JPH021146Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、三列シートを有するワゴンタイプの
自動車のシート装置に関するものである。

（従来技術） この種、ワゴンタイプの自動車において、リヤ
シートのシートクツシヨンとシートバツクとを直
立状態に保持して、センタシート後方に大きなカ
ーゴルームを形成し得るようにしたものは知られ
ている（例えば、実開昭58−80332号公報参照）。
しかしながら、リヤシートを移動および変形させ
てカーゴルームを形成しつつ、該リヤシートをシ
ート装置の一部として有効に活用するようにした
ものは知られていない。

（考案の目的） 本考案は、上記課題を解決すべくなされたもの
で、その目的は、リヤシートのシートクツシヨン
を起立状態に保持することによつて、リヤシート
後方にカーゴルーム用スペースを形成すると同時
に、シートバツクを後傾させたセンタシートとリ
ヤシートのシートクツシヨンとでハーフベツドを
構成するとともに、リヤシートのシートバツクを
後方に水平保持することによつて前記カーゴルー
ム用スペースを上下に区画せんとし、所望によつ
ては、リヤシート配設部より後方全部をカーゴル
ーム用スペースとし得るようにすることにある。

（考案の構成） 本考案は、車室前方のフロントフロアに載置さ
れるフロントシートと、前記フロントフロア後方
のリヤフロアに載置され、シートクツシヨンに対
してシートバツクがリクライニング部材を介して
後傾自在に取付けられているセンタシートおよび
リヤシートとを備えた自動車において、前記リヤ
シートのシートクツシヨン後部を前記リヤフロア
に対してロツク部材を介して着脱自在とする一
方、前記リヤシートのシートクツシヨン前部に、
下端をリヤフロアに回動自在に取付けてなるリン
ク部材の上端を回動自在に取付けるとともに、車
室内壁には、前記センタシートのシートバツク後
傾時に該シートバツクの後端部からリヤシートの
シートクツシヨンを起立状態に保持する第１保持
部材と、該第１保持部材より後方にあつて、前記
リヤシートのシートクツシヨンが起立状態にある
とき、該リヤシートのシートバツクを後方へ水平
状態に保持する第２保持部材とを設け、しかも、
前記リヤシートは、そのシートクツシヨンを前記
リンク部材の前方への回動により起立させた状態
のもとに該シートクツシヨンに対してシートバツ
クを直立姿勢となした状態にて前記センタシート
のシートバツクに対して保持具を介して姿勢保持
され得る如くなし、リヤシートのシートクツシヨ
ンを起立状態に保持するとき、リヤシートの後方
にカーゴルーム用スペースを形成するとともに、
シートバツクを後傾させたセンタシートとリヤシ
ートのシートクツシヨンとでハーフベツドを構成
し得るようにし、更に、リヤシートのシートバツ
クによつて前記カーゴルーム用スペースを上下に
区画し得るようにし、しかも、所望によつては、
リヤシートのシートクツシヨンおよびシートバツ
クを直立姿勢状態となすことにより、リヤシート
配設部より後方全部をカーゴルーム用スペースと
し得るようにしたことを特徴としている。

（実施例） 以下、添付の図面を参照して、本考案の実施例
にかかる自動車のシート装置を説明する。

第１図には、三列シートを有するワゴンタイプ
の自動車の略図が示されており、この自動車にお
いては、エンジン１の上方となる車室前方に位置
するフロントフロア２に、フロントシート３が載
置され、該フロントフロア２後方のリヤフロア４
にはセンタシート５およびリヤシート６が載置さ
れている。

前記センタシート５およびリヤシート６は、乗
員が着座するシートクツシヨン５ａおよび６ａ
と、これらシートクツシヨン５ａおよび６ａに対
してそれぞれリクライニング部材７および８を介
して後傾自在に取付けられ、乗員の背もたれとな
るシートバツク５ｂおよび６ｂとによつてそれぞ
れ構成されている。

