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JPH10159606A - 電子ガバナー機構付エンジン搭載乗用田植機 - Google Patents

電子ガバナー機構付エンジン搭載乗用田植機

Info

Publication number
JPH10159606A
JPH10159606A JP8322373A JP32237396A JPH10159606A JP H10159606 A JPH10159606 A JP H10159606A JP 8322373 A JP8322373 A JP 8322373A JP 32237396 A JP32237396 A JP 32237396A JP H10159606 A JPH10159606 A JP H10159606A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
engine
speed
depth
rice transplanter
electronic governor
Prior art date
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Granted
Application number
JP8322373A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3743941B2 (ja
Inventor
Toshiki Minaishi
俊樹 南石
Satoru Okada
悟 岡田
Yoshihiro Amarigome
喜裕 余米
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yanmar Co Ltd
Original Assignee
Yanmar Agricultural Equipment Co Ltd
Yanmar Diesel Engine Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yanmar Agricultural Equipment Co Ltd, Yanmar Diesel Engine Co Ltd filed Critical Yanmar Agricultural Equipment Co Ltd
Priority to JP32237396A priority Critical patent/JP3743941B2/ja
Publication of JPH10159606A publication Critical patent/JPH10159606A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3743941B2 publication Critical patent/JP3743941B2/ja
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  • High-Pressure Fuel Injection Pump Control (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圃場条件にあった最適回転数や走行速度で植
付作業することはなかった。 【解決手段】 電子ガバナー機構付きエンジンを搭載し
た乗用田植機において、圃場表面の硬軟、耕盤の深さ、
水深をそれぞれセンサーで検知するとともに、圃場表面
の硬軟、耕盤の深さ、水深に対するエンジンの最適回転
数及び最適走行速度を設定し、前記センサーにより検出
した値からそれぞれの最適回転数と最適走行速度を演算
し、それぞれの回転数及び走行速度に最も近い回転数と
なるようにエンジンEのラックアクチュエーター5及
び、走行変速レバーのアクチュエーター30bを駆動制
御するように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子ガバナー機構
付ディーゼルエンジンを搭載した乗用田植機の、圃場条
件(圃場表面の硬軟や耕盤深さや水深等)に合わせてエ
ンジンの回転数及び車速を制御する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ディーゼルエンジンにおい
て、電子ガバナー機構を具備した技術は公知とされてい
るのである。例えば、特開昭60−256529号公報
