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Half-Life 2

【はーふらいふつー】

ジャンル FPS

対応機種 Windows
MacOS
Xbox(日本未発売)
プレイステーション3
Xbox 360*1
発売元 Electronic Arts Inc.
Valve Software(Steam版)
サイバーフロント(日本発売版)
開発元 Valve Software
発売日 2004年11月17日
2004年12月16日(Steam)
定価 パッケージ版: 6,850円
Steam版: 1,010円
プレイ人数 1人
レーティング CERO:Z(18才以上のみ対象)
判定 良作
ポイント Sourceエンジンで描かれるディストピア世界
物理エンジンを前面に押し出したギミック
展開の冗長さが目立つ
Steam正式運営開始後最初のDL配信ソフト
Half-Lifeシリーズ

概要

それまでストーリーが軽視されがちだったFPSに「重厚なストーリー」を持ち込むことで大きな変革をもたらし、革命的と称されたFPS『Half-Life』の続編。
前作の臨場感を継承しつつもエンジンを「Source Engine」に一新、新しく美しいグラフィックでPCゲーマーを魅了した。


ストーリー

実験ミスによるポータル発生によりブラックメサ研究所が崩壊し、ゴードン・フリーマンが次元の狭間「Xen」の王ニヒランスを撃破してから15年後。地球は支配者の居なくなったXenを経由して現れた別次元の異星人軍団「コンバイン」に支配され、「City」と呼ばれる都市エリアとXenの生物に汚染された危険な郊外エリアに二分されていた。

謎の男「Gマン」の手引きによって15年ぶりに地球に現れたゴードンは東欧の「City 17」と呼ばれる都市に潜入、元同僚のバーニーや上司の娘であるアリックスらメンバーと共にレジスタンスの救世主として活躍していく。

しかしCity17を支配していた男「ブリーン」もまたフリーマンを知るブラックメサ所長であり、コンバイン兵を用いた大規模な掃討作戦によってフリーマンらの抹殺を企てる。

襲い来るコンバイン勢力を薙ぎ倒した末、ついにブリーンの待つタワーにたどり着くフリーマンだったが...


特徴

チャプター構造

  • 前作の全19チャプターから全14チャプターに減っているが、個々のチャプターはボリュームがあるため体感のプレイ時間はさほど変わらない。

シームレスな展開

  • 前作同様にマップ間のロードこそあれどチャプター同士の明確な区切りは存在せず、マップ全体が繋がっている。これにより、場所によってはチャプター進行後も前のチャプターのエリアに侵入できる。
    • 序盤で訪れた不気味だが平穏な街が終盤で訪れた際は熾烈な戦場と化すなど、マップ間の繋がりとその変動も意識されている。

スタミナ制の導入

  • 現在の多くのFPSに導入されているものと同じく、Shiftキーによるダッシュが採用されている。『Quake』の移動システムを継承した結果「バニーホップし生身でバイク並みの速度を出す物理学者」とネタにされがちな前作と比べると、プレイヤーの動きに説得力が増している。

世界観の変更

  • コンバインに支配されたディストピア世界という設定の都合上、現実的な兵器が大半を占めていた前作と異なりSF的なガジェットが数多く登場する。無機質なSFと汚い東欧都市の組み合わせは異質ながら独特の雰囲気を醸し出しており、パルスライフルやコンバイン兵の人体改造といったハードSF描写も中々。
    • 「人に寄生する」という設定上前作の研究所では序盤の雑魚敵でしかなかった「ヘッドクラブゾンビ」が人の多い本作の市街地では生体兵器として猛威を振るっていたり、同様に雑魚敵だった下級エイリアン「ボーティガンツ」がその能力を生かして人類と共存していたりと、前作ファンなら思わずニヤリとする演出も。

評価点

美しいグラフィック

  • 前作で使用された「GoldSrc*2」をさらに改良した「Source Engine」を採用。陰影や水面処理などがよりリアルになり、従来のエンジンでは描くのが難しかった大都市や自然も違和感なく描写することに成功している。
    • エンジンは後に同社の『CS:GO』『Portal』『LEFT 4 DEAD』『Team Fortress 2』『Garry's MOD』をはじめ、他社のゲームも含めた多数のゲームに(タイトルごとに若干の改良をされつつ)長く活かされている。
      • 一部のエンジン改造は『Half-Life2』にレトロフィットされていて、発売当初は対応していなかったHDRレンダリングに部分的ながら対応するようになっている。

