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JP6212670B1 - アクティブ光ケーブル - Google Patents

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Abstract

本発明の一形態に係る光送信器として機能するコネクタ(2)は、3値のデータ信号を電流信号に変換する送信回路(6)と、電流信号を光信号に変換するLD(7)とを備え、送信回路(6)は、データ信号の値がハイレベルとローレベルとの間の予め定められたレンジに含まれている期間をIDLE区間として検出し、IDLE区間において電流信号の値をLD(7)の閾値電流以下に制御する。

Description

本発明は、データ信号を光信号に変換して送信する光送信器及び光送信方法に関する。また、そのような光送信器がコネクタに内蔵されたアクティブ光ケーブルに関する。
SAS(Serial Attached SCSI)2.0に従うシリアル通信では、データ転送を開始する前にOOB(Out Of Band)信号を用いたネゴシエーションが行われる。OOB信号は、値(電圧)がハイレベルとローレベルとを交互に取るDATA区間と、値(電圧)がハイレベルとローレベルとの間の中間レベルを取り続けるIDLE区間とからなるパターンを持つ。PCIe(PCI Express)3.0に従うシリアル通信でも、同様の信号を用いてネゴシエーションが行われる。PCIe3.0に従うシリアル通信において、ネゴシエーションの際に送受信される信号に含まれるIDLE区間は、EI区間(Electrical Idle)とも呼ばれる。
このようなシリアル通信は、従来、図15に示すメタルケーブル101を用いて行われていた。メタルケーブル101は、ケーブル104と、ケーブル104の両端に設けられたコネクタ102,103とを備えている。ケーブル104には、伝送媒体である金属線107が収容されており、コネクタ102,103には、AC結合用コンデンサ105,106が内蔵されている。このようなメタルケーブル101を用いれば、データ信号がOOB信号等(PCIe3.0におけるDATA区間とEI区間とからなるパターンを持つ信号など、SAS2.0におけるOOB信号と同様の信号を含む。以下、同様)であっても、一方のコネクタ102に入力されたデータ信号と同じ波形の電圧信号を他方のコネクタ103から出力することが可能である。
日本国公開特許公報「特開2000−232240号公報(公開日:2000年8月22日)」 日本国公開特許公報「特開2008− 98206号公報(公開日:2008年4月24日)」 日本国公開特許公報「特開2011−182108号公報(公開日:2011年9月15日)」 日本国公開特許公報「特開平8−222794(公開日:1996年8月30日)」 日本国公開特許公報「特開2013−255037(公開日:2013年12月19日)」
現在、SAS2.0やPCIe3.0などの規格に従うシリアル通信を、図16の(a)に示すアクティブ光ケーブル201を用いて行うことが検討されている。
アクティブ光ケーブル201は、ケーブル204と、ケーブル204の両端に設けられたコネクタ202,203とを備えている。ケーブル204には、伝送媒体である光ファイバ211が収容されている。コネクタ202には、AC結合用コンデンサ205と、送信回路206と、LD(Laser Diode)207とが内蔵されている。コネクタ203には、PD(Photo Diode)208と、受信回路209と、AC結合用コンデンサ210とが内蔵されている。送信回路206として利用可能な発光素子駆動回路としては、例えば、特許文献1〜2に記載のものが知られている。
SAS2.0やPCIe3.0などの規格に従うシリアル通信を、図16の(a)に示すアクティブ光ケーブル201を用いて行う場合、以下のような問題を生じる。すなわち、コネクタ202に入力されたデータ信号がOOB信号等である場合、コネクタ202に入力されたデータ信号と同じ波形の電圧信号をコネクタ203から出力することができない。なぜなら、IDLE区間においては、図16の(b)に示すように、コネクタ202に入力されるデータ信号の値(電圧)が中間レベルとなるため、図16の(c)に示すように、コネクタ202から出力される光信号の値(光強度)が不定となるからである。
なお、コネクタ202においてIDLE区間でLD207に入力する駆動電流の大きさを固定したとしても、コネクタ203においてIDLE区間でPD208から出力される光電流の大きさは不定である。なぜなら、LD207の電気光変換効率、及び、PD208の光電気変換効率は、温度変化等により変動し得るし、光ファイバ211の損失は、曲げ等により変動し得るからである。このため、コネクタ202に入力されるデータ信号の値が中間レベルを取り続けるIDLE区間を、閾値処理等によりコネクタ203側で正しく特定することができない。したがって、コネクタ202に入力されたデータ信号がOOB信号等である場合、コネクタ202に入力されたデータ信号と同じ波形の電圧信号をコネクタ203において再現することは困難である。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、データ信号を光信号に変換して送信する光送信器であって、データ信号におけるIDLE区間を光受信器が正しく特定することが可能な、光信号を送信する光送信器を実現することにある。また、そのような光送信器を用いることによって、OOB信号等の送受信を要するシリアル通信に用いることが可能なアクティブ光ケーブルを実現することにある。
なお、PON(Passive Optical Network)システムにおいては、(1)送信側のONU(Optical Network Unit)(アクティブ光ケーブル201におけるコネクタ202に相当)において、データ信号と共に外部から与えられたBEN(Burst ENable)信号(「送信イネーブル信号」とも呼ばれる)に応じてLDの駆動を停止し、(2)受信側のONU(アクティブ光ケーブル201のコネクタ203に相当)において、無信号区間(アクティブ光ケーブル201におけるIDLE区間に相当)を特定する。特許文献3には、このようなPONシステムに用いられるバースト型レーザ駆動回路が記載されている。しかしながら、特許文献3に記載のバースト型レーザ駆動回路を用いて上記の課題を解決することはできない。なぜなら、SAS2.0やPCIe3.0などのシリアル通信では、BEN信号に相当する信号が存在しないためである。
上記課題を解決するために、本発明に係る光送信器は、3値のデータ信号を電流信号に変換する送信回路と上記電流信号を光信号に変換する発光素子とを備えた光送信器であって、上記送信回路は、上記データ信号の値がハイレベルとローレベルとの間の予め定められたレンジに含まれている期間をIDLE区間として検出するIDLE検出回路を備えており、上記IDLE区間において上記電流信号の値を上記発光素子の閾値電流以下に制御する、ことを特徴とする。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る光送信方法は、3値のデータ信号を電流信号に変換する第1の変換工程と上記電流信号を光信号に変換する第2の変換工程と含んだ光送信方法であって、上記第1の変換工程は、上記データ信号の値がハイレベルとローレベルとの間の予め定められたレンジに含まれている期間をIDLE区間として検出する検出工程と、上記IDLE区間において上記電流信号の値を上記発光素子の閾値電流以下に制御する制御工程と含んでいる、ことを特徴とする。
なお、上記光送信器がコネクタに内蔵されたアクティブ光ケーブルも本発明の範疇に含まれる。
本発明によれば、データ信号におけるIDLE区間を光受信器が正しく特定することが可能な光信号を送信する光送信器を実現することができる。
(a)は、本発明の一実施形態に係る光送信器を備えたアクティブ光ケーブルの構成を示すブロック図である。(b)は、そのアクティブ光ケーブルのコネクタに入力されるデータ信号の波形図である。(c)は、そのコネクタから出力される光信号の波形図である。 図1のアクティブ光ケーブルが備える送信回路の構成例を示すブロック図である。 図2の送信回路の各部における電圧信号の波形図である。 図2の送信回路の各部における電流信号の波形図である。 図2の送信回路が備えるIDLE検出回路の構成例を示す回路図である。 図5のIDLE検出回路の各部における電圧信号の波形図である。 図2の送信回路が備える変調ドライバ及び補助ドライバの第1の構成例を示す回路図である。 図2の送信回路が備える変調ドライバ及び補助ドライバの第2の構成例を示す回路図である。 図2の送信回路が備える変調ドライバ及び補助ドライバの第3の構成例を示す回路図である。 図2の送信回路が備えるバイアス電流源の第1の構成例を示す回路図である。 図2の送信回路が備えるバイアス電流源の第2の構成例を示す回路図である。 図2の送信回路が備える補償電流源の第1の構成を示す回路図である。 図2の送信回路が備える補償電流源の第2の構成を示す回路図である。 図2の送信回路の変形例を示すブロック図である。 従来技術に係るメタルケーブルの構成を示すブロック図である。 (a)は、従来技術に係るアクティブ光ケーブルの構成を示すブロック図である。(b)は、そのアクティブ光ケーブルのコネクタに入力されるデータ信号の波形図である。(c)は、そのコネクタから出力される光信号の波形図である。 図5に示したIDLE検出回路の第1の変形例を示す回路図である。 図5に示したIDLE検出回路の第2の変形例を示す回路図である。 図18のIDLE検出回路の各部における電圧信号の波形図である。 図5に示したIDLE検出回路の第3の変形例を示す回路図である。 (a)は、図5に示したIDLE検出回路、及び、図18に示したIDLE検出回路が備えているローパスフィルタの代わりに利用可能なコンパレータの回路図である。(b)〜(d)は、そのコンパレータの各部における電圧信号の波形図である。