に記載の技術の如くである。また、田植機において、植
付部を昇降自在に設けて、該植付部のフロートの接地圧
を検知して、圃場の硬軟に合わせて植付部を昇降させ
て、一定深さで植え付けるようにした技術は公知となっ
ている。また、植付走行速度が速くなると、フロートの
前部が浮き上がり、植付部を上げるように制御して植付
深さが浅くなるので、その分植付深さを深くするように
制御する技術も公知となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記のような従来の技
術においては、植付深さの制御は行うが、エンジンの回
転数や走行速度の変化に対しては随時対応しておらず、
圃場の硬軟と耕盤深さと水深等が異なり、走行速度も異
なると、当然植付深さや植付姿勢等も変化するが、これ
ら変化に対して十分対応していなかったので、圃場の硬
軟の変化で走行速度が変化した場合や耕盤の凹凸で走行
速度が変化した場合等では、植付姿勢が乱れることがあ
った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明が解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するため
の手段を説明する。請求項1においては、電子ガバナー
機構付きエンジンを搭載した乗用田植機において、エン
ジン回転数、走行変速レバーの回動位置、アクセルレバ
ー位置、圃場表面の硬軟、耕盤の深さ、水深をそれぞれ
センサーで検知し、設定作業域内の作業時のそれぞれの
値をサンプリングしてコントローラに記憶し、同一圃場
内の他の作業域を前記圃場の硬軟、耕盤深さ、水深に合
わせてエンジンEのラックアクチュエーターを駆動制御
するようにしたものである。
【0005】請求項2においては、電子ガバナー機構付
きエンジンを搭載した乗用田植機において、エンジンの
動力を無段変速装置で変速して走行し、走行変速レバー
を手動及びアクチュエーターにより変速操作可能とする
とともに、エンジン回転数、走行変速レバーの回動位
置、アクセルレバー位置、圃場表面の硬軟、耕盤の深
さ、水深をそれぞれセンサーで検知し、設定作業域内の
作業時のそれぞれの値をサンプリングしてコントローラ
に記憶し、同一圃場内の他の作業域を前記圃場の硬軟、
耕盤深さ、水深に合わせて走行変速レバーのアクチュエ
ーターを駆動制御するように構成したものである。
【0006】請求項3においては、電子ガバナー機構付
きエンジンを搭載した乗用田植機において、圃場表面の
硬軟、耕盤の深さ、水深をそれぞれセンサーで検知する
とともに、圃場表面の硬軟に対するエンジンの最適回転
数、耕盤の深さに対するエンジンの最適回転数、水深に
対するエンジンの最適回転数を設定し、前記センサーに
より検出した値からそれぞれの最適回転数を演算し、そ
れぞれの回転数に最も近い回転数となるようにエンジン
Eのラックアクチュエーターを駆動制御するように構成
したものである。
【0007】請求項4においては、電子ガバナー機構付
きエンジンを搭載した乗用田植機において、エンジンの
動力を無段変速装置で変速して走行し、走行変速レバー
を手動及びアクチュエーターにより変速操作可能とする
とともに、圃場表面の硬軟、耕盤の深さ、水深をそれぞ
れセンサーで検知し、圃場表面の硬軟に対する最適走行
速度、耕盤の深さに対する最適走行速度、水深に対する
最適走行速度を設定し、前記センサーにより検出した値
からそれぞれの最適走行速度を演算し、それぞれの走行
速度に最も近い走行速度となるように走行変速レバーの
アクチュエーターを駆動制御するように構成したもので
ある。
【0008】請求項5においては、電子ガバナー機構付
きエンジンを搭載した乗用田植機において、エンジン回
転数、アクセルレバー位置、変速位置をそれぞれセンサ
ーで検知し、低騒音モード切換手段を設け、低騒音モー
ド切換時、エンジンの回転数を低回転で、変速位置を中
・高速位置に変速するように構成したものである。
【0009】請求項6においては、前記電子ガバナー機
構付きエンジンを搭載した乗用田植機において、低騒音
モードで逆ドループ制御するようにしたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を説明す
る。図1は乗用田植機の全体側面図、図2は同じく乗用
田植機の全体平面図、図3はボンネット9内に搭載した
エンジンEの図面、図4は左右の機体フレーム3・3の
間に配置したベルト式無段変速ケース59と、クラッチ