高度な物理エンジン

  • 当時最先端の物理エンジンであるHavokエンジンを搭載しており、随所に高度な物理演算能力を垣間見ることができる。プレイヤーはまず寂れた駅に降り立つのだが、足元に散らばった空箱やビンといったゴミのほとんどを掴んで投げることが可能。
    • 当時既に『Jurassic Park: Trespasser』や『Deus Ex』といった「小物にも物理演算を適用したFPS」自体は登場していたものの、マップ全体のあらゆるオブジェクトに物理演算を適用したという点において本作は突出した作りこみを誇っていた。
    • また、中盤からは本作を代表するSF兵器「グラビティガン」も登場。身の回りのオブジェクトを引き寄せ、敵に向けて高速で射出するという物理演算をフルに生かした攻撃手段はプレイヤーに絶賛され、後の『Portal』などにも繋がった。

個性豊かなキャラクター

  • パートナーとして戦闘に参加してくれる勝気なヒロイン「アリックス」や、ヘッドクラブを溺愛するブラックメサの生き残り「ドクター・クライナー」に加え、前作の番外編主人公を務めた二枚目警備員「バーニー」の他、City17の最高権力者でありながらもどこか傀儡のような言動の「ブリーン」など、個性豊かなキャラクターが多く登場する。
    • 前作や外伝作品ではまともに名前が明かされるキャラクターが各主人公とGマンしか存在しなかったが、各キャラクターに名前が付いたことで、よりドラマチックな人間ドラマが描かれるように。
    • Sourceエンジンの採用により各キャラクターは多種多様な表情を見せることが可能になり、笑ったり顔をしかめたりといった前作と比較してよりリアルな挙動を実現している。
    • また、表情制御の部分はカリフォルニア医大の著名な精神医学教授の協力の下で開発されたValveオリジナル。顔面部分に40個のボーンが設定されており、額・眉・眼球・まぶた・頬・唇の周辺といった顔中の筋肉が生々しく動くフェイシャル・アニメーションは必見とも言えよう。

豊富なロケーション

  • マップは最初に降り立つディストピア都市「City 17」に始まり、レジスタンスの潜伏する下水道地帯、放射性のヘドロで汚染された汚くも美しいCity17郊外、ゾンビだらけのホラーな町レーベンホルム、美しい海岸をひた走るルート・カナールなど多種多様なロケーションが存在し、冒険を盛り上げてくれる。各所にはラムダ(λ)マークの落書きが目印となるレジスタンスメンバーが設置した隠しアイテムも用意されており、各地を探索する楽しみも増えた。
    • ただしややご都合設定なドライブパートや唐突にゾンビサバイバルFPSの始まるレーベンホルムなど、ややジャンルのごった煮感の強い部分も存在する。それというのも本作はValve開発の新エンジンであるSourceエンジンのデモンストレーションも兼ねており、「SourceエンジンならどんなFPSでも作れる」ということを証明するためでもあると言われている。
    • 実際にレーベンホルムなどで描かれたゾンビサバイバル部分は『LEFT 4 DEAD』や『Nightmare House』などの同エンジン製ゾンビFPSタイトルに生かされ、ルート・カナールで描かれた海岸やCity17で描かれた都市は第二次世界大戦FPSである『Day of Defeat: Source』に生かされた。デモンストレーションとしての目論見は達成できたと言えるだろう。

賛否両論点

ゲームテンポの低下

  • 常時ダッシュが廃止になったことで慣れないプレイヤーのダッシュ暴発による落下死は減ったものの、スタミナ回復を待たなければいけないためゲームテンポは前作より落ちてしまっている。
    • 長時間走り回ることを要求するマップ構造は存在せずバギーやボートといった高速移動手段も用意されているためあまり気にはならないが、敵から逃げ回るタイミングでスタミナが切れると厄介。

物理演算を用いたパズル

  • Havokを用いた物理演算及びそれをフルに用いたパズルは本作の魅力のひとつであり、ゾンビ用圧死トラップやドラム缶による橋の爆破倒壊など前作と比較してより物理的な構造のパズルが増えている。
    • しかし、序盤から中盤にかけて「重しとなるアイテムを周りから拾い集め、特定の場所に乗せて作動させる」という内容のパズルが頻繁に登場する。
    • 特に序盤の逃亡中に遭遇する「ブロックを拾い集めてシーソーを傾けなければ進めないパズル」などはゲームテンポの阻害にしかなっておらず、一部のパズルはあまり良い評価は得ていない。

