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JP6933005B2 - 光学シート、映像源ユニット及び液晶表示装置 - Google Patents

光学シート、映像源ユニット及び液晶表示装置 Download PDF

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JP6933005B2 JP2017113691A JP2017113691A JP6933005B2 JP 6933005 B2 JP6933005 B2 JP 6933005B2 JP 2017113691 A JP2017113691 A JP 2017113691A JP 2017113691 A JP2017113691 A JP 2017113691A JP 6933005 B2 JP6933005 B2 JP 6933005B2
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Description

本発明は、光源の観察者側に配置される光学シート、該光学シートを用いた映像源ユニット及び液晶表示装置に関する。
車載ディスプレイや液晶テレビ等の液晶表示装置には、光源から出射される光を制御して、質の高い光を観察者に提供するために、各種機能を有する光学シートが備えられている。
特許文献1には、基材フィルム層の一方の面にプリズム部と光吸収部とが交互に配列された層を有する光制御シートが開示されている。
特開2010−217871号公報
しかしながら、特許文献1に記載のような、基材層の一方の面にプリズム部(光透過部)と光吸収部とが交互に配置された層が具備された光学シートにおいて、光学シートの外周部が固定された状態で熱衝撃を加えると、光学シートが撓むことがあった。光学シートが撓むと、光学シートに備えられたプリズム部(光透過部)と光吸収部とが交互に配置された層も撓むことになるため、光学シートを透過する光にムラが生じてしまう問題が生じる。
そこで、本発明では、熱衝撃を加えても撓むことが抑制される光学シートを提供することを課題とする。また、この光学シートを備える映像源ユニット、及び液晶表示装置を提供する。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明の第1の態様は、光源(25)の観察者側に配置される光学シート(30、130、230)であって、光学シートは、少なくとも基材層(31)と、基材層の一方の面に積層される光学機能層(32)と、備え、光学機能層は、所定の断面を有して一方向に延び、当該延びる方向とは異なる方向に間に溝を有して複数配列される光透過部(33)と、隣り合う光透過部の間の溝の部位に配置される光吸収部(34)と、を備え、光学シートの曲げ弾性率が1500MPa以上3000MPa以下である、光学シートである。
上記光学シートでは、光学機能層を挟んで、該光学機能層の面のうち、基材層が配置された側とは反対側の面に第二の基材層(231)が積層されてもよい。
また、上記光学シートには、出光側の面にスリップ層(35)が積層されもよい。
また、上記光学シートにおいて、基材層はポリカーボネート樹脂を主成分とすることができる。
本発明の第2の態様は、光源(25)と、光源の観察者側に配置される上記光学シート(30、130、230)と、光学シートの観察者側に配置される液晶パネル(15)と、を備える映像源ユニット(10)である。
この映像源ユニットの光学シートと液晶パネルとは、少なくとも一部に接着していない部位を有してもよい。
本発明の第3の態様は、上記映像源ユニットが筐体に収められる液晶表示装置である。
本発明によれば、熱衝撃を加えても、光学シートが撓むことを抑制することができる。また、光学シートの撓みが抑制されることにより、光学シートを透過する光のムラも抑制することができる。
映像源ユニット10を説明する分解斜視図である。 映像源ユニット10の1つの断面を示す分解図である。 映像源ユニット10の他の断面を示す分解図である。 図2のうち光学シート30に注目して一部を拡大した図である。 図5(a)は光学シート130を説明する図、図5(b)は光学シート230を説明する図である。 図6(a)は、1辺をガラス板にテープ止めした光学シートの平面図であり、図6(b)は3辺をガラス板にテープ止めした光学シートの平面図であり、図6(c)は4辺をガラス板にテープ止めした光学シートの平面図である。 熱衝撃試験を行う際の光学シートの断面図であり、3辺止めを行った光学シートの場合を説明する図である。 3点曲げ試験を説明する断面概略図である。
以下、本発明を図面に示す形態に基づき説明する。ただし、本発明はこれら形態に限定されるものではない。また、当該図面においては、見易さのために各要素の形態を誇張したり拡大したりして表している。
図1は1つの形態を説明する図であり、表示装置に含まれる映像源ユニット10を示した分解斜視図である。また図2には、図1にII−IIで示した線に沿って切断したときの映像源ユニット10の分解断面図の一部、図3には、図1にIII−IIIで示した線に沿って切断したときの映像源ユニット10の分解断面図の一部をそれぞれ表した。表示装置には映像源ユニット10の他、説明は省略するが、映像源ユニットを納める筐体、映像源ユニットを作動させる電源、及び映像源ユニットを制御する電子回路等、表示装置として動作するために必要とされる通常の機器を具備している。以下映像源ユニット10について説明する。
映像源ユニット10は、液晶パネル15、面光源装置20、及び機能性フィルム40を備えている。図1では紙面上方が観察者側となる。
液晶パネル15は、機能性フィルム40側(観察者側)に配置された上偏光板13と、面光源装置20側に配置された下偏光板14と、上偏光板13と下偏光板14との間に配置された液晶層12と、を有している。偏光板13、14は、入射した光を直交する二つの偏光成分(P波およびS波)に分解し、一方の方向(透過軸に平行な方向)の偏光成分(例えば、P波)を透過させ、当該一方の方向に直交する他方の方向(吸収軸に平行な方向)の偏光成分(例えば、S波)を吸収する機能を有している。
