【でんのうせんきばーちゃろん おらとりお・たんぐらむ】
ジャンル | アクション | 高解像度で見る 裏を見る |
対応機種 |
アーケード (Ver5.2&5.4:MODEL3、Ver5.66:NAOMI) |
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販売・開発元 | セガ・エンタープライゼス | |
稼働開始日 | 1998年 | |
判定 | 良作 | |
電脳戦機バーチャロンシリーズ |
※この項目では、M.S.B.S.5.2から最新版の360版5.66まで全てを扱う。 (*1)
1996年の発表以降、セガ上層部の思惑とは裏腹に『電脳戦機バーチャロン』は大ヒットを巻き起こし、多くのロボットファンを虜にした。
そしてその大ヒットから約2年。再びバーチャロンは現れる。
1998年2月のAOUショーが初出。その後、新宿西スポなどでロケテストが先行実施された。
2年の歳月を経てチャロナー(バーチャロンを好む人々)の前に帰ってきたそれは、当時最高峰のグラフィックと圧倒的なスピード感を得て、チャロナーたちに新たな熱気を起こさせる。
新たな限定戦争、舞台は地球圏全域。その名はオラトリオ・タングラム。
通称は「OT(*2)」「オラタン」。マイナーな所だと「チャタン」「電戦トリオ」なんてのも。加えて最終バージョンのMSBS5.66は「2000 EDITION(ミレニアムエディション)」という副題もついており、そちらで呼ばれることもある。
2009年にはMSBS5.66のXbox360版がXBLAとして配信(経緯などは後述)。XboxOne以降の後方互換にも対応している。
2023年では、PS4/5用にダウンロード専売ソフト『電脳戦機バーチャロン マスターピース 1995~2001』にMSBS5.66が収録されて発売中。
ムーンゲートの覚醒は人為的なものだった。大いなる茶番、O.M.GはDN社をして崩壊の危機にいたらしめ、ほぐれたDNAからは対抗勢力RNAが勃興した。
両者はVRの開発拠点である9つのプラントの所有権を巡って争い、収束の兆しは全く見られなかった。
V.C.a4年、事態はひとつのクライマックスを迎える。時空因果律制御機構「タングラム」を根幹とする第9プラントが突如として実空間より消失したのだ。
ムーンゲートの制御さえも可能とするこのプラントを失うことは、地球圏への絶対的な危機の到来を意味した。
「タングラムを探せ!」
失われた第9プラントを見つけ出し、これを所有する者が膠着した状況のイニシアチブを握れることは確実だった。
DNA、およびRNAの各派に属するVR戦隊はかつて無い規模での総合再編成を経て各地に展開された。
後に「オラトリオ=タングラム」と呼ばれることになる、タングラムの使用権を賭けたこの大規模限定戦争に、あなたはVR戦隊「DNA」又は「RNA」の一員として、身を投じることになる。
※詳しい設定は、電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム「真実の璧」という本に書かれている。(ISBN-10:4797314907 ISBN-13:978-797314908)
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+ | 強機体について |
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なおここまで言及されていない、つまり強機体でも弱機体でもないVRはドルドレイとアファームドBTのたった2機しかいない。
これらはテムジン・バルシリーズの下が大体の定位置というダイヤグラムでは地味なランク(歯に衣着せぬ言い方をすれば弱機体寸前)にいるが、使い手を引き付ける要素とそれなりの逆転性の要素を持ち合わせているためかそれほど問題視はされていない。
むしろ強弱の差が激しい本作において、ある意味最もバランスの取れた機体と言えるかもしれない。
3Dアクションシューティングの、1つの頂点に達した作品と言ってもよい。
その暴力的なスピード、ステージや武器を生かした駆け引き、一瞬のチャンスを巡っての攻防…。 オラタンは一種の3Dアクションシューティングの到達点を一部のゲーマーに提示していたと言っても過言ではないだろう。その快感は素晴らしいものであり、他のアクションシューティングではそう味わう事は出来ない。
しかし、ゲームの過度な複雑化によって新規客を受け入れる土壌が極めて小さくなり、「速すぎてついていけない」「見ても何をしているのか分からない」「前作とゲームが違いすぎる」といった反発を招く事になってしまうなど、急進的な変化による功罪が大きかったこともまた事実である。とはいえ、その急進的な変化によってもたらされたゲーム性にほれ込んだ人間も決して少なくない。