ケース58と、ミッションケース4の構成を示す平面
図、図5は同じく、ベルト式無段変速ケース59とミッ
ションケース4とリアアクスルケース7の部分の側面
図、図6はリンク機構27と植付部15の部分を示す側
面図、図7は6条用の側条施肥機36の部分の平面図、
図8は6条用の側条施肥機36の部分の後面図、図9は
本発明の電子ガバナー機構付エンジン搭載乗用田植機の
制御機構のブロック線図、図10は電子ガバナー機構を
示す正面断面図と側面図、図11は本発明の電子ガバナ
ー機構付エンジン搭載乗用田植機の制御応答図、図12
は乗用田植機のアイソクロノス制御と逆ドループ制御を
示す図、図13はエンジンEの許容出力制御を示す図
面、図14はエコモード制御を示す図、図15は乗用田
植機の植付昇降兼作業走行変速レバー30の操作ガイド
板を示す平面図、図16は乗用田植機の走行変速レバー
29の操作ガイド板を示す図、図17はセンターフロー
トとサイドフロートの平面図、図18はセンターフロー
トの側面図である。
【0011】本発明の電子ガバナー機構付エンジン搭載
乗用田植機は前輪6・6と後輪8・8の4輪を共に駆動
する四輪駆動車輛に構成している。ボンネット9の内部
にエンジンEを配置している。また、該ボンネット9の
左右に予備苗載台10・10が配置されている。また、
該ボンネット9の後部のダッシュボードの部分から操向
ハンドル14が突出されており、該操向ハンドル14の
下方でダッシュボードの左側に主クラッチぺダル32
が、操向ハンドル14の右側の下部に左右のブレーキペ
ダル33・33が配置され、前記主クラッチペダル32
の回動基部には主クラッチが「入」か「切」かを検知す
るクラッチペダルスイッチ21が設けられ、ブレーキペ
ダル33・33の回動基部にはブレーキのON・OFF
を検知するブレーキスイッチ23が設けられている。
【0012】また、操向ハンドル14の右側のダッシュ
ボードの部分にアクセルレバー1が設けられており、該
アクセルレバー1を前後に回動することにより、電子ガ
バナー機構のコントローラCに電気信号が送信され、該
アクセルレバー1の回動基部にもアクセルレバー位置セ
ンサ22が設けられ設定位置を検出できるようにし、該
アクセルレバー位置センサ22及び前記クラッチペダル
スイッチ21、ブレーキスイッチ23はコントローラC
と接続されている。
【0013】座席13の右側に、植付昇降兼作業走行変
速レバー30が配置されており、該植付昇降兼作業走行
変速レバー30の回動基部には位置センサー30aと電
動シリンダー等からなる変速アクチュエーター30bが
配置されて、レバー位置を検出し、圃場条件に合わせて
減速したり増速したりするようにしている。また、植付
感度調節レバー31がその後部に配置されている。座席
13の左側の部分には走行変速レバー29が配置され、
該走行変速レバー29の回動基部には位置センサー29
aが配置され、回動位置が検知され、該位置センサー2
9a・30aはコントローラCと接続されている。
【0014】図15において、前記植付昇降兼作業走行
変速レバー30は、ガイド溝43の位置で、植付部15
を上げ、ガイド溝44の位置で、植付部15を昇降位置
で停止する中立位置を構成している。また、ガイド溝4
5の位置で、植付部15の下げ位置としている。植付昇
降兼作業走行変速レバー30をガイド溝46の位置に移
動すると、植付クラッチ入の状態となり、ガイド溝47
の位置も植付クラッチ入りであり、左右の47Lまたは
47Rの位置に操作されると、操作された側のマーカー
が下降するように構成している。
【0015】また、植付昇降兼作業走行変速レバー30
がガイド溝48に回動操作されると、ベルト式無段変速
ケース59の無段変速装置が低速入りとなり、低速で植
付を開始する。更にガイド溝49の位置では、ベルト式
無段変速装置が高速で植付を行う。
【0016】図16は座席13の左側の走行変速レバー
29の操作ガイド溝を図示している。走行変速レバー2
9がガイド溝57の位置では、後進速度である。また、
走行変速レバー29がガイド溝62の位置で植付状態で
ある。この場合にはベルト式無段変速ケース59の操作
で変速を行うので、走行変速レバー29は操作しない。
また、ガイド溝63に回動すると、路上走行速度とな
る。また、走行変速レバー29がガイド溝52の位置に
回動操作されると、多板摩擦式型乾式クラッチ73が切
れて、苗継ぎや肥料補充の為の機体の停止位置となる。
【0017】また、後輪8・8の上方の位置に、6条用