液晶層12は、複数の画素が層面に沿った方向に縦横に配列されており、一つの画素を形成する領域毎に電界印加できる。そして電界印加された画素の配向が変化する。これにより、面光源装置20側(すなわち入光側)に配置された下偏光板14を透過した透過軸に平行な偏光成分(例えばP波)は、電界印加された画素を通過する際にその偏光方向を90°回転させ、その一方で、電界印加されていない画素を通過する際にその偏光方向を維持する。このため、画素への電界印加の有無によって、下偏光板14を透過した偏光成分(例えばP波)が、出光側に配置された上偏光板13をさらに透過するか、あるいは、上偏光板13で吸収されて遮断されるか、を制御することができる。
このようにして液晶パネル15は、面光源装置20からの光の透過または遮断を画素毎に制御して映像を表現する構造を有している。
液晶パネルはこのような原理により観察者に対して映像を提供することができるように構成されている。従って、液晶パネルの背面側から照明をする際には下偏光板の透過軸に平行な偏光成分を有する光を多く到達させることにより下偏光板を透過させて光の利用効率を高めることができる。
さらに液晶パネルは、その性質上、該液晶パネルの法線方向からの入射光に対しては、出射光のコントラスト、及び効率(透過率)は優れている。しかしながら、液晶パネルの法線方向に対して斜めからの入射光、および観察者による斜め方向からの観察についてはコントラストの低下や効率(透過率)の低さが問題となる。すなわち、光の利用効率を高めるためには液晶パネルの法線方向からの入射光を多くすることも有効である。
液晶パネルの種類は特に限定されることはなく、公知の型の液晶パネルを挙げることができる。これには例えばTN、STN、VA、MVA、IPS、OCB等がある。
また、上偏光板及び下偏光板は公知の構造のものを用いることができ、通常はポリビニルアルコール(PVA)層の表裏をトリアセチルセルロース(TAC)による層にて挟むようにして構成されている。
次に面光源装置20について説明する。
面光源装置20は、液晶パネル15に対して観察者側とは反対側に配置され、液晶パネル15に面状の光を出射する照明装置である。図1、図2からわかるように、本形態の面光源装置20は、エッジライト型の面光源装置として構成され、導光板21、光源25、光拡散板26、プリズム層27、反射型偏光板28、光学シート30及び反射シート39を有している。
導光板21は、図1〜図3よりわかるように、基部22及び裏面光学要素23を有している。導光板21は透光性を有する材料により形成された全体として板状の部材である。本形態で導光板21の観察者側となる一方の板面側は平滑面とされ、これとは反対側である他方の板面側は裏面とされ、当該裏面には複数の裏面光学要素23が配列されている。
基部22、裏面光学要素23をなす材料としては、種々の材料を使用することができる。ただし、表示装置に組み込まれる光学シート用の材料として広く使用され、優れた機械的特性、光学特性、安定性および加工性等を有するとともに安価に入手可能な材料を用いることができる。これには例えば脂環式構造を有する重合体樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリエーテルスルホン等の熱可塑性樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)等を挙げることができる。
基部22は、その内部を光が導光されるとともに、裏面光学要素23のベースとなる部位で、所定の厚さを有する板状である。
裏面光学要素23は、基部22の裏面側(反射型偏光板28が配置される側とは反対側)に形成される突出した要素であり、本形態では三角柱状である。裏面光学要素23は、突出した頂部の稜線が図1の紙面左右方向に延びる柱状であり、複数の裏面光学要素23が当該延びる方向に直交する方向に所定のピッチで並べて配列されている。本形態の裏面光学要素23は断面が三角形であるがこれに限定されることはなく、多角形、半球状、球の一部、レンズ形状等いずれの形状の断面であってもよい。
複数の裏面光学要素23の配列方向は導光方向であることが好ましい。すなわち、光源25から離隔する方向に配列され、光源25が配列される方向、又は1つの長い光源であれば該光源が延びる方向に平行に各裏面光学要素23の稜線が延びている。
なお、本件明細書における「三角形形状」とは、厳密な意味での三角形形状のみでなく、製造技術における限界や成型時の誤差等を含む略三角形形状を含む。また同様に、本件明細書において用いる、その他の形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、「平行」、「直交」、「楕円」、「円」等の用語も、厳密な意味に縛られることなく、同様の光学的機能を期待し得る程度の誤差を含めて解釈することとする。
このような構成を有する導光板21は、押し出し成型により、又は、基部22上に裏面光学要素23を賦型することにより製造することができる。なお、押し出し成型で製造された導光板21においては、基部22、及び裏面光学要素23が一体的に形成され得る。また、賦型によって導光板21を製造する場合、裏面光学要素23が、基部22と同一の樹脂材料であっても、異なる材料であってもよい。
図1、図2に戻って、光源25について説明する。光源25は、導光板21の基部22が有する側面のうち、複数の裏面光学要素23が配列される方向の一方側の側面に配置される。光源の種類は特に限定されるものではないが、線状の冷陰極管等の蛍光灯、点状のLED(発光ダイオード)、又は白熱電球等の種々の態様で構成できる。本形態では光源25は複数のLEDからなり、不図示の制御装置により各LEDの点灯および消灯、並びに/又は、各LEDの点灯時の明るさを個別に独立して調節できるように構成されている。
