JP3734056B2 - 電子ガバナー機構付エンジン搭載乗用田植機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子ガバナー機構付ディーゼルエンジンを搭載した乗用田植機の、電子ガバナーによる制御機構に関する技術である。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ディーゼルエンジンにおいて、電子ガバナー機構を具備した技術は公知とされているのである。例えば、特開昭60−256529号公報に記載の技術の如くである。
また、トラクタにおいて作業機の負荷と連動してエンジンを制御する技術は、特公昭59−7284号公報や、特公昭58−26931号公報に記載の如き技術が公知とされている。
また、エンジンに電子ガバナー機構を具備させる技術は、実公平2−19841号公報や、実公平2−27149号公報に記載の如き技術が公知とされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、電子ガバナー機構付エンジンを乗用田植機に搭載した場合において、主クラッチ機構をOFFとし、また植付クラッチ機構をOFFとした場合に、エンジンの騒音が出来るだけ低くし、また燃料の無駄な消費を無くし、また、次に発進する場合に、急発進をしないように、主クラッチ操作及び植付クラッチ操作と連動して、エンジンの回転を低下させるように構成したものである。
また、乗用田植機において、作業中に何度か発生する、苗継の為の機体停止や、乗用田植機に付設した施肥機への肥料の補給の為の、機体停止時に、この機体の停止操作である変速レバーの苗継位置への操作に連動して、エンジンの回転を徐々に低くしたり、走行速度を低下させたり、又は最終的に乗用田植機を停止させるものである。
これにより、エンジンの騒音が出来るだけ低くし、また燃料の無駄な消費を無くし、また、次に発進する場合に、急発進をしないように構成したものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明が解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。
電子ガバナー機構G付きエンジンEを搭載した乗用田植機において、主クラッチぺダル32により多板摩擦式型乾式クラッチ73をOFFとし、又は、植付昇降兼作業走行変速レバー30により植付クラッチ機構をOFFとした場合には、主クラッチぺダル32のクラッチペダルスイッチ21と、植付昇降兼作業走行変速レバー30の位置センサ30aからの検出信号をコントローラCに送信し、該コントローラCから電子ガバナー機構Gに信号を送信し、ラックアクチュエータ5を操作して燃料噴射量調節ラック2を燃料噴射ポンプP内で摺動させ、主クラッチ機構のOFF動作と、植付クラッチ機構のOFF動作に連動して、エンジンEの回転数を徐々に低下させるべく制御し、また、走行変速レバー29をガイド溝52の苗継・肥料供給位置に操作し、主クラッチ機構である多板摩擦式型乾式クラッチ73をOFFとした場合には、走行変速レバー29の位置センサ29aからの検出信号をコントローラCに送信し、該コントローラCから電子ガバナー機構Gに信号を送信し、ラックアクチュエータ5を操作して燃料噴射量調節ラック2を燃料噴射ポンプP内で摺動させ、エンジンEの回転数を徐々に低下させ、最終的に機体を停止すべく制御するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を説明する。
図1は乗用田植機の全体側面図、図2は同じく乗用田植機の全体平面図、図3はボンネット9内に搭載したエンジンEの図面、図4は左右の機体フレーム3・3の間に配置したベルト式無段変速ケース59と、クラッチケース58と、ミッションケース4の構成を示す平面図、図5は同じく、ベルト式無段変速ケース59とミッションケース4とリアアクスルケース7の部分の側面図である。
【0006】
図6はリンク機構27と植付部15の部分を示す側面図、図7は6条用の側条施肥機36の部分の平面図、図8は6条用の側条施肥機36の部分の後面図、図9は本発明の電子ガバナー機構付エンジン搭載乗用田植機の制御機構のブロック線図、図10は電子ガバナー機構を示す正面断面図と側面図である。
【0007】
