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企業の育児支援の多くが「ワンオペ育児」を生んでいるという皮肉

夫は同僚の育児支援に回される

平日は夫に頼れないから、ほぼワンオペ育児――。筆者の周囲の母親たちからよく聞く話だ。育児と家事の同時進行は赤ちゃんを抱えてひとりでやるのは、かなりきつい。

まず、赤ちゃんをベッドに置くことができない。しばらく抱いて揺らして眠ったように見えても、親の手が離れた瞬間、背中にセンサーがついているかのように泣き出すから、抱いたまま家事をすることになる。慣れた人ならおんぶ紐を使うかもしれないが、慣れない間は「置けない」ことがストレスになる

〔PHOTO〕iStock
 

ワンオペ育児の大変さは、子どもと向き合うだけでなく、家事もひとりでやらねばならないところにある。片手で子どもを抱いたまま、洗濯、掃除をしているうちに、子どもが泣きだす。オムツを換えてミルクをあげているうちに、洗濯機が洗い物終了のメロディを奏でる。干したりたたんだりして空腹になっても、自分の食べ物は用意している暇がない。

さらに、こういう状態で買い物に行ったり、役所や銀行で用事をすませたりしなくてはいけない。平日昼間しか開いていない場所へ子どもを連れていくのは、よく寝てくれる子でない限り、気が進まない。でも、やらなければ生活に支障が出る。

これらは「ワンオペ育児」を経験した親たちの共通体験だ。男性の家事育児参加がかなり広まってきた今でも、ワンオペ育児に悩む女性は少なくない。

実は、企業が「女性活躍」の名の下に進めている育児支援制度の多くが、この「ワンオペ育児」を結果的に促進してしまっている側面がある。

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