の側条施肥機36が配置されており、前輪6・6と後輪
8・8により構成された四輪駆動式走行車輛の後部に、
リンク機構27を介して、植付部15が吊装されてい
る。該リンク機構27は、図6に示すように、トップリ
ンク25とロワーリンク26により構成されており、昇
降シリンダ28の伸縮により、リンク機構27を昇降す
べく構成している。植付部15は苗載台16と、2条分
均平用センターフロート34と、2条分均平用サイドフ
ロート35と、植付ケース20と植付爪17等により構
成されている。
【0018】図3はボンネット9内に搭載したエンジン
Eの図面、図4は左右の機体フレーム3・3の間に配置
したベルト式無段変速ケース59と、クラッチケース5
8と、ミッションケース4の構成を示す平面図、図5は
同じく、ベルト式無段変速ケース59とミッションケー
ス4とリアアクスルケース7の部分の側面図である。該
エンジンEは、前後に長く延びた機体フレーム3の上に
載置されており、前方に突出したクランク軸53に、プ
ーリー54を設け、該プーリー54からベルト55を介
して、プーリー51に動力伝達している。該プーリー5
1は、軸50に固定されており、該軸50に軸61がジ
ョイント結合されている。該軸61がベルト式無段変速
ケース59の軸72に動力伝達している。
【0019】該ベルト式無段変速ケース59の内部に
は、入出力プーリ69・70と、変速ベルト71が配置
されている。また、入出力プーリ69・70の部分に、
入出力カム77・78が配置されており、該入出力カム
77・78を操作することにより、入出力プーリ69・
70の幅が変化して、変速部71との接触径が変化し
て、無段変速が可能となり、無段変速装置を構成してい
る。但し無段変速できる変速装置であれば限定するもの
ではなく油圧式無段変速装置等でもよい。該ベルト式無
段変速ケース59の後部に、クラッチケース58が装着
されており、該クラッチケース58の内部に、クラッチ
ペダル32の踏み込みにより操作される多板摩擦式型乾
式クラッチ73が配置されている。60は油圧ポンプで
ある。
【0020】また、該クラッチケース58の後面にミッ
ションケース4が固設されている。これらのベルト式無
段変速ケース59とミッションケース4は共に、左右の
機体フレーム3・3の間に配置されている。ミッション
ケース4において変速後の回転が、リアアクスルケース
7に伝達されている。図6において、植付ケース20の
上面に左右傾斜センサ56が配置されている。また、図
7において図示する如く、6条用の側条施肥機36から
繰り出される肥料を下方に案内するフレキシブル搬送ホ
ース40が設けられている。また、6条用の側条施肥機
36の一端には、肥料を繰り出す為のターボブロワ41
が配置されている。
【0021】図9は本発明の電子ガバナー機構付エンジ
ン搭載乗用田植機の制御機構のブロック線図、図10は
電子ガバナー機構を示す正面断面図と側面図、図11は
本発明の電子ガバナー機構付エンジン搭載乗用田植機の
制御応答図である。図9において図示する如く、電子ガ
バナー機構付エンジンEに、コントローラCが設けられ
ており、該コントローラCからの信号が、電子ガバナー
機構Gに操作信号を送るように構成している。該電子ガ
バナー機構Gの構造は、図10に示す如く構成されてお
り、燃料噴射ポンプPの側面に取付けられている。該燃
料噴射ポンプPの燃料噴射量調節ラック2を、リニアソ
レノイドにより構成された、ラックアクチュエータ5が
左右に摺動操作するのである。そして該ラックアクチュ
エータ5の動きを検出するラック位置センサー11がラ
ックアクチュエータ5の下方に配置されている。また、
エンジンEの回転数センサ12と、エンジンEの潤滑油
温度センサ18も、該電子ガバナー機構Gの部分に配置
されている。
【0022】このように、電子ガバナー機構Gから、ラ
ック位置センサー11の信号と、回転数センサ12の信
号と、潤滑油温度センサ18の信号が、コントローラC
に送信される。また、その他に、エンジンEの冷却水温
度センサ19と、クラッチペダル32のクラッチペダル
スイッチ21と、ブレーキペダル33のブレーキスイッ
チ23と、アクセルレバー1のアクセルレバー位置セン
サ22と、キースイッチ24と、エコモードスイッチ3
7とエアヒータ38、設定器76等からの信号も入力さ
れている。また、コントローラCからの信号が出力され
る方向としては、電子ガバナー機構Gのラックアクチュ
エータ5を操作し、燃料噴射量調節ラック2を左右に調