もしあの戦場を駆けるバーチャロイドに魅せられたのなら、ぜひコントローラーを握って欲しい。
難点で挙げた通り、複雑な操作・必須テクニック・削り合いの戦闘など、上級者への遠い道程に嘆くケースは一度や二度ではないだろうが、このゲームは「初心者の間は楽しめない」といったものでは断じて無い。
空中ダッシュや各種攻撃を撃ち合うだけでもその自由度の高さを体感できるだろう。そして、多くの対戦格闘がそうであるように、同等の腕同士の対戦、そしてワンランク上の対戦で学んだテクニックの駆使、だんだんと身についていく高度なスピードアクションとの一体感は、きっと夢中になれるはず。
貴方がバーチャロイドをモノにした時、タングラムは間違いなく新しい世界への道を開いてくれるはずだ。
*1 MSBSとはバーチャロンシリーズ共通のバージョンを示すものであり、今作は5.2・5.4・5.45(DC版)・5.66(AC版・360版)の順にバージョンアップしている。
*2 これに伴い前作は作戦名の「オペレーション・ムーンゲート」(題名には使われていない)を略した「OMG」が通称に。
*3 振りが遅いという弱点が今作では非常に痛い
*4 これが5.66における過度の弱体化調整に繋がるのであるが…これは後述。
*5 しかしShe's Lost Controlの略でSLCなのに操縦可能とはこれいかに
*6 アファBの開幕トンファー×2、バルの燕返し、ライデンRTCW多段ヒットの3つが簡単な即死として有名。
*7 鬼マインと左腕設置RTRWラピッド。
*8 他作で例えるなら、カプコンの『ストリートファイター』シリーズにおける火引弾に相当。
*9 同社セガのネットシティなどに、周辺機器としてVM用ソケットを搭載できた。またナムコのサイバーリードⅡもこのスロットを搭載可能。
*10 中にはドリームキャスト用コントローラーを基板に接続する改造を施して、それを簡易的なVMソケットにして稼働する、粋な計らいをしていた店舗も。
*11 この教訓からか、5.66ではデモ画面で流れるアドバイスに各種近接攻撃及びターボショットの解説が追加され、次作『フォース』ではチュートリアルが搭載された。
*12 どちらの動作もターボボタン+移動。クイックステップは「ダブルロックオン中」かつ「ターボボタンを先行入力」する必要がある。
*13 バーティカルターンは「任意の方向にダッシュ中に『現在ダッシュ中の方向から左右90°以内の方向』に任意のレバー入力」。例えば前ダッシュなら最大で左右どちらかにまで曲がれる。ダッシュスライド攻撃は「任意の方向にダッシュ中にしゃがみ入力+トリガー」。ダッシュスライド攻撃を出そうとした時、レバーの入力が遅いと「レバーがニュートラルになった」と認識してしまい「横方向へのバーティカルターンを経由したダッシュ攻撃」に化けやすい。
*14 漕ぎ自体は全機体でできるが、エンジェランは特に重要度が高い。
*15 RW系のERLは各種レーザーを放つ「B属性」、LW系のERLは機雷(マイン)を発射する「M属性」と属性が決まっており、戦闘中にB属性とM属性を入れ替えられる。入れ替わると攻撃内容も変化する。
*16 5.4ではバウンドしながら長時間飛んでいく攻撃だったが、5.56で何故か1バウンド目で爆発してしまうようになった。
*17 全キャラ共通で近接のとあるテクニックの威力が雀の涙ほどになったが、それ恩恵を一番受けていたのがアファSだった
*18 これは通信対戦のタイムラグに主な原因があり、爆発物をひたすら撒くとラグで避けてるのに当たる…という状況に陥りやすかった。このため実は機体の性能から来るものではない。
*19 色は白と明るいグレーでトリガー及びボタンはオレンジという、DC本体のイメージカラーを模したような配色となっている。
*20 一応ディスク内にデータはあるらしく、ブラックな方法ではあるが、非公式のツールを使えば使用することが出来る。しかし「一部の武器や挙動が実装されていない」「機体の当たり判定が明らかに狂っている」「効果音がおかしい」など、移植度は低い。
*21 体重計で有名な会社。なお制作に至った経緯は「社長がファンだったから」らしい。
*22 クラファン分より小ロットの制作になることから1.5万ほどの値上げも行われた。
*23 東京都板橋区にある、アーケードゲーマーにはお馴染みの汎用コンパネのレバー・ボタンを始めとするAC機器向けの入力デバイス製造・販売企業。
*24 実際には「作っていたのがバレた」というところらしい(Discipline55のP203参照)。
*25 なおこの時、SEGAの片岡部長(当時)は、「できちゃったから認知しろというのか」と呆れたという。(Discipline55のP203参照)。……浮気の子供かなんかか。