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JP4894629B2 - 自動車のロッカー補強構造 - Google Patents

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JP4894629B2 JP2007141293A JP2007141293A JP4894629B2 JP 4894629 B2 JP4894629 B2 JP 4894629B2 JP 2007141293 A JP2007141293 A JP 2007141293A JP 2007141293 A JP2007141293 A JP 2007141293A JP 4894629 B2 JP4894629 B2 JP 4894629B2
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Description

本発明は、自動車の車体側面の下縁に沿って前後方向に延びるロッカー、特に、ロッカー上面から起立する中間ピラーの下方位置で、ロッカーの断面崩れを防止するロッカー補強構造に関する。
図3に示すように、従来、自動車のロッカー1には、前後中間位置に車体の側面に沿って起立する中間ピラー2の下端が結合され、中間ピラー2との結合部Rにおいて、中間ピラー2を支える支持剛性を強化するために、ロッカー1内部を前後方向に仕切る縦壁状の複数の縦バルクヘッド3A,3Bを設けてロッカー1を補強することが行なわれている。
図4、図5に示すように、ロッカー1は車幅方向に沿って互いに対向する断面ほぼハット形のインナパネル1aとアウタパネル1bとで閉断面をなす。中間ピラー2との結合部では、インナパネル1aの上縁フランジ11およびアウタパネル1bの上縁フランジ13がそれぞれ中間ピラー2のピラーインナ21の下縁部の車内面および車外面に結合されている。ロッカー1のアウタパネル1bの側壁部15の上端部には中間ピラー2のピラーインナ21とで閉断面をなすピラーアウタ22の下縁が結合され、実質的に中間ピラー2はロッカー1のアウタパネル1b側に支えられている。
縦バルクヘッド3A,3Bは、下方へ向けて前後幅が拡大された中間ピラー2のピラー前縁下端23の位置、およびピラー後縁下端24の位置と対応する位置で前後方向に間隔をおいて設置されている。両縦バルクヘッド3A,3Bは、外周の上縁フランジ、車外側の側縁フランジおよび下縁フランジがロッカー1のアウタパネル1bの内面に結合され、ロッカー1の閉断面のアウタパネル1b側を前後方向に仕切るように立設されて、中間ピラー2の前縁下端23および後縁下端24からの上下荷重を受けるように設けられている。
また従来の前後に間隔を置いて設置される縦バルクヘッドとして、下記特許文献1,2では、前後の縦バルクヘッドを前後方向に連結部でつないで一体成形したものが記載されている。これらによれば縦バルクヘッドのロッカーへの取付作業が一度にでき作業性が良好である。
特開2004−314761号公報 特開2006−205797号公報
ところで従来の補強構造では、縦バルクヘッド3A,3Bが中間ピラー2の前縁下端23および後縁下端24に対応して前後方向に離間して設置され、中間ピラー2の中心軸と離れているので支持剛性が十分とは言えない。
車両の悪路走行時や急旋回時などに車体に捩じれ荷重が作用し、これにより中間ピラー2に車幅方向に横荷重がかかると、前後のバルクヘッド3A,3B間でロッカー1の断面崩れ、なかでもアウタパネル1b側の断面崩れが生じ(図5の仮想線)、ピラー2が傾斜変形して車体の捩じれが大きくなるといった問題があった。特にルーフを備えておらず、中間ピラー2の上端がルーフにより支えられていないオープンカー等の乗用車(図3)ではこの傾向が大きい。
上記ロッカー1の断面崩れを防止するためにロッカー1のアウタパネルの板厚を厚くすることが考えられるが重量の増加やコストが高くなる。また中間ピラー2の中心軸に対応して縦バルクヘッドを追加することも考えられるが、作業工程が増えて組付作業性が低下する。