節する信号と、回転計39と故障表示装置42等へも信
号が送信されている。
【0023】その他に、本発明においては、乗用田植機
であるので、走行変速レバー29の操作位置を、位置セ
ンサ29aにより検出して、信号をコントローラCに送
信し、植付昇降兼作業走行変速レバー30の操作位置
を、位置センサ30aにより検出し、信号をコントロー
ラCに送信しているのである。このように、センサーか
らの信号をコントローラCに送信し、コントローラCに
おいて、所定のマップに照合して、指令信号を、各部に
送信し、電子ガバナー機構付エンジン搭載乗用田植機を
制御しているのである。
【0024】電子ガバナー機構付エンジン搭載乗用田植
機の制御を説明する。図12は乗用田植機のアイソクロ
ナス制御と逆ドループ制御を示す図面である。本発明の
制御機構は、エンジンEの出力を乗用田植機のあらゆる
作業において、最大に引き出せるように、電子ガバナー
機構Gのマイコンにより、燃料噴射量調節ラック2と燃
料噴射ポンプPを操作して、燃料噴射量を最適に制御す
るものである。その方法としては、エンジンEの回転を
負荷の大小に関わらず、一定に保つアイソクロナス制御
と、エンジンEの低速域で粘りを発揮する逆ドループ制
御と、高速植付作業に適した性能を発揮するエコモード
制御等を行っている。
【0025】図12の上段に図示したアイソクロナス制
御においては、ボンネット9の上で、操向ハンドル14
の右側に設けた、アクセルレバー1を回動操作してエン
ジン回転数を設定すると、乗用田植機により植付作業を
開始し、負荷が変動しても、エンジンの回転数を一定に
保つのである。従って、常時一定の速度で苗の植付が行
なえるのである。しかし、ブレーキペダル33によりブ
レーキ制動を操作を行った場合には、自動的にこの機能
が解除され、通常のドループ制御に移行する、該ドルー
プ制御は、電子ガバナー機構Gではなく、機械式のガバ
ナーを具備した場合と同じであり、負荷が大きくなると
エンジン回転数が下がり、負荷が小さくなるとエンジン
回転数が上昇する制御である。
【0026】逆ドループ制御は、エンジンEの回転数が
最大トルクとなる回転数(本実施例では1500回転)
以下で植付作業を行うような場合に、植付作業負荷がエ
ンジン出力の限界に近くなると、自動的に回転数をアッ
プさせて、エンジンEの出力限界を高め、低速作業時の
安定性を大幅に向上するものである。図14に図示され
たエコモード制御は、エコモードスイッチ37をONに
すると、制御が開始される。このエコモード制御は、高
速植付に適した制御機能であり、電子ガバナー機構Gの
作用で、高速植付に適したエコモードの出力性能にな
る。即ち、図14に示す如く、エンジン回転数が高い位
置で、出力が増加し、トルクも増加する制御である。エ
コモードスイッチ37をOFFにすると、エンジンの高
速回転域では、出力が低くなり、トルクも低くなるので
ある。
【0027】図13の許容出力制御について説明する。
この制御は、エンジン始動後の全てのモードにおいて制
御が作動している。そして、この制御は、コントローラ
Cに、エンジン回転数毎にマップにより規定された許容
出力トルクとなるように、燃料噴射量を制限するもので
ある。
【0028】そして、図17、図18に示すように、前
記センターフロート34の後部上面にブラケット90を
設け、前記植付ケース20に回動自在に支持する植付深
さ調節支点軸91に、植付深さ調節リンク92の基端を
固設し、該植付深さ調節リンク92先端に前記ブラケッ
ト90を支点軸93介して前記ブラケット90を枢支し
て、センターフロート34を回動自在に支持している。
【0029】そして、前記植付ケース20側に固定支持
する支軸94にリンク95の中間を回動自在に枢支し、
前記植付深さ調節支点軸91に基端を固設したアーム9
6の先端に前記リンク95の後部を枢結している。該植
付深さ調節支点軸91には植深レバー85を固設して植
付深さを設定できるようにしている。前記リンク95の
側面にはポテンショメーター等の角度センサーよりなる
硬軟検出センサー97が配置され、該リンク95の前端
には結合ピンを設けてセンサーリンク98の長孔内に挿
入し、該センサーリンク98の上端にはセンサーワイヤ
ー99が連結され、該センサーワイヤー99の他端は前
記植付感度調節レバー31と連結されている。そして、
センサーリンク98より突出ピンが前記硬軟検出センサ
ー97の長孔内に挿入している。こうして、植付部15
を下降して田面にフロートを下ろしたとき、前部が沈め
