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JP7000781B2 - 光学シート、面光源装置、映像源ユニット、及び表示装置 - Google Patents

光学シート、面光源装置、映像源ユニット、及び表示装置 Download PDF

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JP7000781B2 JP2017190786A JP2017190786A JP7000781B2 JP 7000781 B2 JP7000781 B2 JP 7000781B2 JP 2017190786 A JP2017190786 A JP 2017190786A JP 2017190786 A JP2017190786 A JP 2017190786A JP 7000781 B2 JP7000781 B2 JP 7000781B2
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Description

本発明は、入射した光の出射方向を制御する光学シート、並びにこれを備える面光源装置、映像源ユニット、及び表示装置に関する。
カーナビゲーション、テレビ、パソコンのモニタ等の表示装置には、表示すべき映像を出射する映像源が備えられるとともに、映像光の質を高めて観察者側に提供する光学シートが具備されている。
このような光学シートとして例えば特許文献1のような技術が開示されている。ここには、基材層、基材層の一方の面に光透過部と光吸収部とが交互に配列された光学機能シート層(光学機能層)、及び光学機能シート層の面のうち基材層が配置された側とは反対側に配置された粗面形成層を備える光学シートについて記載されている。
特開2010-107660号公報
ここで光学機能シート層(光学機能層)のうち、基材とは反対側に配置された層(特許文献1では粗面形成層)は光学機能層に対して粘着剤を用いて貼り付けられる。ところが、特に高温時において光学シートにシワが発生してしまうことがあった。光学機能層は上記のように光透過部と光吸収部とが交互に配置されるため、層内における材料の不均一性が高く、シワの発生が顕著となる傾向にある。
そこで本発明は上記の問題に鑑み、光学機能層に接着剤を介して貼り付けられた層を有していても、シワの発生を抑制することができる光学シートを提供することを課題とする。また、この光学シートを備える面光源装置、映像源ユニット、及び表示装置を提供する。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明の1つの態様は、基材層(31)と、基材層の一方の面に積層された光学機能層(32)と、光学機能層の面のうち、基材層が積層された側とは反対側に配置された接着層(36)と、接着層に積層された樹脂層(35)と、を備え、光学機能層は、所定の断面を有して一方向に延び、当該一方向とは異なる方向に所定の間隔で複数配列される単位光透過要素(33b)、及び、隣り合う単位光透過要素の間に形成された光吸収部(34)を有し、接着層は、85℃における貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上1.0×10Pa未満の光学シート(30)である。
上記光学シート(30)では、基材層(31)及び樹脂層(35)がポリカーボネートによる層としてもよい。
また、光源(25)と、該光源よりも観察者側に配置される上記光学シート(30)と、を備える面光源装置(20)を提供することもできる。
また、上記面光源装置(20)と、該面光源装置の出光側に配置された液晶パネル(15)と、を備える映像源ユニット(10)を提供することもできる。
さらに、上記した映像源ユニット(10)が筐体に収められた表示装置を提供することもできる。
本発明によれば、光学機能層に接着剤を介して貼り付けられた層を有していても高温時におけるシワの発生を抑制することができる。
1つの形態にかかる映像源ユニット10を説明する分解斜視図である。 映像源ユニット10の断面を示す分解図である。 映像源ユニット10の他の断面を示す分解図である。 光学シート30に注目して拡大した図である。 光学シート30をさらに拡大した図である。 光路について説明する図である。
以下、本発明を図面に示す形態に基づき説明する。ただし、本発明はこれら形態に限定されるものではない。なお、各図面では分かりやすさのため、形状を拡大、変形、誇張して表すことがあり、繰り返しとなる符号は一部を省略することがある。
