二十九日投開票された山口県知事選で「脱原発」を掲げた飯田哲也氏が自民、公明両党の推薦を受け、当選した山本繁太郎氏に善戦したことに対し、与野党に衝撃が広がった。選挙中に米軍の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが米軍岩国基地(山口県岩国市)に陸揚げされたことが影響したという見方も出ている。 (冨江直樹) 今回の知事選は最近五回の中で最も接戦。これに関して、民主党の城島光力国対委員長は三十日、記者団に「原発やオスプレイの配備の問題が投票率を上げることにつながったのではないか」と述べた。 山口県内では中国電力が進める上関原発の建設計画がある。山本氏が計画再開に含みを残した「凍結」を主張したのに対し、飯田氏は「白紙撤回」を訴え、知事選で大きな争点となった。さらに、オスプレイの陸揚げが強行されて知事選への関心が高まり、投票率が上昇。無党派層の多くが飯田氏に流れ、接戦となったという分析だ。