図11は本発明の電子ガバナー機構付エンジン搭載乗用田植機の制御応答図、図12は乗用田植機のアイソクロノス制御と逆ドループ制御を示す図面、図13はエンジンEの許容出力制御を示す図面、図14はエコモード制御を示す図面、図15は圃場端旋回の際のエンジン回転数の減速率を示す図面、図16はエンジン始動時の燃料噴射量制御を示す図面、図17はエンジン始動時のエアヒータ38の通電時間制御を示す図面である。
【0008】
図18は始動時の、アイドリング回転制御を示す図面、図19は本発明の乗用田植機の植付昇降兼作業走行変速レバー30の操作ガイド板を示す平面図、図20は本発明の乗用田植機の走行変速レバー29の操作ガイド板を示す図面、図21は本発明の制御において、エンジンEの回転数を低下させたり、停止させる制御を説明する図面である。
【0009】
前輪6・6と後輪8・8の4輪を共に駆動する四輪駆動車輛に構成している。ボンネット9の内部にエンジンEを配置している。また該ボンネット9の左右に予備苗載台10・10が配置されている。また該ボンネット9の後部のダッシュボードの部分から、操向ハンドル14が突出されており、該操向ハンドル14の下方で、ダッシュボードの左側に主クラッチぺダル32が、操向ハンドル14の右側る下部に左右のブレーキペダル33・33が配置されている。
また、操向ハンドル14の右側のダッシュボードの部分にアクセルレバー1が設けられており、該アクセルレバー1を前後に回動することにより、電子ガバナー機構のコントローラCに電気信号が送信される。
【0010】
座席13の右側に、植付昇降兼作業走行変速レバー30が配置されており、また植付感度調節レバー31が配置されている。また座席13の左側の部分に、走行変速レバー29が配置されている。
また、後輪8・8の上方の位置に、6条用の側条施肥機36が配置されており、前輪6・6と後輪8・8により構成された四輪駆動式走行車輛の後部に、リンク機構27を介して、植付部15が吊装されている。該リンク機構27は、トップリンク25とロワーリンク26により構成されており、昇降シリンダ28の伸縮により、リンク機構27を昇降すべく構成している。
【0011】
植付部15は苗載台16と、2条分の均平用センターフロート34と、2条分均平用のサイドフロート34と、植付ケース20と植付爪17等により構成されている。
図3はボンネット9内に搭載したエンジンEの図面、図4は左右の機体フレーム3・3の間に配置したベルト式無段変速ケース59と、クラッチケース58と、ミッションケース4の構成を示す平面図、図5は同じく、ベルト式無段変速ケース59とミッションケース4とリアアクスルケース7の部分の側面図である。
該エンジンEは、前後に長く延びた機体フレーム3の上に載置されており、前方に突出したクランク軸53に、プーリー54を設け、該プーリー54からベルト55を介して、プーリー51に動力伝達している。該プーリー51は、軸50に固定されており、該軸50に軸61がジョイント結合されている。
該軸61がベルト式無段変速ケース59の軸72に動力伝達している。
【0012】
該ベルト式無段変速ケース59の内部には、入出力プーリ69・70と、変速ベルト71が配置されている。また入出力プーリ69・70の部分に、入出力カム77・78が配置されており、該入出力カム77・78を操作することにより、入出力プーリ69・70の径が変化して、無段変速が可能となっている。該ベルト式無段変速ケース59の後部に、クラッチケース58が装着されており、該クラッチケース58の内部に、クラッチペダル32の踏み込みにより操作される多板摩擦式型乾式クラッチ73が配置されている。60は油圧ポンプである。
【0013】
また、該クラッチケース58の後面にミッションケース4が固設されている。これらのベルト式無段変速ケース59とミッションケース4は共に、左右の機体フレーム3・3の間に配置されている。ミッションケース4において変速後の回転が、リアアクスルケース7に伝達されている。
図6において、植付ケース20の上面に左右傾斜センサ56が配置されている。また図7において図示する如く、6条用の側条施肥機36から繰り出される肥料を下方に案内するフレキシブル搬送ホース40が設けられている。また6条用の側条施肥機36の一旦には、肥料を繰り出す為のターボブロワ41が配置されている。
【0014】
図9は、本発明の電子ガバナー機構付エンジン搭載乗用田植機の制御機構のブロック線図、図10は電子ガバナー機構を示す正面断面図と側面図、図11は本発明の電子ガバナー機構付エンジン搭載乗用田植機の制御応答図である。