そこで本発明は、重量の増加やコストアップが最小限ですみ、組付作業が良好にでき、効果的にロッカーの断面崩れを抑制することができ、特に中間ピラーとの結合部に適用して中間ピラーの傾斜変形を抑制し、車体の捩じれ剛性を強化する自動車のロッカー補強構造を実現することを課題としてなされたものである。
本発明は、自動車の側面下縁に沿って前後方向に延び、インナパネルとアウタパネルとで閉断面をなす自動車のロッカーにおいて、上記ロッカーの内部には、ロッカー内部の閉断面を前後方向に仕切る複数の縦壁状の縦バルクヘッドを互いに前後に間隔をおいて設置するとともに、上記前後両側の縦バルクヘッドを、それらの縦縁の一方をつなぐ側面部とで一体に形成し、上記側面部の上半部または下半部のいずれかを上記両縦バルクヘッドから切り離して水平方向に折り曲げ、上記側面部の上下いずれかの半部で、上記インナパネルとアウタパネルとを水平方向に架け渡して上記閉断面を上下方向に仕切る水平バルクヘッドを設ける(請求項1)。
前後の縦バルクヘッド補強効果に加えて両者の間で水平バルクヘッドがロッカーのインナパネルおよびアウタパネルを車幅方向に支え、ロッカーの断面崩れを抑制する。縦および水平バルクヘッドを一体成形したので、これらの構造を簡素化でき、ロッカーへの組付け作業性が良好である。
上記前後両側の縦バルクヘッドおよび水平バルクヘッドを、下端が上記ロッカーの上面部に結合された中間ピラーの直下位置に設ける(請求項2)。
中間ピラーに車幅方向に横荷重がかかっても、水平バルクヘッドによりロッカーの断面崩れが抑制され、中間ピラーの傾斜変形を防ぐことができる。
上記ロッカーの上記中間ピラーとの結合部では、車内側へ開口する断面ほぼハット形の上記アウタパネルに対して、車外側へ開口する断面ほぼハット形の上記インナパネルの開口の上下幅をアウタパネルのそれよりも小さくし、インナパネルおよびアウタパネルの下縁フランジ同士を重ね合わせて結合する一方、インナパネルの上縁フランジおよびアウタパネルの上縁フランジを上記中間ピラーのピラーインナの下端部の外面および内面に段違いに重ね合わせて結合し、かつピラーアウタの下縁をロッカーのアウタパネルの側壁部に結合するようになし、
上記水平バルクヘッドにより、上記ロッカーのインナパネルの上縁フランジの下縁部とこれと車幅方向に対向する上記ロッカーのアウタパネルの側壁部とを架け渡す(請求項)。
中間ピラーのピラーインナおよびピラーアウタが結合されたロッカーのインナパネルの上縁フランジとロッカーのアウタパネルの側壁部との間でロッカーの車幅方向の断面崩れを効率よく抑制する。
図3に示すオープンカーのロッカー1と中間ピラー2との結合部Rで本発明を適用したロッカー補強構造の実施形態を説明する。
図1、図2に示すように、ロッカー1は、ドア開口の下縁に沿う一般部では車外側へ向けて開口する断面ほぼハット形のインナパネル1aと、車内側へ向けて開口する断面ほぼハット形のアウタパネル1bとで構成してあり、両パネル1a,1bの上縁フランジ11,13同士、および下縁フランジ12,14同士を重合結合して閉断面構造をなす。上記一般部では内部に、閉断面内を車幅方向に仕切る縦壁状のリィンフォースメント10が内設してある。リィンフォースメント10はその上縁および下縁の結合フランジが上記インナおよびアウタの両パネル1a,1bの上縁フランジ11,13間、および下縁フランジ12,14間に挟み込み一体に結合してある。
ロッカー1の後端寄りの前後中間位置には上記ドア開口の後縁をなし車体側面に沿って立設した中間ピラー2の下端が結合してある。
中間ピラー2との結合部では、ロッカー1のインナパネル1aはその開口上下幅をアウタパネル1bのそれよりも小さく形成してある。ロッカー1のインナパネル1aとアウタパネル1bは、下縁フランジ12,14を結合するとともに、インナパネル1aの上縁フランジ11を中間ピラー2のピラーインナ21の下縁部外面に重合結合する一方、これよりも高い位置でロッカー1のアウタパネル1bの上縁フランジ13をピラーインナ21の内面に重ね合わせて段違いに結合して、ピラーインナ21の下端を介して閉断面が形成してある。尚、結合部では上記リィンフォースメント10は設けられていない。
