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JP2016151710A - 光学シート、映像源ユニット及び映像表示装置 - Google Patents

光学シート、映像源ユニット及び映像表示装置 Download PDF

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JP2016151710A
JP2016151710A JP2015029903A JP2015029903A JP2016151710A JP 2016151710 A JP2016151710 A JP 2016151710A JP 2015029903 A JP2015029903 A JP 2015029903A JP 2015029903 A JP2015029903 A JP 2015029903A JP 2016151710 A JP2016151710 A JP 2016151710A
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柏木 剛
Takeshi Kashiwagi
剛 柏木
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Abstract

【課題】遮光性を備えつつも光の利用効率を高く維持することができる光学シートを提供する。【解決手段】複数の層を有する光学シート(20)であって、基材層(25)と、基材層の一方の面に積層され、光を透過可能に基材層の層面に沿って配列される複数の光透過部(22)、及び、隣り合う光透過部間に光を吸収可能に配列される光吸収部(23)を有する光学機能層(21)と、を備え、光学機能層の層厚方向断面において、隣り合う1つの光透過部と光吸収部との合計の断面積に対する光透過部の断面積が78.2%以上88.5%以下である。【選択図】図3

Description

本発明は、光源から出射される光を制御して観察者側に出射する光学シート、該光学シートを備える映像源ユニット及び映像表示装置に関する。
液晶ディスプレイ、リアプロジェクション表示装置、有機ELを用いた表示装置、FED等のように、映像を観察者に出射する映像表示装置には、光源、及び該光源から出射される光の質を高めて観察者に提供するための各種機能を有する複数の層からなる光学シートが備えられている。
このような光学シートとして例えば特許文献1が開示されている。特許文献1に記載の光学シート(光制御フィルム)は、光を透過可能にシート面に沿って並列される透過区域と、透過区域間に光を吸収可能に並列される吸収区域と、を有する。そして透過区域の最も狭い部位における幅と透過区域のピッチとが所定の関係にあることが開示されている。
特表2012−530938号公報
このような光吸収部(吸収区域)を有すると、不具合を生じる光を光吸収部で吸収することができ適切な遮光性を備えるものになる。しかしながら一方で光が吸収されることから、光の利用効率が低下してしまう問題があった。特許文献1のような技術は開示されているものの、従来の技術では一定以上の遮光性を備えつつ光の高い利用効率を得る観点からは必ずしも十分ではなかった。
そこで本発明は上記問題点に鑑み、遮光性を備えつつも光の利用効率を高く維持することができる光学シートを提供することを課題とする。また、この光学シートを備える映像源ユニット及び映像表示装置を提供する。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
請求項1に記載の発明は、複数の層を有する光学シート(20)であって、基材層(25)と、基材層の一方の面に積層され、光を透過可能に基材層の層面に沿って配列される複数の光透過部(22)、及び、隣り合う光透過部間に光を吸収可能に配列される光吸収部(23)を有する光学機能層(21)と、を備え、光学機能層の層厚方向断面において、隣り合う1つの光透過部と光吸収部との合計の断面積に対する光透過部の断面積が78.2%以上88.5%以下である、光学シートである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光学シート(20)において、光透過部(22)の層厚方向断面が台形である。
請求項3に記載の発明は、面光源装置(11)と、面光源装置の光出射側に配置される請求項1又は2に記載の光学シート(20)と、光学シートを挟んで面光源装置とは反対側に配置される液晶パネル(12)とを備える、映像源ユニット(5)である。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の映像源ユニット(5)において、光学シート(20)は、基材層(15)と、基材層の一方の面に積層され、光を透過可能に基材層の層面に沿って配列される複数の光透過部(22)、及び、隣り合う光透過部間に光を吸収可能に配列される光吸収部(23)を有する光学機能層(21)と、を備え、光透過部は台形断面を有し、短い上底が面光源装置側、長い下底が液晶パネル側を向き、光吸収部は台形断面を有し、長い下底が面光源装置側、短い上底が液晶パネル側を向いて配置されるものとする。