〔アクティブ光ケーブル〕
本発明の一実施形態に係る光送信器を備えたアクティブ光ケーブル1について、図1を参照して説明する。
図1の(a)は、アクティブ光ケーブル1の構成を示すブロック図である。アクティブ光ケーブル1は、図1の(a)に示すように、ケーブル4と、ケーブル4の両端に設けられた1対のコネクタ2,3とを備えている。ケーブル4には、光ファイバ11が収容されている。
コネクタ2は、AC結合用コンデンサ5と、送信回路6と、LD(Laser Diode)7とを備えており、データ信号(電圧信号)を光信号に変換して送信する光送信器として機能する。送信回路6は、AC結合用コンデンサ5を介して外部(例えば、ホスト装置)から入力されたデータ信号を電流信号に変換する。この電流信号は、LD7に供給される。LD7は、送信回路6から供給された電流信号を光信号に変換する。この光信号は、光ファイバ11を介してコネクタ3に送信される。
なお、アクティブ光ケーブル1において、送信回路6は、集積回路として実現されている。このため、図1(a)においては、送信回路6を「TX−IC」と表記している。ただし、送信回路6は、これに限定されず、ディスクリート回路として実現されていてもよい。また、AC結合用コンデンサ5は、省略してもよく、LD7は、発光ダイオードなどLD以外の発光素子に置き換えてもよい。
コネクタ3は、PD(Photo Diode)8と、受信回路9と、AC結合用コンデンサ10とを備えており、光信号をデータ信号に変換して出力する光受信器として機能する。PD8は、コネクタ2から送信された光信号を電流信号に変換する。この電流信号は、受信回路9に供給される。受信回路9は、PD8から供給された電流信号をデータ信号(電圧信号)に変換する。このデータ信号は、AC結合用コンデンサ10を介して外部(例えば、ホスト装置)に出力される。
なお、アクティブ光ケーブル1において、受信回路9は、集積回路として実現されている。このため、図1の(a)においては、受信回路9を「RX−IC」と表記している。ただし、受信回路9は、これに限定されず、ディスクリート回路として実現されていてもよい。また、AC結合用コンデンサ10は、省略してもよく、PD8は、フォトトランジスタなどPD以外の受光素子に置き換えてもよい。
図1の(b)は、コネクタ2に入力されるデータ信号の波形図である。コネクタ2に入力されるデータ信号は、図1(b)に示すように、値がハイレベルとローレベルとを交互に取るDATA区間と、値がハイレベルとローレベルとの間の中間レベルを取り続けるIDLE区間とを含む3値の電圧信号である。
コネクタ2に内蔵された送信回路6は、データ信号のIDLE区間を検出するIDLE検出回路61(図2参照)を備えており、以下のように動作する。すなわち、(1)IDLE区間外(DATA区間内)では、LD7に供給する電流信号の値(駆動電流の大きさ)をデータ信号の値と同じ論理値に制御し、(2)IDLE区間内では、LD7に供給する電流信号の値をLD7の閾値電流(発振開始電流)以下(本実施形態においては0[A])に制御する。
図1の(c)は、コネクタ2から出力される光信号の波形図である。コネクタ2から出力される光信号は、図1の(c)に示すように、IDLE区間外(DATA区間内)では、値がハイレベルとローレベルとを交互に取り、IDLE区間内では、値がオフレベルを取る。ここで、オフレベルは、ハイレベルともローレベルとも異なり、かつ、外的要因により殆ど変動することのないレベルである。このため、コネクタ3は、受信した光信号の値がオフレベルになる期間を特定することによって、コネクタ2に入力されたデータ信号のIDLE区間を正しく特定することができる。
なお、アクティブ光ケーブル1は、コネクタ2側からコネクタ3側へと光信号を送信する構成に加え、コネクタ3側からコネクタ2側へと光信号を送信する構成を更に備えていてもよい。この場合、(1)AC結合用コンデンサ5’、送信回路6’、及びLD7’(図示省略)がコネクタ3に内蔵され、(2)PD8’、受信回路9’、及びAC結合用コンデンサ10’がコネクタ2に内蔵され、(3)LD7’とPD8’とが光ファイバ11’(図示省略)で結ばれることになる。これにより、双方向通信が可能になる。
〔送信回路〕
上述した送信回路6について、図2〜図4を参照して説明する。図2は、送信回路6の構成例を示すブロック図である。図3の(a)〜(c)は、送信回路6の各部における電圧信号の波形図である。図4の(a)〜(f)は、送信回路6の各部における電流信号の波形図である。
送信回路6は、図2に示すように、IDLE検出回路61と、スケルチ回路62と、変調ドライバ63と、補助ドライバ64と、バイアス電流源65と、補償電流源66とを備えている。
IDLE検出回路61は、データ信号の値がハイレベルとローレベルとの間の予め定められたレンジに含まれている区間(時間帯)を、IDLE区間として検出する。より具体的には、データ信号の値が上記レンジの下限値以上である第1の区間を特定する第1のコンパレータと、データ信号の値が上記レンジの上限値以下である第2の区間を特定する第2のコンパレータとを備え、第1の区間と第2の区間との共通部分をIDLE区間として検出する。また、IDLE検出回路61は、IDLE区間を示すIDLE検出信号を生成する。ここで、IDLE検出回路61が生成するIDLE検出信号は、IDLE区間内で値がハイレベルとなり、IDLE区間外(DATA区間内)で値がローレベルとなる電圧信号である。例えば、データ信号の波形(点Qにおける電位の時間変化)が図3の(a)のようである場合、IDLE検出信号の波形(点Rにおける電位の時間変化)は図3の(b)のようになる。IDLE検出回路61にて生成されたIDLE検出信号は、スケルチ回路62及び補助ドライバ64に入力される。IDLE検出回路61の構成例については、参照する図面を代えて後述する。
なお、データ信号は、AC結合用コンデンサ5を介して送信回路6に入力される。図3の(a)に示すデータ信号の中間レベルが送信回路6の電源電圧VDDに一致しているのは、このためである。
スケルチ回路62は、IDLE検出信号を参照してIDLE区間を特定する。また、スケルチ回路62は、IDLE区間において、データ信号の値をローレベルに補正する。すなわち、スケルチ回路62は、IDLE区間内では、補正前のデータ信号の値に依らずに、ローレベルを補正後のデータ信号の値として出力し、IDLE区間外(データ区間内)では、補正前のデータ信号の値を補正後のデータ信号の値として出力する。補正前のデータ信号の波形が図3の(a)のようであり、IDLE検出信号の波形が図3の(b)のようである場合、補正後のデータ信号の波形(点Sにおける電位の時間変化)は図3の(c)のようになる。スケルチ回路62にて補正されたデータ信号は、変調ドライバ63に入力される。スケルチ回路62にて補正されたデータ信号のことを、以下、「補正後データ信号」と記載する。
変調ドライバ63は、補正後データ信号の値に応じた大きさの変調電流Aをバイアス電流源65から引き込むことによって、バイアス電流源65から供給されるバイアス電流Cを補正後データ信号で変調する。より具体的には、(1)補正後データ信号の値がローレベルであれば、予め定められた大きさ(IM[A])の変調電流Aをバイアス電流源65から引き込み、(2)補正後データ信号の値がハイレベルであれば、変調電流Aの引き込みを休止する。補正後データ信号の波形が図3の(c)のようになる場合、変調電流Aの大きさの時間変化は、図4の(a)のようになる。変調ドライバ63の構成例については、参照する図面を代えて後述する。
補助ドライバ64は、IDLE検出信号を参照してIDLE区間を特定する。また、補助ドライバ64は、IDLE区間において、予め定められた大きさ(IS[A])の補助電流Bをバイアス電流源65から引き込む。IDLE区間で補助ドライバ64が引き込む補助電流Bの大きさISは、IM+IS>IBを満たすように、IS=IB−IM+αに設定されている。ここで、(1)IMは、IDLE区間で変調ドライバ63が引き込む変調電流Aの大きさであり、(2)IBは、バイアス電流源65が出力するバイアス電流Cの大きさであり、(3)αは、正の定数である。IDLE検出信号の波形が図3の(b)のようである場合、補助電流Bの大きさの時間変化は、図4の(b)のようになる。したがって、変調電流Aと補助電流Bとを合わせた合成電流A+Bの大きさの時間変化は、図4の(c)のようになる。補助ドライバ64の構成例については、参照する図面を代えて後述する。
バイアス電流源65は、予め定められた大きさ(IB[A])のバイアス電流Cを出力する。バイアス電流Cの大きさの時間変化は、図4の(d)のようになる。上述したように、バイアス電流源65が出力するバイアス電流Cの一部分は、変調電流A及び補助電流Bとして、変調ドライバ63及び補助ドライバ64に引き込まれる。バイアス電流源65が出力するバイアス電流Cの残りの部分は、駆動電流Eとして、出力端子OUTを介してLD7に供給される。すなわち、LD7には、バイアス電流Cと変調電流Aとの差から補助電流Bを引いた駆動電流Eが供給される。
なお、バイアス電流源65は、例えば、図2に示すように、一端が電源(電圧VDD)に接続され、他端が出力端子OUTに接続された直流電流源によって構成することができる。バイアス電流源65の他の構成例については、参照する図面を代えて後述する。
補償電流源66は、合成電流A+B(IDLE区間では変調電流Aの大きさはIM[A])の大きさがバイアス電流Cの大きさを上回ったときに、バイアス電流Cの不足を補う補償電流Dを補助ドライバ64に供給する。合成電流A+Bの大きさの時間変化が図4の(c)のようであり、バイアス電流Cの大きさの時間変化が図4の(d)のようである場合、補償電流Dの大きさの時間変化は図4の(e)のようになる。すなわち、補償電流源66は、IDLE区間において、IM+IS−IB=α[A]の補償電流Dを出力する。したがって、出力端子OUTを介してLD7に供給される駆動電流Eの大きさの時間変化は図4の(f)のようになる。
