JP3936048B2 - 電池制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定個数の電池ブロックを複数直列接続して構成された組電池における過放電を防止する電池制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電動機により全部または一部の車両駆動力を得ている電気自動車(ハイブリッド自動車を含む)は、二次電池(以下、単に電池と記す)を搭載し、この電池に蓄えられた電力により前記の電動機を駆動している。このような電気自動車に特有な機能として、回生制動がある。回生制動は、車両制動時、前記の電動機を発電機として機能させることによって、車両の運動エネルギを電気エネルギに変換し、制動を行うものである。また、得られた電気エネルギは電池に蓄えられ、加速を行う時などに再利用される。したがって、回生制動によれば、従来の内燃機関のみにより走行する自動車においては、熱エネルギとして大気中に放散させていたエネルギを再利用することが可能であり、エネルギ効率を大幅に向上することができる。
【0003】
ここで、回生制動時に発生した電力を有効に電池に蓄えるためには、電池にそれだけの余裕が必要である。また、車載された熱機関により発電機を駆動して電力を発生し、これを電池に充電することができる形式のハイブリッド自動車においては、電池に蓄えられた電力、すなわち蓄電量を自由に制御できる。よって、前述のようなハイブリッド自動車においては、電池の蓄電量を回生電力を受け入れられるように、また要求があれば直ちに電動機に対して電力を供給できるように、蓄電量は満蓄電の状態(100%)と、全く蓄電されていない状態(0%)のおおよそ中間付近(50〜60%)に制御されることが望ましい。
【0004】
しかし、ハイブリッド自動車の走行状況に応じては、放電が多くなり、蓄電量が非常に少なくなってしまう事態も生じる。そして、多くの電池は、蓄電量が0になるまで放電してしまうと、電池の劣化が進む場合が多く、その手前で放電を停止する必要がある。
【0005】
ここで、ハイブリッド自動車などの電池は高電圧を発生する必要があり、多数の電池セルを直列接続した組電池が利用される。そこで、各電池セルの電圧を検出し、この電圧値が1つでも0になったことで、電池をモータから切り離し、さらなる放電を禁止することが行われている。これによって、過放電を防止して、電池の保護を達成できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来例の構成では、電池セルの電圧が0になった時点で、電流を遮断する。従って、この時点でモータの駆動は停止される。ハイブリッド自動車の場合エンジンによって車両を走行させることが可能ではあるが、この走行は出力トルクの小さな限定された走行であり、走行性能が大きく変化し、ドライバーにとって違和感が大きい。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、電池の放電状態についての評価を2段階として、電池の状態に適した走行が行える電池制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
なお、特開平9−117072号公報には、各電池ブロック間の電圧差を検出し、この電圧差が所定値を超えたことで、電池の異常を検出することが示されている。しかし、この公報に記載の装置は、ブロック間電圧差が大きいことによりブロック同士を並列接続する際の接続がはずれたことを検出しているだけである。従って、直列接続したブロック間のブロック間電圧差を検出し、過放電を検出するものではない。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数の電池セルからなる電池ブロックを複数直列接続して構成された組電池と、各電池ブロックの電圧を検出する電圧検出手段と、各電池ブロック間の電圧差を検出する電圧差検出手段と、電圧差検出手段により検出された電圧差が第1の所定値を超えたか否かを判定する第1判定手段と、この第1判定手段により電圧差が第1の所定値を超えたと判定されたとき、組電池からの放電電力を制限する放電電力制御手段と、電圧差検出手段により検出された電圧差が第1の所定値よりも大きい第2の所定値を超えたか否かを判定する第2判定手段と、第2判定手段により電圧差が第2の所定値を超えたと判定されたとき、組電池からの放電を禁止する放電禁止手段と、第2判定手段により電圧差が第2の所定値を超えたと判定された回数が所定以上となったときに、その電圧差が第2の所定値を超えたと判定された電池ブロック内の複数の電池セルの充電状態を均等化する均等充電制御を行うオンボード均等充電手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
