JP6033997B2 - 光制御シート、該光制御シートを用いた液晶表示装置 - Google Patents
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Description
また、カーナビゲーションのディスプレイでは、夜間においてフロントガラスへ該ディスプレイの映像が映り込むことを防止するため、上方へ光を出射することを抑制するためにルーバーを用いる。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
プリズム部12、12、…は通常、電離放射線により硬化する樹脂により形成される。当該樹脂としては、後述する光吸収部のバインダーと同様のものが使用可能で、所定の屈折率を有する透明な樹脂で、電離放射線硬化作用を有する紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂等が用いられる。直接に電離放射線で硬化反応するものや、触媒又は開始剤と呼ばれる反応を励起させる物質を介して硬化反応を起こさせるものもある。電離放射線硬化型樹脂としては、反応性オリゴマー(エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリチオール系等)、反応性のモノマー(ビニルピロリドン、2−エチルヘキシルアクリレート、β−ヒドロキシアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリテート等)が適宜選択される。
Npの大きさは特に限定されることはないが、適用材料の入手性の観点から1.4〜1.6であることが好ましい。
一方、光吸収粒子15の大きさが光吸収部13の底辺の長さの半分を超えて大きすぎると、製造時に、光吸収部13の内部に充填し難くなり充填率が悪くなる。さらには各光吸収部の充填率にばらつきが生じることになり、光学的なムラが生じて好ましくない。
リタデーションが大きくなると、LCDの偏光板や液晶パネルの偏光性、及び液晶画像表示装置の場合に用いられる輝度向上を目的とする反射型偏光シートと相まって、映像に色彩ムラが生じやすくなる。従って、リタデーションReを15nm以下に抑えることにより、色彩ムラを抑制し、コントラストの低下を防ぐことが可能となる。
詳しくは次の通りである。すなわち層内で複屈折(リタデーション)が生じると、光が複数の方向に分かれて進行する。そして当該分かれて進行した光が層外に出た時に他の分かれて進行した光との間で干渉する。これがいわゆる色彩ムラとして観察されてしまう。特に、偏光子と偏光子との間にリタデーションの大きい層が含まれるとこれが顕著である。例えば、液晶表示装置において、輝度向上を目的に用いられる反射型偏光シートと、液晶パネルの偏光板との間にリタデーションの大きい層を有することが色彩ムラの一つの原因となる。
これに対して光制御シート10では上記のようにリタデーションReを15nm以下に抑えているので、このような色彩ムラを抑制することが可能である。
プライマー塗付方法は、グラビアコーティング法、スプレー法、ロールコーテイング法等公知の手段、塗付厚さは十分な密着力が得られれば特に限定されることは無いが1μm〜10μm程度が望ましい。プライマーの材料としては公知のものが使用可能で、例えばアクリル樹脂、ポリビニル樹脂、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリウレタン及びそれらの混合物からなり、それぞれ希釈溶剤に溶解、分散して塗布した後に希釈溶剤を蒸発させたもの、又は熱硬化あるいは紫外線硬化等により硬化させたものが使用できる、また紫外線による硬化の場合は、希釈溶剤を含まずに使用するものも可能である。
具体的には、上記記載の残量応力を抑えた基材フィルムと、電離放射線硬化作用を有する紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂等でプリズム部、光吸収部を形成することにより線膨張係数を低く抑えることができる。
基材フィルム層16、及び他の基材フィルム層112のリタデーションを共に15nm以下に抑えることにより、基材フィルム層16、及び他の基材フィルム112の遅相軸の方向に関係なく積層しても光学特性にほとんど影響を与えない。