請求項5に記載の発明は、筐体(2)と、筐体の内側に配置される請求項3又は4に記載の映像源ユニット(5)と、を備える映像表示装置(1)である。
本発明によれば、遮光性を備えつつも光の利用効率を高く維持することができる。
映像表示装置1の外観斜視図である。 映像源ユニット5の分解斜視図である。 映像源ユニット5の層構成を説明する断面図である。 光学機能層21に注目して拡大した図である。 図5(a)は光学機能層21’を説明する図、図5(b)は光学機能層21”を説明する図である。 実施例1の光学機能層の形態を説明する図である。 実施例2の光学機能層の形態を説明する図である。 実施例3の光学機能層の形態を説明する図である。 実施例4の光学機能層の形態を説明する図である。 実施例5の光学機能層の形態を説明する図である。 実施例6の光学機能層の形態を説明する図である。 比較例1の光学機能層の形態を説明する図である。 比較例2の光学機能層の形態を説明する図である。 比較例3の光学機能層の形態を説明する図である。
以下本発明を図面に示す形態に基づき説明する。ただし本発明は当該形態に限定されるものではない。ここで、本発明に具備される要素は実際には非常に微細、薄層のものが多いことから、分かりやすさのため各図ではその一部を変形、拡大等して表している。また要素には符号を付してあるが、見易さのため繰り返しとなる符号は一部を省略することがある。
図1は1つの形態を説明する図で、映像源ユニット5を備える映像表示装置1を表した斜視図である。図1では紙面右が観察者側である。ここで本形態の映像表示装置1は車載用の映像表示装置であり例えばカーナビゲーション装置等がこれに含まれる。映像表示装置1は筐体2を備え、筐体2の内側に映像源ユニット5が内蔵される。
筐体2は映像表示装置1の外殻を形成し、映像表示装置を構成する部材の大部分をその内側に収める部材である。筐体2は開口を有しており、該開口から映像源ユニット5のいわゆる画面部分を露出して視認可能とされている。その他、映像表示装置1には映像表示装置として機能するための各種公知の構成部材が備えられている。
図2は映像源ユニット5の分解斜視図である。図2ではわかりやすさのため、映像源ユニットを構成する層の一部を分離して表しているが、実際には直接重ねられる等して(図3参照)積層されている。図3は図2にIII−IIIで示した線(鉛直方向となる線)を含む厚さ方向断面図である。また、映像源ユニット5が映像表示装置1に配置された際には、図2、図3の紙面右が観察者側となり、図2、図3の紙面左が光源側となる。
映像源ユニット5は、映像源10及び該映像源10の映像出射側(すなわち観察者側)に配置された機能層30を有して構成されている。
本形態では映像源10に液晶パネル12を含むものとされている。具体的には、映像源10は、面光源装置11、光学シート20、及び液晶パネル12を備えている。すなわち、本形態では面光源装置11と液晶パネル12との間に光学シート20が配置されている。
ここで、面光源装置11及び液晶パネル12は公知の構造のものを用いることができる。
例えば面光源装置11については、光源側(図3の紙面左)から観察者側(図3の紙面右)に向けて、反射シート、導光板(側面に発光源が配置されている。)、拡散シート、レンズ(プリズム)シート、反射型偏光シートの順に積層された面光源装置が挙げられる。
一方、液晶パネル12については、光源側(図3の紙面左)から観察者側(図3の紙面右)に向けて、偏光フィルム、ガラス基板、液晶層、ガラス基板、及び偏光フィルムの順に積層された液晶パネルを挙げることができる。
本形態で光学シート20は、面光源装置11と液晶パネル12との間で、面光源装置11の光出射側に配置されており複数の層からなる。本形態では光学シート20は面光源装置11側から、光学機能層21、及び基材層25を備えている。以下に各層について説明する。なおここでは便宜上基材層25を先に説明し、その後に光学機能層21について説明する。
基材層25は、その一方の面に光学機能層21を形成する基材となる層である。基材層25は、透光性を有するとともに光学機能層21の変形を防止できるように支持する。かかる観点から、基材層25を構成する材料の具体例として例えば、アクリル、スチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリロニトリル、トリアセチルセルロース(TAC)を主成分とする透明樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)を挙げることができる。
