JP5848285B2 - 車両用ドア - Google Patents
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Description
段部は、インナパネルのうち段部に相当するインナ部位と、アウタパネルのうち段部に相当するアウタ部位とが接合されることにより形成されている。
さらに、インナ部位およびアウタ部位を接着剤やミグ溶接を用いて接合するため、接着剤や溶接棒などの余分な部材(部品)が必要になり、そのことがコストや重量を抑える妨げになっていた。
また、請求項1に係る発明では、インナ部位およびアウタ部位とともに第1補強部材をヘミング加工により接合するようにした。これにより、第1補強部材をインナ部位やアウタ部位に別工程で個別に接合する場合と比べて、ドアパネルを形成する工数(工程)を減らすことができる。
これにより、第1補強部材の剛性を第2補強部材やドアサッシュで高めることができ、第1補強部材の車幅方向への変形をドアサッシュで一層良好に防ぐことができ、ヘミング加工による段部の接合状態を一層安定させることができる。
第1補強部材やアウタパネルを補強することにより、第1補強部材やアウタパネルの車幅方向への変形をドアサッシュで防ぐことができる。これにより、第1補強部材を安定させた状態に取り付けることができるので、ヘミング加工による段部の接合状態を安定させることができる。
図1に示すように、車両10は、車体11の下側部に設けられたサイドシル12と、サイドシル12の前端部12aから上方に立ち上げられたフロントピラー13と、サイドシル12の途中12bから上方に立ち上げられたセンタピラー(図示せず)と、センタピラーおよびフロントピラー13の各上端部13aに架け渡されたルーフレール15とを備えている。
インナパネル27は、車室側に配置されることによりドアパネル21の内壁を形成するパネルである。アウタパネル28は、車外側に配置されることによりドアパネル21の外壁を形成するパネルである。
このドアパネル21は、ドアパネル21の前端21aにおいて上下方向に延在するドア前端縁部31と、ドア前端縁部31の上端31aからサッシュ部材23(具体的には、前ドアサッシュ45)まで延びる段部32とを有する。
さらに、ドア前端縁部31をヘミング加工で段部を形成することにより、インナ前部位36およびアウタ前部位37を接着剤や溶接(例えば、ミグ溶接)を用いて接合する必要がない。
換言すれば、段部32は、サッシュ前端縁部54の基部54aから車体前方に略水平に延出され、ドア前端縁部31の上端31aに接続(連結)されている。
前段部33をヘミング加工で形成することにより、前段部33の車幅方向の幅寸法W1をインナ段部位41やアウタ段部位42の板厚寸法(のみ)に抑えることができる。
後段部34をヘミング加工で形成することにより、後段部34の車幅方向の幅寸法W2をインナ段部位41、第1補強部材22およびアウタ段部位42の板厚寸法(のみ)に抑えることができる。
これにより、接着剤や溶接棒などの余分な部材(部品)を不要にすることが可能になり、車両用ドア20のコストや重量を抑えることができる。
ドアベルトライン部とは、ドアパネル21の上縁部21bに相当する部位である。
サッシュ部材23は、フロントピラー13に沿って配置される前ドアサッシュ(ドアサッシュ)45と、センタピラーに沿って配置される後ドアサッシュ46と、前ドアサッシュ45および後ドアサッシュ46の各上端部45a,46aに架け渡された上ドアサッシュ47とを備えている。
前ドアサッシュ45および後ドアサッシュ46でサイド窓ガラスが昇降自在に支持されている。
インナサッシュパネル51は、ドアパネル21のインナパネル27と一体に形成(一体成形)されている。このインナサッシュパネル51は、車室側に配置されることにより前ドアサッシュ45の内壁を形成するパネルである。
また、アウタサッシュパネル52は、ドアパネル21のアウタパネル28と一体に形成(一体成形)されている。このアウタサッシュパネル52は、車外側に配置されることによりサッシュ部材23の外壁を形成するパネルである。
サッシュ前端縁部54は、インナサッシュパネル51のうちサッシュ前端縁部54に相当するインナサッシュ部位56と、アウタサッシュパネル52のうちサッシュ前端縁部54に相当するアウタサッシュ部位57とをヘミング加工で接合されている。
これにより、アウタサッシュ部位57およびインナサッシュ部位56が接合され、アウタサッシュ部位57およびインナサッシュ部位56でサッシュ前端縁部54が形成される。
さらに、サッシュ前端縁部54をヘミング加工で形成することにより、アウタサッシュ部位57およびインナサッシュ部位56を接着剤や溶接(例えば、ミグ溶接)を用いて接合する必要がない。
さらに、サッシュ前端縁部54および段部32がそれぞれヘミング加工で接合されることにより、サッシュ前端縁部54および段部32が面一に形成されている。換言すれば、サッシュ前端縁部54および段部32間に段差がなく平坦に形成されている。
第1補強部材22に外隆起部61、複数のリブ62や複数の中央隆起部63を形成することにより第1補強部材22の剛性が高く保たれている。
この接合上突片65は、外壁74の表面74aに車幅方向外側から接触され、例えば、表面74aにスポット溶接で接合されている(図12も参照)。
これにより、第1補強部材22の前上接合部66を段部32の後段部34に別工程で個別に接合する場合と比べて、ドアパネル21を形成する工数(工程)を減らすことができる。