図9において図示する如く、電子ガバナー機構付エンジンEに、コントローラCが設けられており、該コントローラCからの信号が、電子ガバナー機構Gに操作信号を送るように構成している。該電子ガバナー機構Gの構造は、図10に示す如く構成されており、燃料噴射ポンプPの側面に取付けられている。該燃料噴射ポンプPの燃料噴射量調節ラック2を、リニアソレノイドにより構成された、ラックアクチュエータ5が左右に摺動操作するのである。
そして、該ラックアクチュエータ5の動きを検出するラック位置センサー11がラックアクチュエータ5の下方に配置されている。またエンジンEの回転数センサ12と、エンジンEの潤滑油温度センサ18も、該電子ガバナー機構Gの部分に配置されている。
【0015】
このように、電子ガバナー機構Gから、ラック位置センサー11の信号と、回転数センサ12の信号と、潤滑油温度センサ18の信号が、コントローラCに送信される。また、その他に、エンジンEの冷却水温度センサ19と、クラッチペダル32のクラッチペダルスイッチ21と、ブレーキペダル33のブレーキスイッチ23と、アクセルレバー1のアクセルレバー位置センサ22と、キースイッチ24と、エコモードスイッチ37とエアヒータ38等からの信号も入力されている。
また、コントローラCからの信号が出力される方向としては、電子ガバナー機構Gのラックアクチュエータ5を操作し、燃料噴射量調節ラック2を左右に調節する信号と、回転計39と故障表示装置42等へも信号が送信されている。
【0016】
その他に、本発明においては、乗用田植機であるので、走行変速レバー29の操作位置を、位置センサ29aにより検出して、信号をコントローラCに送信し、植付昇降兼作業走行変速レバー30の操作位置を、位置センサ30aにより検出し、信号をコントローラCに送信しているのである。
このように、センサーからの信号をコントローラCに送信し、コントローラCにおいて、所定のマップに照合して、指令信号を、各部に送信し、電子ガバナー機構付エンジン搭載乗用田植機を制御しているのである。
【0017】
電子ガバナー機構付エンジン搭載乗用田植機の制御を説明する。
図12は乗用田植機のアイソクロノス制御と逆ドループ制御を示す図面である。
本発明の制御機構は、エンジンEの出力を乗用田植機のあらゆる作業において、最大に引き出せるように、電子ガバナー機構Gのマイコンにより、燃料噴射量調節ラック2と燃料噴射ポンプPを操作して、燃料噴射量を最適に制御するものである。
その方法としては、エンジンEの回転を負荷の大小に関わらず、一定に保つアイソクロナス制御と、エンジンEの低速域で粘りを発揮する逆ドループ制御と、高速植付作業に適した性能を発揮するエコモード制御等を行っている。
【0018】
図12の上段に図示したアイソクロナス制御においては、ボンネット9の上で、操向ハンドル14の右側に設けた、アクセルレバー1を回動操作してエンジン回転数を設定すると、乗用田植機により植付作業を開始し、負荷が変動しても、エンジンの回転数を一定に保つのである。
従って、常時一定の速度で苗の植付が行なえるのである。しかし、ブレーキペダル33によりブレーキ制動を操作を行った場合には、自動的にこの機能が解除され、通常のドループ制御に移行する。該ドループ制御は、電子ガバナー機構Gではなく、機械式のガバナーを具備した場合と同じであり、負荷が大きくなるとエンジン回転数が下がり、負荷が小さくなるとエンジン回転数が上昇する制御である。
【0019】
逆ドループ制御は、エンジンEの回転数が1500回転以下で植付作業を行うような場合に、植付作業負荷がエンジン出力の限界に近くなると、自動的に回転数をアップさせて、エンジンEの出力限界を高め、低速作業時の安定性を大幅に向上するものである。
図14に図示されたエコモード制御は、エコモードスイッチ37をONにすると、制御が開始される。このエコモード制御は、高速植付に適した制御機能であり、電子ガバナー機構Gの作用で、高速植付に適したエコモードの出力性能になる。即ち、図14に示す如く、エンジン回転数が高い位置で、出力が増加し、トルクも増加する制御である。エコモードスイッチ37をOFFにすると、エンジンの高速回転域では、出力が低くなり、トルクも低くなるのである。
【0020】
そして、乗用田植機において、圃場端における開口時に、植付部15を上昇する為に、植付昇降兼作業走行変速レバー30を上げの位置にすると、エンジンEの回転数が下がり、旋回に適した速度に低下する。また植付昇降兼作業走行変速レバー30を、植付位置である下げの位置にすると、また元のエンジン回転数に戻る。
