遠方の学会に参加したいけど、子どもはどうしよう――。育児中の研究者の研究継続をはかろうと、「子連れ出張」を支援する動きが大学などで広がっている。研究者にとって学会参加は研究に不可欠で、キャリア形成にも欠かせないが、土日開催で宿泊が必要だったり、子どもの送り迎えに間に合わなかったりする。「連れて行ける」選択肢を用意し、金銭面で支える。 子連れ出張、やってみたら… 山口大准教授で関数論が専門の堀田一敬さんは昨夏、仙台市で開かれた日本数学会の大会に向かった。体調が優れない家族の状況を考え、2人の幼児を帯同。子の飛行機代やホテル代は自腹だ。 3泊4日の予定で、事前にホテルに着替えなどを宅配便で送った。それでも、道中の遊び道具などでバックパックはパンパン。それを背負い、両手に子どもの手を握って移動した。「ヘトヘトで、ホテルに着いた時点で『目的達成』。学会はそれからなのに」と苦笑する。 日本数学会では