【しんさんごくむそうふぁいぶ】
ジャンル | タクティカルアクション | |
対応機種 |
プレイステーション3 Xbox 360 Windows XP/Vista |
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メディア |
【PS3】BD-ROM 1枚 【360/Win】DVD-ROM 1枚 |
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発売元 | コーエー | |
開発元 | コーエー(オメガフォース) | |
発売日 |
【PS3/360】2007年11月11日 【Win】2008年7月11日 |
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定価 |
【PS3/360】通常版:7,200円 / TREASURE BOX(限定版):12,800円 【Win】5,800円(全て税別) |
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プレイ人数 | 1~2人 | |
周辺機器 |
【PS3】デュアルショック3対応 【Win】DirectX 9.0c対応ゲームパッド推奨 |
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ディスクレス起動 | 【Win】不可 | |
レーティング | CERO:B(12才以上対象) | |
コンテンツアイコン | 暴力 | |
廉価版 |
【PS3】2009年7月2日/3,800円 価格再改定版:2012年12月13日/1,800円 【360】2009年7月2日/3,800円(全て税別) |
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配信 |
【PS3】2014年2月13日/1,714円 【360】2011年7月19日/2,800円(全て税別) |
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備考 | 【Win】動作環境はこちらを参照のこと | |
判定 | なし | |
ポイント |
半数以上の武将がモーション被り ボリューム大幅削減に一部武将の削除も 説明不足すぎた連舞システム |
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無双シリーズ |
三国志(演義)に登場する武将となって一騎で大軍を駆逐する爽快感が好評となり、ミリオンセラーも輩出した『真・三國無双』シリーズの第5作。
本作はPS3における『真・三國無双』シリーズの初進出作品である(*1)。
HDD40GBモデルのPS3(CECHH00シリーズ)の発売日に合わせたためか、ゲームソフトとしては珍しく日曜日に発売された(*2)。
また、それまでのシリーズを展開していたPS2以上のマシンスペックを誇る新規ハードのPS3/360での発売は大きな話題となった。
加えて、マシンスペックを活かした「カンフー映画さながらの流れるような動きで攻撃が無限に連なる」という連舞システムもあってか、それまでの作品から武将のモデリングおよび武将の扱う武器を一新することも謳われており発売前からシリーズファンの期待は高かった。
敵兵の登場数の大幅増加に伴い、これまでのシリーズでは撃破数が50人単位で到達するごとにその旨の戦況メッセージが表示されていたが、本作では100人単位に変更。
以降の『真・三國無双』と『戦国無双』シリーズ作品でもこの仕様がおおむね適用されている。
また、本作以降の『真・三國無双』シリーズではプレイヤー操作以外のNPC武将の一定撃破数到達戦況メッセージが表示されなくなっている。
本作はPS3/360/Winのマルチプラットフォームで発売されたタイトルだが、本項内で操作方法に触れる際はPS3版のものを記載するのでご了承願いたい。
本作のみアクションシステムが「連舞システム」として一新されているので、最初に説明を入れておく。