ゲーム進行を止める篭城イベントの存在

  • ロケットランチャーを手に入れる中盤以降、ある特定の敷地に立て篭もって敵を迎撃しなければならない箇所が複数登場する。
    • アイテムボックスから無限に弾を得られるため詰むことはないが、特定のパズルを解くことで戦闘せずに始末できた前作のガルガンチュアと異なり必ず真っ向から倒すだけとなっているため前作ファンからは不評。

問題点

3D酔いしやすい

  • 本作は3D酔いで気分が悪くなりやすいゲームとしてよく知られており、他のFPSは大丈夫なのに本作では酔う人が多い。
    • 原因としては他のFPSより視野角(FOV)が意図的に狭く設定されている、退色的で暗い色彩設定、グロテスクな描写などが関与していると思われる。
    • 特にチャプター4の"ウォーターハザード"が酔いやすいとされる。これはステージが黄色ばかりで画一的な上、乗り物のエアボートが妙に揺れやすく、エアボートの高速戦闘とボートを降りてパズルを解く低速シーケンスを繰り返すことで3D酔いを誘発させてしまう。
    • コンソールコマンドでFOVを調整すれば多少改善されるが、それでも酔う人は酔う。適度に休憩を取るのが一番効果的。

演出の臨場感が減った

  • 前作はムービーでなくリアルタイムで発生するスクリプト制御の演出により「目の前で様々なことが起こる」という臨場感溢れるゲームプレイを評価されていた。崩壊した研究所の廊下を突如レーザーが貫き、歩いているだけで巨大エイリアンと海兵隊員の戦闘に巻き込まれ、助けを求める研究員は目の前で海兵隊員に射殺され、ダムではプレイヤーが視認する以前からヘリが飛び回り大規模な戦闘が行われているなど、全体的にスクリプト演出の発生フラグが目立たないように考慮されている場面が多かった。
    • しかし、本作では「パズルを解くとイベントが始まり、どこからともなく敵が出現する」というイベント構造がかなり多い。
    • パズルを解くまでは歩き回っていても何も起こらないエリアが、パズルを解いた途端にガンシップが飛来して戦場と化すなど敵出現フラグが目に見える形で存在するようになり、プレイヤー自身が行動によってイベントを発生させるという内容に変化、これによって旧作のような臨場感は幾分か失われてしまった。
    • もちろん手に汗握るストライダー戦や前作をオマージュした塔の内部、意外な展開の続くラストシーンなど、表現力の向上によって前作より更にドラマチックになった部分も多い。

会話シーンが長い

  • ムービーではなく自由に歩きまわれるものの会話イベントのほぼ全てでプレイヤーは一時的に拘束され、話を聞き終わるまでゲームを進行できなくなる。
    • 前作においてはオープニングのモノレールでの移動とワープゲート実験中以外にプレイヤーが会話シーンで拘束されることはなく、基本的にNPCの全ての会話を無視することができた。

物理演算関連のバグ

  • 『Havok』の物理演算は当時としては先進的であるが、時代が時代なため本編中に物理演算に起因するバグや不自然な処理に遭遇することも少なくない。
    • 物理演算バグを解析し尽くしたスピードランともなるともはや別次元となり、バニーホップによる超加速が猛威を振るっていた前作とは別のベクトルでカオスなゲームプレイになってしまっている。
    • Q1から引き継いでしまったと思われる「連続ジャンプで速度を維持できる」と、本作独自の「前ジャンプが歩きより少し速い」仕様が合わさった「単に連続ジャンプだけで加速」は誰でも気づくネタ。
      • 中には自分で投げた物を使って空中浮遊しだす物も。桃白白かな?