この中でも液晶パネルとの組み合わせを考慮して複屈折の少ないTAC、メタクリル樹脂、ポリカーボネートを用いることが好ましい。さらには車載など高い耐熱性が求められる用途では、ガラス転移点が高いポリカーボネートを用いることが望ましい。具体的にはポリカーボネートのガラス転移点は143℃であり、一般に105℃での耐久性が求められる車載用途に適している。
基材層25の厚さは特に限定されないが、25μm以上300μm以下であることが好ましい。基材層25の厚さがこの範囲を外れると、加工性に問題を生じる虞がある。例えば、基材層25が25μmより薄くなるとしわが生じやすくなる。また、基材層25が300μmより厚くなると、光学シート20の巻き取りが困難になる。
また、基材層25のうち光学機能層21に接しない側の面は粗面とされてもよい。粗面を形成した場合には、この粗面の表面粗さは、Ra(μm)(JIS B 0601(2001) 算術平均粗さ)で0.1μm以上0.2μm以下であることが好ましい。表面粗さをこの範囲にすることにより、光学シート20を他の層に接触させた際にいわゆる光学密着による干渉縞の発生、及び、この粗さに基づく凹凸が人の目に視認されやすくなりシンチレーション(いわゆる画面のギラツキ)などの外観上の不具合の発生、を抑制することができる。
本形態で光学機能層21は、映像源10から出射した映像光が車のフロントガラスに映り込まないように映像光の向きを正面方向に変更し、一部の映像光を吸収する機能を有する。図4には図3のうち、光学機能層21に注目して一部を拡大して表した。
本形態で光学機能層21は、図3、図4に示した断面を有して紙面に対して紙面の奥/手前方向に延在する形状を備える。本形態では映像表示装置1が車内に設置された姿勢において、当該延在する方向は水平方向となる。これにより後述するように映像光のフロントガラスへの写り込みを防止する。
光学機能層21は、図3、図4に表れる断面において、台形である光透過部22と、隣り合う2つの光透過部22の間に形成された断面が台形の光吸収部23と、を備えている。従って、本形態では映像表示装置1が車内に設置された姿勢において、光透過部22と光吸収部23とは鉛直方向に交互に配列されている。
光透過部22は光を透過させることを主要の機能とする部位であり、本形態では図3、図4に表れる断面において、基材層25側(観察者側)に長い下底、その反対側(面光源装置11側)に短い上底を有する等脚台形である。光透過部22は、基材層25の層面に沿って当該断面を維持して延びるとともに、この延びる方向とは異なる方向に間隔を有して配列される。そして、隣り合う光透過部22の間には、台形断面を有する間隔が形成されている。従って、当該間隔は光透過部22の上底側に長い下底を有し、光透過部22の下底側に短い上底を有する台形断面を有し、ここに後述する必要な材料が充填されることにより光吸収部23が形成される。なお、本形態では隣り合う光透過部22を長い下底側で連結さする連結部24を有している。
光透過部22は屈折率がNtとされている。このような光透過部22は、透過部構成組成物を硬化させることにより形成することができる。屈折率Ntの値は特に限定されることはないが、後述するように台形断面の斜面における光吸収部23との界面で適切に光を全反射する観点から屈折率は1.55以上であることが好ましい。より好ましくは1.56以上である。ただし、屈折率が高すぎる材料は割れやすい場合が多いので屈折率は1.61以下であることが好ましい。
ここで、光透過部を構成する組成物としては、例えば、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリチオール系等の紫外線等の電離放射線硬化型の樹脂を挙げることができる。
光吸収部23は隣り合う光透過部22の間に形成された上記した間隔に配置され、当該間隔の断面形状と同様の断面形状となる。従って短い上底が基材層25側(観察者側)を向き、長い下底がその反対側(面光源装置11側)を向く等脚台形となる。そして光吸収部23は、屈折率がNrとされるとともに、光を吸収することができるように構成されている。具体的には屈折率がNrであるバインダーに光吸収粒子が分散される。屈折率Nrは、光透過部22の屈折率Ntよりも低い屈折率とされる。屈折率Nrの値は特に限定されることはないが、1.50以下であることが好ましく、さらに好ましくは1.49以下である。また入手容易の観点から1.47以上が好ましい。
光透過部22の屈折率Ntと光吸収部23の屈折率Nrとの屈折率の差は特に限定されることはないが、0.05以上が好ましい。一方、屈折率差の上限も特に限定されることはないが、材料の入手性の観点から当該屈折率差は0.14以下であることが好ましい。