また、走行変速レバー29を後進位置に操作すると、後進速度に適したエンジン回転数となる。また、次に植付昇降兼作業走行変速レバー30を、植付部15の下げの位置に操作すると、エンジン回転数は元にもどる。この制御は、圃場端において、旋回して次の条に移る場合、また圃場端において切返し旋回の為に後進位置に操作する場合等において、効果を発揮するのである。
【0021】
そして、該圃場端における旋回時のエンジン回転数の減速率は、植付速度の高速・中速・低速で相違させている。この減速率の相違が、図15において図示されている。この制御を解除するには、アクセルレバー1をエンジン回転数の1500回転以下にするか、または植付昇降兼作業走行変速レバー30により、植付部15を下げるかにより解除される。また図15において図示する如く、この圃場端旋回時における、エンジン回転数の低下は、エンジン回転数が1500回転以上の場合に制御が開始されるように設定している。
【0022】
また、圃場端旋回状態であるかどうかは、ブレーキペダル33の踏込み操作又は、操向ハンドル14の一定角度以上の走行旋回操作により検出することもできる。本実施例では、植付昇降兼作業走行変速レバー30が、植付部15の上げ位置へ回動操作された場合に、制御が開始されるように構成している。
次に、図13の許容出力制御について説明する。この制御は、エンジン始動後の全てのモードにおいて制御か作動している。そして、この制御は、コントローラCに、エンジン回転数毎にマップにより規定された許容出力トルクとなるように、燃料噴射量を制限するものである。
【0023】
次に、図16においてエンジン始動時の噴射量制御について説明する。
これは、寒冷地において、エンジンの始動性を確保する制御であり、さらに始動時の黒煙の発生防止を行う。始動時の噴射量を算出制御し、また冷却水温度センサ19からの信号により冷却水の温度を知り、これに対応して、始動時の燃料噴射量を調整している。
また、図17において図示する如く、始動時制御の一つとして、エンジン始動時にキースイッチ24のONと共に、エンジンの吸気回路に配置したエアヒーターを、冷却水温度センサ19からの信号に応じてエンジンの予熱に必要な時間だけ自動的に作動させるように構成している。
また、図18において図示する如く、始動時制御の一つとして、冷却水温度センサ19が検出した信号に応じて、始動直後のアイドル回転数を自動的にアップさせ、エンジンの暖機時間の短縮とエンジン回転数の安定化を図っている。尚冷却水の温度が上昇してくると、アイドル回転数は低下する。
【0024】
図19においては、座席13の右側に配置した、植付昇降兼作業走行変速レバー30のガイド溝の構成が開示されている。該植付昇降兼作業走行変速レバー30は、ガイド溝43の位置で、植付部15を上げる操作を行う。次にガイド溝44の位置で、植付部15を昇降位置で停止する中立位置を構成している。またガイド溝45の位置で、植付部15の下げ位置としている。次に植付昇降兼作業走行変速レバー30をガイド溝46の位置に移動すると、植付クラッチ入の状態となり、ガイド溝47の位置も植付クラッチ入りであり、左右の47Lと47Rの位置に操作されると、隣接マーカーの左右どちらかが上下するように構成している。
【0025】
また、植付昇降兼作業走行変速レバー30がガイド溝48に回動操作されると、ベルト式無段変速ケース59の無段変速装置が速度入りとなり、低速で植付を開始する。更にガイド溝49の位置では、ベルト式無段変速ケース59が高速で植付を行う。
【0026】
図20は、座席13の左側の走行変速レバー29の操作ガイド溝を図示している。走行変速レバー29がガイド溝57の位置では、後進速度である。
また、走行変速レバー29がガイド溝62の位置で植付状態である。この場合にはベルト式無段変速ケース59の操作で変速を行うので、走行変速レバー29は操作しない。また、ガイド溝63の直線を回動すると、路上走行速度となる。
また、走行変速レバー29がガイド溝52の位置に回動操作されると、多板摩擦式型乾式クラッチ73が切れて、苗継ぎや肥料補充の為の機体の停止位置となる。
【0027】
