なぜ研究不正が起きたのか、その範囲はどこまでに及ぶのかが焦点になっていますが、別の段階の問題として、なぜそのような論文がNature誌に掲載されたのか、ということもあります。このことについて、ある2通のメールがリークされました。2012年にScience誌がSTAP論文をリジェクト(掲載拒否)したときの査読コメント、そして2013年にNature誌がリバイズ(修正)を要求したときの査読コメントです。 そもそもNature誌やScience誌に限らず、学術雑誌に論文が掲載されるときには、近い分野を専門にする第三者の研究者が論文を精読し、論旨に不備がないかなどをチェックすることがほとんどです。これを「ピア・レビュー(査読)」と呼び、査読する研究者はレビュワーと呼ばれています。雑誌の編集部は査読を参考にして論文を掲載するか、リジェクトするか、あるいは論文著者に修正を依頼するかを判断します。この