わすれもの、うせものがたえない毎日を送る忘却散人(飯倉洋一)のブログです。2008年3月スタート。日本近世文学。 軽い読み物として、推敲もなしに書いていますので、学術論文などへの引用はお控えください(どうしてもという場合は、事前にコメント欄にでもご連絡下さい)。エッセイなどでの引用やSNSなどでのリンクはご自由にどうぞ。 佐賀の井上敏幸先生からいただいた科研報告書『近世中・後期松代藩真田家代々の和歌・俳諧・漢詩文及び諸芸に関する研究』は、2分冊の堂々たる報告書で、資料編が圧巻なのですが、論文編もなかなか面白いものが並んでいます。 講演の活字化のものが多いせいか、興味深く、大きな問題に結びつけた内容に引きこまれますね。たとえば福田千鶴氏「大名の交遊」は、真田幸弘と幸専という二代の大名の御側御納戸日記という史料を読んでいるのですが、隠居した幸弘の御側御納戸日記はかなり汚いくずし字で書かれており