図1は1つの形態を説明する図であり、光学シート30を含む映像源ユニット10の分解斜視図である。また、図2には図1にII-IIで示した線(鉛直方向に沿った線)に沿って切断した映像源ユニット10の分解断面図の一部、図3にはIII-IIIで示した線(水平方向に沿った線)に沿って切断した映像源ユニット10の分解断面図の一部を表した。
このような映像源ユニット10は、詳細な説明は省略するが、不図示の筐体に、該映像源ユニット10を作動させる電源、及び映像源ユニット10を制御する電子回路等、映像源ユニット10として動作するために必要とされる通常の機器とともに納められて表示装置とされている。本形態は映像源ユニットの一態様として液晶映像源ユニット、表示装置の一態様として液晶表示装置を説明する。以下映像源ユニット10について説明する。
映像源ユニット10は、液晶パネル15、面光源装置20、及び機能フィルム40を備えている。本形態で光学シート30は、面光源装置20に含まれている。図1~図3には、表示装置が設置された姿勢における向きを併せて表示している。
液晶パネル15は、観察者側に配置された上偏光板13と、面光源装置20側に配置された下偏光板14と、上偏光板13と下偏光板14との間に配置された液晶層12と、を有している。上偏光板13、下偏光板14は、入射した光を直交する二つの偏光成分(P波およびS波)に分解し、一方の方向(透過軸に平行な方向)の偏光成分(例えば、P波)を透過させ、当該一方の方向に直交する他方の方向(吸収軸に平行な方向)の偏光成分(例えば、S波)を吸収する機能を有している。
液晶層12は、複数の画素が層面に沿った方向に縦横に配列されており、一つの画素を形成する領域毎に電界印加できる。そして電界印加された画素の配向が変化する。これにより、面光源装置20側(すなわち入光側)に配置された下偏光板14を透過した透過軸に平行な偏光成分(例えばP波)は、電界印加された画素を通過する際にその偏光方向を90°回転させ、その一方で、電界印加されていない画素を通過する際にその偏光方向を維持する。このため、画素への電界印加の有無によって、下偏光板14を透過した偏光成分(例えばP波)が、出光側に配置された上偏光板13をさらに透過するか、あるいは、上偏光板13で吸収されて遮断されるか、を制御することができる。
このようにして液晶パネル15は、面光源装置20からの光の透過または遮断を画素毎に制御して映像を表現する構造を有している。
液晶パネルにはいくつかの種類があるが、本形態ではその種類は特に限定されることはなく、公知の型の液晶パネルを用いることができる。具体的には例えばTN、STN、VA、MVA、IPS、OCB等が挙げられる。
次に面光源装置20について説明する。
面光源装置20は、液晶パネル15より観察者側とは反対側に配置され、液晶パネル15に対して面状の光を出射する照明装置である。図1~図3よりわかるように、本形態の面光源装置20は、エッジライト型の面光源装置として構成され、導光板21、光源25、光拡散板26、プリズム層27、反射型偏光板28、光学シート30及び反射シート39を有している。
導光板21は、図1~図3よりわかるように、基部22及び裏面光学要素23を有している。導光板21は透光性を有する材料により形成された全体として板状の部材である。本形態で導光板21の観察者側となる一方の板面側は平滑面とされ、これとは反対側である他方の板面側は裏面とされ、当該裏面に複数の裏面光学要素23が配列されている。
基部22、裏面光学要素23をなす材料としては、種々の材料を使用することができる。ただし、表示装置に組み込まれる光学シート用の材料として広く使用され、優れた機械的特性、光学特性、安定性および加工性等を有するとともに安価に入手可能な材料を用いることができる。これには例えば脂環式構造を有する重合体樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合体、メタクリル酸メチル-スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリエーテルスルホン等の熱可塑性樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)等を挙げることができる。
基部22は、その内部を光が導光されるとともに、裏面光学要素23のベースとなる部位で、所定の厚みを有する板状である。
裏面光学要素23は、基部22の裏面側に形成される突出した要素であり、本形態では三角柱状である。裏面光学要素23は、突出した頂部の稜線が水平方向に延びる柱状であり、複数の裏面光学要素23が当該延びる方向に直交する方向(鉛直方向)に所定のピッチで配列されている。本形態の裏面光学要素23は断面が三角形であるがこれに限定されることはなく、多角形、半球状、球の一部、レンズ形状等いずれの形状の断面であってもよい。
