戦後65年にわたって親しまれてきた夕刊紙の灯が消える――。「岡山日日新聞」を発行してきた岡山日日新聞新社(岡山市北区)が自己破産を地裁に申し立てた10日、従業員や新聞販売店に動揺が広がり、読者から別れを惜しむ声も上がった。 同紙は1946年に「夕刊岡山」として創刊され、69年に現在の「岡山日日新聞」に改称。岡山、倉敷両市などで新聞を販売してきた。2003年に岡山日日新聞社(当時)から、ソフト開発会社に営業が譲渡されたが、設備投資もかさんで赤字が膨らんだ。経営再建に向けて08年、新会社の岡山日日新聞新社を設立、新聞発行を続けていた。 ■□「破産」貼り紙 10日朝、同社入り口には「自己破産することになりました」などと書かれた紙が張り出されたが、扉は閉ざされ、代表電話に出た社員は「何も言えません」と繰り返した。同社によると、原田克也社長はいったん会社に顔を出した後、市内の病院に入院したという。