このように、本発明においては、第1判定手段と第2判定手段の2つの判定手段を有し判定を2段階とする。過放電の程度が低い場合には、放電量の制限を実施する。従って、突然モータへの電力供給が遮断されてしまうのではなく、放電量を規制した走行を行って、さらに放電が進んだ場合にのみ、モータが切り離されモータへの電力供給が完全に0になる。従って、ユーザにおいて、違和感があまりない。このように、最終的に放電を禁止する時点より前の時点で放電電力を制限するため、過放電異常の進行を遅らせることができ、走行可能な状態をより長く維持することができる。また、放電量を規制した走行において、電池の充電状態が回復した場合には、モータの出力制限を解除することもできる。これによって、通常運転に容易に復帰することができ、車両の利用域を拡大することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面に従って本発明の実施の形態(以下、実施形態と記す)を説明する。
【0012】
「全体構成」
図1には、本発明の電池制御装置が搭載された車両のパワープラントの概略図が示されている。エンジン10の出力軸12には、ねじれダンパ14を介して遊星ギア機構16のプラネタリギア18を支持するプラネタリキャリア20が接続されている。遊星ギア機構16のサンギア22とリングギア24は、それぞれ第1モータジェネレータ26と第2モータジェネレータ28のロータ30,32に接続されている。第1および第2モータジェネレータ26,28は、三相交流発電機または三相交流電動機として機能する。リングギア24には、さらに動力取り出しギア34が接続されている。動力取り出しギア34は、チェーン36、ギア列38を介してディファレンシャルギア40と接続されている。ディファレンシャルギア40の出力側には、先端に図示しない駆動輪が結合されたドライブシャフト42が接続されている。以上の構造によって、エンジン10または第1および第2のモータジェネレータ26,28の出力が駆動輪に伝達され、車両を駆動する。
【0013】
エンジン10は、アクセルペダル44の操作量や、冷却水温、吸気管負圧などの環境条件、さらに第1および第2モータジェネレータ26,28の運転状態に基づきエンジンECU46によりその出力、回転数などが制御される。また、第1および第2モータジェネレータ26,28は、制御装置48により制御が行われる。制御装置48は、二つのモータジェネレータ26,28に電力を供給し、またこれらからの電力を受け入れる電池(二次電池)50を含んでいる。電池50と第1および第2モータジェネレータ26,28との電力のやりとりは、それぞれ第1および第2インバータ52,54を介して行われる。二つのインバータ52,54の制御は、制御CPU56が行い、この制御は、エンジンECU46からのエンジン10の運転状態の情報、アクセルペダル44の操作量、ブレーキペダル58の操作量、シフトレバー60で定められるシフトレンジ、電池の蓄電状態、さらに遊星ギア機構16のサンギアの回転角θs、プラネタリキャリアの回転角θc、リングギアの回転角θrなどに基づき、行われる。また、前記遊星ギア機構16の三要素の回転角は、それぞれプラネタリキャリアレゾルバ62、サンギアレゾルバ64およびリングギアレゾルバ66により検出される。電池に蓄えられた電力、すなわち蓄電量は電池ECU68により算出される。制御CPU56は、前述の諸条件や第1および第2モータジェネレータ26,28のu相、v相の電流Iu1,Iv1,Iu2,Iv2さらには電池または他方のインバータから供給される、または供給する電流L1,L2などに基づき第1および第2インバータ52,54のトランジスタTr1〜Tr6,Tr11〜Tr16を制御する。
【0014】
遊星ギア機構16の、サンギアの回転数Ns、プラネタリキャリアの回転数Ncおよびリングギアの回転数Nrは、サンギアとリングギアのギア比ρとすれば、
【数1】
Ns=Nr−(Nr−Nc)(1+ρ)/ρ ・・・(1)
で示される関係がある。すなわち、三つの回転数Ns,Nc,Nrの二つが定まれば、もう一つの回転数が決定する。リングギアの回転数Nrは、車両の速度で決定するので、プラネタリキャリアの回転数Ncすなわちエンジン回転数と、サンギアの回転数Nsすなわち第1モータジェネレータ回転数の一方の回転数が決定されれば、他方が決定される。そして、第1および第2モータジェネレータ26,28の界磁電流をその時の回転数に応じて制御して、これらのモータジェネレータを発電機として作用させるか、電動機として作用させるかを決定する。二つのモータジェネレータ26,28が、全体として電力を消費している場合は電池50から電力が持ち出され、全体として発電している場合は電池50に充電が行われる。たとえば、電池50の蓄電量が少なくなっていることが電池ECU68により検出された場合、エンジン10の発生するトルクの一部により二つのモータジェネレータ26,28の一方または双方により発電を行い、電池50への充電を行う。また、電池50の蓄電量が多くなった場合、エンジン10の出力を抑え気味にして、第2モータジェネレータ28を電動機として作用させ、これの発生するトルクを車両走行用に用いるように制御する。また、制動時においては、二つのモータジェネレータ26,28の一方または双方を発電機として動作させ、発生した電力を電池50に充電する。