複数の裏面光学要素23の配列方向は導光方向であることが好ましい。すなわち、光源25から離隔する方向に配列され、光源25が配列される方向、又は1つの長い光源であれば該光源が延びる方向に平行に各裏面光学要素23の稜線が延びている。
なお、本件明細書における「三角形形状」とは、厳密な意味での三角形形状のみでなく、製造技術における限界や成型時の誤差等を含む略三角形形状を含む。また同様に、本件明細書において用いる、その他の形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、「平行」、「直交」、「楕円」、「円」等の用語も、厳密な意味に縛られることなく、同様の光学的機能を期待し得る程度の誤差を含めて解釈することとする。
このような構成を有する導光板21は、押し出し成型により、又は、基部22上に裏面光学要素23を賦型することにより製造することができる。なお、押し出し成型で製造された導光板21においては、基部22、及び裏面光学要素23が一体的に形成され得る。また、賦型によって導光板21を製造する場合、裏面光学要素23が、基部22と同一の樹脂材料であっても、異なる材料であってもよい。
図1~図3に戻って、光源25について説明する。光源25は、導光板21の基部22が有する側面(端面)のうち、裏面光学要素23が配列される方向の一方側の側面(端面)に配置される。光源の種類は特に限定されるものではないが、線状の冷陰極管等の蛍光灯、点状のLED(発光ダイオード)、又は白熱電球等の種々の態様で構成できる。本形態で光源25は複数のLEDからなり、不図示の制御装置により各LEDの点灯および消灯、並びに/又は、各LEDの点灯時の明るさを個別に独立して調節できるように構成されている。
なお、本形態では上記のように光源25は一方側の側面(端面)に配置される例を示したが、さらにこの側面(端面)とは反対側となる側面(端面)にも光源が配置される形態であってもよい。なお、この場合には裏面光学要素の形状も公知の例に倣って形成する。
次に光拡散板26について説明する。光拡散板26は、導光板21の出光側に配置され、ここに入射した光を拡散させて出射する機能を有する層である。これにより、導光板21から出射した光の均一性をさらに高め、導光板21に存在する傷を目立たなくすることができる。
光拡散板の具体的態様は、公知の光拡散板を用いることができ、例えば母材の中に光拡散剤を分散させた形態を挙げることができる。
光拡散板26は、本形態のようにプリズム層27の支持板として用いることができる。また、導光板21の出光面が平滑の場合には、光拡散板26を導光板21に貼り合わせて一体としてもよい。
プリズム層27は、図1~図3よりわかるように、光拡散板26よりも液晶パネル15側に設けられ、該液晶パネル15側に向けて凸である単位プリズム27aを具備する層である。本形態で単位プリズム27aは、所定の断面を有して導光板21の導光方向(本形態では鉛直方向)に延びる形態を有している。そして、複数の単位プリズム27aが導光方向とは異なる方向(本形態では平面視で導光方向に直交する方向、水平方向)に配列されている。
このようなプリズム層の単位プリズムの断面形状は、必要とする機能に応じて公知の形状を適用することができる。当該形状により光をさらに拡散させることもできるし、集光させることもできる。
また、単位プリズムが延びる方向及び配列される方向は上記形態に限定されることなく他の形態であってもよい。例えば単位プリズムが所定の断面を有して導光板21の導光方向とは直交する方向に延び、複数の単位プリズムが導光方向に配列される形態であってもよい。
次に反射型偏光板28について説明する。反射型偏光板28は、入射した光を直交する二つの偏光成分(P波およびS波)に分解し、一方の方向(透過軸に平行な方向)の偏光成分(例えば、P波)を透過させ、当該一方の方向に直交する他方の方向(反射軸に平行な方向)の偏光成分(例えば、S波)を反射する機能を有している。このような反射型偏光板の構造は公知のものを適用することができる。
次に光学シート30について説明する。図4は図2の視点で光学シート30の一部を拡大して表した図である。図1~図4よりわかるように、光学シート30は、シート状に形成された基材層31と、基材層31の一方の面(本形態では導光板21側の面)に設けられた光学機能層32と、光学機能層32の面のうち基材層31が配置された側とは反対側の面に接着層36を介して配置された樹脂層35と、を備えている。