ここでバインダーとして用いられる材料は特に限定されないが、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、およびブタジエン(メタ)アクリレート等の光硬化型樹脂のを挙げることができる。
また、光吸収粒子はカーボンブラック等の光吸収性の着色粒子が好ましく用いられるが、これらに限定されるものではなく、映像光の特性に合わせて特定の波長を選択的に吸収する着色粒子を使用してもよい。具体的には、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩、染料、顔料等で着色した有機微粒子や着色したガラスビーズ等を挙げることができる。特に、着色した有機微粒子が、コスト面、品質面、入手の容易さ等の観点から好ましく用いられる。着色粒子の平均粒子径は0.01μm以上20μm以下であることが好ましい。
また、本発明では、隣り合う1つの光透過部22と光吸収部23との合計の断面積(図4に表れる断面の断面積であり、光透過部22及び光吸収部23が延びる方向に直交する方向の断面積)に対する光透過部22の断面積の割合(光透過部断面積率)が百分率で78.2%以上88.5%以下とする。ここで光透過部22の断面積は図4にS1で表したように、隣り合う光吸収部23の間に存在する光透過部22であり、本形態では等脚台形の断面積である。また、光吸収部23の断面積は図4にS2で表したように本形態では等脚台形の断面積である。
これにより、所定の遮光性を有しつつも光の利用効率を高い水準とすることができる。この光透過部断面積率が78.2%より小さいと光源から供給された光の利用効率が低くなってしまう。一方、光透過部断面積率が88.5%を超えると遮光性が低下してしまい、除外すべき光も透過させてしまう。また、光透過部断面積率が88.5%を超えると光吸収部がさらに微細となるので精度良い光吸収部を作製することが困難になる。
その他、特に限定されることはないが、例えば次のように光透過部22及び光吸収部23が形成される。すなわち、図3にPkで表した光透過部22及び光吸収部23のピッチは30μm以上100μm以下であることが好ましい。また、図4にθkで示した光吸収部23と光透過部22との斜辺における界面と、光学機能層21の層面の法線と、の成す角は0°以上10°以下であることが好ましい。そして図3にDkで示した光吸収部23の厚さは60μm以上150μm以下であることが好ましい。これらの範囲内とすることにより、光の透過と光の吸収とのバランスがさらに良好になる。
本形態では光透過部22と光吸収部23との界面(脚部)が断面において一直線状となる例を示したが、これに限らず折れ線状、凸である曲面状、凹である曲面状等であってもよい。また、複数の光透過部22及び光吸収部23で断面形状が同じであってもよいし、所定の規則性を有して異なる断面形状であってもよい。
図5には台形断面における脚部が非対称である例を示した。図5は図4に相当する図である。図5(a)は光学機能層21’の例、図5(b)は光学機能層21”の例である。
図5(a)に示した光学機能層21’は光透過部22’及び光吸収部23’を有しており、光透過部面積比の考え方は光学機能層21と同様である。図5(a)からわかるように、本例では光吸収部23’の台形断面における脚部にさらに特徴を有している。光吸収部23’ではその2つの脚部で光学機能層22’の層面に対する法線と成す角が異なる。より詳しくは、映像表示装置が設置された姿勢で下となる脚部23’aの当該成す角は、上となる脚部23’bの当該成す角よりも小さくなっている。より好ましくは脚部23’aの当該成す角が0°である(すなわち脚部23’aは光学機能層23’の層面に対する法線と平行である。)。これにより、上方へ向かう光(映像光)を効率よく抑えることができ、車載の場合におけるフロントガラスへの写り込みをさらに抑制することが可能である。
一方、図5(b)に示した光学機能層21”は光透過部22”及び光吸収部23”を有しており、光透過部面積比の考え方は光学機能層21と同様である。光学機能層21’に対して脚部の傾斜の関係が上下反転した形態である。これによれば、斜め上方への映像光の出光が多くなるが、フロントガラスへの写り込みが問題とならない場合には斜め上方からの視点でも明るい映像を観察することができる。
このような光学シート20は、例えば次のように作製される。
はじめに基材層25の一方の面に光透過部22を形成する。これは、光透過部22の形状が転写できる形状を表面に有する金型ロールと、これに対向するように配置されたニップロールとの間に、基材層25となる基材シートを挿入する。そして、基材シートと金型ロールとの間に光透過部を構成する組成物を供給しながら金型ロール及びニップロールを回転させる。これにより金型ロールの表面に形成された光透過部に対応する溝(光透過部形状を反転した形状)に光透過部を構成する組成物が充填され、該組成物が金型ロールの表面形状に沿ったものとなる。
