JP6766367B2 - 表示装置及び液晶表示装置 - Google Patents
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Description
また、特許文献2も同様に、光源、輝度上昇フィルム(頂部が観察者側を向いているプリズムが複数配列されたシート)、反射偏光フィルム、LCF(光透過部と光吸収部とが交互に配列されたフィルム)、液晶パネルがこの順に配置される構成が開示されている。これにより光源から出射された光の向きを液晶パネルのパネル面法線方向に近づけることができ、光の利用効率を高められるとしている。また、液晶パネルのパネル面に対して大きな角度でLCFに入射した光はここに設けられた光吸収部により吸収される。
ダッシュボードのパネルに、特許文献1、2に記載されている光学シートを適用すると、本来の表示位置に表示される映像(以下において「主映像」ということがある。)の他に、主映像とは異なる表示位置に映像が映り込む現象、すなわち、「二重像」又は「ゴースト」と呼ばれる映像が発生する問題が起こる。
また、発明者は、さらに鋭意検討した結果、光学シートの断面形状、及び、光源と光学シートとの間隔を適切にすることにより、ゴーストが正面から視認されることを抑制可能であることを知見した。
本発明は、上記知見に基づいて完成されたものである。
基材層11をなす材料としては、種々の材料を使用することができる。ただし、表示装置に組み込まれる光学シート用の材料として広く使用され、優れた機械的特性、光学特性、安定性および加工性等を有するとともに安価に入手可能な材料を用いることができる。これには例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、メタクリル樹脂、ポリカーボネート等を挙げることができる。この中でも、複屈折の少ないTAC、メタクリル樹脂、ポリカーボネートを用いることが好ましい。さらには、車載用途などのように高い耐熱性が求められる用途では、ガラス転移点が高いポリカーボネートが望ましい。具体的にはポリカーボネートのガラス転移点は143℃であり、一般に105℃での耐久性が求められる車載用途に適している。
屈折率Nrの値は特に限定されることはないが、当該全反射を適切に行う観点から1.50以下であることが好ましく、その中でも入手性の観点から1.47以上が好ましい。より好ましく1.49以上である。
ここで、「光透過部の幅」とは、図4においてWcで示したように、光透過部と光吸収部との一方の界面から他方の界面までの距離を表しており、その距離とは、光透過部と光吸収部とが配列されている方向に沿った距離、すなわちピッチ方向の距離である。
また、本形態において、ピッチの間隔は、1ピッチごとに異なる距離であってもよい。
はじめに基材層11に光透過部13を形成する。これは、光透過部13の形状が転写できる形状を表面に有する金型ロールと、これに対向するように配置されたニップロールとの間に、基材層11となる基材シートを挿入する。このとき、基材シートと金型ロールとの間に光透過部を構成する組成物を供給しながら金型ロール及びニップロールを回転させる。これにより金型ロールの表面に形成された光透過部に対応する溝(光透過部形状を反転した形状)に光透過部を構成する組成物が充填され、該組成物が金型ロールの表面形状に沿ったものとなる。
光吸収部14を形成するには、まず、上記形成した光透過部13間の間隔に光吸収部を構成する組成物を充填する。その後、余剰分の当該組成物をドクターブレード等で掻き落とす。そして、残った組成物に光透過部13側から光照射装置により光を照射し、組成物を硬化させ、その形状を固定させる。このようにして、光吸収部14を形成することができる。
光吸収粒子を用いる場合には、カーボンブラック等の光吸収性の着色粒子が好ましく用いられるが、これらに限定されるものではなく、映像光の特性に合わせて特定の波長を選択的に吸収する着色粒子を使用してもよい。具体的には、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩、染料、顔料等で着色した有機微粒子や着色したガラスビーズ等を挙げることができる。特に、着色した有機微粒子が、コスト面、品質面、入手の容易さ等の観点から好ましく用いられる。一方、着色した有機微粒子やガラスビーズを用いる場合は、バインダーとの屈折率差でも光を反射してしまう可能性があるため、ゴースト発生の抑制等の観点からは、カーボンブラック顔料自体を光吸収粒子としてバインダーに分散させた方が好ましい。従って、実施例3及び実施例4では、光吸収粒子としてカーボンブラック粒子のみを透明バインダーに分散させた例を記載した。