補償電流源66が存在していない場合、IDLE区間において、バイアス電流Cが不足する(IM+IS>IB)ので、バイアス電流源65が予め定められた大きさIB[A]以上の電流を出力しようとする。そうすると、出力端子OUTの電圧降下が生じ、その結果として、変調ドライバ63及び補助ドライバ64の動作に支障を来すことがある。一方、補償電流源66が存在している場合、IDLE区間において、この不足を補償電流Dが補う(IM+IS=IB+α)ので、出力端子OUTを介して電流が送信回路6の外部から内部へと流れ込むことがない。このため、出力端子OUTの電圧降下により、変調ドライバ63及び補助ドライバ64の動作に支障を来すことがない。
補償電流源66は、例えば、図2に示すように、アノード端子がクランプ電源(電圧Vcramp)に接続され、カソード端子が出力端子OUTに接続されたダイオード(ダイオードクランプ)によって構成することができる。補償電流源66の他の構成例については、参照する図面を代えて後述する。
上記の構成を採用することによって、コネクタ2に入力されたデータ信号のIDLE区間の始点において速やかにLD7を消灯し、コネクタ2に入力されたデータ信号のIDLE区間の終点において速やかにLD7を点灯することができる。特に、IDLE区間の始点/終点からLD7の消灯/点灯までの遅延時間は、バイアス電流の遮断/遮断解除によりLD7を消灯/点灯する場合と比べて短くなる。
本実施形態に係るアクティブ光ケーブル1によれば、図4の(f)に示すように、IDLE区間においてLD7に流入する駆動電流Eの大きさを0[A]にすることができる。すなわち、IDLE区間においてLD7を消灯することができる。しかも、本実施形態に係るアクティブ光ケーブル1においては、IDLE区間においてLD7に流入する駆動電流Eの大きさを0[A]にする制御を、補助ドライバ64を用いて実現している。このため、IDLE区間の始点/終点からLD7の消灯/点灯までの遅延時間を、変調ドライバ63及びバイアス電流源65への電力供給を停止/再開することによりLD7を消灯/点灯する場合と比べて短くすることができる。例えば、図7〜図9に示すように補助ドライバ64を構成した場合、IDLE区間の始点/終点からLD7の消灯/点灯までの遅延時間は、5n秒以下になる。これは、変調ドライバ63及びバイアス電流源65への電力供給を停止/再開することによりLD7を消灯/点灯する場合の遅延時間(30n秒以上)の1/6以下である。
なお、本実施形態においては、IDLE区間においてLD7から流出する駆動電流Eの大きさを0[A]にする構成を例示しているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、IDLE区間においてLD7から流出する電流の大きさはLD7の閾値電流(発振開始電流)以下に制御すればよく、0[A]に制御することを要さない。この場合でも、IDLE区間においてLD7を消灯する(微発光状態にする態様を含む)ことができる。
また、本実施形態においては、補助電流Bの大きさISをIM+IS>IBを満たすように設定するものとしたが、本発明は、これに限定されない。例えば、補助電流Bの大きさISをIM+IS=IBを満たすように設定してもよい。この場合にも、IDLE区間においてLD7に供給される駆動電流Eは0[A]となる。また、この場合には、IDLE区間におけるバイアス電流Cの不足が生じないので、補償電流源66を省略することができる。
なお、特許文献4には、(1)電流駆動部から出力される電流信号ΔIaと補償器から出力される電流信号ΔIbとを加算し、(2)得られた和信号ΔI2=ΔIa+ΔIbと誤差増幅器から出力される電流信号ΔI1とを加算し、(3)得られた和信号ΔI1+ΔI2を電流増幅器を介してLDに供給する半導体レーザ制御装置が開示されている。しかしながら、補償器から出力される電流信号ΔIbは、電流駆動部から出力される電流信号ΔIaの立ち上がり/立ち下がりエッジの鈍りをキャンセルするための微分電流信号であり、和信号ΔIa+ΔIbの値を特定の区間(例えば、IDLE区間)に亘って0にするためのものではない。また、誤差増幅器から出力される電流信号ΔI1は、モニタ信号Imと発光指令信号Isigとの差を表す電流信号であり、和信号ΔI1+ΔI2の値を特定の区間に亘って0にするためのものではない。したがって、特許文献4に記載の半導体レーザ制御装置は、本実施形態に係る送信回路6が備える補助ドライバ64(補助電流Bをバイアス電流源65から引き込むことによって、駆動電流Eの値をIDLE区間に亘って0にする)に相当する構成を備えていない。
なお、IDLE検出回路61は、例えば特許文献5に記載の信号検出回路のように、ピークホールド回路により実現することも可能である。具体的には、特許文献5に記載の比較器における基準電圧を、データ信号の中間レベルより大きく、かつ、データ信号のハイレベルより小さい値に設定すればよい。ただし、この場合、DATA区間において同一の値が連続するビットパターンをIDLE区間として誤検出しないように、ピークホールド回路の放電時定数を十分に長く設定することが必要になる。その結果、IDLE検出回路61の応答速度が低下し、SAS2.0やPCIe3.0などの規格で求められる応答速度を達成することが困難になる。
〔IDLE検出回路の構成例〕
上述したIDLE検出回路61の構成例について、図5〜図6を参照して説明する。図5は、IDLE検出回路61の構成例を示す回路図である。図6は、図5に示すIDLE検出回路61の各部における電圧信号の波形図である。
上述したとおり、IDLE検出回路61は、データ信号の値がハイレベルとローレベルとの間の予め定められたレンジに含まれている区間を検出する機能を有する。図5に示すIDLE検出回路61は、第1のコンパレータComp1と、第2のコンパレータComp2と、ANDゲートAND1と、ローパスフィルタLPF1とにより、このような機能を実現する。
第1のコンパレータComp1の非反転入力端子には、データ信号が正相で入力され、第1のコンパレータComp1の反転入力端子には、基準電圧V0が入力される。第1のコンパレータComp1は、正相のデータ信号の値と基準電圧V0とを比較し、比較結果を示す電圧信号を生成する。ここで、基準電圧V0は、上記レンジの下限値に設定されている。正相のデータ信号の波形は、図6(a)のようになり、第1のコンパレータComp1で生成された電圧信号の波形は、図6(b)のようになる。第1のコンパレータComp1で生成された電圧信号は、ANDゲートAND1に入力される。
第2のコンパレータComp2の非反転入力端子には、データ信号が逆相で入力され、第2のコンパレータComp2の反転入力端子には、基準電圧V0が入力される。第2のコンパレータComp2は、逆相のデータ信号の値と基準電圧V0とを比較し、比較結果を示す電圧信号を生成する。逆相のデータ信号の波形は、図6(c)のようになり、第2のコンパレータComp2で生成された電圧信号の波形は、図6(d)のようになる。第2のコンパレータComp2で生成された電圧信号は、ANDゲートAND1に入力される。
ANDゲートAND1は、第1のコンパレータComp1で生成された電圧信号と第2のコンパレータComp2で生成された電圧信号とを参照し、第1のコンパレータComp1での比較結果と第2のコンパレータComp2での比較結果との論理積を示す電圧信号を生成する。ANDゲートAND1で生成された電圧信号の波形は、図6(e)のようになる。ANDゲートAND1で生成された電圧信号は、ローパスフィルタLPF1に入力される。
ローパスフィルタLPF1は、ANDゲートAND1で生成された電圧信号を平滑化する。すなわち、ANDゲートAND1で生成された電圧信号に含まれる、論理切り替え時のノイズを除去する。ローパスフィルタLPF1で平滑化された電圧信号の波形は、図6(f)のようになる。すなわち、ローパスフィルタLPF1で平滑化された電圧信号は、IDLE区間内(DATA区間外)で値がハイレベルとなり、IDLE区間外で値がローレベルとなる電圧信号となる。ローパスフィルタLPF1で平滑化された電圧信号は、IDLE検出信号として外部(スケルチ回路62及び補助ドライバ64)に出力される。
なお、スケルチ回路62及び補助ドライバ64は、IDLE区間内でハイレベルとなるIDLE検出信号を参照して動作するように構成することも、IDLE区間外でハイレベルとなるIDLE検出信号を参照して動作するように構成することもできる。後者のIDLE検出信号を参照して動作するようにスケルチ回路62及び補助ドライバ64を構成する場合には、例えば、以下の構成を採用すればよい。すなわち、IDLE検出回路61から出力されたIDLE検出信号を、反転アンプを介してスケルチ回路62及び補助ドライバ64に入力する構成を採用すればよい。
上記の構成を採用することによって、コネクタ2に入力されたデータ信号のIDLE区間を正確に特定すること、及び、特定したIDLE区間の始点及び終点にエッジを有するIDLE検出信号を高速に生成することが可能なIDLE検出回路61を実現することができる。
なお、ここでは、ANDゲートAND1の後段にローパスフィルタLPF1を設ける構成を採用しているが、IDLE検出回路61の構成は、これに限定されない。すなわち、ANDゲートAND1の動作周波数が遅く、ANDゲートAND1で生成される電圧信号に論理切り替え時のスパイクノイズが含まれない場合には、ANDゲートAND1を省略しても構わない(後述する第1の変形例を参照されたい)。また、ここでは、正相のデータ信号及び逆相のデータ信号の各々を単一の基準電圧V0と比較する構成を採用しているが、IDLE検出回路61の構成は、これに限定されない。すなわち、2つの基準電圧源の使用が許される場合には、正相又は逆相のデータ信号を2つの基準電圧V0a,V0bの各々と比較する構成を採用しても構わない(後述する第2の変形例及び第3の変形例を参照されたい)。これらの変形例については、参照する図面を代えて後述する。