また、使用環境下での反りを防止するため他の基材フィルム層112は、基材フィルム層16と同一のものが好ましい
ここでは光制御シート10を適用した例を説明するが、この代わりに光制御シート110を適用してもよい。
ここで、プリズムシート3の一方の面又は両面に光を拡散させる層が配置されていてもよい。
35、及びアンチグレアフィルム層(AG層)36を備えている。
プリズム部33a、33a…は、映像源20側が下底、観察者側が上底となるように配置された略台形断面を有する要素である。また、プリズム部33a、33a、…は、屈折率がNkである光透過性樹脂で構成されている。これには上記した光学機能シート層11で説明した材料により形成することができる。Nkの大きさは特に限定されることはないが、適用材料の入手性の観点から1.49〜1.60であることが好ましい。また、プリズム部33a、33a、…の台形である斜辺は、シート面法線に対して所定の角度を有するように設定される。
反射防止層はいわゆるアンチリフレクション層であり、AR層ともいわれる。これは反射を防止することができる機能を有するフィルムが配置される。
ハードコート層は、HC層ともいわれる。これは、画像表示面に傷がつくことを抑えるために耐擦傷性を付与することができる機能を有するフィルムが配置された層である。
帯電防止層は、アンチスタティック(AS)層ともいわれる。これは、帯電、すなわち静電気が帯電することを防止することができる機能を有するフィルムが配置された層である。これには通常に入手できるASフィルムを適用することが可能である。
防汚層は画面表面の汚れを防止することができる機能を有するフィルムが配置された層である。
偏光フィルタ層は、上記した偏光フィルタと同様のものである。必要に応じてここに配置してもよい。
これによれば、映像光L11は、光拡散シート30’内に備えられる各層を透過して、通常に観察者に出射される。また、映像光L12、L13は、プリズム部33a’、33a’、…と光吸収部33b’、33b’、…との界面で全反射されて観察者側に出射される。このとき光吸収部33b’、33b’、…の斜辺は上記したように傾斜しているので、当該斜辺による反射の前後で光の角度が変わり、視野角を広げる方向への映像光の出射が可能となる。これにより広い視野角を得ることができる。
また、光拡散シート30、30’は、光制御シート10の光学機能シート層11の構成と共通する部位を有しているので、材料及び製造の一部を共通化することができ、コストを削減することが可能である。
実施例1では、条件を変更した光制御シートを作製し、リタデーションによる色別れ、及び表面粗さの違いによる偏光板との貼りつきについて評価した。
基材フィルム層はポリカーボネートにより形成した。このポリカーボネートは上記したように、押出し成型されたフィルムに対してベルトプレスにて加熱と加圧とを同時におこなう方法で製造し、リタデーションを調整した。また、このとき、一方の面は粗面とした。各基材フィルム層のリタデーション、及び粗面の表面粗さ(Ra)は後で表1に示す。リタデーションは自動複屈折率計(KOBRA、王子計測機器株式会社製)により測定した。
また、基材フィルム層の厚さは150μmとし、線膨張係数は1.1×10−4(℃)であった。
実施例1では基材フィルム層の面のうち、粗面が形成された面とは反対側の面にプライマ層を形成した。プライマ層は、ポリカーボネート変性ウレタンアクリレートが57%、アセトフェノン系開始剤が3%、及びトルエンが40%の配合の組成物をグラビアリーバースコート法により塗布厚さ3μmで形成した。塗布後、40℃〜80℃の温風により乾燥させ、300mJ/cm2で紫外線を照射した。
光学機能シート層のうち、プリズム部は、エポキシアクリレートが39%、アクリレートモノマーが58%、及び光開始剤が3%の配合の組成物を金型ロールを用いて、図6で説明したように形成した。ここで、紫外線は1J/cm2で照射した。また、プリズム部の形状は、上底が0.03mm、下底が0.06mm、高さが0.15mmの台形とした。硬化後の屈折率は1.56である。
一方、光学機能シート層のうち、光吸収部には、ウレタンアクリレートが33.6%、エポキシアクリレートが14、4%、トリプロピレングリコールジアクリレートが28.0%、メトキシトリエチレングリコールアクリレートが4.0%、光重合開始剤が4.0%、及び光吸収粒子が16.0%からなる流状物を充填し、1J/cm2の条件で紫外線を照射した。ここで、流状物の充填は、上記形成したプリズム部の全面に該流状物を供給し、余剰の流状物を金属ブレードでかきとることによりおこなった。また、流状物に含まれる光吸収粒子は、カーボンブラックを30%含有したアクリルビーズであり、その平均粒子径は5μmである。