なお、本形態では上記のように光源25は一方側の側面に配置される例を示したが、さらにこの側面とは反対側となる側面にも光源が配置される形態であってもよい。なお、この場合には裏面光学要素の形状も公知の例に倣って形成する。
次に光拡散板26について説明する。光拡散板26は、導光板21の出光側に配置され、ここに入射した光を拡散させて出射する機能を有する層である。これにより、導光板21から出射した光をさらに均一性を高め、導光板21に存在する傷を目立たなくすることができる。
光拡散板の具体的態様は、公知の光拡散板を用いることができ、例えば母材の中に光拡散剤を分散させた形態を挙げることができる。
このような光拡散板は導光板の出光面が平滑である場合には導光板の出光面に一体となるように接着されてもよい。また光拡散板は次に示すプリズム層の支持板としても機能するように構成することもできる。
プリズム層27は、図1〜図3よりわかるように、光拡散板26よりも液晶パネル15側に設けられ、該液晶パネル15側に向けて凸である単位プリズム27aを具備する層である。単位プリズム27aは、所定の断面を有して導光板21の導光方向に延びる形態を有している。そして、複数の単位プリズム27aが導光方向とは異なる方向(本形態では平面視で導光方向に直交する方向)に配列されている。
このようなプリズム層の単位プリズムの断面形状は、必要とする機能に応じて公知の形状を適用することができる。当該形状により光をさらに拡散させることもできるし、集光させることもできる。
次に反射型偏光板28について説明する。反射型偏光板28は、入射した光を直交する二つの偏光成分(P波およびS波)に分解し、一方の方向(透過軸に平行な方向)の偏光成分(例えば、P波)を透過させ、当該一方の方向に直交する他方の方向(反射軸に平行な方向)の偏光成分(例えば、S波)を反射する機能を有している。このような反射型偏光板の構造は公知のものを適用することができる。
次に光学シート30について説明する。図4は図2のうち、光学シート30の一部を拡大して表した図である。図1〜図4よりわかるように、光学シート30は、少なくともシート状に形成された基材層31と、基材層31の一方側の面(本形態では導光板21側の面)に積層される光学機能層32と、を備えている。
本形態の光学シート30は、後述するように、入光側から入射した光の進行方向を変化させて出光側から出射させ、正面方向(法線方向)の輝度を集中的に向上させる機能(集光機能)を有している。またその際には偏光成分の変化が抑制され、これら機能により光の利用効率を高めることができる。さらに、当該正面方向に対して大きな角度で進行した光を吸収する機能(光吸収機能)を備えている。
光学シート30の曲げ弾性率は、後述するように、他の層が付加された場合も含み、光学シート全体として1500MPa以上3000MPa以下であることが好ましい。この範囲内にあることにより、例えば、光学シート30に熱衝撃が加えられたとしても、光学シート30は適切な剛性を有し、撓むことが抑制される。また、光学シート30の撓みが抑制されることにより、光学シート30を透過する光のムラも抑制することができる。光学シート30の曲げ弾性率が1500MPa未満であると、光学シートが撓むことを抑制することが困難になる。また、光学シート30の曲げ弾性率が3000MPaを超えると、光学シートが厚くなりすぎる虞がある。
また、光学シート30は、上記範囲内の曲げ弾性率の有する限り特に限定されないが、厚みを360μm以上465μm以下とすること好ましい。これにより、光学シート30はより適切な剛性を有することができる。
このように、光学シート30は適切な剛性を有することにより、熱衝撃による撓みが抑制されているため、本形態においては、光学シート30と液晶パネル15とは、少なくとも一部を接着していない部位を有してもよく、全面を接着していなくてもよい。
また、光学シート30は映像源ユニット10を収納する筐体等に固定されていてもよい。これは、例えば、光学シートの1辺が固定されている形態、光学シートの3辺が固定されている形態、及び、光学シートの4辺が固定されている形態を挙げることができる。すなわち、本形態の光学シートは、上記のように固定された状態で熱衝撃を受けたとしても、撓むことが抑制されている。
また、図1〜図4より分かるように、光学シート30は偏光板14に対向して配置される側(出光側)にはスリップ層35を備えることもでき、これにより偏光板14および光学シート30の傷付きを防止することが可能となる。
このように、「光学シート」は、光学機能層を含めて一体化されている範囲のシートのことを言う。ここで、一体化されているとは、例えば、接着等を行って積層された状態が挙げられる。
図1、図2、図4に示すように、本形態の基材層31は光学機能層32、及びスリップ層35を支持する平板状のシート状部材である。基材層の厚みは、特に限定されないが、光学シート30に適切な剛性を付与する観点から、200μm以上300μm以下が好ましい。
基材層31をなす材料としては、種々の材料を使用することができる。ただし、表示装置に組み込まれる光学シート用の材料として広く使用され、優れた機械的特性、光学特性、安定性および加工性等を有するとともに安価に入手可能な材料を用いることができる。これには例えばポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、トリアセチルセルロース樹脂(TAC)、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等を挙げることができる。この中でも面光源装置20と下偏光板14との組み合わせを考慮して複屈折の少ないTAC、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂を用いることが好ましい。さらには、車載用途などのように高い耐熱性が求められる用途では、ガラス転移点が高いポリカーボネート樹脂が望ましい。具体的にはポリカーボネート樹脂のガラス転移点は143℃であり、一般に105℃での耐久性が求められる車載用途に適している。よって、本形態の基材層31はポリカーボネート樹脂を主成分とすることが特に適していると言える。