〔変調ドライバ及び補助ドライバの構成例〕
上述した変調ドライバ63及び補助ドライバ64の構成例について、図7〜図9を参照して説明する。
図7は、変調ドライバ63及び補助ドライバ64の第1の構成例を示す回路図である。
変調ドライバ63は、図7に示すように、一対のトランジスタ(npnトランジスタ)Tr1,Tr2と、直流電流源DC1とにより構成することができる。トランジスタTr1は、コレクタ端子が出力点OUTに接続され、ベース端子が入力点IN1_Nに接続され、エミッタ端子がトランジスタTr2のエミッタ端子に接続される。一方、トランジスタTr2は、コレクタ端子が電源(電源電圧VDD)に接続され、ベース端子が入力点IN1_Pに接続され、エミッタ端子がトランジスタTr1のエミッタ端子に接続される。トランジスタTr1のエミッタ端子とトランジスタTr2のエミッタ端子との中間点は、直流電流源DC1を介して接地される。直流電流源DC1の電流値は、外部からの設定が可能である。
変調ドライバ63の入力点IN1_Pには、データ信号が正相で入力され、変調ドライバ63の入力点IN1_Nには、データ信号が逆相で入力される。変調ドライバ63は、データ信号の値がローレベルであれば、予め定められた大きさ(IM[A])の変調電流Aを出力点OUTから引き込み、(2)データ信号の値がハイレベルであれば、出力点OUTからの変調電流Aの引き込みを休止する。
補助ドライバ64は、図7に示すように、一対のトランジスタ(npnトランジスタ)Tr3,Tr4と、直流電流源DC2とにより構成することができる。補助ドライバ64の構成は、変調ドライバ63の構成と同様なので、ここではその説明を割愛する。
補助ドライバ64の入力点IN2_Pには、IDLE検出信号が逆相で入力され、補助ドライバ64の入力点IN2_Nには、IDLE検出信号が正相で入力される。このとき、補助ドライバ64は、(1)IDLE検出信号の値がハイレベルであれば、予め定められた大きさ(IS[A])の補助電流Bを出力点OUTから引き込み、(2)IDLE検出信号の値がローレベルであれば、出力点OUTからの変調電流Aの引き込みを休止する。
なお、本構成例においては、変調ドライバ63及び補助ドライバ64を構成するトランジスタT1〜Tr4としてnpnトランジスタを用いているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、変調ドライバ63及び補助ドライバ64を構成するトランジスタT1〜Tr4としてNMOSトランジスタを用いてもよい。
図8は、変調ドライバ63及び補助ドライバ64の第2の構成例を示す回路図である。
図8に示す変調ドライバ63は、図7に示す変調ドライバ63をメインドライバとして、その前段に、データ信号を増幅するプリドライバを付加したものである。メインドライバは、プリドライバにより増幅されたデータ信号を電流信号に変換する。
差動増幅回路は、データ信号を差動増幅するための回路であり、1対の抵抗R1,R2と、1対のトランジスタ(npnトランジスタ)Tr9,Tr10と、直流電流源DC7とにより構成されている。トランジスタTr9は、コレクタ端子が抵抗R1を介して電源(電圧VDD)に接続され、ベース端子が入力点IN1_Nに接続され、エミッタ端子がトランジスタTr10のエミッタ端子に接続される。一方、トランジスタTr10は、コレクタ端子が抵抗R2を介して電源(電圧VDD)に接続され、ベース端子が入力点IN1_Pに接続され、エミッタ端子がトランジスタTr9のエミッタ端子に接続される。トランジスタTr9のエミッタ端子とトランジスタTr10のエミッタ端子との中間点は、直流電流源DC7を介して接地される。
エミッタフォロワ回路は、プリドライバの出力インピーダンスをメインドライバの入力インピーダンスよりも低くするための回路であり、1対のトランジスタ(npnトランジスタ)Tr5,Tr6と、1対の直流電流源DC3,DC4とにより構成されている。トランジスタTr5は、コレクタ端子が電源(電圧VDD)に接続され、ベース端子が差動増幅回路の一方の出力点(トランジスタTr9のコレクタ端子)に接続され、エミッタ端子が直流電流源DC3を介して接地されている。このトランジスタTr5のエミッタ電圧が、正相のデータ信号として、メインドライバを構成するトランジスタTr2のベース端子に入力される。一方、トランジスタTr6は、コレクタ端子が電源(電圧VDD)に接続され、ベース端子が差動増幅回路の他方の出力点(トランジスタTr10のコレクタ端子)に接続され、エミッタ端子が直流電流源DC4を介して接地されている。このトランジスタTr6のエミッタ電圧が、逆相のデータ信号として、メインドライバを構成するトランジスタTr1のベース端子に入力される。
図8に示す補助ドライバ64は、図7に示す補助ドライバ64をメインドライバとして、その前段に、IDLE検出信号を増幅するプリドライバを付加したものである。メインドライバは、プリドライバにより増幅されたIDLE検出信号を電流信号に変換する。補助ドライバ64に付加されたプリドライバの構成は、変調ドライバ63に付加されたプリドライバの構成と同様なので、ここではその説明を割愛する。
なお、本構成例においては、変調ドライバ63及び補助ドライバ64を構成するトランジスタT1〜Tr12としてnpnトランジスタを用いているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、変調ドライバ63及び補助ドライバ64を構成するT1〜Tr12としてNMOSトランジスタを用いてもよい。
図9は、変調ドライバ63及び補助ドライバ64の第3の構成例を示す回路図である。
図9に示す変調ドライバ63は、図8に示す変調ドライバ63に、プリドライバの出力電圧を安定化させる安定化回路X1を付加したものである。
安定化回路X1は、トランジスタ(PMOSトランジスタ)M1と、プリドライバの出力電圧に応じてトランジスタM1における電圧降下量を制御する電圧降下量制御回路とを備えている。
トランジスタM1のソース端子は、電源(電圧VDD)に接続され、トランジスタM1のドレイン端子は、プリドライバの差動増幅回路を構成するトランジスタTr9,Tr10のコレクタ端子に抵抗R1,R2を介して接続されている。トランジスタM1は、電圧降下量可変な電圧降下器として機能する。
電圧降下量制御回路は、抵抗値が同じ1対の抵抗R1,R2と、オペアンプOP1とにより構成されている。抵抗R1,R2は、プリドライバのエミッタフォロワ回路を構成するトランジスタTr5,Tr6のエミッタ端子の間に直列に接続されている。また、抵抗R1,R2の中間点の電圧は、トランジスタTr5,Tr6のエミッタ電圧の平均値(以下、「平均エミッタ電圧」と記載)に一致する。オペアンプOP1の非反転入力端子は、抵抗R1,R2の中間点に接続されており、オペアンプOP1の非反転入力端子には、トランジスタTr5,Tr6の平均エミッタ電圧が入力される。一方、オペアンプOP1の反転入力端子には、予め定められた基準電圧V1が入力される。オペアンプOP1の出力端子は、トランジスタM1のゲート端子に接続されている。
プリドライバの出力電圧、すなわち、トランジスタTr5,Tr6の平均エミッタ電圧が基準電圧V1を上回ると、安定化回路X1は、以下のように動作する。すなわち、オペアンプOP1の出力電圧が上昇し、その結果、トランジスタM1のゲート電圧が上昇する。そうすると、トランジスタM1のソース−ドレイン間抵抗が大きくなり、その結果、トランジスタM1における電圧降下量が大きくなる。これにより、プリドライバに印加される電圧が小さくなり、その結果、プリドライバの出力電圧が低下する。この動作は、トランジスタTr5,Tr6の平均エミッタ電圧が基準電圧V1と一致するまで続く。
逆に、プリドライバの出力電圧、すなわち、トランジスタTr5,Tr6の平均エミッタ電圧が基準電圧V1を下回ると、安定化回路X1は、以下のように動作する。すなわち、オペアンプOP1の出力電圧が低下し、その結果、トランジスタM1のゲート電圧が上昇する。そうすると、トランジスタM1のソース−ドレイン間抵抗が小さくなり、その結果、トランジスタM1における電圧降下量が小さくなる。これにより、プリドライバに印加される電圧が大きくなり、その結果、プリドライバの出力電圧が上昇する。この動作は、トランジスタTr5,Tr6の平均エミッタ電圧が基準電圧V1と一致するまで続く。
プリドライバの電源電圧の変動に応じてプリドライバの出力電圧が変動する場合、メインドライバを構成する各素子の動作条件が破たんすることを防ぐために、プリドライバの電源電圧の変動範囲に厳しい条件を課す必要がある。安定化回路X1を付加すれば、プリドライバの電源電圧の変動に応じてプリドライバの出力電圧が変動しなくなるので、プリドライバの電源電圧の変動範囲に厳しい条件を課す必要がなくなる。
図9に示す補助ドライバ64は、図8に示す補助ドライバ64に、プリドライバの出力電圧を安定化させるプリドライバ安定化回路X2を付加したものである。補助ドライバ64に付加された安定化回路X2の構成は、変調ドライバ63に付加された安定化回路X1の構成と同様なので、ここではその説明を割愛する。
なお、本構成例においては、安定化回路X1,X2を構成するトランジスタM1,M2としてPMOSトランジスタを用いているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、安定化回路X1,X2を構成するトランジスタとしてpnpトランジスタを用いてもよい。
〔バイアス電流源の構成例〕
上述したバイアス電流源65の構成例について、図10〜図11を参照して説明する。
図10は、バイアス電流源65の第1の構成例を示す回路図である。
バイアス電流源65は、図10に示すように、1対のトランジスタ(PMOSトランジスタ)M3,M4と、直流電流源DC9とにより構成することができる。
