探偵 神宮寺三郎DS いにしえの記憶
【たんてい じんぐうじさぶろうでぃーえす いにしえのきおく】
ジャンル
|
アドベンチャー
|
|
対応機種
|
ニンテンドーDS
|
発売元
|
アークシステムワークス
|
開発元
|
ワークジャム
|
発売日
|
2007年7月19日
|
定価
|
3,800円(税別)
|
レーティング
|
CERO:C(15歳以上対象)
|
判定
|
良作
|
探偵 神宮寺三郎シリーズリンク
|
ストーリー
愛車のドアに手をかけた瞬間、突如警察に取り囲まれる神宮寺。
囚われの身になった彼の運命は…?
その様子を見守る一人の青年は…?
かつて解決した事件を発端に神宮寺は新たな事件に巻き込まれる。
概要
コマンド選択式の探偵物アドベンチャーゲーム『神宮寺シリーズ』の第11作目。
モバイルに移行していた『神宮寺シリーズ』のDS移植版に当たる。
本編としては、FC4作品のモバイル版及び、それに続くモバイル作品『アカイメノトラ』、加えて本タイトル作『いにしえの記憶』の6作品を収録。
謎の事件簿も過去作のリメイクと、新作合わせて6作が収録されている。
神宮寺の事を知らない青年「小杉 健一郎」が神宮寺を助ける為に過去の事件を調べる、という形でリメイク作品をメインシナリオに組み込んでいる。
収録作品
評価点
-
神宮時らしさはそのままに今風にリメイクされた旧作品
-
1作目以外は基本的にシナリオの流れはそのままに、ムービーが挿入されたり、イラストやシステムを変え、遊びやすくしている。
-
破綻していた原作シナリオを大幅リメイク
-
トンデモシナリオだった第1作『新宿中央公園殺人事件』はモバイル版に作り直された際に、完全にシナリオが一新されており、普通に一つの話として良い物に仕上がっている。
-
他のシナリオも『新宿中央公園』程ではないが、原作の気になる点が直されている。
-
これにより、どれも一つの物語として筋が通るようになっており、概ね修正は好評。とはいえそれでもシナリオ変更に抵抗がある原作ファンの声もあった。
-
シリーズおなじみのパスワードも引き続き搭載、ジュークボックス(他作品でいうサウンドテスト)やまだ見つけてないパスワードのヒント機能も有る。
-
前作の白い影の少女と違い、一度入力したパスワードが記録されるようになった。
問題点
-
物足りなさ
-
基本的にモバイル版の移植である為、本作のみの完全新作は『いにしえの記憶』と謎の事件簿『三郎と不思議なホテル』のみ。
-
加えて、1作目を除きFC版のシナリオを多少の変更(FC版では死ぬキャラがリメイク版では生存など)はあるものの、流れはそのままなぞっているため、シリーズを継続してプレイしている人には非常に物足りない。
-
とはいえ相応に定価も安くなっており、また原作未プレイであれば十分なシナリオ量である。
-
新作シナリオ『いにしえの記憶』も過去作品を振り返る為のシナリオであり、一つの話としては少々物足りない。
-
ストーリーの設定上「神宮寺」の事を知らない人物が過去の調査ファイルから情報を得るという流れなので過去作品を全てプレイしながら進めればそれなりのボリュームとなる。
-
前作の白い影の少女では登場人物の詳細なプロフィールが有ったが、本作ではやや簡素になりさみしい。
-
セーブファイルの問題
-
謎の事件簿を含めて12話分有るがファイル数は3つしかない。
-
とはいえ元がモバイル版だけに各シナリオがそこまで長くは無く、謎の事件簿を除けばマルチエンドも無い為、中断機能としてはそこまで困る事はない。
-
パスワード入力等のゲームクリア状況は初期化が出来ない。
-
その為、パスワード探しをもう一回やり直す事が出来ない。中古で買った場合には最初から全解禁済みだった場合も良くある。
-
続編ではセーブデータを完全に初期化する機能が追加された。
-
BGMの質
-
ハードスペックの仕様上仕方ないが、据え置きで出された頃の作品に比べるとやはり劣る。
-
容量の少ないアプリ版の移植であるため、オリジナルに存在したBGMの一部が削られてしまっている。特に「時の過ぎゆくままに」では洋子パートのBGMがカットされ、神宮寺パートのBGMがそのまま使いまわされており、雰囲気が大きく異なっている。
-
また、キャラボイスも無い。
総評
神宮寺シリーズがモバイルへ移行後の、コンシューマー移植第1作である為、ほぼ全てが過去作のリメイクとなっている。
元が人気作だけに本作のシナリオもその出来は保障されていると言える。
また無茶苦茶なシナリオだった『新宿中央公園殺人事件』は完全にシナリオが一新され、一つの物語として良好になっている。
神宮寺シリーズを初めてプレイする人は本作から始めるのもよいだろう。
最終更新:2022年11月13日 06:08