基材層31は光学機能層32を支持する平板状のシート状部材である。
基材層31をなす材料としては、種々の材料を使用することができる。ただし、表示装置に組み込まれる光学シート用の材料として広く使用され、優れた機械的特性、光学特性、安定性および加工性等を有するとともに安価に入手可能な材料を用いることができる。これには例えばポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、トリアセチルセルロース樹脂(TAC)、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等を挙げることができる。この中でも面光源装置20と下偏光板14との組み合わせを考慮して複屈折(リタデーション)の少ないTAC、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂を用いることが好ましい。さらには、車載用途などのように高い耐熱性が求められる用途では、ガラス転移点が高いポリカーボネート樹脂が望ましい。具体的にはポリカーボネート樹脂のガラス転移点は143℃であり、一般に105℃での耐久性が求められる車載用途に適している。
光学機能層32は基材層31の一方の面(本形態では導光板21側の面)に積層された層で、光透過部33(土台部33aと単位光透過要素33bとを備える。)、及び光吸収部34を有して構成されている。光学機能層32は、図4に示した断面を有して紙面奥/手前側(映像源ユニット10を正面視したときの水平方向)に延びる形状を備え、層面に沿って(本形態で鉛直方向に)光透過部33の単位光透過要素33bと光吸収部34とが交互に配列されている。
光透過部33は光を透過させることを主要の機能とする部位であり、本形態では図2、図4に表れる断面において、シート状の土台部33aと単位光透過要素33bとを有して構成されている。
土台部33aは、その一方の面が基材層31に積層され、他方の面に単位光透過要素33bが配置されており、隣り合う単位光透過要素33bを連結するシート状の部材である。本形態では光透過部33のうち土台部33aが基材層31の一方の面に接触して光学機能層32が基材層31に配置されている。
単位光透過要素33bは基材層31側(土台部33a側)に長い下底、その反対側(導光板21側)に短い上底を有する略台形の断面形状を有する要素である。単位光透過要素33bは、基材層31の層面に沿って当該断面を維持して一方(本形態では水平方向)に延びるとともに、この延びる方向とは異なる方向(本形態では鉛直方向)に所定の間隔で配列される。そして、隣り合う単位光透過要素33bの間には、略台形断面を有する間隔(溝)が形成されている。従って、当該間隔(溝)は、単位光透過要素33bの上底側(導光板21側)に長い下底を有し、単位光透過要素33bの下底側(土台部33a側、基材層31側)に短い上底を有する台形断面を有し、ここに後述する必要な材料が充填されることにより光吸収部34が形成される。
単位光透過要素33bは屈折率がNtとされている。このような単位光透過要素33b、及び土台部33aは、光透過部構成組成物を硬化させることにより形成することができる。詳しくは後で説明する。屈折率Ntの値は特に限定されることはないが、後述するように台形断面の斜面における光吸収部34との界面で適切に光を反射(全反射を含む。)する観点から屈折率は1.47以上であることが好ましい。ただし、屈折率が高すぎる材料は割れやすい場合が多いので屈折率は1.61以下であることが好ましい。より好ましくは1.49以上1.56以下、さらに好ましくは1.56である。
光吸収部34は隣り合う単位光透過要素33bの間に形成された上記した間隔(溝)に形成される間部として機能し、間隔の断面形状と同様の断面形状となる。従って短い上底が液晶パネル15側(基材層31側)を向き、長い下底が導光板21側となる。そして光吸収部34は、屈折率がNrとされるとともに、光を吸収することができるように構成されている。具体的には屈折率がNrである透明樹脂に光吸収粒子が分散される。屈折率Nrは、単位光透過要素33bの屈折率Ntよりも低い屈折率とされる。このように、光吸収部34の屈折率を単位光透過要素33bの屈折率より小さくすることにより、所定の条件で単位光透過要素33bに入射した光を光吸収部34との界面で適切に全反射させることができる。また、全反射条件を満たさない場合にも一部の光は当該界面で反射する。
屈折率Nrの値は特に限定されることはなく、当該全反射を適切に行えることを前提に1.47以上であることが好ましい。ただし、屈折率が高すぎる材料は割れやすい場合が多いので屈折率は1.61以下であることが好ましい。より好ましくは1.49以上1.56以下、さらに好ましくは1.49である。