ば軟らかく、持ち上げられれば硬いことが判る。
【0030】また、センターフロート34の前端に水深
センサー100が設けられており、該水深センサー10
0は超音波センサー等よりなり、水面と泥上面との反射
距離の差から検出している。また、図6に示すように、
ロワーリンク26の前端にアーム101が固定され、一
方、機体フレーム3後部上にポテンショメーター等から
なる角度センサー102が設けられ、該角度センサー1
02のセンサーアーム103先端の長孔が前記アーム1
01と連結されている。この角度センサー102によっ
て植付部15の高さを検知するとともに、後輪8下端か
らフロートの下面までの高さが演算でき、耕盤深さを検
知することができるのである。
【0031】そして、コントローラCには圃場の硬軟、
水深、耕盤深さ、乾田・湿田、耕盤の凹凸等に対して、
それぞれ最適のエンジン回転数と走行速度が記憶され
て、植付作業を行うときには、それぞれの最適回転数が
最も近い回転数、それぞれの走行速度が最も近い走行速
度となるように制御して作業を行い最適条件で作業がで
きるようにしている。ただし、それぞの回転数または走
行速度を平均値で作業を行うこともでき、何れか一つま
たは二つの条件を優先した回転数または走行速度とした
り、上下の回転数または走行速度を除いた回転数とした
りすることもできる。例えば、圃場表面の硬度毎に最適
エンジン回転数と最適走行速度が設定されてマップとし
て記憶されている。従って、軟らか過ぎたり、硬過ぎた
りするとその硬度に合わせて回転を高めて、または逆ド
ループ制御し、最適の走行速度となる低速で走行して、
負荷に対応してトルクを高めるようにする。また、水深
が深いと、フロートの通過に伴う水の流れがが大きくな
り、苗を流して浮苗となるので、低速走行するようにす
る。また、耕盤が深いと泥部分が多いので走行抵抗が大
きくなるので、逆ドループ制御し、低速走行するように
する。
【0032】また、オペレーターによっては、作業速度
や植付深さ等の好みが異なり、天候や圃場の状態で水深
や圃場表面の硬軟も異なるので、圃場内に田植機を入れ
て、畦際を植え付けた後に、サンプリングボタン104
を押して、オペレーターが好みの速度及び回転数で、ま
たは最適であると思う速度及び回転数で、一定距離を作
業する。このとき一定時間毎に硬軟検出センサー97で
圃場の硬軟を、水深センサー100で水深を、角度セン
サー102で耕盤深さを検知し、更に、そのときのエン
ジン回転数を回転数センサー12で検知する。そして、
次に、サンプリングを解除して作業を開始すると、サン
プリングした作業速度に合わせて作業が行われ、このと
き、サンプリングしたデータに沿って回転数及び走行速
度が制御されて作業が行われる。
【0033】また、コントローラCには低騒音モード切
換手段として、騒音モード切換スイッチ105が設けら
れ、該騒音モード切換スイッチ105を低騒音モード側
に切り換えた時は、エンジンの回転数を低回転とし、変
速位置を中・高速位置に変速する。このように回転数と
変速を変更することで、騒音が減少して、静かに作業が
でき、このとき、トルクが若干不足するので、エンジン
Eを逆ドループ制御して、エンストが生じないようにし
ている。
【0034】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次の
ような効果を奏するのである。請求項1の如く、電子ガ
バナー機構付きエンジンを搭載した乗用田植機におい
て、エンジン回転数、走行変速レバーの回動位置、アク
セルレバー位置、圃場表面の硬軟、耕盤の深さ、水深を
それぞれセンサーで検知し、設定作業域内の作業時のそ
れぞれの値をサンプリングしてコントローラに記憶し、
同一圃場内の他の作業域を前記圃場の硬軟、耕盤深さ、
水深に合わせてエンジンEのラックアクチュエーターを
駆動制御するようにしたので、オペレーターの好みに合
ったエンジン回転数で作業できるようになり、また、圃
場条件に合ったエンジン回転数に設定して作業ができる
ようになり、オペレーターは最初に設定するだけで、ア
クセル操作を殆どすることなく作業ができるようにな
り、運転操作を簡単することができ、疲労も軽減できた
のである。
【0035】請求項2の如く、電子ガバナー機構付きエ
ンジンを搭載した乗用田植機において、エンジンの動力
を無段変速装置で変速して走行し、走行変速レバーを手
動及びアクチュエーターにより変速操作可能とするとと