光吸収粒子に着色した有機微粒子やガラスビーズを用いる場合は、平均粒子径が1μm以上20μm以下であることが好ましい。一方、光吸収粒子にカーボンブラック粒子を用いる場合は、平均粒子径が10nm以上500nm以下であることが好ましい。このように、着色粒子等は、光吸収部の寸法によって、その大きさを適宜選択できる。
ここで、「平均粒子径」とは、光吸収粒子を100個電子顕微鏡で観察してその直径をはかり、算術平均した直径を意味する。
パネル20は、図2、図3から分かるように、光学シート10よりも観察者側に配置される。パネル20は光学シート10に積層又は接着されていてもよい。
表示発光部120から出射した光は、光学シート10に向かい、基材層11を透過し、光学機能層12に入射する。光学機能層12に入射する光は次のような光路を有して進行する。すなわち、例えば図4にL31で示したように、光吸収部14との界面に達することなく光透過部13を透過する。または、図4にL32で示したように光吸収部14との界面に達して全反射して光透過部13を透過する。このとき、本形態では当該界面の傾斜角度(θk)の作用により、界面で反射した光はパネル20の法線に平行ではない方向へ進行する。また、全反射臨界角より小さい角度のため全反射しない光であってもそのうちの一部は当該界面で反射するものもある。このような光も同様に光透過部13を透過する。
実施例1では図4の光学シートの例に倣って、光透過部の短い上底が観察者側、長い下底が表示発光部側を向くように作製した。具体的には次のとおりである。
次に光吸収部をワイピングにより形成した。光吸収部は、該光吸収部のうちバインダーを屈折率1.49の紫外線硬化型ウレタンアクリレートとし、その中にカーボンブラックを含有した平均粒子径4μmのアクリルビーズを25質量%含ませた。また、光吸収部の断面を等脚台形とし、上底(図4のWa)を30μm、下底(図4のWb)を55μm、高さ(図4のDk)を150μmとした。
実施例2は、実施例1に係る光学シートの保護層において、100μmのポリカーボネートフィルムをUV接着剤で貼合して積層した表示装置である。
実施例3は、実施例1に係る光学シートにおいて、アクリルビーズの代わりに平均粒子径100nmのカーボンブラック粒子を5質量%含ませた表示装置である。
実施例4は、実施例2に係る光学シートにおいて、アクリルビーズの代わりに平均粒子径100nmのカーボンブラック粒子を5質量%含ませた表示装置である。
比較例1に係る表示装置は、実施例1に係る表示装置において、光学シートが光透過部の短い上底が表示発光部側、長い下底が観察者側を向くように配置した表示装置である。
比較例2に係る表示装置は、実施例2に係る表示装置において、光学シートが光透過部の短い上底が表示発光部側、長い下底が観察者側を向くように配置した表示装置である。
一方で、比較例1、2に係る表示装置では、観察者正面視でもゴーストが視認された。
11 基材層
12、42 光学機能層
13、43 光透過部
14、44 光吸収部
20 パネル
100 表示装置
110 パネルユニット
120 表示発光部
130 筐体
Claims (6)
- 自動車の計器である表示発光部と、
前記表示発光部より観察者側に配置される光学シートと、
を備える表示装置であって、
前記光学シートは、基材層及び光学機能層を具備し、
前記光学機能層は、
所定の断面を有して前記基材層の面に沿って一方向に延び、当該延びる方向とは異なる方向に所定の間隔で複数配列される光透過部と、
隣り合う前記光透過部の前記間隔に形成される光吸収部と、を備え、
前記光透過部の幅は、前記表示発光部側が広く、前記観察者側が狭くなっており、
前記光学機能層は前記表示発光部から5mm以上50mm以下の間隔を有し、前記光学シートは前記表示発光部に触れないように配置され、
前記光透過部と前記光吸収部との界面は多角形又は曲線を有しており、前記光透過部と前記光吸収部との界面において光が反射され、さらに前記光学機能層に隣接する他層との界面において再度反射された光は前記表示発光部側に戻るように、前記光透過部及び前記光吸収部が構成されている、
表示装置。 - 前記光透過部の屈折率をNtとし、前記光吸収部の屈折率をNrとするとき、Nt−Nrが0を超える請求項1に記載の表示装置。
- 前記光透過部の屈折率をNtとし、前記光吸収部の屈折率をNrとするとき、Nt−Nrが0となる請求項1に記載の表示装置。
- 前記他層が保護層である請求項1に記載の表示装置。
- 前記光学シートより前記観察者側に配置されるパネルを備え、前記パネルは光を透過する板状の部材である、請求項1乃至4のいずれかに記載の表示装置。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の表示装置を備え、前記表示装置は前記表示発光部に液晶パネルを具備する液晶表示装置。
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