中間ピラー2は、車外側へ向けた浅い断面ハット形のピラーインナ21と、車内側へ向けた断面ほぼハット形のピラーアウタ22とを、両者の前縁フランジおよび後縁フランジ同を結合した閉断面構造をなす。中間ピラー2の車幅方向の幅はロッカー1のアウタパネル1bの上面幅に合わせてあり、ピラーアウタ22の下縁25がロッカー1のアウタパネル1bの車外側の側壁部15の上縁沿いに結合してある。
中間ピラー2は前縁および後縁を下方へ向けて漸次湾曲傾斜させ、ピラー下端の前後幅が拡大してある。ピラーアウタ22下縁からなる前縁下端23および後縁下端24はそれぞれロッカー1のアウタパネル1bの上面に結合してあり、中間ピラー2はロッカー1のアウタパネル1b側で支えられるように結合されている。また図は省略したが、中間ピラー2はその車外側が車体の後部側面を形成するクォータパネルの前端部で覆われる。
中間ピラー2との結合部において、ロッカー1の閉断面内は、中間ピラー2の前縁下端23および後縁下端24との結合部にそれぞれ対応する位置に縦壁状の縦バルクヘッド3A,3Bが前後方向に間隔をおいて設けてある。
前後の縦バルクヘッド3A,3Bは、これらの車内側の縦縁を前後につなぐ縦板状の側面部30とで一体に形成したプレス成形してある。そして側面部30の下半部を、その前後端を前後の縦バルクヘッド3A,3Bから切り離して車外側に水平方向に折り曲げ、上記下半部で水平バルクヘッド3Cが形成してある。
具体的には図1に示すように、各縦バルクヘッド3A,3Bは、ロッカー1のアウタパネル1bの断面内部形状に合わせた四角形としてある。各縦バルクヘッド3A,3Bには上縁、車外側の縦縁および下縁に沿って断面ほぼL字形に屈曲形成した外周フランジ31を備えている。
水平バルクヘッド3Cは、その前後長が前後の縦バルクヘッド3A,3Bの間隔とほぼ同じか若干短く設定してあり、側面部30から車外側へ水平に突出する突出長が両縦バルクヘッド3A,3Bの車幅方向の幅とほぼ同じに設定してある。水平バルクヘッド3Cの車外側の先端縁には下方へ断面L字形に屈曲した端縁フランジ32が形成してある。前後の縦バルクヘッド3A,3B、側面部30および水平バルクヘッド3Cには複数の抜き孔を設けて軽量化してある。
このように一体成形した縦バルクヘッド3A,3Bおよび水平バルクヘッド3Cにおいて、前後の縦バルクヘッド3A,3Bは、上記外周フランジ31をロッカー1のアウタパネル1bの内面に沿って溶接結合するとともに、側面部30をアウタパネル1bの上縁フランジ13よりもよりも低くしたインナパネル1aの上縁フランジ11に重ね合わせて溶接結合してロッカー1の閉断面内のアウタパネル1b側を前後方向に仕切るように設置してある。
水平バルクヘッド3Cは、側面部30を結合したロッカー1のインナパネル1aの上縁フランジ11の下縁付近からアウタパネル1b側へ水平に突出し、先端の端縁フランジ32がアウタパネル1bの車外側の側壁部15の内面に重ね合わせて溶接結合して、上縁フランジ11とアウタパネル1b間を水平に掛け渡し、前後の縦バルクヘッド3A,3B間でロッカー1閉断面内のアウタパネル1b側を上下に仕切るように設けてある。
尚、各バルクヘッド3A,3B,3Cは、ロッカー1のインナパネル1aとアウタパネル1bとを組付ける前に、予めアウタパネル1b内に設置し、各フランジ31,32をロッカー1のアウタパネル1bの内面にスポット溶接しておき、ロッカー1のインナパネル1aとアウタパネル1bとを組付けるときに、側面部30とインナパネル1aの上縁フランジ11とを溶接結合する。この場合、側面部30と上縁フランジ11とは上縁フランジ11に複数の小型の溶接穴を設け、これらを塞ぐように重ねた側面部30と上記溶接穴の周縁をアーク溶接する。
車両の悪路走行時や急旋回時、中間ピラー2の上部に中間ピラー2を車幅方向に傾斜変形させようとする荷重が作用する。このときロッカー1には、中間ピラー2からそのピラーインナ21の下縁と結合したロッカー1の両上縁フランジ11,13と、ピラーアウタ22の下縁25と結合したロッカー1のアウタパネル1の側壁部15に車幅方向の荷重が伝わる。この場合、中間ピラー2の前縁下端23および後縁下端24に対応する位置では、縦バルクヘッド3A,3Bによりロッカー1の断面崩れを抑制する効果が発揮される。