なお、「主成分とする」とは、基材層全体の質量を100質量%としたとき、特定の材料が50質量%以上含有されていることを言う。
光学機能層32は基材層31の一方の面(本形態では導光板21側の面)に積層された層で、層面に沿って光透過部33と光吸収部34とが交互に配列されている。
光学機能層32は、図4に示した断面を有して紙面奥/手前側に延びる形状を備える。すなわち、図4に表れる断面において、略台形である光透過部33と、隣り合う2つの光透過部33間に形成された断面が略台形の光吸収部34と、を具備している。
光透過部33は光を透過させることを主要の機能とする部位であり、本形態では図2、図4に表れる断面において、基材層31側に長い下底、その反対側(導光板側)に短い上底を有する略台形の断面形状を有する要素である。光透過部33は、基材層31の層面に沿って当該断面を維持して上記した方向に延びるとともに、この延びる方向とは異なる方向に間に溝を有して配列される。従って、隣り合う光透過部33の間には、略台形断面を有する溝が形成されている。従って、当該溝は、光透過部33の上底側(導光板21側)に長い下底を有し、光透過部33の下底側(液晶パネル側)に短い上底を有する台形断面を具備し、ここに後述する必要な材料が充填されることにより光吸収部34が形成される。なお、本形態では隣り合う光透過部33は長い下底側の土台部32aで連結されている。図4に示したDは示した土台部32aの厚さを表している。
光透過部33は屈折率がNtとされている。このような光透過部33は、光透過部構成組成物を硬化させることにより形成することができる。詳しくは後で説明する。屈折率Ntの値は特に限定されることはないが、後述するように台形断面の斜面における光吸収部34との界面で適切に光を反射(全反射を含む。)する観点から屈折率は1.55以上であることが好ましい。ただし、屈折率が高すぎる材料は割れやすい場合が多いので屈折率は1.61以下であることが好ましい。より好ましくは1.56以下である。
光吸収部34は隣り合う光透過部33の間に形成された上記した溝に形成される間部として機能し、溝の断面形状と同様の断面形状となる。従って短い上底が液晶パネル15側を向き、長い下底が導光板21側となる。そして光吸収部34は、屈折率がNrとされるとともに、光を吸収することができるように構成されている。具体的には屈折率がNrである透明樹脂に光吸収粒子が分散されている。屈折率Nrは、光透過部33の屈折率Ntよりも低い屈折率とされる。このように、光吸収部34の屈折率を光透過部33の屈折率より小さくすることにより、所定の条件で光透過部33に入射した光を光吸収部34との界面で適切に全反射させることができる。また、全反射条件を満たさない場合にも一部の光は当該界面で反射する。
屈折率Nrの値は特に限定されることはないが、当該全反射を適切に行う観点から1.50以下であることが好ましく、その中でも入手性の観点から1.47以上が好ましい。より好ましく1.49以上である。
光透過部33の屈折率Ntと光吸収部34の屈折率Nrとの屈折率の差は特に限定されるものではないが、0.05以上0.14以下であることが好ましい。屈折率差を大きくすることにより、より多くの光を全反射させることができる。
光学機能層32では、特に限定されることはないが、例えば次のように光透過部33及び光吸収部34が形成されている。すなわち、図4にPで表した光透過部33及び光吸収部34のピッチは20μm以上100μm以下であることが好ましく、30μm以上100μm以下であることがより好ましい。また、図4にθで示した光吸収部34と光透過部33との斜辺における界面と、光学機能層32の層面の法線と、の成す角は1°以上10°以下であることが好ましい。そして図4にDで示した光吸収部34の厚さは50μm以上150μm以下であることが好ましく、60μm以上150μm以下であることがより好ましい。これらの範囲内とすることにより、光の透過と光の吸収とのバランスがさらに良好になる。
本形態では光透過部33と光吸収部34との界面が断面において一直線状となる例を示したが、これに限らず折れ線状、凸である曲線状、凹である曲線状等であってもよい。また、複数の光透過部33及び光吸収部34で断面形状が同じであってもよいし、所定の規則性を有して異なる断面形状であってもよい。
スリップ層35は、スリップ剤が含有された層であり摺動性が高められている。これには例えば母材にスリップ剤を含有させることにより形成することができる。
この母材としては特に限定されることはないが、紫外線硬化型の樹脂を用いることができる。
例えば分子中にラジカル重合性不飽和結合を有するアクリレート系のモノマーとしては特に限定されないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能モノマー、及び、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能モノマー等が挙げられる。その中でも、耐熱性に優れる観点から、ビスフェノールA型のエポキシアクリレート及びビフェニルオキシエチルアクリレート等のベンゼン環を有するものが好ましい。
そして、アクリレート系電離放射線硬化性樹脂として、これらのモノマー1種類単独で用いる他、モノマーを2種類以上混合してもよい。
アクリレート系電離放射線硬化性樹脂としては、特に限定されないが、中でもエポキシ系アクリレートが好ましく、ビスフェノールAエポキシジアクリレートがより好ましい。 アクリレート系電離放射線硬化性樹脂は、特に限定されないが、モノマー含有量が、80質量%以上98質量%以下であることが好ましく、特に90質量%以上95質量%以下であることが好ましい。
