1890年9月、和歌山県串本町樫野埼沖で沈没したトルコ軍艦「エルトゥールル号」の発掘調査団長で、同国の海洋考古学者トゥファン・トゥランルさん(60)が、「エ号」航海の様子などを子供向けに描いた絵本冊子「軍艦エルトゥールル号物語」を製作した。 生還した乗組員の視点から描かれた内容になっており、トゥランルさんは「日本との友好関係の原点となった史実を多くの人に知ってもらえたら」と話している。 トゥランルさんは、2007年1月から地元の日本人ダイバーらと沈没した海域に潜り、発掘調査をスタート。10年までの足かけ4年間で調理鍋や金貨、菊の紋が入った皿など計7000点以上を引き揚げた。遺品の一部は同年、トルコ国内で巡回展示されたほか、今年9月からは県立博物館の特別展でも公開されている。 冊子の製作を思い立ったのは、研究者仲間のロバート・バラード博士が子ども向けにまとめた豪華客船「タイタニック号」