〔NY石油〕WTI続落、66.03ドル(10日)
【ニューヨーク時事】週明け10日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米国の高関税政策に伴う景気減速懸念を背景に売りが強まり、続落した。米国産標準油種WTIの中心限月4月物は前週末清算値(終値に相当)比1.01ドル(1.51%)安の1バレル=66.03ドルだった。5月物は1.07ドル安の65.68ドル。
中国政府は10日、トランプ米政権による4日の対中追加関税への報復措置として、米国産の農産物などを対象とした関税を発動した。米国と中国などとの貿易摩擦が激化すれば米国内外の景気減速を招き、エネルギー需要見通しにも悪影響を与えるとの見方が拡大。トランプ米大統領が9日、米国が今年リセッション(景気後退)に陥る可能性を否定しなかったことも、景気不安に拍車を掛けた。中国国家統計局が9日に発表した2月消費者物価指数(CPI)が前年同月比0.7%低下と1年1カ月ぶりにマイナスとなったことも、同国のデフレ懸念をあおった。
AFP通信は10日、ウクライナが11日にサウジアラビアで米国と開く高官協議でロシアとの「部分的停戦」を提案する方針だと伝えた。停戦が実現すれば米国の対ロシア制裁が解除され、ロシア産原油が市場に流入するとの観測も根強い。ただ、原油相場は朝方に一時プラス圏で推移する場面もあった。前週の原油先物相場は週間で3.9%下落しており、安値拾いの買いが入ったもよう。
▽ガソリン=反落。中心限月4月物の清算値は1.62セント安の1ガロン=209.25セント。 ▽ヒーティングオイル=4営業日続落。4月物の清算値は3.61セント安の1ガロン=217.99セント。(2025/03/11-05:36)