操作体系はさほど変わっていない。しかし敵味方を含め、攻撃の性質は前作までとは大幅に様相を異にしている。
手短にまとめると、連舞システムでは「連攻撃←ガード←強攻撃←連攻撃」という三竦み関係が設定されており、プレイヤーは連攻撃で途切れなく敵を攻撃しつつ、敵将がガードを始めたら反撃技を使われる前にすかさず強攻撃でガードを崩し、敵兵が背後から仕掛けてきたら回避アクションで仕切り直すといった具合に、状況変化に合わせて素早く的確なアクションを繰り出していく必要性が高まったのである。
その結果、どちらかというと本作では斬って、防ぎ避けるという行動の駆け引き・立ち回りを重視するアクションスタイルに変化している。
全体的に前作と比べて改悪点や劣化点が目立つ出来となり、遊べない訳ではないものの、多くのファンはガッカリする結果となってしまった。
ただアクション面やシステム面はまだまだ荒削りな部分も多いものの、勝手が分かればなかなか面白いと評価する声もあるだけに、大幅に削減されたボリュームが非常に惜しいともいえる。
勝手が分かればなかなか面白いのと、自由度が高く、リプレイ性の高いマップも合わせてスルメゲーの素質は秘めていると言えるかもしれない。
しかし本作にはまともなチュートリアルが一切存在せず、そもそも解説書や後日発売された攻略本にすら詳しいチュートリアルもなく、結果として一部のファンの間で突き詰めてようやくシステムを楽しむために推奨されるプレイスタイルが広まった節がある。
それにより、じっくりとやり込んだファン以外には連舞システムの魅力よりも欠点の方が目に付く結果となってしまった(*31)。
また「□ボタン連打と△ボタンとの組み合わせによるチャージ攻撃式」という操作法に慣れきっていたユーザーから戸惑いの声も挙がり、結果として連舞システムに溶け込んだファンと旧来の操作を是とするファンとの間で論争を呼ぶことになってしまった。
無双シリーズ屈指の異色作と言えるだろう。
上述の通り連舞システムは一定数のファンを獲得していたのも事実で、後の作品でシステムを洗練して完成度を高めていく事を期待する声もあったが、『真・三國無双5 Empires』では(連舞システムにとって悪い意味で)再びシンプルで直感的に楽しめるような操作へ寄せる変更を経て、次作『真・三國無双6』では再び従来のチャージシステムをベースにしたものに戻ることとなる。
*1 マルチプラットフォームで同時発売された360には『4 Special』や『4 Empires』などが発売されている。また、PS3初の無双シリーズという意味では『ガンダム無双』が存在している。
*2 販売の都合上、通常は新作ゲームソフトは木曜日に発売される。
*3 『4』までのシリーズの「通常攻撃を6段目のふっ飛ばし攻撃前で止めて、また1段目から出す」という繰り返しで敵をハメつつDPSを高めるテクニックを自動化したようなものである。
*4 一応、この点を考慮してか、移動中にどの軍団にも属さない「遊撃軍団」が出現することがある。彼らを攻撃することで連舞ゲージを維持、あるいは増加させることも可能。
*5 連舞ランク∞に到達すると吹っ飛ばされたときもすぐさま減少=ランクダウンしなくなったり、時間経過による連舞ゲージの減少ペースも緩くはなるが、完全に減少しなくなるわけではない。
*6 攻略Wiki等でも、基本的な戦法として「ガードや回避を織り交ぜて敵と戦う」といった方法が推奨されている。
*7 無双シリーズでは仕様としてゲーム難易度を上げてプレイするとより高性能な武器やアイテムを入手しやすくなる。
*8 過去作品では救援要請をよこすようになった軍団は、プレイヤーがその軍団を襲う敵を倒さないとほぼ確実にそのまま押し切られすぐに敗走してしまっていた。
*9 敵将の撃破と敵拠点の制圧はどちらもカウント上は同じ扱いとなる。
*10 条件を満たした瞬間に友軍軍団長が攻撃や転倒している時などは演出のみカットされることはある。この戦意・士気上昇とともに鬨の声を上げる動作は続編にも引き継がれた。
*11 正確には、『4』では攻撃判定が出ているときのみ無双ゲージが消費される仕様に代わっていた。