一方、スリップ剤は、高級脂肪酸エステル(ステアリン酸ブチル等)、高級脂肪酸アミド(エチレンビスステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等)、金属石けん(ステアリン酸カルシウム、オレイン酸アルミニウム等)、ワックス[パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、カルボキシル基含有ポリエチレンワックス等)等]およびシリコーン(例えばジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイルおよびフルオロシリコーンオイル)等が挙げられる。この中でもシリコーン系のスリップ剤を用いることが好ましい。
このようなスリップ剤は上記母材の全質量に基づいて、5質量%以下で含まれることが好ましく、さらに好ましくは0.01質量%以上2質量%以下である。
また、スリップ層35のうち、基材層31と反対側となる面(すなわち表層となる面)には微小な凹凸が設けられ(いわゆるマット面)てもよい。スリップ剤の含有により、スリップ層35が水分を吸収し易くなる虞があり、下偏光板14との間に光学的な密着が起こり、干渉縞やギラツキ(シンチレーション)の発生が起こる場合がある。これに対してスリップ層35の表面をマット面にすることでこれを防止することができる。
マット面の凹凸の程度は特に限定されることはないが、ヘイズが30%以下であることが好ましい。これによりマット面による正面輝度の過度な低下を抑制することができる。
光学シート30は光学機能層32の基材層31とは反対側の面に、光学機能層32を保護する保護層をさらに積層してもよい。保護層を積層することにより、光学機能層32への外部からの傷害等を保護する効果、及び、光学シート30を作製する際にそりを抑制する効果を付与することができる。保護層に用いられる材料としては、紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂等の公知の材料を使用することができる。また、保護層には、反射防止処理、防眩処理、帯電防止処理、ハードコート処理等の処理を施してもよい。
保護層の厚みは、5μm以上30μm以下が好ましい。保護層の厚みが5μmより薄いと、安定的に塗工することが困難となり、30μmより厚いと、使用する材料のコストが増加する。保護層のヘイズは5%以上50%以下が好ましい。保護層のヘイズが5%未満であると、保護層の表面に配置されるフィルム(例えば、図1〜図3における反射型偏光板28)と貼り付く虞がある。一方、保護層のヘイズが50%を超えると、保護層を透過する光が拡散されすぎるため、正面輝度が低下する傾向にある。
光学シート30は例えば次のように作製できる。
はじめに基材層31に光透過部33を形成する。これは、光透過部33の形状が転写できる形状を表面に有する金型ロールと、これに対向するように配置されたニップロールとの間に、基材層31となる基材シートを挿入する。このとき、基材シートと金型ロールとの間に光透過部を構成する組成物を供給しながら金型ロール及びニップロールを回転させる。これにより金型ロールの表面に形成された光透過部に対応する溝(光透過部形状を反転した形状)に光透過部を構成する組成物が充填され、該組成物が金型ロールの表面形状に沿ったものとなる。
ここで、光透過部を構成する組成物としては、例えば、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリチオール系等の電離放射線硬化型の樹脂を挙げることができる。
金型ロールと基材シートとの間に挟まれ、ここに充填された光透過部を構成する組成物に対し、基材シート側から光照射装置により硬化させるための光を照射する。これにより、組成物を硬化させ、その形状を固定させることができる。そして、離型ロールにより金型ロールから基材層31および成形された光透過部33を離型する。
次に、光吸収部34を形成する。光吸収部34を形成するには、まず、上記形成した光透過部33間の溝に光吸収部を構成する組成物を充填する。その後、余剰分の当該組成物をドクターブレード等で掻き落とす。そして、残った組成物に光透過部33側から紫外線を照射することによって硬化させ、光吸収部34を形成することができる。
光吸収部として用いられる材料は特に限定されないが、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、およびブタジエン(メタ)アクリレート等の光硬化型樹脂の中に着色された光吸収粒子が分散されている組成物を挙げることができる。
また光吸収粒子を分散させる代わりに顔料や染料により光吸収部全体を着色することもできる。
光吸収粒子を用いる場合には、カーボンブラック等の光吸収性の着色粒子が好ましく用いられるが、これらに限定されるものではなく、映像光の特性に合わせて特定の波長を選択的に吸収する着色粒子を使用してもよい。具体的には、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩、染料、顔料等で着色した有機微粒子や着色したガラスビーズ等を挙げることができる。特に、着色した有機微粒子が、コスト面、品質面、入手の容易さ等の観点から好ましく用いられる。着色粒子の平均粒子径は1.0μm以上20μm以下であることが好ましく、1.0μm以上10μm以下であることがより好ましく、1.0μm以上4.0μm以下であることが更に好ましい。
ここで「平均粒子径」とは、光吸収粒子を100個電子顕微鏡で観察してその直径を計り、算術平均した直径を意味する。
そして基材層31のうち光学機能層32を形成した側とは反対側にスリップ層35を積層する。これにより基材層31の一方の面に光学機能層32、他方の面にスリップ層35が積層した光学シート30が作製される。
上記では基材層31にスリップ層35を積層する形態であったが、スリップ層を積層する代わりに基材層にスリップ剤を含有させてもよい。またその際には基材層のうち光学機能層32が配置された側とは反対側の面にマット面を形成することもできる。