【0015】
自動車の制動は、いつ行われるか予測することは困難であるから、電池50は、回生制動によって発生した電力を十分受け入れられるような状態にあることが望ましい。一方、エンジン10の出力だけでは、運転者の所望する加速を得られない場合、第2モータジェネレータ28を電動機として動作させるために、電池50はある程度蓄電量を確保していなければならない。この条件を満たすために、電池50の蓄電量は、電池容量、すなわち電池が蓄えられる最大の電力の半分程度となるように制御される。本実施形態の場合は、蓄電量が約60%となるように制御が行われる。
【0016】
「要部構成」
ここで、本実施形態の電池制御装置について、図2に基づいて説明する。電池50には、電圧センサ70が接続されており、電池50の電圧を監視している。ここで、電池50は、複数のブロック50−1〜50−n(例えば、20個のブロック)に分割されている。また、1つずつのブロックが複数の電池セル、例えば12個の電池セルから構成されている。1ブロック12セルで、20ブロックであれば、全体で240セルとなる。
【0017】
そして、各電池ブロック50−1〜50−nのそれぞれに電圧センサ70−1〜70−nが接続されている。この電圧センサ70−1〜70−nは、各電池ブロック50−1〜50nの電圧を測定する。また、電池50の近傍には、その温度を検出する温度センサ74が設けられ、電池50の温度を検出している。なお、温度センサ74も複数設け、電池ブロック50−1〜50−nのそれぞれの温度を個別に検出できるようにしてもよい。そして、電圧センサ70及び温度センサ74の検出値は、電池ECU68に入力される。また、電池50に接続されている電力ラインには、リレー76が配置されており、電池50をインバータ52、54から切り離せるようになっている。
【0018】
なお、本実施形態の電池50は、ニッケル水素電池である。しかし、電池50には、これに限らず、リチウムイオン、ニッケルカドミ、鉛電池などが利用可能である。
【0019】
電池ECU68は、その内部に、その機能ブロックとして、検出部80、判定部82、メモリ84及び制御部86を有している。検出部80は電圧センサ70及び温度センサ74によって検出された電圧値、電池温度をデジタルデータとして判定部82に供給する。ここで、電圧値は、ブロック50−1〜50−nの1つずつの検出値として得られる。
【0020】
判定部82は、供給されてくる電圧値及び電池温度と、メモリ84に記憶されているデータから制御信号を発生する。これについて、以下に説明する。
【0021】
まず、ニッケル水素電池の1つの電池セルについて、強制的に過放電させたときの電圧値の変化を図3に示す。このように、正常時1.2Vであった電圧は、放電に伴い減少していく。そして、0Vを超えて放電が進み−0.2Vとなると、正極の容量がなくなり、転極が発生する。さらに、放電が進み−1.5Vになると、負極の容量がなくなってしまい電池として機能しなくなる。なお、正極と負極の容量が全く同一であれば、このような2つの反応は同時に起こるが、通常正極の容量が小さく設定されているため、上述のようになる。特に、−1.5V近辺以下になると、陰極から水素ガスが発生する可能性が大きくなるため、これ以上の放電は確実にさける必要がある。なお、組電池では、多数の電池セルが直列接続されているため、1つの電池セルについて過放電が進み、上述のようなレベル1、2へと進行する。
【0022】
このような電池セルの反応を基礎にして、本実施形態では電池セルの電圧が0.2Vに至った段階(レベル1)と、1.5Vに至った段階(レベル2)の2段階に分けて、電池の放電制御を行う。
【0023】
ここで、本実施形態では、ブロック毎の電圧値を検出し、電池セル毎の電圧値検出に代える。これは、電池セルは電池容量がゼロに近づいたときに、急激に電圧が落ち始め、1つのセルが過放電になる段階で、その電圧降下が検出できるからである。また、電池50はかなり大きなものであり、各ブロックによって、温度差などが必然的に生じる。特に冷却装置の配置やその能力などにより、電池50の各ブロック間に温度差が生じてしまう。そこで、判定部82は、予めブロックについて、比較的温度が近いブロックがまとまるようにグループ分けを行っている。このグループ分けは、予め実験によって決定し、メモリ84に記憶しておいてもよいし、温度センサ74をブロック毎に設け、実際の温度に応じて行ってもよい。このように温度を考慮することによって、温度差によるブロック間電圧差を過放電と誤判定してしまうことを防止できる。
【0024】
例えば、20個のブロックからなる電池50を次のような3つのグループa〜cに分ける。