もに、エンジン回転数、走行変速レバーの回動位置、ア
クセルレバー位置、圃場表面の硬軟、耕盤の深さ、水深
をそれぞれセンサーで検知し、設定作業域内の作業時の
それぞれの値をサンプリングしてコントローラに記憶
し、同一圃場内の他の作業域を前記圃場の硬軟、耕盤深
さ、水深に合わせて走行変速レバーのアクチュエーター
を駆動制御するように構成したので、オペレーターの好
みに合った走行速度で作業できるようになり、また、圃
場条件に合った走行速度に設定して作業ができるように
なり、オペレーターは最初に設定するだけで、変速レバ
ー操作を殆どすることなく作業ができるようになり、運
転操作を簡単することができ、疲労も軽減できたのであ
る。
【0036】請求項3の如く、電子ガバナー機構付きエ
ンジンを搭載した乗用田植機において、圃場表面の硬
軟、耕盤の深さ、水深をそれぞれセンサーで検知すると
ともに、圃場表面の硬軟に対するエンジンの最適回転
数、耕盤の深さに対するエンジンの最適回転数、水深に
対するエンジンの最適回転数を設定し、前記センサーに
より検出した値からそれぞれの最適回転数を演算し、そ
れぞれの回転数に最も近い回転数となるようにエンジン
Eのラックアクチュエーターを駆動制御するように構成
したので、エンジンの回転数が圃場条件に合った最適回
転数で作業ができるようになり、作業効率が向上し、植
付状態も良好に保つことができるようになった。
【0037】請求項4野如く、電子ガバナー機構付きエ
ンジンを搭載した乗用田植機において、エンジンの動力
を無段変速装置で変速して走行し、走行変速レバーを手
動及びアクチュエーターにより変速操作可能とするとと
もに、圃場表面の硬軟、耕盤の深さ、水深をそれぞれセ
ンサーで検知し、圃場表面の硬軟に対する最適走行速
度、耕盤の深さに対する最適走行速度、水深に対する最
適走行速度を設定し、前記センサーにより検出した値か
らそれぞれの最適走行速度を演算し、それぞれの走行速
度に最も近い走行速度となるように走行変速レバーのア
クチュエーターを駆動制御するように構成したので、走
行速度が圃場条件に合った最適走行速度で作業ができる
ようになり、作業効率が向上し、植付状態も良好に保つ
ことができるようになった。る。
【0038】請求項5の如く、電子ガバナー機構付きエ
ンジンを搭載した乗用田植機において、エンジン回転
数、アクセルレバー位置、変速位置をそれぞれセンサー
で検知し、低騒音モード切換手段を設け、低騒音モード
切換時、エンジンの回転数を低回転で、変速位置を中・
高速位置に変速するように構成したので、低騒音の状態
で作業ができるようになり、住宅に近い圃場で作業する
場合に、回りを気にすることなく作業ができ、騒音公害
を起こすことがない。
【0039】請求項6野如く、低騒音モードでは逆ドル
ープ制御するようにしたので、低回転作業でで負荷が増
大しても逆ドループ制御によって、走行速度を維持で
き、安定した植付作業を行うことができたのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗用田植機の全体側面図。
【図2】同じく乗用田植機の全体平面図。
【図3】ボンネット9内に搭載したエンジンEの図面。
【図4】左右の機体フレーム3・3の間に配置したベル
ト式無段変速ケース59と、クラッチケース58と、ミ
ッションケース4の構成を示す平面図。
【図5】同じく、ベルト式無段変速ケース59とミッシ
ョンケース4とリアアクスルケース7の部分の側面図。
【図6】リンク機構27と植付部15の部分を示す側面
図。
【図7】6条用の側条施肥機36の部分の平面図。
【図8】6条用の側条施肥機36の部分の後面図。
【図9】本発明の電子ガバナー機構付エンジン搭載乗用
田植機の制御機構のブロック線図。
【図10】電子ガバナー機構を示す正面断面図と側面
図。
【図11】本発明の電子ガバナー機構付エンジン搭載乗
用田植機の制御応答図。
【図12】乗用田植機のアイソクロノス制御と逆ドルー
プ制御を示す図面。
【図13】エンジンEの許容出力制御を示す図面。
【図14】エコモード制御を示す図面。
【図15】乗用田植機の植付昇降兼作業走行変速レバー
30の操作ガイド板を示す平面図。
【図16】乗用田植機の走行変速レバー29の操作ガイ
ド板を示す図面。
【図17】センターフロートとサイドフロートの平面
図。
【図18】センターフロートの側面図。
【符号の説明】