*12 ゲージが無くなるまで攻撃を出し切っても締めの攻撃が出ないということはない。
*13 一応、後述の軍馬の能力として、騎乗している間無双ゲージが徐々に溜まっていく「無双増加」という能力があったり、一部の武将には無双ゲージが溜まりやすくなるスキル「闘志」があるが、それらがあっても敵兵相手では過剰供給気味だった前作程には溜まらない。
*14 甄姫の鉄笛など…甄姫が戦場にいるのが不自然なのは兎も角。
*15 武勲アイテムは50・100・200の3種類ある。
*16 『戦国無双』ではこれを殺陣攻撃というが、本作の「兵舎」(ギャラリー)では鍔迫り合い圧勝という名前で確認できる。
*17 スキル「伝書袋」を取得するとふたつまで、「伝書大袋」を取得すると3つまで。基本的に「伝書袋」は大抵の武将が持っているが、呂布だけは例外的にそれらがなくひとつしかストックできず、代わりに特殊技の効果時間が非常に長くなるスキルがある。
*18 特殊技を強化するスキルの中に、発動時に周囲の友軍にも同じ効果をもたらす「神速指揮」が存在する関係で、特殊技が神速でない武将もモーション自体は作られている。
*19 無双武将化した『3』以降、堅実で守りに長けている人物として描かれていたとはいえ、本作の曹仁はガ○ダムもかくやと言わんばかりの重装備を施されたため「仁ダム(ジンダム)」と呼ばれ散々ネタにされた。批判意見も相当あったのか『6』以降は本作ほど極端な重装備はされなくなった。
*20 劉備は『三国志演義』ファン待望の二刀流装備になったが、髭が無くなった上服装も相当地味になって一般武将かと思わせるほどに個性が無くなってしまったことで、「拠点兵長」などと揶揄される羽目に。こちらも『6』以降も髭がないのは変わらないが、少なくとも見た目には威厳があるデザインをされている。
*21 余談だが声優も一新する構想もあったらしい。
*22 Win版にて改造ツールを用いてゲームのデータを弄ることが出来、そこでプレイヤーキャラクターを兵卒などにすると拠点耐久力が0になっても拠点を制圧できず、耐久力が0の状態で友軍の軍団長の武将がその拠点に侵入して初めて拠点が制圧できる。そして、プレイヤーキャラクターを副将にするとやはり拠点耐久力を0にしても拠点を制圧できない。しかし兵卒と違い一閃で即死しないため、内部処理上は兵卒と武将の中間として扱われている模様。
*23 任務によっては敵の副将が一軍を率いる軍団長として出現することがあり、その場合は倒すと体力を小回復出来る肉まんを落とす。
*24 逆も然り。先に火計を仕掛けておけば敵に火計を仕掛けられても体力減少は起きない。
*25 一部戦功目標は失敗するとそのまま自軍が不利になるステージイベントの発生条件を満たしてしまうものもあるが、そういうものは基本的に自然に達成できるようにはなっている。
*26 例に挙げた五丈原の戦い・魏軍は適正レベルやそれなりの装備であれば普通に10分前後でステージクリア可能となっている。従って15分まで余った時間はひたすら劉備を撃破しないように暇を潰すしかなくなってしまう。ここまで極端な例は他にはないが、同様の戦功目標があるステージでは同じような傾向が見られる。
*27 赤壁の戦い・連合軍での諸葛亮の場合、1つ目の戦功目標である「火計を発生させる」ために祭壇で待機していなければならないが、3つ目の戦功目標である「自軍武将を1人も敗北させない」において味方武将の救援が出来なくなるため、3つとも達成させるためには通常の手順では不可能。
*28 ランダムで武勲アイテムではなく、軍馬を入手出来る鞍や武器を入手出来る宝箱を落とすこともある。なお、本作は包囲戦でなくてもハイパー化している敵武将の武勲アイテムのドロップは200で統一されている。
*29 味方兵士の側から出ようとすれば問題はないが、包囲戦の始まる場所によっては周囲を完全に敵兵に囲まれる事もある。
*30 不可能ではないが、狙って行うのはほぼ無理といっていい。
*31 発売当初からレビューサイトではガード・回避の立ち回りを理解していないプレイヤーのレビューも多く、先に挙げた低難易度プレイ時のボタンベタ押しで勝てる単調さばかりが強調されていた節がある。