乗り物の操作性の悪さ

  • 序盤にボート、中盤にバギーが登場するのだが、物理演算の高度化の弊害として乗り心地が凄まじく悪い。
    • ちょっとの段差でもガタガタと視点が震えるなかFPS視点のみで進まなければならず、快適な操作性とは到底言い難い。
    • 酷評を受け『Ep1』では乗り物は廃止され、再登場した『Ep2』では乗り心地が大幅に改善された。

ストーリー展開の単調さ

  • 基本的に重要人物と会う ⇒ コンバインの追っ手が来る ⇒ 徒歩や乗り物を用いて特定の場所に行く、という繰り返しで物語が進む。場合によってはコンバインの警備地域に殴り込みをかけることにもなり、前作と比較して人間型の敵相手の銃撃戦が増加した。
    • 物語の進まない目的地への移動が一部チャプターの大半を占めるため、前作のような閉鎖環境での目まぐるしい展開を求めていたユーザーからは不評を買った。また、ストーリー自体もペットのせいで転送装置が壊れたので徒歩で向かう秘密基地への襲撃を食い止めずに裏口から脱出し、徒歩で危険区域を迂回するいつのまにか浚われていた父親を救出する転送装置を利用して帰ってきたら既に武装蜂起後という強引な引き伸ばしや一番の見所となるはずだった場所の省略が多く見られる内容となってしまっている。

消化不良なエンディング

  • 前作にも当てはまることだが、エンディングがストーリー中一番重要なところで終わってしまう。
    • 後に発売された続編である『Ep1』『Ep2』も同様のストーリー上の疑問を残す手法を採用しており、2020年現在『Half-Life 3』は頓挫したまま。
    • 結局『3』用の草稿をシナリオライターが微改変してネット上で公開したものの、それですら物語上の重大な謎の多くが解明されていない。

総評

前作と比較するとレベルデザイン面の粗が目立つものの、当時としては非常に高品質なグラフィックと高度な物理演算、独特な世界観を持つCity17の描写など、FPSとしての完成度や世界観の作りこみの精度は非常に高い。
現在はセール中にワンコインで購入することも可能。一般的なスペックのノートパソコンであれば問題なく動作するので、Steamの定番ソフトとして買って損は無いだろう。


