「今の形を維持するよりもアライアンスを含め、広い可能性を考えなければいけない。5月時点で考えていたやり方ではしんどい。広い範囲でいろんな対応を考えていきたい」 7月31日に開催された、シャープの2016年3月期第1四半期決算会見。高橋興三社長の言葉で目立ったのは、柱の液晶パネル事業をめぐる他社との提携の可能性についての言及だった。 「これまで社長は他社との提携については明言していなかった。意外だった」と、シャープ社員も驚くように、高橋社長は柱の液晶事業についてあくまで自社単独で手掛けていくと社内外で強調。5月に新中期計画を発表した際も、「100%うちが資本を持てなければ、他社とのアライアンスはない」(高橋社長)とまで言い切っていた。 しかし、第1四半期決算で明らかになったのは、その「単独路線」の継続が許されないほど、液晶事業をめぐる環境が悪化していたことだった。 改善したのは電子デバイス分