単位光透過要素33bの屈折率Ntと光吸収部34の屈折率Nrとの屈折率の差は特に限定されるものではないが、0より大きく0.14以下が好ましく、0.05以上0.14以下であることが好ましい。屈折率差を大きくすることにより、より多くの光を全反射させることができる。
光学機能層32は、特に限定されることはないが、例えば次のような形状とすることができる。図5には図4の一部をさらに拡大した図を表した。
図5に示したθ11は、単位光透過要素33bと光吸収部34との界面のうち、光学シート30が図1のような姿勢とされた際に光吸収部34の上側となる界面34aと、光学機能層32の層面の法線と、のなす角である。θ12は、同姿勢で単位光透過要素33b及び光吸収部34の界面のうち光吸収部34の下側となる界面34bと、光学機能層32の層面の法線と、のなす角である。
本形態でθ11は、0°以上10°以下であることが好ましい。θ11が0°より大きいとは導光板21側(入光側)から液晶パネル15側(出光側、基材層31側)に向けて下がるように傾斜することを意味する。
同様にθ12は、0°以上10°以下であることが好ましい。θ12が0°より大きいとは導光板21側(入光側)から液晶パネル15側(出光側、基材層31側)に向けて上がるように傾斜することを意味する。
θ11、及びθ12の角度の大きさの関係は必要に応じて構成することができる。例えばθ11<θ12とすれば、映像源ユニット10から提供される映像光の視野角に関し、上側の視野角を下側の視野角よりも広くすることができる。
また、図4にPで表した単位光透過要素33b及び光吸収部34のピッチは20μm以上100μm以下であることが好ましく、30μm以上100μm以下であることがよりに好ましい。そして図4にDで示した光吸収部34の厚みは50μm以上150μm以下であることが好ましく、60μm以上150μm以下であることがより好ましい。これらの範囲内とすることにより、光の透過と光の吸収とのバランスをより適切にすることができる。
本形態では単位光透過要素33bと光吸収部34との界面が断面において一直線状となる例を示したが、これに限らず折れ線状、凸である曲面状、凹である曲面状等であってもよい。また、複数の単位光透過要素33b及び光吸収部34で断面形状が同じであってもよいし、所定の規則性を有して異なる断面形状であってもよい。
接着層36は、光学機能層32の面のうち基材層31が配置された側の面とは反対側の面に設けられた接着剤からなる層であり、光学機能層32に樹脂層35を貼り付ける機能を有する。
ここで「接着」は、粘着も含む概念である。従って粘着剤も接着剤に含まれる。
本形態の接着層36は、最終的(例えば硬化型の接着剤であれば硬化後)に、85℃における貯蔵弾性率E’が、1.0×10Pa以上1.0×10Pa未満である。
貯蔵弾性率E’が1.0×10Paより小さいと光学シートが高温になったときにシワが発生しやすい。光学シート30は特に上記のように光学機能層32を備えており、シワの発生により単位光透過要素33bと光吸収部34との界面の角度が変化し、光学性能に与える影響が顕著である。
貯蔵弾性率E’が1.0×10Pa以上であると、接着剤としての十分な密着性(剥離強度)を確保できない虞がある。
このような接着層36を形成する接着剤は、特に限定されることはないが、紫外線硬化型ウレタンアクリレート、又は紫外線硬化型エポキシアクリレートを含む組成物や、これを含む粘着フィルム等を挙げることができる。
また、接着層36の厚みは特に限定されることはないが、20μm以上50μm以下であることが好ましい。厚みが20μmより薄いと接着層としての密着性が不十分となる虞がある。厚みが50μmを超えると、光学シートの厚みが増すほか、断裁時に端面における接着剤のはみだしの虞がある。
樹脂層35は、接着層36により光学機能層32に積層された樹脂からなる層である。樹脂からなる層であれば特に限定さえることはないが、例えば上記した基材層31と同じ材料及び厚みにより構成することができる。これにより、光学機能層32が基材層31と樹脂層35とに挟まれて配置され、光学シート30の反りを防止することができる。また、樹脂層35により微細な構造を備える光学機能層32を保護することも可能となる。
その他、樹脂層35には光を拡散する機能を備えても良い。そのために例えば樹脂層35のうち接着層36に貼り付いていない側の面を粗面にしたり、樹脂層中に光拡散剤を分散したりすることができる。