本発明においては、電子ガバナー機構Gの付設されたエンジンEを搭載した乗用田植機において、主クラッチ機構である多板摩擦式型乾式クラッチ73を、走行変速レバー29をガイド溝52の位置に操作してOFFとしたり、又はクラッチペダル32の操作によりOFFとした場合、または、植付クラッチ機構を植付昇降兼作業走行変速レバー30をガイド溝46より外した後方に位置させてOFFとした場合には、該主クラッチ機構のOFF動作と、植付クラッチ機構のOFF動作の信号をコントローラCに送信して、該コントローラCから電子ガバナー機構Gに信号を送信して、ラックアクチュエータ5を操作して燃料噴射量調節ラック2を燃料噴射ポンプP内で摺動させ、連動してエンジン回転数を徐々に低下させるべく制御するように構成している。
【0028】
また、クラッチペダル32を踏み込んで、多板摩擦式型乾式クラッチ73をOFFとしたり、又は走行変速レバー29をガイド溝52の位置にして、主クラッチ機構をOFFとした場合や、植付昇降兼作業走行変速レバー30を操作して、植付クラッチ機構をOFFとした場合には、主クラッチ機構のOFF動作と、植付クラッチ機構のOFFの信号を、コントローラCに入力し、該コントローラCから、ラックアクチュエータ5に振動を出して、燃料噴射ポンプPを制御し、動作に連動して、エンジン回転数を、段階的に低下させるべく構成している。
【0029】
また、走行変速レバー29の操作位置が、苗継位置であるガイド溝52の位置に操作され、苗の補給を行う場合には、該走行変速レバー29の苗継位置への操作に連動して、コントローラCから指示を出し、燃料噴射量調節ラック2を操作して、エンジンEの回転を徐々に低下させるか、又は走行速度を減速するか、又は最終的に停止すべく構成している。
【0030】
また、走行変速レバー29の操作位置が、苗継位置に操作され、6条用の側条施肥機36へ肥料を補給する場合には、該走行変速レバー29の苗継位置であるガイド溝52への操作に連動して、コントローラCから燃料噴射量調節ラック2を操作する信号を出して、エンジンEの回転を徐々に低下させるか、又は走行速度を減速するか、又は最終的に停止すべく構成している。
【0031】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。
電子ガバナー機構G付きエンジンEを搭載した乗用田植機において、主クラッチぺダル32により多板摩擦式型乾式クラッチ73をOFFとし、又は、植付昇降兼作業走行変速レバー30により植付クラッチ機構をOFFとした場合には、主クラッチぺダル32のクラッチペダルスイッチ21と、植付昇降兼作業走行変速レバー30の位置センサ30aからの検出信号をコントローラCに送信し、該コントローラCから電子ガバナー機構Gに信号を送信し、ラックアクチュエータ5を操作して燃料噴射量調節ラック2を燃料噴射ポンプP内で摺動させ、主クラッチ機構のOFF動作と、植付クラッチ機構のOFF動作に連動して、エンジンEの回転数を徐々に低下させるべく制御し、また、走行変速レバー29をガイド溝52の苗継・肥料供給位置に操作し、主クラッチ機構である多板摩擦式型乾式クラッチ73をOFFとした場合には、走行変速レバー29の位置センサ29aからの検出信号をコントローラCに送信し、該コントローラCから電子ガバナー機構Gに信号を送信し、ラックアクチュエータ5を操作して燃料噴射量調節ラック2を燃料噴射ポンプP内で摺動させ、エンジンEの回転数を徐々に低下させ、最終的に機体を停止すべく制御するので、次のような効果を奏するものである。
第1に、主クラッチを切ったり、植付クラッチを切ってから、次の段階で、植付作業状態から、路上走行に移る場合にも、一旦、主クラッチを切った場合と、植付クラッチを切った場合に、エンジンを低回転に落としているので、路上走行を開始しても、急発進することが無いのである。
【0032】
第2に、主クラッチを切ったり、植付クラッチを切ってから、速い段階に再度、植付作業を開始する場合には、それほどエンジン回転数が低下しない状態で、再度植付作業を開始できるので、エンジンの無駄な回転低下を来すことがないのである。また、植付作業を終了して、路上走行に移る場合には、前記の如く、エンジン回転数が段階的に十分に低下してからであるので、急発進を防ぐことが出来るのである。
【0033】
第3に、電子ガバナー機構付きエンジンを搭載した乗用田植機において、変速レバーの操作位置が、苗継・肥料補給位置に操作され、苗の補給を行う場合や、施肥機へ肥料を補給する場合には、場合には、該変速レバーの苗継位置への操作に連動して、エンジンEの回転を徐々に低下させるか、又は走行速度を減速するか、又は最終的に停止すべく制御するので、苗継ぎ作業の際に、エンジンEの空ぶかしをすことがなく、騒音を低下、及び燃費の向上を図ることができ、またオペレータが誤操作をして、機体が走行を開始するということがなくなったのである。また、苗継ぎを終了した後に、再度植付作業を開始する場合に、急発進して、苗を押し下げることが無くなったのである。
