去年の夏に行った桂小春団治さんの独演会で披露された新作落語の中に、 「もーする」「うーする」 という言葉が出てきました。もちろん「幼児語」です。 「もーする」 は、うーん説明が難しいですが、幼児がウンチをしたあとに、自分で拭けないので、お父さんやお母さんにお尻を拭いてもらう際に、お父さんやお母さんが、 「はい、モーして」 と言うと、子供は四つん這いになって、お尻を持ち上げる。そのポーズになることを、 「もーする」 と言うんですね。たしかに言います。でもこれ、関西弁やろか?普通の国語辞典引いても載っていません。牧村史陽さんの『大阪ことば事典』で引いてみると・・・・オ、ありました! 「モォスル」=「四つ這いになる。牛のような格好をする意。(小児語)」 これこれ!これでんがな!やっぱり関西弁かあ。女房詞の系統かもしれませんね、語のニュアンスから言うと。Google検索では(1月22日)、 「モォ
ちょっと意表をつかれる書名だが、これまでの辞書が常に要求されてきた「規範性」「権威性」の拠ってきたるところを究明、その本質を明らかにするという内容である。辞書史に関心のある人ならば、「政治」と聞いてまず連想するのは、近代辞書の成立がナショナリズムと密接に結びついていた事実であろう。本書はまず、日本近代の国語辞書成立にあたって、欧米に比肩する「文明国」辞書をつくるという愛国的な編纂動機が存在したことを丹念に立証する。 このことは大槻文彦の『言海』編纂(高田宏『ことばの海へ』など)によって知られているが、ここではさらに近代的方式による自国語の整備(語彙を網羅し、語釈を歴史的に記述する)をもって文明国の標準ないし条件であるとする観念が、幕末から明治初期にかけての洋学系の知識人から発したこと、およびその淵源が先進国の辞書観念、たとえばジェームズ・マリーらの『オクスフォード英語辞典』やグリム兄弟の『
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