以上のような光学シートによれば、光学シート30が高温に達した際にもシワの発生を抑えることができる。特に光学シート30には微細な構造を備える光学機能層が備えられているため、高温時のシワが発生しやすいとともに、シワの発生による光学機能の低下が顕著になる傾向にあるが、これを抑制することができる。
光学シート30は例えば次のように作製できる。
はじめに基材層31の一方の面に光透過部33を形成する。これは、単位光透過要素33bの形状を転写できる形状を表面に有する金型ロールと、これに対向するように配置されたニップロールとの間に、ポリカーボネートからなる基材層31となる基材シートを挿入する。このとき、金型ロールとニップロールとの間に所定の間隔を設けることによりこれが土台部33aとなる。そして、基材シートと金型ロールとの間に光透過部を構成する組成物を供給しながら金型ロール及びニップロールを回転させる。これにより金型ロールの表面に形成された単位光透過要素に対応する溝(単位光透過要素形状を反転した形状)に光透過部を構成する組成物が充填され、該組成物が金型ロールの表面形状に沿ったものとなる。
ここで、光透過部を構成する組成物としては、例えば、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリチオール系等の電離放射線硬化型の樹脂を挙げることができる。
金型ロールと基材シートとの間に挟まれ、ここに充填された光透過部を構成する組成物に対し、基材シート側から光照射装置により硬化させるための光を照射する。これにより、組成物を硬化させ、その形状を固定させることができる。そして、離型ロールにより金型ロールから基材層31および成形された光透過部33を離型する。
次に光吸収部34を形成する。光吸収部34を形成するには、まず、上記形成した単位光透過要素33b間の間隔(溝)に光吸収部を構成する組成物を充填する。その後、余剰分の当該組成物をドクターブレード等で掻き落とす。そして、残った組成物に単位光透過要素33b側から紫外線を照射することによって硬化させ、光吸収部34を形成することができる。
光吸収部として用いられる材料は特に限定されないが、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、およびブタジエン(メタ)アクリレート等の光硬化型樹脂の中に着色された光吸収粒子が分散されている組成物を挙げることができる。
また光吸収粒子を分散させる代わりに顔料や染料により光吸収部全体を着色することもできる。
光吸収粒子を用いる場合には、カーボンブラック等の光吸収性の着色粒子が好ましく用いられるが、これらに限定されるものではなく、映像光の特性に合わせて特定の波長を選択的に吸収する着色粒子を使用してもよい。具体的には、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩、染料、顔料等で着色した有機微粒子や着色したガラスビーズ等を挙げることができる。特に、着色した有機微粒子が、コスト面、品質面、入手の容易さ等の観点から好ましく用いられる。着色粒子の平均粒子径は1.0μm以上20μm以下であることが好ましく、1.0μm以上10μm以下であることがより好ましく、1.0μm以上4.0μm以下であることがさらに好ましい。
ここで「平均粒子径」とは、光吸収粒子を100個電子顕微鏡で観察してその直径を計り、算術平均した直径を意味する。
次に、得られた光学機能層32の面のうち、基材層31が配置された側とは反対側の面に接着層36を構成する接着剤を積層する。この接着剤の積層方法は特に限定されることはなく公知の方法を用いることができる。
例えば枚葉方式で硬化をさせて接着する場合、定量の接着剤を光学機能層32に塗工し、樹脂層35を載せてニップロールで加圧して膜厚をそろえて、紫外光を照射して硬化する。
また、ロールを用いて接着(粘着)する場合、光学機能層32と接着剤(粘着剤)を2本のニップロールの間に挟み込み光学機能層32の一方に接着層36を形成した後、この接着層36に対して樹脂層35をロールにより積層する。
以上のようにして光学シート30を得ることができる。
図1~図3に戻って、面光源装置20の反射シート39について説明する。反射シート39は、導光板21の裏面から出射した光を反射して、再び導光板21内に光を入射させるための部材である。反射シート39は、金属等の高い反射率を有する材料からなるシート、高い反射率を有する材料からなる薄膜(例えば金属薄膜)を表面層として含んだシート等のいわゆる鏡面反射を可能とするものを好ましく適用することができる。
機能性フィルム40は、液晶パネル15の出光側に配置され、映像光の質を向上させたり、映像源ユニット10を保護したりする機能を有する層である。これには例えば反射防止フィルム、防眩フィルム、ハードコートフィルム、色調補正フィルム、光拡散フィルム等を挙げることができ、これらが単独又は複数組み合わされて構成されている。