余談

  • 本作とその続編である『EP1』は開発中、ソースコードや開発途中のデータが流出するなどの騒動があり、発売の延期が相次いでいた。
    • その流出したコードをコンパイルした所、ほとんどが未完成だったことから「リークしたので作り直す」という名目の開発遅れのごまかしだったのでは?という説もあった。
      • 名作の続編ということで期待する声も非常に多く、インタビューで開発者が発言した「忍耐」という言葉は、今なお『3』への期待と相まってネタにされている。
  • 前作と本作の間に『Opposing Force』『Blue Shift』『Decay』の番外編3本が、本作の後に『Lost Coast』『EP1』『EP2』『Alyx』の続編4本が存在する。新作が出ないことを理由に「Valveは数字の“3”を数えられない」というジョークが用いられることもあるが、実際は番外編と短編も含めると合計9本も存在する。
  • 関連作としてオンライン対戦ができる『Half-Life2 DeathMatch』と、タイトーが本作をアーケードゲーム化した『ハーフライフ2 サバイバー』がある。
  • Valveが運営する世界最大のPCゲーム配信プラットフォームとして知られる「Steam」の正式運営開始*3後、製品版として初めてDL販売されたのが本作である*4いわば、Steamの黎明期において本作との関わりは非常に重要なものと言っても過言ではない。
    • 製品版と銘打っているのは、それ以前の2004年3月より『Counter-Strike: Condition Zero』のβ版がSteamで配信されていたからである。
    • 配信開始当時は購入後のライセンス認証がサーバートラブルで機能せず、「ゲームが起動しない」「ダウンロードが進まない」「不要なアップデートを繰り返す」など、数多くのトラブルに見舞われた。ちなみに先行で発売されていたパッケージ版もインストールの際、Steamを通じて認証する方式であったことから同様のトラブルを被っていた*5
    • ご存知のようにSteam自体もアップデートを経ていく毎にシステムは改善され、現在ではこういったトラブルは滅多に起きなくなっている。
  • チャプター6「レーベンホルムには行かない…」の日本語字幕には、とある放送禁止用語が堂々と使われている。
    • もっとも、「放送禁止用語」とは法律で定められているわけでもなく日本の各種メディア側の自主規制に過ぎない。北米産のFPSタイトルがニュアンスを無視してまで日本の自主規制に従う必要はなく、2020年現在も特に修正されてはいない。
    • 本編中は寧ろ肉体欠損要素やケロイド死体、グロい寄生生物、発狂し銃を乱射する神父といった過激な要素が詰まっているため、それらホラー演出のほうが印象が強いのもあって翻訳内容に突っ込む声はほとんど見られない。
      • ちなみに、2022年12月19日に本作の登場するケロイド死体のテクスチャーに本物の焼死体の画像が使用されていることが、とあるTwitterユーザーの分析により明らかとなった(参照)。
    • 発売後に配信されたデモ版で序盤のチャプター1と共に収録されたのがよりにもよってホラー要素が強いこのチャプターだったため、本作をホラーゲームと誤認してしまう人が居た模様。
  • 過去にValveへのサイバー攻撃にてプレイ可能な状態で流出してしまった本作のベータ版にはバックストーリーや没要素が多く入っていたことでも有名。
    • このベータ版は製品版とは多くの部分(ストーリー・演出・武器・世界観・キャラクター・音楽)で別物と呼べる程違いが多くあり、『2』とは別ゲーとして扱われている。
    • 世界観が影響元である小説『1984年』の要素がより強く、よりシリアスでダークな内容だった。
    • ストーリーは『2』の基本をある程度なぞったものではあるが、ジョージ・オーウェルの小説『1984年』の影響が製品版より一層強く、コンソルが仕切る悪夢のような世界にてプレーヤーの前で大切な仲間はバタバタと倒れ道行く人は常に死と隣り合わせ、と非常にシリアスなものとなっている*6
      • 武器や敵も数多くカットされており本編には登場しないAK47や火炎瓶、『1』から復活するはずだったブルスクイッド、『ハーフライフ2 サバイバー』でのみ登場したコンバインアサシン、『Wolfenstein II: The New Colossus』のユーバーソルジャーのような動きで相手を翻弄するStalker*7など、本編でも使えそうなのにカットされている没要素が数多く存在していた。
    • ただ、本作はそれ以外の面でも倫理的な問題点も多く、子供の虐待表現や激しい暴力表現などの面も数多く存在し、そのままの状態でのリリースは厳しかったと思われる。
      • そのような作風では経営陣が売れないと判断したのか、本作はゲームを作り直すことになってしまい、このベータ版は2003年頃にお蔵入りとなった*8
      • このようにして表舞台から消えたベータ版だが、『Half-Life 2: Episode Two』で本作のボリアレス設定が、『Half-Life 2: Episode One』で洞窟のコンセプトアートが再利用され、『2』の資料集ブック、『Half-Life 2: Raising The Bar』にて、ベータ版流出だけでは明らかにならなかった、大量のコンセプトアートが公開されることになった。
    • その一方で、本作の作風や世界観を製品版より優れていると評するファンも多く、そのベータ版を熱心に解析する者やファンメイド動画が作られるほど。
      • そして「もしも『Half-Life 2』がこのまま企画が進行してたら…」と一本のゲームにするMODが数多く存在し、中でも一番企画が進んでいる『Half-Life 2: Raising The Bar Redux』が存在する。
      • 未だアーリーアクセス状態(2021年9月現在)ではあるが、気になった方は導入するのも悪くないだろう*9
    • MOD制作だけでなく、リークされたベータ版を現代の環境でも正常に動作するようエンジンの改善が行われた、『Half-Life 2: Mega Build』も存在。ただ、こちらはゲームというより開発資料的な意味合いが強い。
+ プレイ映像・2001-2002年
+ プレイ映像・Raising The Bar: Redux
最終更新:2024年02月18日 03:55

*1 PS3/360版は『The Orange Box』のみに収録。なお、PS3版『The Orange Box』は日本未発売。

*2 Quakeエンジンをベースにした独自エンジン。

*3 2003年9月12日。この日にSteamクライアントも正式リリースされた。

*4 Steamでの配信開始はパッケージ版発売から1ヶ月後の2004年12月16日。

*5 中には「正規パッケージ品であるにもかかわらず認証が通らず、救済措置すらなしに再認証を拒否された」と言ったものまであった。

*6 ベータ版に入っているバーニィのボイスで「覚えてるだろ、ブラックメサでの事がかつて起こりうる最悪の出来事だったと思っていたのが。」が本作の世界観を物語っていると言える。

*7 本編にもHalf-Life: Episode 1で敵として登場した。

*8 2003年のビルドでは、2001年と2002年のビルドから大きく方針転換し、世界観が一転。アセットを一部引き続いたものもあるが、製品版の雰囲気に近くなった。

*9 起動にはSource SDK 2013 Singleplayerのベータ版加入が必須。