トランジスタM3のソース端子は、電源(電圧VDD)に接続されている。トランジスタM4のソース端子は、電源(電圧VDD)に接続され、トランジスタM4のドレイン端子は、トランジスタM4のゲート端子に接続されると共に、トランジスタM3のゲート端子に接続されている。すなわち、トランジスタM3,M4は、トランジスタM4のドレイン端子を入力点とし、トランジスタM3のドレイン端子を出力点とするカレントミラー回路を構成する。
トランジスタM3,M4のサイズは、このカレントミラー回路の出力点から流出する電流Cの大きさが、このカレントミラー回路の入力点から流出する電流C’の大きさのN倍となるように設定されている。したがって、このカレントミラー回路の入力点にIB/N[A]の電流C’を流す直流電流源DC9を接続すれば、このカレントミラー回路の出力点からIB[A]の電流Cを取り出すことができる。
なお、本構成例においては、バイアス電流源65を構成するトランジスタM3,M4としてPMOSトランジスタを用いているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、バイアス電流源65を構成するトランジスタM3,M4としてpnpトランジスタを用いてもよい。ただし、トランジスタM3,M4の種類は一致させる。すなわち、トランジスタM3としてPMOSトランジスタを用いるときは、トランジスタM4としてPMOSトランジスタを用い、トランジスタM3としてpnpトランジスタを用いるときには、トランジスタM4としてpnpトランジスタを用いる。
図11は、バイアス電流源65の第2の構成例を示す回路図である。
バイアス電流源65は、図11に示すように、オペアンプOP3と、トランジスタ(PMOSトランジスタ)M5と、1対の抵抗R5,R6と、直流電流源DC10とにより構成することができる。
オペアンプOP3の非反転入力端子は、抵抗R6を介して電源(電圧VDD)に接続されている。また、オペアンプOP3の反転入力端子は、R5を介して電源(電圧VDD)に接続されると共に、トランジスタM5のソース端子に接続されている。また、オペアンプOP3の出力端子は、トランジスタM5のゲート端子に接続されている。すなわち、オペアンプOP3、トランジスタM5、及び抵抗R5,R6は、オペアンプOP3の非反転入力端子を入力点とし、トランジスタM5のドレイン端子を出力点とするカレントミラー回路を構成する。
抵抗R5,R6の抵抗値は、このカレントミラー回路の出力点から流出する電流Cの大きさが、このカレントミラー回路の入力点から流出する電流C’の大きさのN倍となるように設定されている。すなわち、抵抗R5,R6の抵抗値は、R5:R6=1:Nとなるように設定されている。したがって、このカレントミラー回路の入力点にIB/N[A]の電流C’を流す直流電流源DC10を接続すれば、このカレントミラー回路の出力点からIB[A]の電流を取り出すことができる。
なお、本構成例においては、バイアス電流源65を構成するトランジスタM5としてPMOSトランジスタを用いているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、バイアス電流源65を構成するトランジスタM5としてpnpトランジスタを用いてもよい。
また、送信回路6は、(1)図10のように構成されたバイアス電流源65のみを備えていてもよいし、(2)図11のように構成されたバイアス電流源65のみを備えていてもよいし、(3)図10のように構成されたバイアス電流源65と図11のように構成されたバイアス電流源65との両方を備え、何れのバイアス電流源65を使用するかを切り替え可能に構成されていてもよい。SAS2.0で定められたOOB信号等の間欠信号の送信には、図10のように構成されたバイアス電流源65の使用が適している。図10のように構成されたバイアス電流源65は、電源(電圧VDD)の変動に対して電流比が変動しやすい傾向を有する反面、LD7のバイアス電圧の急激な変動には強く、IDLE区間からDATA区間への遷移に対して応答時間が短いからである。一方、InfiniBand規格等において定められた連続信号の送信には、図11のように構成されたバイアス電流源65の使用が適している。図11のように構成されたバイアス電流源65は、電源(電圧VDD)の変動に対して電流比が変動しにくい傾向を有する反面、LD7のバイアス電圧の急激な変動に弱く、IDLE区間からDATA区間への遷移に対する応答時間が長いからである。したがって、使用するバイアス電流源を送信するデータ信号のタイプに適した方に切り替える構成を採用すれば、間欠信号の送信にも連続信号の送信にも適した送信回路6を実現することができる。
〔補償電流源の構成例〕
上述した補償電流源66の構成例について、図12〜図13を参照して説明する。
図12は、補償電流源66の第1の構成例を示す回路図である。
補償電流源66は、図12に示すように、トランジスタ(npnトランジスタ)Tr13により構成することができる。
トランジスタTr13のコレクタ端子は、電源(電圧VDD)に接続され、トランジスタTr13のベース端子は、クランプ電源(電圧Vcramp)に接続されている。
この補償電流源66は、Vth=Vcramp−VBE(トランジスタTr13のベース−エミッタ間電圧)を閾値電圧として、トランジスタTr13のエミッタ電圧が閾値電圧Vthを下回ったときに、補償電流Dを出力する。
なお、本構成例においては、補償電流源66を構成するトランジスタTr13としてPnpnトランジスタを用いているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、補償電流源66を構成するトランジスタTr13としてNMOSトランジスタを用いてもよい。
図13は、補償電流源66の第2の構成を示す回路図である。
図13に示す補償電流源66は、図12に示す補償電流源66にオペアンプOP4を追加したものである。
オペアンプOP4は、ボルテージフォロワ回路を構成するよう、非反転入力端子と出力端子とが直結されている。オペアンプOP4の反転入力端子は、クランプ電源(電圧Vcramp)に接続され、オペアンプOP4の出力端子は、トランジスタTr13のベース端子に接続されている。
この補償電流源66も、Vth=Vcramp−VBE(トランジスタTr13のベース−エミッタ間電圧)を閾値電圧として、トランジスタTr13のエミッタ電圧が閾値電圧Vthを下回ったときに、補償電流Dを出力する。
〔送信回路及びLDの変形例〕
本実施形態に係るアクティブ光ケーブル1においては、図2に示す送信回路6及びLD7を、図14に示す送信回路16及びLD17に置き換えることが可能である。
ここで、図2に示すLD7は、VCSEL(Vertical Cavity Emitting Laser)など、流入する駆動電流の大きさを変化させることによって発光量を制御することが可能なLDであり、同図に示す送信回路6は、このようなLDに適した送信回路である。同図に示す送信回路6は、流入する駆動電流の大きさを変化させることによって発光量を制御することが可能な発光素子であれば、LDに限らず、どのような発光素子であっても光源として利用することが可能である。一方、図14に示すLD17は、DFB−LD(Distributed Feedback Laser Diode)やFP−LD(Fabry Perot Laser Diode)など、流出する駆動電流の大きさを変化させることによって発光量を制御することが可能なLDであり、同図に示す送信回路16は、このようなLDに適した送信回路である。同図に示す送信回路16は、流入する駆動電流の大きさを変化させることによって発光量を制御することが可能な発光素子であれば、LDに限らず、どのような発光素子であっても光源として利用することが可能である。
以下、本変形例に係る送信回路16の構成について、図14を参照して説明する。図14は、本変形例に係る送信回路16の構成を示すブロック図である。
本変形例に係る送信回路16は、図14に示すように、IDLE検出回路161と、スケルチ回路162と、変調ドライバ163と、補助ドライバ164と、バイアス電流源165と、補償電流源166とを備えている。
本変形例に係る送信回路16が備えているIDLE検出回路161及びスケルチ回路162の機能は、図2に示す送信回路6が備えているIDLE検出回路61及びスケルチ回路62の機能と同様であるため、ここではその説明を省略する。以下、本変形例に係る送信回路16が備えている変調ドライバ163、補助ドライバ164、バイアス電流源165、及び補償電流源166の各々について、以下、その機能を説明する。
変調ドライバ163は、スケルチ回路162にて得られた補正後データ信号の値に応じた大きさの変調電流Aを吸い込む。より具体的には、(1)補正後データ信号の値がハイレベルであれば、予め定められた大きさ(IM[A])の変調電流Aを吸い込み、(2)補正後データ信号の値がローレベルであれば、変調電流Aの吸い込みを休止する。
補助ドライバ164は、IDLE検出回路161にて得られたIDLE検出信号を参照してIDLE区間を特定する。また、補助ドライバ164は、IDLE区間において、予め定められた大きさ(IS[A])の補助電流Bを吐き出す。IDLE区間で補助ドライバ164が吐き出す補助電流Bの大きさISは、IS>IB(バイアス電流源165が吸い込むバイアス電流Cの大きさ)を満たすように、IS=IB+α(αは正の定数)に設定されている。
バイアス電流源165は、予め定められた大きさ(IB[A])のバイアス電流Cを吸い込む。なお、バイアス電流源165は、例えば、図14に示すように、一端が出力端子OUTに接続され、他端が接地された直流電流源によって構成することができる。