【0025】
グループa:電池ブロック50−1、2、3、4、5、6、7
グループb:電池ブロック50−8、9、10、11、12、13、14
グループc:電池ブロック50−15、16、17、18、19、20
そして、これらグループ内におけるブロック間電圧差を検出する。すなわち、電池ブロック50−1〜50−20の検出電圧値をV1〜V20とすると、各グループ内のブロック間電圧差ΔVna〜ΔVncは、次にようにして求められる。
【0026】
ΔVna=Vnamax−Vnamin
ここで、ΔVnamax=MAX(V1,V2,V3,V4,V6、V7)、ΔVnamin=MIN(V1,V2,V3,V4,V5、V6、V7)である。
【0027】
ΔVnb=Vnbmax−Vnbmin
ここで、ΔVnbmax=MAX(V8,V9,V10,V11、V12、V13、V14)、ΔVnbmin=MIN(V8,V9,V10,V11、V12、V13、V14)である。
【0028】
ΔVnc=Vncmax−Vncmin
ここで、ΔVncmax=MAX(V15,V16,V17,V18,V19,V20)、ΔVncmin=MIN(V15,V16,V17,V18,V19,V20)である。
【0029】
そして、得られたグループ毎のブロック間電圧差ΔVna〜ΔVncの中の最大値MAX(ΔVna,ΔVnb,ΔVnc)をとり、このMAX(ΔVna,ΔVnb,ΔVnc)の値を所定のしきい値と比較する。なお、以下において、MAX(ΔVna,ΔVnb,ΔVnc)をMAX(ΔVn)と表す。
【0030】
(レベル1判定)
次の条件を検出して、レベル1と判定する。
【0031】
放電電流IBc>0(放電中) and
MAX(ΔVn)>A1
ここで、A1は、1V程度の値とする。
【0032】
このようにして、ブロック内の電池セルの1つが上述したレベル1に達したことを判定できる。ここで、A1の値を温度センサ74で検出した温度で変更してもよいが、この例では変更していない。
【0033】
この判定でレベル1に至ったと判定された場合には、モータジェネレータ26、28の出力を制限する。例えば、インバータ52、54に供給するトルク指令を制限することで、モータジェネレータ26、28の出力を制限することができる。また、冷却ファンを駆動すると共に、排気ダンパーを開き、雰囲気の空気を車外に排出できるようにする。これは、電池50から水素ガスが発生することに備えるためである。
【0034】
さらに、このレベル1の処理に入ってから、次の条件について、判定し、これが成立した場合には、レベル1の制御を中止し、通常の運転に戻る。
【0035】
MAX(ΔVn)<A2
ここで、A2は、1.0V程度の値とする。これによって、ブロック間電圧差がA1の値になった段階で、レベル1の制御に入り、A2の値に回復したことで、通常運転に戻ることができる。
【0036】
(レベル2−(1)判定)
下記条件が成立したときには、レベル2−(1)と判定する。
【0037】
放電電流IBc>0(放電中) and
MAX(ΔVn)>A3
ここで、A3は、検出温度に基づいて制御される判定電圧変更フラグのオフ時に2V程度の値、オン時に3V程度の値とする。この判定電圧変更フラグについては、後述する。
【0038】
そして、レベル2−(1)となった場合には、リレー76をオフし、モータジェネレータ26、28への供給電力を遮断する。さらに、上記判定を継続すると共に、上記レベル2−(1)の条件の成立をカウントする。そして、このカウント値、すなわち成立の累積回数が所定回数となったときには、オンボード均等充電要求フラグをオンする。従って、所定回数のレベル2−(1)の条件成立により、オンボード均等充電制御が行われる。
【0039】
ここで、オンボード均等充電制御について、簡単に説明する。上述のような過放電は、電池セルそのものの故障ではなく、セル毎の容量のばらつきにより発生したものである。なお、このようなばらつきは、セル毎の温度差ばらつきやセル毎の自己放電量の個体差ばらつきなどによって発生する。従って、このようなセルの過放電によりブロック電圧が低下し、他のブロックのブロック電圧との電圧差が所定以上になった場合には、当該ブロックについてセル毎の充電容量を均一にすることを目的とした充電により回復できる。オンボード均等充電制御は、走行しながら(電池を充放電しながら)、各セルの容量の均等化を行う制御であり、具体的には通常の制御で使用する容量中心点から意図的に充電型の制御を行い、電池を過充電ぎみに充電することで各セルの容量の均一化を図る。なお、この他に、停止中に外部接続する充電器により、一定レートの充電を行い各セルの容量の均一化を図る外部均等充電制御も用意し、これを利用することも好適である。
【0040】
さらに、このレベル2−(1)の処理に入ってから、次の条件について判定し、これが成立した場合にはレベル1の制御に戻る。
【0041】
MAX(ΔVn)<A4
ここで、A4は、1.0V程度とする。