よって、前ドアサッシュ45を挟んだ車体前後方向の2箇所(アウタ後接合部43、段部32の後段部34)で第1補強部材22がアウタパネル28に接合されている。これにより、第1補強部材22やアウタパネル28が前ドアサッシュ45で補強されている。
これにより、第1補強部材22を安定させた状態に取り付けることができるので、ヘミング加工による段部32の後段部34の接合状態を安定させることができる。
第2補強部材24は、ドアパネル21のインナパネル27およびアウタパネル28間に基部24aが配置され、基部24aが支持部材71でアウタパネル28の内部に支持されている。この第2補強部材24は、前ドアサッシュ45の内部に介在された状態で、前ドアサッシュ45に沿って基部24aから上下方向に延在されている。
すなわち、第2補強部材24は前ドアサッシュ45に接合されている。
この剛性の高い第2補強部材24の外壁74(具体的には、表面74a)に、第1補強部材22の接合上突片65が車幅方向外側から溶接(例えば、スポット溶接)で接合されている。よって、第1補強部材22が、第2補強部材24の外壁74を介して前ドアサッシュ45に接合されている。
さらに、第1補強部材22の剛性を第2補強部材24や前ドアサッシュ45で高めることにより、ヘミング加工による段部32の後段部34の接合状態を一層安定させることができる。
よって、第1補強部材22がボルト81・ナット82でアウタパネル28に締結される。さらに、第1補強部材22の前上接合部66および後上接合部67がアウタパネル28に接合されている。これにより、第1補強部材22がアウタパネル28に強固に取り付けられている。
このように、剛性の高い第1補強部材22にドアミラー25を取り付けることにより、ドアミラー25を車両用ドア20に強固に取り付けることができる。
例えば、前記実施例で示した車両、車両用ドア、ドアパネル、第1補強部材、第2補強部材、ドアミラー、インナパネル、アウタパネル、ドア前端縁部、段部、インナ段部位、アウタ段部位、前ドアサッシュ、インナサッシュパネル、アウタサッシュパネル、サッシュ前端縁部、インナサッシュ部位、アウタサッシュ部位、内壁、外壁および底壁部などの形状や構成は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
Claims (7)
- インナパネルとアウタパネルとを接合してドアパネルが構成され、該ドアパネルにドアサッシュが上下方向に延在するように設けられた車両用ドアにおいて、
前記ドアパネルの前端において上下方向に延在するドア前端縁部と、
前記ドア前端縁部より車体後方に前記ドアサッシュが設けられ、該ドアサッシュの前端において上下方向に延在するサッシュ前端縁部と、
前記サッシュ前端縁部から車体前方に延出され、前記ドア前端縁部の上端に接続される段部と、を有し、
前記段部は、
前記インナパネルのうち前記段部に相当するインナ部位と、前記アウタパネルのうち前記段部に相当するアウタ部位とをヘミング加工で接合することにより形成され、
さらに、車両用ドアは、
前記インナパネルおよび前記アウタパネルの間に設けられた第1補強部材を備え、
前記第1補強部材は、
前記段部において前記インナ部位および前記アウタ部位とともにヘミング加工により接合されることを特徴とする車両用ドア。 - 前記ドアサッシュは、
前記ドアサッシュの内壁を形成するインナサッシュパネルと、
前記ドアサッシュの外壁を形成するアウタサッシュパネルと、を有し、
前記サッシュ前端縁部は、
前記インナサッシュパネルのうち前記サッシュ前端縁部に相当するインナサッシュ部位と、前記アウタサッシュパネルのうち前記サッシュ前端縁部に相当するアウタサッシュ部位とをヘミング加工で接合することにより、前記段部に連続するように形成されることを特徴とする請求項1記載の車両用ドア。 - 前記第1補強部材は、
前記ドアサッシュに接合されることを特徴とする請求項2記載の車両用ドア。 - 前記インナサッシュパネルおよび前記アウタサッシュパネル間に第2補強部材を備え、
前記第2補強部材は、
前記インナサッシュパネルに接合された内壁と、
前記アウタサッシュパネルに接合された外壁と、
前記内壁および前記外壁を連結する底壁部と、を有し、
前記内壁、前記外壁および前記底壁部で前記第2補強部材が断面略コ字状に形成され、
該第2補強部材に前記第1補強部材が接合されることにより、前記第1補強部材が前記第2補強部材を介して前記ドアサッシュに接合されることを特徴とする請求項3記載の車両用ドア。 - 前記サッシュ前端縁部および前記段部がヘミング加工により面一に形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の車両用ドア。
- 前記第1補強部材は、
前記ドアサッシュよりも車体後方側にて前記アウタパネルに接合されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の車両用ドア。 - 前記アウタパネルに車体外側からドアミラーが配置された状態で、該ドアミラーが前記第1補強部材に取り付けられることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の車両用ドア。
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