C コントローラ E エンジン G 電子ガバナー機構 P 燃料噴射ポンプ 1 アクセルレバー 2 燃料噴射量調節ラック 5 ラックアクチュエータ 8 後輪 11 ラック位置センサー 12 回転数センサ 22 アクセルレバー位置センサ 29 走行変速レバー 29a 位置センサー 30 植付昇降兼作業走行変速レバー 30a 位置センサー 30b 変速アクチュエーター 97 硬軟検出センサー 100 水深センサー 104 サンプリングボタン 105 騒音モード切換スイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 余米 喜裕 大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマ ーディーゼル株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ガバナー機構付きエンジンを搭載し
    た乗用田植機において、エンジン回転数、走行変速レバ
    ーの回動位置、アクセルレバー位置、圃場表面の硬軟、
    耕盤の深さ、水深をそれぞれセンサーで検知し、設定作
    業域内の作業時のそれぞれの値をサンプリングしてコン
    トローラに記憶し、同一圃場内の他の作業域を前記圃場
    の硬軟、耕盤深さ、水深に合わせてエンジンEのラック
    アクチュエーターを駆動制御することを特徴とする電子
    ガバナー機構付エンジン搭載乗用田植機。
  2. 【請求項2】 電子ガバナー機構付きエンジンを搭載し
    た乗用田植機において、エンジンの動力を無段変速装置
    で変速して走行し、走行変速レバーを手動及びアクチュ
    エーターにより変速操作可能とするとともに、エンジン
    回転数、走行変速レバーの回動位置、アクセルレバー位
    置、圃場表面の硬軟、耕盤の深さ、水深をそれぞれセン
    サーで検知し、設定作業域内の作業時のそれぞれの値を
    サンプリングしてコントローラに記憶し、同一圃場内の
    他の作業域を前記圃場の硬軟、耕盤深さ、水深に合わせ
    て走行変速レバーのアクチュエーターを駆動制御するこ
    とを特徴とする電子ガバナー機構付エンジン搭載乗用田
    植機。
  3. 【請求項3】 電子ガバナー機構付きエンジンを搭載し
    た乗用田植機において、圃場表面の硬軟、耕盤の深さ、
    水深をそれぞれセンサーで検知するとともに、圃場表面
    の硬軟に対するエンジンの最適回転数、耕盤の深さに対
    するエンジンの最適回転数、水深に対するエンジンの最
    適回転数を設定し、前記センサーにより検出した値から
    それぞれの最適回転数を演算し、それぞれの回転数に最
    も近い回転数となるようにエンジンEのラックアクチュ
    エーターを駆動制御することを特徴とする電子ガバナー
    機構付エンジン搭載乗用田植機。
  4. 【請求項4】 電子ガバナー機構付きエンジンを搭載し
    た乗用田植機において、エンジンの動力を無段変速装置
    で変速して走行し、走行変速レバーを手動及びアクチュ
    エーターにより変速操作可能とするとともに、圃場表面
    の硬軟、耕盤の深さ、水深をそれぞれセンサーで検知
    し、圃場表面の硬軟に対する最適走行速度、耕盤の深さ
    に対する最適走行速度、水深に対する最適走行速度を設
    定し、前記センサーにより検出した値からそれぞれの最
    適走行速度を演算し、それぞれの走行速度に最も近い走
    行速度となるように走行変速レバーのアクチュエーター
    を駆動制御することを特徴とする電子ガバナー機構付エ
    ンジン搭載乗用田植機。
  5. 【請求項5】 電子ガバナー機構付きエンジンを搭載し
    た乗用田植機において、エンジン回転数、アクセルレバ
    ー位置、変速位置をそれぞれセンサーで検知し、低騒音
    モード切換手段を設け、低騒音モード切換時、エンジン
    の回転数を低回転で、変速位置を中・高速位置に変速す
    ることを特徴とする電子ガバナー機構付エンジン搭載乗
    用田植機。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の電子ガバナー機構付きエ
    ンジンを搭載した乗用田植機において、低騒音モードで
    逆ドループ制御するようにしたことを特徴とする電子ガ
    バナー機構付エンジン搭載乗用田植機。
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