金型ロールと基材シートとの間に挟まれ、ここに充填された光透過部を構成する組成物に対し、基材シート側から光照射装置により硬化させるための光を照射する。これにより、組成物を硬化させ、その形状を固定させることができる。そして、離型ロールにより金型ロールから基材層25および成形された光透過部22を離型する。
次に、光吸収部23を形成する。光吸収部23を形成するには、まず、上記形成した光透過部22間の間隔に光吸収部を構成する組成物を充填する。その後、余剰分の当該組成物をドクターブレード等で掻き落とす。そして、残った組成物に光透過部22側から紫外線を照射することによって硬化させ光吸収部23を形成する。
機能層30は液晶パネルより観察者側に配置される各種機能を有する公知の層を挙げることができる。これには例えば反射防止層、防眩層、ハードコート層等を挙げることができる。
以上のような構成を備える映像源ユニット5は例えば次のように作製できる。すなわち、作製した光学シート20を、基材層25とは反対側が面光源装置11側に向くように該面光源装置11の光出射側に配置し、光学シート20の観察者側に液晶パネル12、機能層30を積層する。
以上のように構成された映像源ユニット5を筐体2に納め、機能層30側が観察者側となるように配置することで、映像表示装置1とすることができる。その際には必要に応じて映像源ユニット5を作動させるための電気回路、電源回路等も備えられる。
このような映像表示装置は車内に配置されて例えば次のように作動する。光路例を示しつつ説明する。ただし当該光路例は説明のための概念的なものであり、反射や屈折等を厳密に表したものではない。
映像表示装置1を作動させると、図3に示したように面光源装置11からは照明光が出射される。面光源装置11から出射した光L10は光透過部22と光吸収部23との界面に達することなく光学シート20を透過し、液晶パネル12で映像情報を得て透過し、機能層30も透過して観察者側に達して観察者は映像光を観察することができる。
面光源装置11から出射した光L11は光透過部22と光吸収部23との界面に達し、両者の屈折率差及び界面への入射角との関係で全反射し、液晶パネル12で映像情報を得て透過し、そして機能層30も透過して観察者側に出射する。このとき、光透過部22と光吸収部23との界面が光学シート20の出光面の法線に対して上記のように傾斜しているので、光L11はその向きが下方へ変えられている。これによりフロントガラスへの写り込みが防止される。また、光L11は正面方向に向かっているので映像光の正面輝度向上にも寄与する。
また、面光源装置11から出射した光L12は光透過部22と光吸収部23との界面に達し、両者の屈折率差及び界面への入射角との関係で当該界面を透過して光吸収部23に吸収される。これにより上方への光の進行が妨げられ、フロントガラスへの写り込みが防止される。
そして、本発明では光透過部断面積率が上記のように構成されているので、光L12のような迷光の吸収をしつつ、光L10、光L11のような観察者側に出射する光を効率よく得ることができ、光の利用効率を高く維持することが可能となる。
実施例として光透過部及び光吸収部の断面形状を変更した6つの例に係る光学シート(実施例1〜実施例6)を作製して光の利用効率を調べた。また比較例として3つの例に係る光学シート(比較例1〜比較例3)を作製して同様に光の利用効率を調べた。
(実施例1)
実施例1では図6に示した断面形状を有する光学機能層を備える光学シートを作製した。この光学シートは光学機能層及び基材層から形成されており、上記説明した方法により作製された。より具体的には次の通りである。
基材層として、厚さ130μmのポリカーボネート樹脂を用いた。
光透過部として屈折率1.56の紫外線硬化型ウレタンアクリレートを用い、光透過部の断面は等脚台形であり、上底を29μm、下底を35μm、高さを102μmとした。
光吸収部のうちバインダーを屈折率1.49の紫外線硬化型ウレタンアクリレートとし、その中にカーボンブラックを含有したアクリルビーズを25質量%含ませた。光吸収部の断面は等脚台形であり、上底を4μm、下底を10μm、高さを102μmとした。
連結部の厚さ(図3のLk)を25μmとした。
以上のような光学シートを6.5インチ液晶表示装置(シャープ株式会社製、LQ65T5GG03)に装着して液晶表示装置とした。より具体的には、側面に発光源が配置された導光板、プリズムシート、光拡散フィルム、及び反射型偏光板からなる面光源装置の出光面側に光学シートを配置し、該光学シートの出光面側に液晶パネルを配置した。
(実施例2)
実施例2は、光透過部及び光吸収部の断面形状を図7のように変更した以外は実施例1と同じである。
(実施例3)
実施例3は、光透過部及び光吸収部の断面形状を図8のように変更した以外は実施例1と同じである。
(実施例4)
