ご存知の通り,この7年間に日本の携帯電話はめざましい進化を遂げた。ブラウザやメールをはじめとする様々な機能を搭載。「ケータイ」という別の製品ジャンルともいえるほどのヒット商品となり,一気に一般消費者の必需品となった。 実はこのケータイが進化する速度は,コンピュータの歴史上初めてムーアの法則を破る事例であろうと思われる。それがいかに実現されたかを見てみよう。 我々が,テレビやワープロ向けに開発した組み込み向けのブラウザ「NetFront」を,携帯電話などの小型機器への応用を検討し始めたのは1996年頃のことである。 ケータイのCPUとソフトウエアは7年で100倍に 「NetFront」(当時 Ver.2)は1~2Mバイトで動作するように,かなりコンパクトに設計されていた。しかし携帯電話のハードウエア資源は,どうやらさらに厳しそうだ。消費電力の問題もある。そこで,さらに1けた小さなハードウエア