前記センタシート５のシートクツシヨン５ａ
は、リヤフロア４に固定されたスライド部材９に
対して前後方向に水平摺動可能とされている。

前記リヤシート６のシートクツシヨン６ａ後部
には、後部シート脚１０の上端が軸１１によつて
回動自在に取付けられている。

前記後部シート脚１０の下部には、リヤフロア
４側方のタイヤハウス１２後部に突設したロツク
ピン１３に係合して、後部シート脚１０の姿勢保
持を行なうロツク部材１４がピン１５によつて弧
回動自在に枢支されている。又、後部シート脚１
０には、ロツク部材１４をロツク解除方向に操作
するロツク解除レバー１６がピン１７によつて弧
回動自在に枢支されている。符号１８は後部シー
ト脚１０下端にロツクピン１３を嵌挿すべく形成
された凹部である（第４図および第５図参照）。

一方、前記リヤシート６のシートクツシヨン６
ａ前部には、前部シート脚となるリンク部材１９
の上端が軸２０によつて回動自在に取付けられて
いる。該リンク部材１９の下端は、リヤフロア４
に固着されたブラケツト２１に対して軸２２によ
つて回動自在に取付けられている。

しかして、リヤシート６のシートクツシヨン６
ａは、後部シート脚１０のロツクを解除した状態
において、軸２０を回転中心として前方に回転
し、センタシート５のシートバツク５ｂを後傾さ
せた時、該シートバツク５ｂの後端部から起立し
た状態をとり得るようになつている（第２図鎖線
図示）。このリヤシートシートクツシヨン６ａの
起立状態の保持は、車室内壁２３に突設された第
１保持部材となるロツクピン２４に対する後部シ
ート脚１０のロツク部材１４の係合によつて行な
われる（第５図参照）。該ロツクビン２４は、車
室内壁２３に形成された凹所２５に収納自在とさ
れている。

更に、リヤシート６のシートバツク６ｂは、シ
ートクツシヨン６ａの起立時において、後方へ水
平状態となるまで傾動され、該水平状態は、シー
トバツク６ｂ側面に設けたロツク部材２６と車室
内壁２３において前記ロツクピン２４より後方位
置に突設された第２保持部材となるロツクピン２
７との係合によつて保持されている（第２図鎖線
図示）。

上記の如くすると、起立状態のリヤシートシー
トクツシヨン６ａの後方に、シートバツク６ｂに
よつて上下に区画されたカーゴルーム用スペース
が形成されると同時に、センタシート５のシート
クツシヨン５ａとシートバツク５ｂとを着座面と
し且つリヤシート６のシートクツシヨン６ａを背
もたれ面とするハーフベツドが形成される。

なお、上記の如く、リヤシートシートバツク６
ｂを、リヤシートシートクツシヨン６ａの起立時
に後方へ水平状態となる如く傾動させるために
は、リクライニング部材８を第６図あるいは第７
図および第８図図示の如く構成する必要がある。

第６図図示のものにおいては、リクライニング
部材８におけるシートバツク６ｂに固定された腕
杆８ａ下端の半円周部分にギヤ２８を刻設してい
る。符号２９はギヤ２８と係合してシートクツシ
ヨン６ａとシートバツク６ｂとの角度を保持する
係止部材、３０は係止部材２９とギヤ２８との係
止を解除するレバーである。即ち、シートバツク
６ｂは、常態（実線図示）から約180度後方に傾
動して、鎖線図示の姿勢となるのである。

第７図および第８図図示のものにおいては、リ
クライニング部材８のシートバツク側の腕杆８ａ
が、シートバツク６ｂに固着されたピン３１とシ
ートバツク６ｂに対して係脱自在なロツクピン３
２とでシートバツク６ｂに取付けられている。従
つて、シートバツク６ｂは、リクライニング部材
８の作動によつてシートクツシヨンと略一直線と
なるまで後方に傾動された後、ロツクピン３２に
よるロツクを解除した状態でピン３１を回転中心
として更に約90度後方に傾動せしめられて、第７
図鎖線図示の姿勢となる。