これによれば、スリップ層35を新たに設ける必要がなく、層構成の簡略化及び製造工程の簡略化が可能となる。
図5(a)、図5(b)には他の形態の光学シート130、230を説明する図を示した。
図5(a)は、基材層31が導光板21側に配置された例であり、上記光学シート30とは反転した態様で用いられる光学シートである。このような光学シート130では下偏光板14側に光学機能層32が配置されるので、光学機能層32の面のうち、基材層31が配置された側とは反対側の面にスリップ層35を設けることができ、光学シート30と同様に下偏光板14および光学シート130の擦り傷の発生を防止することができる。
図5(b)は、シート状に形成された基材層31と、基材層31の一方の面(導光板21側の面)に設けられた光学機能層32と、光学機能層32の面うち、基材層31が配置された側とは反対側の面に第二の基材層231が積層された例である。これにより、光学シートは適切な剛性を有することができ、熱衝撃を受けても撓むことが抑制される。
また、光学シート230は光学機能層32を基材層31と第二の基材層231とで挟み込む形態と言えるため、例えば剛性を付与する目的で、従来の光学シートに第二の基材層を積層することで光学シート230を容易に製造することができる。さらに、光学機能層32を挟んでその表裏の層構成が対称であるため、光学シートの反りを抑制することができ、また、いずれの向きで用いてもよいため、部品の共通化を図ることが可能となる。
なお、第二の基材層231は基材層31と同様の材料から作製可能である。また、基材層及び第二の基材層の光学機能層とは反対側の面にはスリップ層をそれぞれ配置することができ、基材層及び第二の基材層にスリップ材を含有させることもできる。
光学シート230は、上記光学シート30の曲げ弾性率の範囲を満たす曲げ弾性率を有する限り特に限定されないが、適切な剛性を有する観点から、光学シートの厚みを350μm以上450μm以下とすることが好ましい。また、基材層及び第二の基材層の厚みの和を200μm以上250μm以下とすることも好ましい。
図1〜図3に戻って、面光源装置20の反射シート39について説明する。反射シート39は、導光板21の裏面から出射した光を反射して、再び導光板21内に光を入射させるための部材である。反射シート39は、金属等の高い反射率を有する材料からなるシート、高い反射率を有する材料からなる薄膜(例えば金属薄膜)を表面層として含んだシート等のいわゆる鏡面反射を可能とするものを好ましく適用することができる。
機能性フィルム40は、液晶パネル15の出光側に配置され、映像光の質を向上させたり、映像源ユニット10を保護したりする機能を有する層である。これには例えば反射防止フィルム、防眩フィルム、ハードコートフィルム、色調補正フィルム、光拡散フィルム等を挙げることができ、これらが単独又は複数組み合わされて構成されている。
次に、以上のような構成を備える表示装置の作用について、光路例を示しつつ説明する。ただし当該光路例は説明のための概念的なものであり、反射や屈折の程度を厳密に表したものではない。
まず、図2に示すように、光源25から出射した光は、導光板21の側面の入光面を介して導光板21内に入射する。図2には、一例として、光源25から導光板21に入射した光L21、L22の光路例が示されている。
図2に示すように、導光板21に入射した光L21、L22は、導光板21の出光側面及びその反対側の裏面において、空気との屈折率差による全反射を繰り返し、導光方向(図2の紙面右方向)へ進んでいく。
ただし、導光板21の裏面には裏面光学要素23が配置されている。このため、図2に示すように、導光板21内を進む光L21、L22は、裏面光学要素23によって進行方向が変わり、全反射臨界角未満の入射角度で出光面、及び裏面に入射することもある。この場合に当該光は、導光板21の出光面及びその反対側の裏面から出射し得る。
出光面から出射した光L21、L22は、導光板21の出光側に配置された光拡散板26へと向かう。一方、裏面から出射した光は、導光板21の背面に配置された反射シート39で反射され、再び導光板21内に入射して導光板21内を進むことになる。
導光板21内を進行する光と、裏面光学要素23で向きを変えられて全反射臨界角未満の入射角度で出光面に達する光は、導光板21内の導光方向に沿った各区域において生じる。このため、導光板21内を進んでいる光は、少しずつ、出光面から出射するようになる。これにより、導光板21の出光面から出射する光の導光方向に沿った光量分布を均一化させることができる。
導光板21から出射した光は、その後、光拡散板26に達し均一性が高められる。そしてプリズム層27により必要に応じて拡散又は集光されプリズム層27を出光した光は次に反射型偏光板28に達する。ここでは、反射型偏光板28の透過軸に沿った偏光方向の光は反射型偏光板28を透過し光学シート30に向かう。
一方、反射型偏光板28の反射軸に沿った偏光方向の光は図2に点線矢印L21’、L22’で示したように反射して導光板21側に戻される。戻された光は、導光板21、裏面光学要素23、又は反射シート39で反射して再び反射型偏光板28の側に進行する。この反射の際に一部の光の偏光方向が変化しておりその一部は反射型偏光板28を透過する。他の光は再び導光板側に戻される。このように反射型偏光板28で反射した光も反射を繰り返すことで反射型偏光板28を透過できるようになる。これにより光源25からの光の利用率が高められる。
ここで、反射型偏光板28を出射した光は、その偏光方向が下偏光板14の透過軸に沿った方向になっており、下偏光板14を透過する偏光光となっている。
