このコーナーは、時事通信社の関係団体で、(一社)内外情勢調査会の会員企業がお薦めする各社の商品を掲載します。内外情勢調査会は1954年の設立で、ほぼ毎月、全国100以上の都市で会食付きの会員制講演会事業を展開しています。会員は、企業経営者や中央省庁・自治体の首脳ら6500人。東京の会合には、首相や閣僚、日銀総裁なども登壇することが知られています。
航空機内の手荷物入れには、奥に入った荷物を見やすくするためのミラーが貼ってある。この便利なミラーを製造販売するのが、1968年に看板業として創業し、その後、業務用アクリル製ミラーのメーカーへと業態変更した埼玉県川口市に本社を置くコミー株式会社である。
同社は、長年にわたり、軽量で丈夫なアクリル製の「凸面ミラー」や、88年に発売されたフラットなのに広い視野が確保できるオリジナル商品「FFミラー」を通じ、身近なコンビニから航空機まで、安全・防犯・サービス・効率アップに貢献してきた。さらに、ぼかし加工でプライバシーに配慮した商品や、破損に対する半永久保証制度を導入するなど、時代のニーズに応じた商品開発やサービスも展開中だ。
世界中の航空機で採用される「FFミラー」
手荷物入れの確認作業をより確実に出来れば、という客室乗務員からの貴重な意見に後押しされ、96年に航空業界へと参入したコミー。当初、手荷物入れに取り付けるミラーの用途は乗客の忘れ物防止と考えていたという。しかし、客室乗務員が危険物の確認作業を行っていることから、「FFミラー」の特性を生かして、見やすさを追求し、大幅な作業時間の短縮にもつながるような「FFミラー」の新たなニーズを発見する。
「FFミラー」の「FF」は、ファンタスティック・フラットの意味で、表面がフラットにもかかわらず、凸面ミラーと同じ広さの視野を持つ。さらに超軽量・超薄型でありながら割れにくく、設置したい場所に貼れば、死角も減らせることができる。現在、航空機やエレベーターのほか、室内通路や車庫の出入口、券売機などで幅広く使われている。ちなみに「FFミラー」は87年にコミーが世界で初めて開発した特許製品でもある。また、航空機に採用される部品は要求スペックが厳しく、徹底したテストと品質管理が求められるため、航空機メーカーに部品を納めている日本企業はどうしても限られる。コミーはその数少ないメーカーの1社であり、「FFミラーAIR」は、スムーズな運航にも役立つと、97年から航空機用手荷物入れミラーとして採用され続けている。
「航空機メーカーの米ボーイング社や欧州エアバス社に当社製品が採用された際は、大きな話題となりました。現在、導入いただいている航空会社は、国内外合わせて100社を超えています」と、コミー株式会社代表取締役社長の小宮山哲氏は胸を張る。
客室乗務員からの要望で誕生した「CAミラー」
2014年、コミーは納入先である日本航空(JAL)の客室乗務員からの意見を反映してJALと共同で「CAミラー」の開発を始めた。
「『CAミラー』は、客室乗務員が搭乗時に携帯するアイテムです。JALの客室乗務員はフライト前に『非常用機材のゲージ』の確認業務があり、ゲージが読みにくい場所にある場合、このミラーを使って確認しているそうです」と小宮山氏は明かす。
これまで常にユーザーに役立つオリジナル商品を開発し、市場を開拓してきたコミーだが、「持ち運びに便利でメイクチェックが簡単」「お客さまとの打ち合わせ前に身だしなみの確認ができる」「コンタクト使用時の目元確認」など、日常生活でも使いたいという声をいただけたことをきっかけに、21年3月より一般向けに販売を開始した。ホワイト、ネイビー、ブラック、ピンクの全4色の「CAミラー」を空港内の店舗やオンラインで販売すると一時売り切れになるほどの反響があった。現在は、4色のほか、客室乗務員スカーフ柄、JTA(日本トランスオーシャン航空)バージョンなどもあり、知る人ぞ知る便利アイテムとなっている。
アクリル製で、横5センチ×縦3センチ×厚さ0・2センチ、重さはわずか4グラムという超軽量の「CAミラー」は、割れにくく、傷付きにくいのも特長。裏面のロゴやスカーフ柄もはげずにきれいな状態で使える仕様を採用するなどの工夫がなされている。角に丸みのあるスーパー楕円のデザインも制服のポケットに収納時、生地を傷めないように配慮されたものだ。
また、コミーは航空宇宙産業の品質規格「AS9100」認証を取得しており、「CAミラー」にもキーホルダーと一緒に持ち歩いてもミラー面に傷が付きにくいなど、これまで培った技術が注ぎ込まれている。
コミーの製品開発の根底には独自のこだわりがあるという。それはメーカーとして「出会いの喜び」「創造の喜び」「信頼の喜び」を大切にしていることだ。ユーザーの役に立つオリジナル商品に取り組んできたコミーらしさが詰まった「CAミラー」をぜひおすすめしたい。