JP4894629B2 - 自動車のロッカー補強構造 - Google Patents
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Description
車両の悪路走行時や急旋回時などに車体に捩じれ荷重が作用し、これにより中間ピラー2に車幅方向に横荷重がかかると、前後のバルクヘッド3A,3B間でロッカー1の断面崩れ、なかでもアウタパネル1b側の断面崩れが生じ(図5の仮想線)、ピラー2が傾斜変形して車体の捩じれが大きくなるといった問題があった。特にルーフを備えておらず、中間ピラー2の上端がルーフにより支えられていないオープンカー等の乗用車(図3)ではこの傾向が大きい。
上記ロッカー1の断面崩れを防止するためにロッカー1のアウタパネルの板厚を厚くすることが考えられるが重量の増加やコストが高くなる。また中間ピラー2の中心軸に対応して縦バルクヘッドを追加することも考えられるが、作業工程が増えて組付作業性が低下する。
そこで本発明は、重量の増加やコストアップが最小限ですみ、組付作業が良好にでき、効果的にロッカーの断面崩れを抑制することができ、特に中間ピラーとの結合部に適用して中間ピラーの傾斜変形を抑制し、車体の捩じれ剛性を強化する自動車のロッカー補強構造を実現することを課題としてなされたものである。
前後の縦バルクヘッド補強効果に加えて両者の間で水平バルクヘッドがロッカーのインナパネルおよびアウタパネルを車幅方向に支え、ロッカーの断面崩れを抑制する。縦および水平バルクヘッドを一体成形したので、これらの構造を簡素化でき、ロッカーへの組付け作業性が良好である。
中間ピラーに車幅方向に横荷重がかかっても、水平バルクヘッドによりロッカーの断面崩れが抑制され、中間ピラーの傾斜変形を防ぐことができる。
上記水平バルクヘッドにより、上記ロッカーのインナパネルの上縁フランジの下縁部とこれと車幅方向に対向する上記ロッカーのアウタパネルの側壁部とを架け渡す(請求項3)。
中間ピラーのピラーインナおよびピラーアウタが結合されたロッカーのインナパネルの上縁フランジとロッカーのアウタパネルの側壁部との間でロッカーの車幅方向の断面崩れを効率よく抑制する。
図1、図2に示すように、ロッカー1は、ドア開口の下縁に沿う一般部では車外側へ向けて開口する断面ほぼハット形のインナパネル1aと、車内側へ向けて開口する断面ほぼハット形のアウタパネル1bとで構成してあり、両パネル1a,1bの上縁フランジ11,13同士、および下縁フランジ12,14同士を重合結合して閉断面構造をなす。上記一般部では内部に、閉断面内を車幅方向に仕切る縦壁状のリィンフォースメント10が内設してある。リィンフォースメント10はその上縁および下縁の結合フランジが上記インナおよびアウタの両パネル1a,1bの上縁フランジ11,13間、および下縁フランジ12,14間に挟み込み一体に結合してある。
中間ピラー2との結合部では、ロッカー1のインナパネル1aはその開口上下幅をアウタパネル1bのそれよりも小さく形成してある。ロッカー1のインナパネル1aとアウタパネル1bは、下縁フランジ12,14を結合するとともに、インナパネル1aの上縁フランジ11を中間ピラー2のピラーインナ21の下縁部外面に重合結合する一方、これよりも高い位置でロッカー1のアウタパネル1bの上縁フランジ13をピラーインナ21の内面に重ね合わせて段違いに結合して、ピラーインナ21の下端を介して閉断面が形成してある。尚、結合部では上記リィンフォースメント10は設けられていない。
前後の縦バルクヘッド3A,3Bは、これらの車内側の縦縁を前後につなぐ縦板状の側面部30とで一体に形成したプレス成形してある。そして側面部30の下半部を、その前後端を前後の縦バルクヘッド3A,3Bから切り離して車外側に水平方向に折り曲げ、上記下半部で水平バルクヘッド3Cが形成してある。
水平バルクヘッド3Cは、側面部30を結合したロッカー1のインナパネル1aの上縁フランジ11の下縁付近からアウタパネル1b側へ水平に突出し、先端の端縁フランジ32がアウタパネル1bの車外側の側壁部15の内面に重ね合わせて溶接結合して、上縁フランジ11とアウタパネル1b間を水平に掛け渡し、前後の縦バルクヘッド3A,3B間でロッカー1閉断面内のアウタパネル1b側を上下に仕切るように設けてある。
このようにロッカー1の中間ピラー2との結合部では、前後の縦バルクヘッド3A,3Bによる断面崩れ抑制効果と水平バルクヘッドによる断面崩れ抑制効果が相まって中間ピラー2の高い支持剛性が発揮できる。従って中間ピラー2の傾斜変形を抑え車体の捩じれ剛性を向上することができる。
上記一体成形において、水平バルクヘッド3Cを側面部30の下半部で形成したが、上半部で形成してもよい。しかしながら、上半部で形成すると縦バルクヘッド3A,3Bの上半側と側面部30が切り離されることとなり、中間ピラー2との結合部に近いロッカー1の上部で両縦バルクヘッド3A,3Bが一体であることが望ましく、従って側面部30の下半部で水平バルクヘッド3Cを形成する方が有利である。
1a インナパネル
1b アウタパネル
11,13 上縁フランジ
12,14 下縁フランジ
2 中間ピラー
21 ピラーインナ
22 ピラーアウタ
3A,3B 縦バルクヘッド
3C 水平バルクヘッド
30 側面部
Claims (3)
- 自動車の側面下縁に沿って前後方向に延び、インナパネルとアウタパネルとで閉断面をなす自動車のロッカーにおいて、
上記ロッカーの内部には、ロッカー内部の閉断面を前後方向に仕切る複数の縦壁状の縦バルクヘッドを互いに前後に間隔をおいて設置するとともに、
上記前後両側の縦バルクヘッドを、それらの縦縁の一方をつなぐ側面部とで一体に形成し、上記側面部の上半部または下半部のいずれかを上記両縦バルクヘッドから切り離して水平方向に折り曲げ、上記側面部の上下いずれかの半部で、上記インナパネルとアウタパネルとを水平方向に架け渡して上記閉断面を上下方向に仕切る水平バルクヘッドを設けたことを特徴とする自動車のロッカー補強構造。 - 上記前後両側の縦バルクヘッドおよび水平バルクヘッドを、下端が上記ロッカーの上面部に結合された中間ピラーの直下位置に設けた請求項1に記載の自動車のロッカー補強構造。
- 上記ロッカーの上記中間ピラーとの結合部では、車内側へ開口する断面ほぼハット形の上記アウタパネルに対して、車外側へ開口する断面ほぼハット形の上記インナパネルの開口の上下幅をアウタパネルのそれよりも小さくし、インナパネルおよびアウタパネルの下縁フランジ同士を重ね合わせて結合する一方、インナパネルの上縁フランジおよびアウタパネルの上縁フランジを上記中間ピラーのピラーインナの下端部の外面および内面に段違いに重ね合わせて結合し、かつピラーアウタの下縁をロッカーのアウタパネルの側壁部に結合するようになし、
上記水平バルクヘッドにより、上記ロッカーのインナパネルの上縁フランジの下縁部とこれと車幅方向に対向する上記ロッカーのアウタパネルの側壁部とを架け渡すようになした請求項2に記載の自動車のロッカー補強構造。
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