補償電流源166は、補助電流Bの大きさから変調電流A(IDLE区間では0[A])の大きさを引いた差がバイアス電流Cの大きさを上回ったときに、バイアス電流Cの不足を補う補償電流Dを吸い込む。IDLE区間で補償電流源166が吸い込む補償電流Dの大きさは、IS−IB=α[A]となる。なお、補償電流源166は、例えば、図14に示すように、アノード端子が出力端子OUTに接続され、カソード端子が接地されたダイオード(ダイオードクランプ)によって構成することができる。図14に示す補償電流源166は、ダイオードのアノード−カソード間電圧が閾値電圧Vthを上回ると、すなわち、出力端子OUTの電圧が閾値電圧Vthを上回ると、出力端子OUTから補償電流Dを吸い込む。
本変形例に係る送信回路16において、変調ドライバ163、補助ドライバ164,バイアス電流源165、補償電流源166、及びLD17は、バイアス電流Cと補償電流Dとの和(C+D)に変調電流Aを加え、更に、補助電流Bを減じた駆動電流E=(C+D)+A−BがLD17から流出するように接続されている。
本変形例に係る送信回路16によれば、IDLE区間においてLD17から流出する駆動電流Eの大きさを0[A]にすることができる。すなわち、IDLE区間においてLD17を消灯することができる。しかも、本変形例に係る送信回路16においては、IDLE区間においてLD17から流出する駆動電流Eの大きさを0[A]にする制御を、補助ドライバ164を用いて実現している。このため、IDLE区間の始点/終点からLD17の消灯/点灯までの遅延時間を、バイアス電流の遮断/遮断解除によりLD17を消灯/点灯する場合と比べて短くすることができる。
なお、本変形例においては、IDLE区間においてLD17から流出する駆動電流Eの大きさを0[A]にする構成を採用しているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、IDLE区間においてLD17から流出する駆動電流Eの大きさをLD17の閾値電流(発振開始電流)以下にする構成を採用してもよい。この場合でも、IDLE区間においてLD17を消灯する(微発光状態にする態様を含む)ことができる。
また、本変形例に係る送信回路16によれば、IDLE区間においてLD17を確実に消灯することができる。なぜなら、IDLE区間で補助ドライバ164が吐き出す補助電流Bの大きさISを、IS>IBを満たすように設定しているからである。しかも、本変形例に係る送信回路16によれば、IDLE区間において補助電流Bの大きさISがバイアス電流Cの大きさを上回っても、出力端子OUTの電圧降下が生じて変調ドライバ163及び補助ドライバ164の動作に支障を来す懸念がない。なぜなら、補助電流Bの大きさISがバイアス電流Cの大きさIBを上回ったときに、補償電流源166から吐き出される補償電流Dによってバイアス電流Cの不足が補われるからである。
なお、本変形例においては、IDLE区間で補助ドライバ164が吸い込む補助電流Bの大きさISをIS>IBを満たすように設定する構成を採用しているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、IDLE区間で補助ドライバ164が吸い込む補助電流Bの大きさISをIS=IBを満たすように設定する構成を採用してもよい。この場合でも、IDLE区間においてLD17から流出する駆動電流Eの大きさを0[A]にすることができる。また、この場合には、IDLE区間におけるバイアス電流Cの不足が生じないので、補償電流源166を省略することができる。
〔IDLE検出回路の第1の変形例〕
図5に示すIDLE検出回路61の第1の変形例について、図17を参照して説明する。図17は、本変形例に係るIDLE検出回路61aの構成を示す回路図である。
図17に示すように、本変形例に係るIDLE検出回路61aは、図5に示すIDLE検出回路61と同様、第1のコンパレータComp1、第2のコンパレータComp2、及びANDゲートAND1を備えている。ただし、ANDゲートAND1の動作周波数は、生成される電圧信号に論理切り替え時のスパイクノイズが含まれない程度に十分に低く(例えば、コンパレータComp1,Comp2の動作周波数の1/10以下)に設定されている。このため、IDLE検出回路61aにおいては、論理切り替え時のスパイクノイズを除去するためのローパスフィルタLPF1が省略されている。
図5に示すIDLE検出回路61及び図17に示すIDLE検出回路61aは、正相のデータ信号の値及び逆相のデータ信号の値の各々を単一の基準電圧V0と比較することによって、データ信号の値が下限値V0以上かつ上限値2×Vcom−V0以下となるレンジに含まれている区間を、IDLE区間として検出する(Vcomは、データ信号のコモン電圧を表す)。この方法によれば、データ信号の中間レベルとデータ信号のコモン電圧との間の差が十分に小さい場合、IDLE区間を確実に検出することができる。なお、この方法は、当該レンジの下限値及び上限値を独立に設定することができないことの代償として、基準電圧源を1つで済ますことができるという共通の利点を有する。特に、図17に示すIDLE検出回路61aは、ローパスフィルタLPF1が省略されているため、図5に示すIDLE検出回路61aよりも回路構成を簡素化することができるという更なる利点を持つ。
〔IDLE検出回路の第2の変形例〕
図5に示すIDLE検出回路61の第2の変形例について、図18及び図19を参照して説明する。図18は、本変形例に係るIDLE検出回路61bの構成を示す回路図である。図19は、本変形例に係るIDLE検出回路61bの各部における電圧信号の波形図である。
図18に示すように、本変形例に係るIDLE検出回路61bは、IDLE検出回路61と同様に、第1のコンパレータComp1、第2のコンパレータComp2、ANDゲートAND1、及びローパスフィルタLPF1を備えている。ただし、本変形例に係るIDLE検出回路61bは、IDLE検出回路61と以下の2点で相違する。ひとつ目の相違点は、第1のコンパレータComp1の非反転入力端子及び第2のコンパレータComp2の反転入力端子の各々に、データ信号が同相で(本変形例では正相で)入力される点である。すなわち、2つのコンパレータComp1,Comp2の各々には、図19の(a)に図示する波形を有する正相のデータ信号が入力される。ふたつ目の相違点は、第1のコンパレータComp1の反転入力端子及び第2のコンパレータComp2の非反転入力端子の各々に、互いに異なる基準電圧V0a及び基準電圧V0bが入力される点である。
すなわち、第1のコンパレータComp1の非反転入力端子には、データ信号が正相で入力され、第1のコンパレータComp1の反転入力端子には、基準電圧V0aが入力される。第1のコンパレータComp1は、正相のデータ信号の値と基準電圧V0aとを比較し、比較結果を示す電圧信号を生成する。ここで、基準電圧V0aは、データ信号の値がハイレベルとローレベルとの間の予め定められたレンジの下限値に設定されている。正相のデータ信号の波形は、図19(b)のようになり、第1のコンパレータComp1で生成された電圧信号の波形は、図19(c)のようになる。第1のコンパレータComp1で生成された電圧信号は、ANDゲートAND1に入力される。
第2のコンパレータComp2の反転入力端子には、データ信号が正相で入力され、第2のコンパレータComp2の非反転入力端子には、基準電圧V0bが入力される。第2のコンパレータComp2は、正相のデータ信号の値と基準電圧V0bとを比較し、比較結果を示す電圧信号を生成する。ここで、基準電圧V0bは、上記レンジの上限値に設定されている。正相のデータ信号の波形は、図19(d)のようになり、第2のコンパレータComp2で生成された電圧信号の波形は、図19(e)のようになる。第2のコンパレータComp2で生成された電圧信号は、ANDゲートAND1に入力される。
ANDゲートAND1は、第1のコンパレータComp1で生成された電圧信号と第2のコンパレータComp2で生成された電圧信号とを参照し、第1のコンパレータComp1での比較結果と第2のコンパレータComp2での比較結果との論理積を示す電圧信号を生成する。ANDゲートAND1で生成された電圧信号の波形は、図19(f)のようになる。ANDゲートAND1で生成された電圧信号は、ローパスフィルタLPF1に入力される。
ローパスフィルタLPF1は、ANDゲートAND1で生成された電圧信号を平滑化する。すなわち、ANDゲートAND1で生成された電圧信号に含まれる、論理切り替え時のノイズを除去する。ローパスフィルタLPF1で平滑化された電圧信号の波形は、図19(g)のようになる。すなわち、ローパスフィルタLPF1で平滑化された電圧信号は、IDLE区間内(DATA区間外)で値がハイレベルとなり、IDLE区間外で値がローレベルとなる電圧信号となる。ローパスフィルタLPF1で平滑化された電圧信号は、IDLE検出信号として外部(スケルチ回路62及び補助ドライバ64)に出力される。
なお、第1のコンパレータComp1の非反転入力端子及び第2のコンパレータComp2の反転入力端子の各々に、正相のデータ信号を入力しているが、逆相のデータ信号を入力する構成であってもよい。この場合でも、IDLE区間内で値がハイレベルとなり、IDLE区間外で値がローレベルとなる電圧信号を得ることができる。
また、スケルチ回路62及び補助ドライバ64は、IDLE区間内でハイレベルとなるIDLE検出信号を参照して動作するように構成することも、IDLE区間外でハイレベルとなるIDLE検出信号を参照して動作するように構成することもできる。後者のIDLE検出信号を参照して動作するようにスケルチ回路62及び補助ドライバ64を構成する場合には、例えば、以下の構成を採用すればよい。すなわち、IDLE検出回路61bから出力されたIDLE検出信号を、反転アンプを介してスケルチ回路62及び補助ドライバ64に入力する構成を採用すればよい。
〔IDLE検出回路の第3の変形例〕
図5に示すIDLE検出回路61の第3の変形例について、図20を参照して説明する。図20は、本変形例に係るIDLE検出回路61cの構成を示す回路図である。