反射型偏光板28を出射した光は光学機能層32に入射する。光学機能層32に入射する光は下偏光板14を透過する偏光光となっているが、次のような光路を有して進行する。すなわち、例えば図4にL41で示したように、光吸収部34との界面に達することなく光透過部33を透過する。または、図4にL42で示したように光吸収部34との界面に達して全反射して光透過部33を透過する。このとき、本形態では当該界面の傾斜角度(θ)の作用により、界面で反射した光は液晶パネル15の法線に平行な方向に近づけられる。また、全反射臨界角より小さい角度のため全反射しない光であってもそのうちの一部は当該界面で反射するものもある。このような光も同様に光透過部33を透過する。
これにより液晶パネル15を透過した際に、コントラスト低下や色の反転等の不具合が起こらない光を液晶パネル15に対して効果的に提供することができる。
一方、図4にL43で示したようにシート面法線に対して大きな角度で光学機能層32に入射した光は光吸収部34に吸収され、液晶パネル15には提供されない。従って、コントラスト低下や色の反転を生じるような不具合を生じる光を吸収することができる。
このような光学シート30により、導光板21からの光を効率よく集光し、集光しなかった光は光吸収部で吸収するため、適切な光を効率よく液晶パネルに提供することができ、光の利用効率を大幅に向上させることが可能となる。また、光学シート30によれば、下偏光板14を透過する偏光方向の光の当該偏光方向を維持して下偏光板14に光を提供し、下偏光板14で吸収される光を少なく抑えることができ、光の利用効率(透過率)を向上させることが可能である。
さらに光路について説明する。上記のように面光源装置20を出射した光は、液晶パネル15の下偏光板14に入射する。下偏光板14は、入射光のうち、一方の偏光成分を透過させ、その他の偏光成分を吸収する。下偏光板14を透過した光は、画素毎への電界印加の状態に応じて、選択的に上偏光板13を透過するようになる。このようにして、液晶パネル15によって、面光源装置20からの光を画素毎に選択的に透過させることにより、液晶表示装置の観察者が、映像を観察することができるようになる。その際、映像光は機能性フィルム40を介して観察者に提供され、映像の質が高められている。
上記した形態では、光学機能層32は、光透過部33の短い上底が導光板21側、長い下底が液晶パネル15側となる向きとしたが、これを反転した形態としてもよい。すなわち、図5(a)に示した形態であり、光透過部の短い上底が液晶パネル側、長い下底が導光板側となる向きとしてもよい。この場合には光の集光作用は有しないが、下偏光板を透過する偏光方向を維持して下偏光板に光を提供し、下偏光板で吸収される光を少なく抑えることができ、光の利用効率(透過率)を向上させることは可能である。
さらに、光学シート30によれば、スリップ層35により次のように作用する。通常、面光源装置と液晶パネルとの間は1mm程度の間隙が設けられて、特に接着等することなく空隙とされている。かかる状態において、従来の光学シートにより例えば熱変動と振動とを同時に付与する試験(複合振動試験)をおこなうと、液晶パネルの下偏光板(面光源装置に対向する側の偏光板)および光学シートに擦り傷が発生することがあった。
これに対して光学シート30によれば、スリップ層35の作用により当該擦り傷の発生を防止することができる。
また、スリップ層35のうち、基材層31と反対側となる面(すなわち表層となる面)に微小な凹凸(いわゆるマット面)が設けられた場合には、干渉縞やギラツキ(シンチレーション)の発生を防止することができる。スリップ剤の種類によって、スリップ層35が水分を吸収し易くなる虞があり、下偏光板14との間に光学的な密着が起こる場合があるからである。
実施例として光学シートの厚み及び曲げ弾性率を変更した4つの光学シートを作製し、熱衝撃試験よって生じる撓みを目視によって評価した。
[光学シートの作成]
(実施例1)
基材層と、基材層の一方の面に積層された光学機能層と、基材層の面のうち、光学機能層が配置された側とは反対側の面に積層されたスリップ層と、光学機能層の面のうち、基材層が配置された側とは反対側の面に積層された保護層と、からなる光学シートを上記に倣って作製した。光学機能層の向きは図4に示したものと同じである。
実施例1に係る光学シートの具体的な形状は次のとおりである。また、実施例1に係る光学シートの厚みは425μmであった。
<スリップ層>
・母材:紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂
・スリップ剤:シリコーン、母材に対して1%未満
・厚み:25μm
<基材層>
・材料:ポリカーボネート樹脂
・厚み:250μm
<光学機能層>
・ピッチ:39μm(図4のP
・光吸収部上底幅:4μm(図4のW
・光吸収部下底幅:10μm(図4のW
・光吸収部の厚み:102μm(図4のD
・土台部の厚み:23μm(図4のD
・光学機能層の厚み:125μm
・光透過部の材料及び屈折率:屈折率1.56の紫外線硬化型ウレタンアクリレート
・光吸収部の材料及び屈折率:屈折率1.49の紫外線硬化型ウレタンアクリレートにカーボンブラックを含有したアクリルビーズを25質量%分散
<保護層>
・紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂により厚み25μmで形成した。
(実施例2)
基材層と、基材層の一方の面に積層された光学機能層と、光学機能層の面のうち、基材層が配置された側とは反対側の面に接着層を介して積層された第二の基材層と、からなる光学シートを上記に倣って作製した。
実施例2に係る光学シートの具体的な形状は次のとおりである。また、実施例2に係る光学シートの厚みは400μmであった。
<基材層>
・材料:ポリカーボネート樹脂
・厚み:130μm
<光学機能層>
・ピッチ:39μm(図4のP
・光吸収部上底幅:4μm(図4のW
・光吸収部下底幅:10μm(図4のW
・光吸収部の厚み:120μm(図4のD
・土台部の厚み:25μm(図4のD
・光学機能層の厚み:145μm
・光透過部の材料及び屈折率:屈折率1.56の紫外線硬化型ウレタンアクリレート