更に、前後の縦バルクヘッド3A,3B間では、ロッカー1のインナパネル1aの上部とアウタパネル1bの側壁部15の上部間を架け渡す水平バルクヘッド3Cを設けたから、水平バルクヘッド3Cが支えとなってインナパネル1a側およびアウタパネル1b側の変形を抑えロッカー1の断面崩れを抑制する。
このようにロッカー1の中間ピラー2との結合部では、前後の縦バルクヘッド3A,3Bによる断面崩れ抑制効果と水平バルクヘッドによる断面崩れ抑制効果が相まって中間ピラー2の高い支持剛性が発揮できる。従って中間ピラー2の傾斜変形を抑え車体の捩じれ剛性を向上することができる。
また、縦バルクヘッド3A,3Bおよび水平バルクヘッド3Cは車体の捩じれ荷重に限らず、車両の側面衝突時にもロッカーの断面崩れを抑える効果を発揮する。従ってバルクヘッド3A,3B,3Cは中間ピラー2との結合に限らず、ドア開口下縁をなすロッカーの一般部の内部に設置しても効果が発揮される。
水平バルクヘッド3Cは縦バルクヘッド3A,3Bと別体としてもよい。しかし一体成形の方がバルクヘッドヘッド3A,3B,3Cの生産性およびロッカー一への取付作業性に優れている。
上記一体成形において、水平バルクヘッド3Cを側面部30の下半部で形成したが、上半部で形成してもよい。しかしながら、上半部で形成すると縦バルクヘッド3A,3Bの上半側と側面部30が切り離されることとなり、中間ピラー2との結合部に近いロッカー1の上部で両縦バルクヘッド3A,3Bが一体であることが望ましく、従って側面部30の下半部で水平バルクヘッド3Cを形成する方が有利である。
本発明のロッカー補強構造の構成を示すもので、アウタパネル側を仮想線とした要部斜視図である。 本発明のロッカー補強構造を示す図3のII−II線に沿う縦断面図である。 本発明を適用するオープンカーの車体の側面図である。 図1に対応して従来のロッカー補強構造を示す要部斜視図である。 従来のロッカー補強構造を示す図3のV−V線に沿う縦断面図である。
符号の説明
1 ロッカー
1a インナパネル
1b アウタパネル
11,13 上縁フランジ
12,14 下縁フランジ
2 中間ピラー
21 ピラーインナ
22 ピラーアウタ
3A,3B 縦バルクヘッド
3C 水平バルクヘッド
30 側面部

Claims (3)

  1. 自動車の側面下縁に沿って前後方向に延び、インナパネルとアウタパネルとで閉断面をなす自動車のロッカーにおいて、
    上記ロッカーの内部には、ロッカー内部の閉断面を前後方向に仕切る複数の縦壁状の縦バルクヘッドを互いに前後に間隔をおいて設置するとともに、
    上記前後両側の縦バルクヘッドを、それらの縦縁の一方をつなぐ側面部とで一体に形成し、上記側面部の上半部または下半部のいずれかを上記両縦バルクヘッドから切り離して水平方向に折り曲げ、上記側面部の上下いずれかの半部で、上記インナパネルとアウタパネルとを水平方向に架け渡して上記閉断面を上下方向に仕切る水平バルクヘッドを設けたことを特徴とする自動車のロッカー補強構造。
  2. 上記前後両側の縦バルクヘッドおよび水平バルクヘッドを、下端が上記ロッカーの上面部に結合された中間ピラーの直下位置に設けた請求項1に記載の自動車のロッカー補強構造。
  3. 上記ロッカーの上記中間ピラーとの結合部では、車内側へ開口する断面ほぼハット形の上記アウタパネルに対して、車外側へ開口する断面ほぼハット形の上記インナパネルの開口の上下幅をアウタパネルのそれよりも小さくし、インナパネルおよびアウタパネルの下縁フランジ同士を重ね合わせて結合する一方、インナパネルの上縁フランジおよびアウタパネルの上縁フランジを上記中間ピラーのピラーインナの下端部の外面および内面に段違いに重ね合わせて結合し、かつピラーアウタの下縁をロッカーのアウタパネルの側壁部に結合するようになし、
    上記水平バルクヘッドにより、上記ロッカーのインナパネルの上縁フランジの下縁部とこれと車幅方向に対向する上記ロッカーのアウタパネルの側壁部とを架け渡すようになした請求項2に記載の自動車のロッカー補強構造。
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