図20に示すように、本変形例に係るIDLE検出回路61cは、図18に示すIDLE検出回路61bと同様、第1のコンパレータComp1、第2のコンパレータComp2、及びANDゲートAND1を備えている。ただし、ANDゲートAND1の動作周波数は、生成される電圧信号に論理切り替え時のスパイクノイズが含まれない程度に十分に低く(例えば、コンパレータComp1,Comp2の動作周波数の1/10以下)に設定されている。このため、IDLE検出回路61cにおいては、論理切り替え時のスパイクノイズを除去するためのローパスフィルタLPF1が省略されている。
図18に示すIDLE検出回路61b及び図20に示すIDLE検出回路61cは、正相のデータ信号を2つの基準電圧V0a,V0bの各々と比較することによって、データ信号の値が下限値V0a以上かつ上限値V0b以下となるレンジに含まれている区間を、IDLE区間として検出する。この方法によれば、データ信号の中間レベルとデータ信号のコモン電圧との間に差によらず、IDLE区間を確実に検出することができる。なお、この方法は、基準電圧源を1つで済ますことができないことの代償として、当該レンジの下限値及び上限値を独立に設定することができるという利点を有する。特に、図20に示すIDLE検出回路61cは、ローパスフィルタLPF1が省略されているため、図18に示すIDLE検出回路61bよりも回路構成を簡素化することができるという更なる利点を持つ。
〔IDLE検出回路に関する付記事項〕
なお、図5に図示したIDLE検出回路61及び図18に図示したIDLE検出回路61bが備えているローパスフィルタLPF1は、コンパレータに置き換えることが可能である。図21の(a)は、ローパスフィルタLPF1と置換可能なコンパレータComp3の回路図であり、(b)〜(d)は、コンパレータComp3の各部における電圧信号の波形図である。
コンパレータComp3は、ローパスフィルタLPF1と同様に、ANDゲートAND1で生成された電圧信号を平滑化する。すなわち、ANDゲートAND1で生成された電圧信号に含まれる、論理切り替え時のノイズを除去する機能を有する。
図21に示すように、コンパレータComp3の非反転入力端子には、ANDゲートAND1で生成された電圧信号であって、図21の(b)のような波形を有する電圧信号が入力される。この電圧信号は、論理切り替え時のノイズを含んでいる。第3のコンパレータComp3の反転入力端子には、基準電圧V3が入力される。
コンパレータComp3は、ANDゲートAND1で生成された電圧信号と基準電圧V3とを比較し、比較結果を示す電圧信号を生成する。基準電圧V3は、図21の(c)に示すように、ハイレベル時のANDゲートAND1の出力電圧よりも低く、かつ、論理切り替え時のノイズのピーク電圧よりも高くなるように設定されている。コンパレータComp3が生成した電圧信号は、図21の(d)のようになる。すなわち、コンパレータComp3の出力信号は、ローパスフィルタLPF1の出力信号と同様、IDLE区間内(DATA区間外)で値がハイレベルとなり、IDLE区間外で値がローレベルとなる電圧信号となる。
〔まとめ〕
以上のように、本実施形態に係る光送信器は、データ信号を電流信号に変換する送信回路と上記電流信号を光信号に変換する発光素子とを備えた光送信器であって、上記送信回路は、上記データ信号の値がハイレベルとローレベルとの間の予め定められたレンジに含まれている期間をIDLE区間として検出するIDLE検出回路を備えており、上記IDLE区間において上記電流信号の値を上記発光素子の閾値電流以下に制御する、ことを特徴とする。
また、本実施形態に係る光送信方法は、データ信号を電流信号に変換する第1の変換工程と上記電流信号を光信号に変換する第2の変換工程と含んだ光送信方法であって、上記第1の変換工程は、上記データ信号の値がハイレベルとローレベルとの間の予め定められたレンジに含まれている期間をIDLE区間として検出する検出工程と、上記IDLE区間において上記電流信号の値を上記発光素子の閾値電流以下に制御する制御工程と含んでいる、ことを特徴とする。
上記の構成によれば、上記送信器に入力されたデータ信号のIDLE区間(上記送信器に入力されたデータ信号の値がハイレベルとローレベルとの間の中間レベルを取り続ける期間)において、上記発光素子を消灯することができる。すなわち、上記送信器に入力されたデータ信号のIDLE区間において、上記送信器から出力される光信号の値(光強度)を、ハイレベル(データ信号の値がハイレベルであるときの光信号の値)ともローレベル(データ信号の値がローレベルであるときの光信号の値)とも異なり、かつ、外的要因により変動することのないオフレベルにすることができる。このため、受信器は、上記光送信器から出力された光信号の値がオフレベルになる期間を特定することによって、上記光送信器に入力されたデータ信号のIDLE区間を正しく特定することができる。なお、本明細書において「発光素子を消灯する」とは、「発光素子を微発光状態にする」態様を含む。
本実施形態に係る光送信器において、上記IDLE検出回路は、上記データ信号の値を上記レンジの上限値と比較する第1のコンパレータと、上記データ信号の値を上記レンジの下限値と比較する第2のコンパレータと、上記第1のコンパレータの出力と上記第2のコンパレータの出力との論理積を取るANDゲートと、上記ANDゲートの出力を平滑化するローパスフィルタとを備えている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上記送信器に入力されたデータ信号のIDLE区間を正確に特定することができ、また、特定したIDLE区間の始点及び終点にエッジを有するIDLE検出信号を高速に生成することができる。
本実施形態に係る光送信器において、上記送信回路は、上記データ信号に応じた変調電流を吸い込む変調ドライバと、上記IDLE区間において補助電流を吸い込む又は吐き出す補助ドライバとを備えており、上記発光素子は、バイアス電流と上記変調電流との差又は和から上記補助電流を引いた駆動電流が流入又は流出する発光素子であり、上記補助電流の大きさは、上記IDLE区間における駆動電流の大きさが上記発光素子の閾値電流以下になるように設定されている、ことが好ましい。特に、上記発光素子が、上記バイアス電流と上記変調電流との差から上記補助電流を引いた上記駆動電流が流入する発光素子である場合、上記補助ドライバは、上記IDLE区間において上記補助電流を吸い込むものであり、上記補助電流の大きさは、上記IDLEにおける上記変調電流の大きさとの和が上記バイアス電流の大きさ以上になるように設定されている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上記送信器に入力されたデータ信号のIDLE区間の始点において速やかに上記発光素子を消灯し、上記送信器に入力されたデータ信号のIDLE区間の終点において速やかに上記発光素子を点灯することができる。特に、IDLE区間の始点/終点から上記発光素子の消灯/点灯までの遅延時間は、バイアス電流の遮断/遮断解除により上記発光素子を消灯/点灯する場合と比べて短くなる。
本実施形態に係る光送信器において、上記補助電流の大きさは、上記IDLE区間での上記変調電流の大きさとの和が上記バイアス電流の大きさよりも大きくなるように設定されており、上記送信回路は、上記変調電流の大きさと上記補助電流の大きさとの和が上記バイアス電流の大きさを上回ったときに、上記バイアス電流の不足を補う補償電流を上記補助ドライバに供給する補償電流源を更に備えている、ことが好ましい。
上記補償電流源が存在していない場合、IDLE区間において、バイアス電流が不足するので、上記送信回路の出力端子の電圧降下により、上記変調ドライバ及び上記補助ドライバの動作に支障を来すことがある。一方、上記の構成によれば、IDLE区間において、この不足を補償電流が補うので、上記送信回路の出力端子の電圧降下により、上記変調ドライバ及び上記補助ドライバの動作に支障を来すことがない。
本実施形態に係る光送信器において、上記変調ドライバは、上記データ信号を増幅するプリドライバと、上記プリドライバにより増幅されたデータ信号を上記電流信号に変換するメインドライバとを備えている、ことが好ましい。
メインドライバから出力される電流信号を歪ませることなく、その振幅を所定の大きさにするために、メインドライバに入力されるデータ信号の振幅(ハイレベルとローレベルとの電位差)を所定の大きさにする必要が生じることがある。上記の構成によれば、プリドライバによって、メインドライバに入力されるデータ信号の振幅を所定の値にすることができる。したがって、メインドライバから出力される電流信号を歪ませることなく、その振幅を所定の大きさにすることができる。これにより、発光素子から出力される光信号を歪ませることなく、その振幅(ハイレベルとローレベルとの光強度差)を所定の大きさにすることができる。
本実施形態に係る光送信器において、上記変調ドライバは、電源と上記プリドライバとの間に挿入された電圧降下器と、上記プリドライバの出力電圧の大きさに応じて上記電圧降下器の電圧降下量を制御する制御回路とを更に備えている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上記プリドライバの電源電圧の変動に応じた上記プリドライバの出力電圧の変動が抑えられる。したがって、上記メインドライバを構成する各素子の動作条件が破たんすることを防ぐために、上記プリドライバの電源電圧の変動範囲に厳しい条件を課す必要がなくなる。
本実施形態に係る光送信器において、上記補助ドライバは、上記IDLE区間を示すIDLE検出信号を増幅するプリドライバと、上記プリドライバにより増幅されたIDLE検出信号を上記電流信号に変換するメインドライバとを備えている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、IDLE検出信号の振幅(ハイレベルとローレベルとの電位差)が小さい場合でも、引き込む電流の大きさを所定の値にすることができる。
