実施例1〜4であると、D3に対してD1を薄くすることで軽量化を図りつつ、外面プロファイルの曲率半径をR2>R1>R3なる関係に設定したことにより、タイヤの内面形状において、最大幅位置Mよりも上側の曲率半径r1と下側の曲率半径r2が等しくなり、操縦安定性に優れていた。特に、実施例1〜3では、上記(1)〜(3)の条件に加えて、上記(4)の条件である(R1+R3)/R2≦1.5の関係も満足するように設定したので、軽量化と操縦安定性のバランスに優れていた。なお、実施例2は、操縦安定性の評価が実施例4と同等であるが、D1及びD3の厚みが薄く軽量化効果が高いことを考慮すれば、(4)の条件を満たさない実施例4よりも、軽量化と操縦安定性のバランスに優れている。
一方、比較例2では、D3/D1=1であり軽量化効果に劣るだけでなく、タイヤ内面形状において最大幅位置Mよりも上側の曲率半径r1が下側の曲率半径r2よりも小さくなって、タイヤ内面形状の均一化効果が損なわれ、操縦安定性が低下していた。比較例3では、D3/D1>2であり、ビード部12が厚すぎたため、タイヤ内面形状の均一化効果が損なわれ、操縦安定性が低下していた。比較例4では、R3>R1であったため、タイヤ内面形状において最大幅位置Mよりも下側の曲率半径r2が上側の曲率半径r1よりも大きくなってしまい、タイヤ内面形状の均一化効果が損なわれ、操縦安定性が低下していた。
Figure 2013095287
12…ビード部 14…サイドウォール部 16…トレッド部
18…バットレス部 20…カーカス 26…ベルト
40…第1円弧 42…第2円弧 44…第3円弧
A…タイヤ最大径点 D1…バットレス部の厚み D2…サイドウォール部の厚み
D3…ビード部の厚み H…タイヤ断面高さ M…タイヤ最大幅位置
H1…タイヤ最大幅位置からタイヤ最大径点までの垂直高さ
P…H1の1/2の高さにおけるタイヤ外面の位置 Q…リムライン
R1…第1円弧の曲率半径 R2…第2円弧の曲率半径 R3…第3円弧の曲率半径

Claims (2)

  1. トレッド部からバットレス部及びサイドウォール部を経てビード部にて係止されたカーカスと、前記トレッド部において前記カーカスの外側に配されたベルトを備える乗用車用空気入りタイヤであって、タイヤの子午線断面において、
    タイヤ最大幅位置がタイヤ断面高さの50±3%の範囲にあり、
    タイヤ最大幅位置からタイヤ最大径点までの垂直高さの1/2の高さにおけるタイヤ外面の位置からのタイヤ厚みであるバッドレス部の厚みD1と、タイヤ最大幅位置でのタイヤ厚みであるサイドウォール部の厚みD2と、リムライン上でのタイヤ外面からのタイヤ厚みであるビード部の厚みD3との関係が、D1/D2=1.2〜2.0かつD3/D1=1.2〜2.0の関係を満たし、
    前記サイドウォール部におけるタイヤ外面プロファイルが、タイヤ内腔に中心を持つ曲率半径R1を有して前記タイヤ最大幅位置よりもタイヤ半径方向外側に延びる第1円弧と、タイヤ内腔に中心を持つ曲率半径R2を有して前記タイヤ最大幅位置よりもタイヤ半径方向内側に延びる第2円弧と、タイヤ内腔に中心を持つ曲率半径R3を有して前記第2円弧のタイヤ半径方向内側に位置する第3円弧とを備えて、これら3つの円弧を滑らかに繋いでなり、前記曲率半径R1、R2及びR3が、R2>R1>R3の関係を満たす
    ことを特徴とする乗用車用空気入りタイヤ。
  2. 前記曲率半径R1、R2及びR3が、(R1+R3)/R2≦1.5の関係を満たすことを特徴とする請求項1記載の乗用車用空気入りタイヤ。
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