次に、以上のような構成を備える映像源ユニット10の作用について、光路例を示しつつ説明する。ただし当該光路例は説明のための概念的なものであり、反射や屈折の程度を厳密に表したものではない。
まず、図2に示すように、光源25から出射した光は、導光板21の側面(端面)である入光面から導光板21内に入射する。図2には、一例として、光源25から導光板21に入射した光L21、L22の光路例が示されている。
図2に示すように、導光板21に入射した光L21、L22は、導光板21の出光側面及びその反対側の裏面において、空気との屈折率差による全反射を繰り返し、導光方向(図2の紙面下方向)へ進んでいく。
ただし、導光板21の裏面には裏面光学要素23が配置されている。このため、図2に示すように、導光板21内を進む光L21、L22は、裏面光学要素23によって進行方向が変わり、全反射臨界角未満の入射角度で出光面、及び裏面に入射することもある。この場合に当該光は、導光板21の出光面及びその反対側の裏面から出射し得る。
出光面から出射した光L21、L22は、導光板21の出光側に配置された光拡散板26へと向かう。一方、裏面から出射した光は、導光板21の背面に配置された反射シート39で反射され、再び導光板21内に入射して導光板21内を進むことになる。
導光板21内を進行する光と、裏面光学要素23で向きを変えられて全反射臨界角未満の入射角度で出光面に達する光は、導光板21内の導光方向に沿った各区域において生じる。このため、導光板21内を進んでいる光は、少しずつ、出光面から出射するようになる。これにより、導光板21の出光面から出射する光の導光方向に沿った光量分布を均一化させることができる。
導光板21から出射した光は、その後、光拡散板26に達し均一性が高められる。そしてプリズム層27により必要に応じて拡散又は集光され、プリズム層27を出光した光は反射型偏光板28に達する。ここでは、反射型偏光板28の透過軸に沿った偏光方向の光は反射型偏光板28を透過し光学シート30に向かう。
一方、反射型偏光板28の反射軸に沿った偏光方向の光は図2に点線矢印で示したように反射して導光板21側に戻される。戻された光は、導光板21、裏面光学要素23、又は反射シート39で反射して再び反射型偏光板28の側に進行する。この反射の際に一部の光の偏光方向が変化しており、その一部は反射型偏光板28を透過する。他の光は再び導光板側に戻される。このように反射型偏光板28で反射した光も反射を繰り返すことで反射型偏光板28を透過できるようになる。これにより光源25からの光の利用率が高められる。
ここで、反射型偏光板28を出射した光は、その偏光方向が下偏光板14の透過軸に沿った方向になっており、下偏光板14を透過する偏光光となっている。
反射型偏光板28を出射した光は光学シート30に達する。光学シート30に入射した光は次のような光路を有して進行する。図6には光学シート30における光路例を表した。
図2に示した光L21、光L22、及び図6に示した光L61、光L62は、単位光透過要素33bと光吸収部34との界面のうち、光吸収部34の上側となる界面34aに向かう。そして当該界面34aで全反射して、観察者側斜め上方の光となり、所望の方向への光の制御がなされる。
このとき、単位光透過要素33bと光吸収部34との界面のうち光吸収部34の下側である界面34bが、観察者側斜め上方に向かうように傾斜していれば、光L21、光L22、光L61、光L62のような光の進行を光吸収部34が阻害し難くなり、より多くの光を所望の方向に導くことができる。
光学シート30では、高温時におけるシワの発生が抑えられているので、高温時においてもこのような光の制御を精度よく行うことができる。
また、図6に示したL63は、観察者側斜め上方であるとともに、単位光透過要素33bと光吸収部34との界面34bで全反射することなく該界面を透過する角度で進行するので、界面34bを透過して光吸収部34に吸収される。
これにより、所定角度以上の視野角で出射する光を効率よく吸収して遮断することができ、さらに光の進行方向制御を効率よく行うことができる。
また、このような光は液晶パネルに入射して、コントラスト低下や色の反転のような不具合を生じる可能性が高いのでこのような光を吸収することができる。