実施例4は、図5に示した例に倣って、光透過部及び光吸収部の2つの脚部の傾斜角が異なる例である。具体的には光透過部及び光吸収部の断面形状を図9のように変更した。ここで、脚部23’aの傾斜角は0°である(すなわち脚部23’aは光学シートの層面に対する法線と平行である。)。その他は実施例1と同じである。
(実施例5)
実施例5は、光透過部及び光吸収部の断面形状を図10のように変更した以外は実施例4と同じである。
(実施例6)
実施例6は、光透過部及び光吸収部の断面形状を図11のように変更した以外は実施例4と同じである。
(比較例1)
比較例1は、光透過部及び光吸収部の断面形状を図12のように変更した以外は実施例1と同じである。ここで図12〜図14に用いた符号はそれぞれ、光学機能層121、光透過部122、光吸収部123を意味する。
(比較例2)
比較例2は、光透過部及び光吸収部の断面形状を図13のように変更した以外は比較例1と同じである。
(比較例3)
比較例3は、光透過部及び光吸収部の断面形状を図14のように変更した以外は比較例1と同じである。
以上作製した実施例1〜6及び比較例1〜3にかかる液晶表示装置についてEZコントラスト(ELDIM製)を用い、光学シートの法線方向を0°とし、当該法線方向及び該法線から±80°まで10°ごとに傾けた位置で輝度を測定した。そしてその輝度積分値を得た。従って輝度積分値が大きいほど光が出射されたことを意味し光の利用効率が高いと言える。
一方、遮光性は、EZコントラスト(ELDIM製)を用い、光学シートの法線方向を0°とし、当該法線方向及び該法線から±80°まで10°ごとに傾けた位置で輝度を測定した。そして正面輝度を100%としたときに対して45°(40°と50°との平均)の輝度を測定して百分率で表した。そしてその値が10%以下である場合を遮光性が良いとした。
表1に光透過部及び光吸収部における上記以外の特徴的な形状、及び測定結果を表す。
「光透過部断面積率(%)」は、隣り合う1つの光透過部22、122と光吸収部23、123との合計の断面積に対する光透過部22、122の断面積の割合を百分率で表したものである。すなわち、図6〜図14に表れた断面において、「1つの光透過部の面積/(1つの光透過部の面積+1つの光吸収部の面積)」で算出できる。
「開口率(%)」は、光学機能層の表面のうち光が入射する側(本例では光透過部22、122の短い上底側)における、1ピッチ当たりの光透過部22、122の面積割合である。すなわち、図6〜図14に表れた断面において、「1つの光透過部の上底の長さ/(1つの光透過部の上底の長さ+1つの光吸収部の下底の長さ)」で算出できる。
「積分輝度」、及び「遮光性」は上記説明した通りである。
Figure 2016151710
表1からわかるように、実施例1〜6はいずれも比較例1〜3よりも積分輝度が高く、光の利用効率が高いことが分かる。ここで例えば実施例1と比較例2とを対比してもわかるように、開口率が概ね同じであっても積分輝度は大きく異なる。また、遮光性についてはいずれの例も10%以下となり良好であった。
1 映像表示装置
5 映像源ユニット
10 映像源
11 面光源装置
12 液晶パネル
20 光学シート
21 光学機能層
22 光透過部
23 光吸収部
25 基材層

Claims (5)

  1. 複数の層を有する光学シートであって、
    基材層と、
    前記基材層の一方の面に積層され、光を透過可能に前記基材層の層面に沿って配列される複数の光透過部、及び、隣り合う前記光透過部間に光を吸収可能に配列される光吸収部を有する光学機能層と、を備え、
    前記光学機能層の層厚方向断面において、隣り合う1つの前記光透過部と前記光吸収部との合計の断面積に対する前記光透過部の断面積が78.2%以上88.5%以下である、
    光学シート。
  2. 前記光透過部の前記層厚方向断面が台形である請求項1に記載の光学シート。
  3. 面光源装置と、
    前記面光源装置の光出射側に配置される請求項1又は2に記載の光学シートと、
    前記光学シートを挟んで前記面光源装置とは反対側に配置される液晶パネルとを備える、映像源ユニット。
  4. 前記光学シートは、
    基材層と、
    前記基材層の一方の面に積層され、光を透過可能に前記基材層の層面に沿って配列される複数の光透過部、及び、隣り合う前記光透過部間に光を吸収可能に配列される光吸収部を有する光学機能層と、を備え、
    前記光透過部は台形断面を有し、短い上底が前記面光源装置側、長い下底が前記液晶パネル側を向き、前記光吸収部は台形断面を有し、長い下底が前記面光源装置側、短い上底が前記液晶パネル側を向いて配置される請求項3に記載の映像源ユニット。
  5. 筐体と、
    前記筐体の内側に配置される請求項3又は4に記載の映像源ユニットと、を備える映像表示装置。
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