又、本実施例の場合、車室後部に大きなカーゴ
ルーム用スペースを希望するときには、第３図図
示の如く、リヤシート６のシートクツシヨン６ａ
およびシートバツク６ｂを直立状態とすることも
できる。この時、シートバツク６ｂはセンタシー
ト５のシートバツク５ｂに対して保持具３３を介
して姿勢保持されている。

（考案の効果） 叙上の如く、本考案によれば、必要に応じて、
リヤシートのシートクツシヨンを後傾時における
センタシートのシートクツシヨン後端部より起立
せしめた状態で保持し且つリヤシートのシートバ
ツクを後方へ水平状態で保持するようにしたの
で、リヤシートの後方にそのシートバツクで上下
に区画されたカーゴルーム用スペースを形成する
と同時に、センタシートのシートクツシヨンおよ
びシートバツクを着座面とし、リヤシートのシー
トクツシヨンを背もたれ面とするハーフベツドを
形成することができることとなり、センタシート
およびリヤシートの有効活用により、車室内空間
を多角的に利用できるという実用的な効果があ
る。

又、リヤシートシートバツクをパツケージトレ
イとして利用することもできるという利点もあ
る。

更に、前記リヤシートは、そのシートクツシヨ
ンを前記リンク部材の前方への回動により起立さ
せた状態のもとに該シートクツシヨンに対してシ
ートバツクを直立姿勢となした状態にて前記セン
タシートのシートバツクに対して保持具を介して
姿勢保持され得る如くなしたので、リヤシート配
設部より後方全部を大きなカーゴルーム用スペー
スとして使用し得ることとなり、バリエーシヨン
に富むシート利用が可能となり、居住性も向上す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般のワゴンタイプの自動車のシート
装置を示す側面図、第２図および第３図は本考案
の実施例にかかる自動車のシート装置の側面図、
第４図は第２図における後部シート脚部分の詳細
図、第５図は第２図における第１保持部材部分の
詳細図、第６図は第２図におけるリヤシートのリ
クライニング部の一つの具体例を示す側面図、第
７図は同変形例を示す側面図、第８図は第７図の
Ａ−Ａ断面図である。 １……エンジン、２……フロントフロア、３…
…フロントシート、４……リヤフロア、５……セ
ンタシート、５ａ……センタシートのシートクツ
シヨン、５ｂ……センタシートのシートバツク、
６……リヤシート、６ａ……リヤシートのシート
クツシヨン、６ｂ……リヤシートのシートバツ
ク、７，８……リクライニング部材、１４……ロ
ツク部材、１９……リンク部材、２３……車室内
壁、２４……第１保持部材、２７……第２保持部
材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車室前方のフロントフロアに載置されるフロン
   トシートと、前記フロントフロア後方のリヤフロ
   アに載置され、シートクツシヨンに対してシート
   バツクがリクライニング部材を介して後傾自在に
   取付けられているセンタシートおよびリヤシート
   とを備えており、該リヤシートのシートクツシヨ
   ン後部はロツク部材によつてリヤフロアに対して
   着脱自在とされ、前記リヤシートのシートクツシ
   ヨン前部には、下端をリヤフロアに回動自在に取
   付けてなるリンク部材の上端が回動自在に取付け
   られていて、車室内壁には、前記センタシートの
   シートバツク後傾時に該シートバツクの後端部か
   らリヤシートのシートクツシヨンを起立状態に保
   持する第１保持部材と、該第１保持部材より後方
   にあつて、前記リヤシートのシートクツシヨンが
   起立状態にあるとき、該リヤシートのシートバツ
   クを後方へ水平状態に保持する第２保持部材とが
   設けられ、しかも、前記リヤシートは、そのシー
   トクツシヨンを前記リンク部材の前方への回動に
   より起立させた状態のもとに該シートクツシヨン
   に対してシートバツクを直立姿勢となした状態に
   て前記センタシートのシートバツクに対して保持
   具を介して姿勢保持されることを特徴とする自動
   車のシート装置。