光学シート30を出射した光は、液晶パネル15の下偏光板14に入射する。下偏光板14は、入射光のうち、一方の偏光成分を透過させ、その他の偏光成分を吸収する。下偏光板14を透過した光は、画素毎への電界印加の状態に応じて、選択的に上偏光板13を透過するようになる。このようにして、液晶パネル15によって、面光源装置20からの光を画素毎に選択的に透過させることにより、液晶表示装置の観察者が、映像を観察することができるようになる。その際、映像光は機能性フィルム40を介して観察者に提供され、映像の質が高められている。
[光学シートの構成]
<実施例1>
実施例1として図1~図6に示した光学シート30の例に倣って光学シートを作製した。実施例1に係る光学シートの具体的な形状は次のとおりである。
(基材層)
・材料:ポリカーボネート樹脂
・厚み:75μm
(光学機能層)
・単位光透過要素、及び光吸収部のピッチ:39μm(図4のP
・光吸収部上底幅:4μm(図4のW
・光吸収部下底幅:10μm(図4のW
・光吸収部上側傾斜角:3°(図5のθ11
・光吸収部下側傾斜角:0°(図5のθ12
・光吸収部の厚み:102μm(図4のD
・光学機能層の厚み:127μm
・土台部の厚み:25μm
・光透過部(単位光透過要素及び土台部)の材料及び屈折率:屈折率1.56の紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂
・光吸収部の材料及び屈折率:屈折率1.49の紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂にカーボンブラックを含有した平均粒子径4μmのアクリルビーズを20質量%分散
(接着層)
・紫外線硬化型ウレタンアクリレート
・硬化後の貯蔵弾性率(85℃):8.0×10Pa
・厚み:25μm
ここで、貯蔵弾性率の測定は厚み0.1mm、幅5.0mm、長さ10mmの試験片により行った。この試験片を治具で挟み、粘弾性測定器(株式会社ユービーエム、Rheogel-E4000)にて、昇温速度3℃/分、周波数10Hzの正弦波、引っ張りモードの条件で測定することで貯蔵弾性率を得た。
(樹脂層)
・材料:ポリカーボネート樹脂
・厚み:75μm
<実施例2>
接着層を、85℃における貯蔵弾性率が3.0×10Paである紫外線硬化型ウレタンアクリレートによる粘着フィルムに変更した以外は実施例1と同じである。
<比較例1>
接着層を、85℃における貯蔵弾性率が1.0×10Paである紫外線硬化型ウレタンアクリレートに変更した以外は実施例1と同じである。
<比較例2>
接着層を、85℃における貯蔵弾性率が1.0×10Paである紫外線硬化型ウレタンアクリレートによる粘着フィルムに変更した以外は実施例2と同じである。
[評価方法]
実施例1、実施例2、比較例1及び比較例2の光学シートを縦100mm、横250mmの長方形とし、その四辺を幅10mmの両面テープにてガラスに固定した。
そして、各光学シートをガラスに固定した状態で85℃の高温槽に1時間保管して取り出し、目視にてシワの発生を確認した。
[結果]
評価の結果、実施例1及び実施例2の光学シートにはシワは発生していなかったが、比較例1及び比較例2の光学シートにはシワが発生した。
10 映像源ユニット
15 液晶パネル
20 面光源装置
21 導光板
25 光源
26 光拡散板
27 プリズム層
28 反射型偏光板
30 光学シート
31 基材層
32 光学機能層
33 光透過部
33a 土台部
33b 単位光透過要素
34 光吸収部
35 樹脂層
36 接着層

Claims (5)

  1. 基材層と、
    前記基材層の一方の面に積層された光学機能層と、
    前記光学機能層の面のうち、前記基材層が積層された側とは反対側に配置された接着層と、
    前記接着層に積層された樹脂層と、を備え、
    前記光学機能層は、所定の断面を有して一方向に延び、当該一方向とは異なる方向に所定の間隔で複数配列される単位光透過要素、及び、隣り合う前記単位光透過要素の間に形成された光吸収部を有し、
    前記接着層は、85℃における貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上1.0×10Pa未満であり、厚みが20μm以上50μm以下である、
    光学シート。
  2. 前記基材層及び前記樹脂層がポリカーボネートによる層である、請求項1に記載の光学シート。
  3. 光源と、該光源よりも観察者側に配置される請求項1又は2に記載の光学シートと、を備える面光源装置。
  4. 請求項3に記載の面光源装置と、該面光源装置の出光側に配置された液晶パネルと、を備える映像源ユニット。
  5. 請求項4に記載の映像源ユニットが筐体に収められた表示装置。
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