【0034】
第4に、オペレータが一旦乗用田植機から降車して、肥料を6条用の側条施肥機36に補給する際に、エンジンEの空回転を無くすことができ、騒音を低下させ、また落ち着いて肥料の補給を行うことが出来るのである。また、肥料を補給した後に、発進する場合にも、急発進をすることが無くなったのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 乗用田植機の全体側面図。
【図2】 同じく乗用田植機の全体平面図。
【図3】 ボンネット9内に搭載したエンジンEの図面。
【図4】 左右の機体フレーム3・3の間に配置したベルト式無段変速ケース59と、クラッチケース58と、ミッションケース4の構成を示す平面図。
【図5】 同じく、ベルト式無段変速ケース59とミッションケース4とリアアクスルケース7の部分の側面図。
【図6】 リンク機構27と植付部15の部分を示す側面図。
【図7】 6条用の側条施肥機36の部分の平面図。
【図8】 6条用の側条施肥機36の部分の後面図。
【図9】 本発明の電子ガバナー機構付エンジン搭載乗用田植機の制御機構のブロック線図。
【図10】 電子ガバナー機構を示す正面断面図と側面図。
【図11】 本発明の電子ガバナー機構付エンジン搭載乗用田植機の制御応答図。
【図12】 乗用田植機のアイソクロノス制御と逆ドループ制御を示す図面。
【図13】 エンジンEの許容出力制御を示す図面。
【図14】 エコモード制御を示す図面。
【図15】 圃場端旋回の際のエンジン回転数の減速率を示す図面。
【図16】 エンジン始動時の燃料噴射量制御を示す図面。
【図17】 エンジン始動時のエアヒータ38の通電時間制御を示す図面。
【図18】 始動時の、アイドリング回転制御を示す図面。
【図19】 本発明の乗用田植機の植付昇降兼作業走行変速レバー30の操作ガイド板を示す平面図。
【図20】 本発明の乗用田植機の走行変速レバー29の操作ガイド板を示す図面。
【図21】 本発明の制御において、エンジンEの回転数を低下させたり、停止させる制御を説明する図面。
【符号の説明】
C コントローラ
E エンジン
G 電子ガバナー機構
P 燃料噴射ポンプ
1 アクセルレバー
2 燃料噴射量調節ラック
3 機体フレーム
4 ミッションケース
5 ラックアクチュエータ
6 前輪
7 リアアクスルケース
8 後輪
9 ボンネット
11 ラック位置センサー
12 回転数センサ
13 座席
14 操向ハンドル
29 走行変速レバー
30 植付昇降兼作業走行変速レバー
73 多板摩擦式型乾式クラッチ
Claims (1)
- 電子ガバナー機構G付きエンジンEを搭載した乗用田植機において、主クラッチぺダル32により多板摩擦式型乾式クラッチ73をOFFとし、又は、植付昇降兼作業走行変速レバー30により植付クラッチ機構をOFFとした場合には、主クラッチぺダル32のクラッチペダルスイッチ21と、植付昇降兼作業走行変速レバー30の位置センサ30aからの検出信号をコントローラCに送信し、該コントローラCから電子ガバナー機構Gに信号を送信し、ラックアクチュエータ5を操作して燃料噴射量調節ラック2を燃料噴射ポンプP内で摺動させ、主クラッチ機構のOFF動作と、植付クラッチ機構のOFF動作に連動して、エンジンEの回転数を徐々に低下させるべく制御し、また、走行変速レバー29をガイド溝52の苗継・肥料供給位置に操作し、主クラッチ機構である多板摩擦式型乾式クラッチ73をOFFとした場合には、走行変速レバー29の位置センサ29aからの検出信号をコントローラCに送信し、該コントローラCから電子ガバナー機構Gに信号を送信し、ラックアクチュエータ5を操作して燃料噴射量調節ラック2を燃料噴射ポンプP内で摺動させ、エンジンEの回転数を徐々に低下させ、最終的に機体を停止すべく制御することを特徴とする電子ガバナー機構付エンジン搭載乗用田植機。
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-
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