【0042】
(レベル2−(2))判定)
上述のレベル2−(1)と同様の下記条件が、レベル2−(1)により長時間成立した場合にレベル2−(2)と判定する。
【0043】
放電電流IBc>0(放電中) and
MAX(ΔVn)>A3
レベル2−(2)と判定された場合にも、累積回数が所定数となったときには、オンボード均等充電要求フラグをオンする。
【0044】
(判定電圧)
電池50の温度が変わると、ブロック間電圧差も変化する。すなわち、低温時には、放電時における出力特性のセル個体差が大きくなるため、電池正常時でも電圧差が発生しやすい。そこで、判定する電圧差を大きくして誤判定の発生を防止する。
【0045】
例えば、図4に示すように、0℃付近まで低下したことで判定電圧変更フラグをオンし、10℃付近まで上昇したことで判定電圧変更フラグをオフする。そして、この判定電圧変更フラグがオンの時に、上述したしきい値電圧A3を2V程度から3V程度に変更する。これによって、低温時において、特性のばらつきにより生じたブロック間電位差により、リレー76が切断することを防止できる。なお、A1、A2、A4についても判定電圧変更フラグのオンオフに基づき変更することも好適である。
【0046】
「実施形態の効果」
以上のように、本実施形態によれば、レベル1、レベル2の2段階の制御とし、過放電の程度が低いレベル1においては、モータの出力制限を実施する。従って、突然モータへの電力供給が遮断されてしまうのではなく、放電量を規制した走行を行って、さらに放電が進んだ場合にのみ、モータが切り離されモータへの電力供給が完全に0になる。従って、ユーザにおいて、違和感があまりない。また、放電量を規制した走行において、電池の充電状態が回復した場合には、モータの出力制限を解除する。そこで、通常運転に容易に復帰することができる。従って、車両の利用域を拡大することができる。
【0047】
また、ブロック間電圧差を検出する際に、ブロックを温度差が比較的少ないグループに分け、そのグループ内における最大のブロック間電圧差を検出し、各グループにおける最大ブロック間電圧差の最大値をブロック間電圧差とする。従って、全ブロックの検出電圧の最大値から最小値を減算したブロック間電圧差に比べて、温度差の影響を排除したものにできる。そこで、正確な過放電の判定が行える。
【0048】
また、レベル2において、レベル2−(1)とレベル2−(2)の2段階を設けている。そして、レベル2−(1)において、その成立回数が所定回数になったり、レベル2−(2)に至り、電池の充電状態が回復しないことを確認した場合には、オンボード均等充電フラグを立て、オンボード均等充電を要求する。これによって、早期に充電状態の回復を図ることができる。
【0049】
さらに、ファンの駆動や排気ダンパーの制御によって、電池から水素ガスが発生した場合にも、これが車外に排出されるようにしている。従って、水素ガスによる悪影響をさけることができる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、最終的に放電を禁止する時点より前の時点で放電電力を制限するため、過放電異常の進行を遅らせることができ、走行可能な状態をより長く維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 システムの全体構成を示す図である。
【図2】 要部の構成を示す図である。
【図3】 過放電時の特性を示す図である。
【図4】 判定電圧変更フラグのセット動作を示す図である。
【符号の説明】
50 電池、50−1〜50−n 電池ブロック、68 電池ECU、70(70−1〜70−n) 電圧センサ、74 温度センサ、76 リレー、80 検出部、82 判定部、84 メモリ、86 制御部。
Claims (1)
- 複数の電池セルからなる電池ブロックを複数直列接続して構成された組電池と、
各電池ブロックの電圧を検出する電圧検出手段と、
各電池ブロック間の電圧差を検出する電圧差検出手段と、
電圧差検出手段により検出された電圧差が第1の所定値を超えたか否かを判定する第1判定手段と、
この第1判定手段により電圧差が第1の所定値を超えたと判定されたとき、組電池からの放電電力を制限する放電電力制御手段と、
電圧差検出手段により検出された電圧差が第1の所定値よりも大きい第2の所定値を超えたか否かを判定する第2判定手段と、
第2判定手段により電圧差が第2の所定値を超えたと判定されたとき、組電池からの放電を禁止する放電禁止手段と、
第2判定手段により電圧差が第2の所定値を超えたと判定された回数が所定以上となったときに、その電圧差が第2の所定値を超えたと判定された電池ブロック内の複数の電池セルの充電状態を均等化する均等充電制御を行うオンボード均等充電手段と、
を有することを特徴とする電池制御装置。
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