接着剤層は、アクリレート系モノマーが55%、アクリレート系オリゴマーが44%、及び光重合開始剤が1%含有した組成物を厚さ50μmで塗布し、他の基材フィルムを貼り合わせた後、700J/cm2の条件で紫外線を照射して硬化させる。積層方法は次の他の基材フィルム層のところで説明する。
他の基材フィルム層は、上記した基材フィルム層と同じとした。
上記接着剤層、及び他の基材フィルム層の積層は次のように行われる。図12に説明するための図を示した。基材フィルム層及び光学機能シート層の積層体71と他の基材フィルム70との間に上記接着剤層となる組成物72を供給し、2つのニップロール73、74の間を通過させ、接着剤の組成物が所定の厚さとなるように、ニップ圧と隙間を調整する。その後、紫外線照射装置75により紫外線を照射して接着剤の組成物を硬化させる。
ここで、色別れ評価は、光源である導光板、プリズムシート、拡散層、反射型偏光シート、光制御シート、偏光板、液晶パネル、偏光板の順に積層した8インチカーナビモニターを用いた。かかるモニターについて、光制御シートを配置しないときの正面輝度を500cd/cm2の明るさで全白表示し、目視評価した。○が色別れなし、△はわずかに色別れがあり、×は色別れありを表している。
また、高温高湿下での貼りつき試験は、光制御シートを2枚の偏光板間に挟み、3kgの重りで荷重をかけ、65℃、湿度95%の環境下で200時間放置したあと、光制御シートの偏光板への貼りつきを評価した。○が貼りつきなし、×が貼りつきありを表している。貼りつきがあると干渉縞が発生する。
実施例2では、実施例1のNo.1の光制御シートを液晶表示装置に用いて色彩ムラを観察した。ただし、光吸収部の光吸収粒子を20%とした。また、線膨張係数は、7.3×10−5(1/℃)であった。線膨張係数は、JIS K 7197−1991に基づき、熱機械分析装置(TMA120 セイコー電子工業株式会社製)を用いて−40℃〜100℃の範囲で測定した。
2 バックライト(光源)
3 プリズムシート
4 反射型偏光シート
10 光制御シート
11 光学機能シート層
12 プリズム部
13 光吸収部
14 バインダー
15 光吸収粒子
16 基材フィルム層
16a 粗面
20 映像源
22 液晶パネル
30 光拡散シート
110 光制御シート
111 接着剤層
112 他の基材フィルム層
Claims (3)
- 光制御シートと、液晶パネルに配置される偏光板と、光源と、反射型偏光シートと、を備え、
前記光制御シートは複数の層を有し、
前記複数の層のうち少なくとも1層は、光を透過可能にシート面に沿って並列され、断面形状が台形であるプリズム部と、該プリズム部の間に光吸収性を有する材料が充填されて形成される光吸収部と、を具備する光学機能シート層であり、
前記複数の層の1層は、他の層を介することなく前記光学機能シート層に積層され、断面形状台形である前記プリズム部の長い下底側の前記光学機能シート層の面に積層される透光性の基材フィルム層とされ、
前記基材フィルム層は、平面方向のリタデーションReが波長400nm〜700nmにおいて、いずれも15nm以下であるとともに前記光学機能シート層が配置される側とは反対側の面には、平均粗さ(Ra)が0.1μm以上の粗面が形成されており、
前記偏光板は、前記光制御シートの前記基材フィルム層側に配置され、
前記光源は、前記光制御シートの前記基材フィルム層側とは反対側に配置され、
前記反射型偏光シートは、前記光源及び前記光制御シートの間に配置される、
液晶表示装置。 - 前記リタデーションReが波長400nm〜700nmにおいて、いずれも10nmより大きく15nm以下である、請求項1に記載の液晶表示装置。
- 前記基材フィルム層がポリカーボネートを主成分とするとともに、前記プリズム部が電離放射線硬化性樹脂により形成されている、請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
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