・光吸収部の材料及び屈折率:屈折率1.49の紫外線硬化型ウレタンアクリレートにカーボンブラックを含有したアクリルビーズを25質量%分散
<接着層>
・材料:紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂
・厚み:25μm
<第二の基材層>
・材料:ポリカーボネート樹脂
・厚み:100μm
(比較例1)
実施例1に係る光学シートからスリップ層を除き、基材層の厚みを130μmに変更した光学シートを作製し、比較例1に係る光学シートとした。比較例1に係る光学シートの厚みは280μmであった。
(比較例2)
実施例1に係る光学シートに対して、基材層の厚みを130μmに変更した光学シートを作製し、比較例2に係る光学シートとした。比較例2に係る光学シートの厚みは305μmであった。
[評価及びその結果]
<熱衝撃試験>
以上、実施例1、2及び比較例1、2に係る光学シートを横160cm、縦10cmのサイズに断裁し、それぞれの光学シートの1辺、3辺、又は4辺を両面テープでガラス板に貼り付け、テープ止めを行った。
図6に、テープ止めを行った光学シートの上面図を示した。そして、後述する熱衝撃試験を行い、それぞれの光学シートの撓みの有無を目視により評価した。表1にその結果を示した。
熱衝撃試験とは、高温状態から低温状態若しくは低温状態から高温状態に遷移するときの温度差を試験体に繰り返し与えて、短時間で温度変化に対する耐性を評価するものである。
本実施例では次のように熱衝撃試験を行った。まず、光学シートのテープ止め部位をPET(ポリエチレンテレフタレート樹脂)で押さえ、ガラス板で挟み、そして、テープ止めを行った光学シートのそれぞれの辺を、ガラス板を介して、上下からクリップで挟んで固定した。このときの光学シート(3辺止め)の断面図の例を図7に示した。そして、固定した光学シートを熱衝撃試験装置(エスペック株式会社製、型番TSA−101S−W)に設置し、熱衝撃試験を行った。試験は、−35℃で1時間、85℃で1時間の計2時間を1サイクルとして、84サイクル(168時間)を行った。
この熱衝撃試験装置では、光学シートが入った槽と、これとは別の槽を備えており、当該別の槽を試験のための温度条件を満たす状態にしておき、設定した時間になると瞬間的に、別の槽から光学シートが入った槽へ温度条件が満たされた空気が送られるように構成されている。
<曲げ弾性率の測定試験>
また、上記とは別に実施例1、実施例2、比較例1、及び比較例2に係る光学シートを横40mm、縦25mmのサイズに断裁し、後述の方法により曲げ弾性率を測定した。表1にその結果を示した。
本実施例では3点曲げ試験により光学シートの曲げ弾性率を測定した。試験装置は株式会社島津製作所製オートグラフAG−50kNXPlusを使用した。図8に3点曲げ試験における断面概略図を示した。なお、測定時の温度は23℃であった。
3点曲げ試験とは、図8に示す通り、上部支点及び該上部支点の下側に配置される下部支点1、2の間に光学シートを配置して行うものである。本実施例におけるこれらの支点の位置関係は次のとおりである。すなわち、下部支点1、上部支点、下部支点2はこの順に同一直線上に並んでおり、そして下部支点1から下部支点2までの距離は20mmであり、上部支点はこれら下部支点1、2の中間に位置している。
このような試験装置に対して、光学シートの重心が上部支点に重なるように光学シートを下部支点1、2の上部に設置し、次いで上部支点が光学シートに接するように上部支点の位置を調整した。
そして、上部支点を1mm/minの速度で下方に移動させて光学シートを押圧し、このときに測定される光学シートのひずみ及び試験装置に掛かる応力から、ひずみ−応力グラフを作成し、該グラフのうち一定の傾きで変化する領域から光学シートの曲げ弾性率を算出した。結果を表1に示した。
Figure 0006933005
表1より、実施例1及び実施例2に係る光学シートは、撓みが発生しなかった。一方、比較例1及び比較例2に係る光学シートは、撓みが発生した。
10 映像源ユニット
15 液晶パネル
20 面光源装置
21 導光板
25 光源
26 光拡散板
27 プリズム層
28 反射型偏光板
30、130、230 光学シート
31 基材層
32 光学機能層
33 光透過部
34 光吸収部
35 スリップ層
231 第二の基材層

Claims (7)

  1. 光源の観察者側に配置される光学シートであって、
    前記光学シートは、少なくとも基材層と、前記基材層の一方の面に積層される光学機能層と、備え、
    前記光学機能層は、
    所定の断面を有して一方向に延び、当該延びる方向とは異なる方向に間に溝を有して複数配列される光透過部と、
    隣り合う前記光透過部の間の前記溝の部位に配置される光吸収部と、を備え、
    前記光学シートは厚みが400μm以上であり、曲げ弾性率が1500MPa以上3000MPa以下である、光学シート。
  2. 前記光学機能層を挟んで、前記光学機能層の面のうち、前記基材層が配置された側とは反対側の面に第二の基材層が積層されている請求項1に記載の光学シート。
  3. 出光側の面にスリップ層が積層されている請求項1又は2に記載の光学シート。
  4. 前記基材層はポリカーボネート樹脂を主成分とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光学シート。
  5. 光源と、
    前記光源の観察者側に配置される請求項1乃至4のいずれかに記載の光学シートと、前記光学シートの観察者側に配置される液晶パネルと、を備える映像源ユニット。
  6. 前記光学シートと前記液晶パネルとは、少なくとも一部に接着していない部位を有する請求項5に記載の映像源ユニット。
  7. 請求項5又は6に記載の映像源ユニットが筐体に収められる液晶表示装置。
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