本実施形態に係る光送信器において、上記補助ドライバは、電源と上記プリドライバとの間に挿入された電圧降下器と、上記プリドライバの出力電圧の大きさに応じて上記電圧降下器の電圧降下量を制御する制御回路とを更に備えている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上記プリドライバの電源電圧の変動に応じた上記プリドライバの出力電圧の変動が抑えられる。したがって、上記メインドライバを構成する各素子の動作条件が破たんすることを防ぐために、上記プリドライバの電源電圧の変動範囲に厳しい条件を課す必要がなくなる。
本実施形態に係る光送信器において、上記バイアス電流を生成するバイアス電流源として、1対のトランジスタにより構成された第1のカレントミラー回路と、上記第1のカレントミラー回路の入力点に接続された第1の直流電流源とを備えた第1のバイアス電流源、又は、オペアンプとトランジスタと1対の抵抗により構成された第2のカレントミラー回路と、上記第2のカレントミラー回路の入力点に接続された第2の直流電流源とを備えた第2のバイアス電流源である、ことが好ましい。
上記の構成によれば、カレントミラー回路を介さずに直流電流源からバイアス電流を供給する構成と比べて、出力するバイアス電流の変動を小さく抑えることができる。
本実施形態に係る光送信器は、1対のトランジスタにより構成された第1のカレントミラー回路と、上記第1のカレントミラー回路の入力点に接続された第1の直流電流源とを備えた第1のバイアス電流源、及び、オペアンプとトランジスタと1対の抵抗により構成された第2のカレントミラー回路と、上記第2のカレントミラー回路の入力点に接続された第2の直流電流源とを備えた第2のバイアス電流源の両方を備えており、送信するデータ信号が間欠信号であるときには、上記第1のバイアス電流源を上記バイアス電流源として使用し、送信するデータ信号が連続信号であるときには、上記第2のバイアス電流源を上記バイアス電流源として使用する、ことが好ましい。
上記の構成において、第1のバイアス電流源は、出力点の電圧が変動しても動作に支障がないため、連続信号の送信にも、OOB信号等の間欠信号の送信にも適している。一方、第2のバイアス電流源は、間欠信号の送信には適さないが、出力するバイアス電流の変動を第1のバイアス電流源よりも更に小さくすることができる。したがって、上記の構成によれば、間欠信号及び連続信号の双方を送信することが可能であり、かつ、連続信号を送信する際には出力するバイアス電流の変動を更に小さく抑えることができる。
本実施形態に係る光送信器において、上記補償電流源は、アノード端子がクランプ電源に接続されダイオード、ベース端子が上記クランプ電源に接続されたnpnトランジスタ、又は、ゲート端子が上記クランプ電源に接続されたNMOSトランジスタを備えている、ことが好ましい。
上記構成によれば、上記補償電流源を簡単な構成により出力することができる。
本実施形態に係る光送信器において、上記補償電流源は、クランプ電源に接続されたボルテージフォロワ回路と、上記ボルテージフォロワ回路を介してベース端子が上記クランプ電源に接続されたnpnトランジスタ、又は、上記ボルテージフォロワ回路を介してゲート端子が上記クランプ電源に接続されたNMOSトランジスタとを備えている、ことが好ましい。
上記構成によれば、上記補償電流源を簡単な構成により出力することができる。
本実施形態に係る光送信器において、上記送信回路は、上記データ信号に応じた変調電流を吸い込む変調ドライバと、上記IDLE区間において補助電流を吸い込む又は吐き出す補助ドライバとを備えており、上記発光素子は、バイアス電流と上記変調電流との差又は和から上記補助電流を引いた駆動電流が流入又は流出する発光素子であり、上記補助電流の大きさは、上記IDLE区間における駆動電流の大きさが上記発光素子の閾値電流以下になるように設定されている、ことが好ましい。特に、上記発光素子が、上記バイアス電流と上記変調電流との和から上記補助電流を引いた上記駆動電流が流出する発光素子である場合、上記補助ドライバは、上記IDLE区間において上記補助電流を吐き出すものであり、上記補助電流の大きさは、上記バイアス電流の大きさ以上に設定されている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上記送信器に入力されたデータ信号のIDLE区間の始点において速やかに上記発光素子を消灯し、上記送信器に入力されたデータ信号のIDLE区間の終点において速やかに上記発光素子を点灯することができる。特に、IDLE区間の始点/終点から上記発光素子の消灯/点灯までの遅延時間は、バイアス電流の遮断/遮断解除により上記発光素子を消灯/点灯する場合と比べて短くなる。
本実施形態に係る光送信器において、上記補助電流の大きさは、上記バイアス電流の大きさよりも大きくなるように設定されており、上記送信回路は、上記補助電流の大きさから上記変調電流の大きさを引いた差が上記バイアス電流の大きさを上回ったときに、上記バイアス電流の不足を補う補償電流を吐き出す補償電流源を更に備えている、ことが好ましい。
上記補償電流源が存在していない場合、IDLE区間において、バイアス電流が不足するので、上記送信回路の出力端子の電圧降下により、上記変調ドライバ及び上記補助ドライバの動作に支障を来すことがある。一方、上記の構成によれば、IDLE区間において、この不足を補償電流が補うので、上記送信回路の出力端子の電圧降下により、上記変調ドライバ及び上記補助ドライバの動作に支障を来すことがない。
なお、上記光送信器がコネクタに内蔵されたアクティブ光ケーブルも本実施形態の範疇に含まれる。
本実施形態に係る光送信器において、上記IDLE検出回路は、上記データ信号の値が上記レンジの下限値以上となる第1の区間を特定する第1のコンパレータと、上記データ信号の値が上記レンジの上限値以下となる第2の区間を特定する第2のコンパレータとを備えており、上記第1の区間と上記第2の区間との共通部分をIDLE区間として検出する、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上記送信器に入力されたデータ信号のIDLE区間の始点及び終点を正確に特定し、特定したIDLE区間の始点及び終点にエッジを有するIDLE検出信号を生成することができる。
本実施形態に係る光送信器において、上記第1のコンパレータは、上記データ信号の値を基準電圧と比較することによって、上記第1の区間を特定し、上記第2のコンパレータは、上記データ信号の逆相信号の値を上記基準電圧と比較することによって、上記第2の区間を特定する、ことが好ましい。
上記の構成によれば、基準電圧源を1つで済ますことができる。なお、上記の構成は、正相及び逆相のデータ信号を用いてデータ信号のIDLE区間を特定するため、上記データ信号が差動信号方式で提供される場合に好適である。
本実施形態に係る光送信器において、上記第1のコンパレータは、上記データ信号の値を第1の基準電圧と比較することによって、上記第1の区間を特定し、上記第2のコンパレータは、上記データ信号の値を第2の基準電圧と比較することによって、上記第2の区間を特定する、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上記レンジの下限値及び上限値を独立に設定することができる。なお、上記の構成は、正相又は逆相のデータ信号を用いてデータ信号のIDLE区間を特定するため、上記データ信号がシングルエンド方式で提供される場合に好適である。
本実施形態に係る光送信器において、上記IDLE検出回路は、上記第1のコンパレータの出力と上記第2のコンパレータの出力との論理積を取るANDゲートを更に備えている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、特許文献5に記載のようなピークホールド回路を採用する場合と比較して、特定したIDLE区間の始点及び終点にエッジを有するIDLE検出信号を高速に生成することができる。
本実施形態に係る光送信器において、上記IDLE検出回路は、上記ANDゲートの出力を平滑化するローパスフィルタを更に備えている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上記ANDデータが生成するIDLE検出信号に含まれる可能性がある論理切り替え時のスパイクノイズを除去することができる。
本実施形態に係る光送信器において、上記IDLE検出回路は、上記ANDゲートの出力を平滑化するコンパレータを更に備えていている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上記ANDデータが生成するIDLE検出信号に含まれる可能性がある論理切り替え時のスパイクノイズを除去することができる。
〔付記事項〕
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、本実施形態においては、IDLE区間において発光素子に供給する駆動電流を閾値電流以下にする制御を、補助ドライバを用いて実現しているが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、バイアス電流源が出力したバイアス電流から変調ドライバが引き込んだ変調電流を引いた差が駆動電流として発光素子に供給される光送信器においては、バイアス電流源及び変調ドライバの動作を停止させることよっても、発光素子に供給する駆動電流を閾値電流以下に制御することができる。このような制御をIDLE区間において実行する光送信器も本発明の範疇に含まれる。
本発明は、OOBパターン等を含むデータ信号を送信する光送信器に好適に利用することができる。特に、本発明は、SAS2.0やPCIe3.0などのメタルケーブルの使用を前提した通信規格に適合した光送信器の実現に寄与する。
1 アクティブ光ケーブル
2 コネクタ
3 コネクタ
4 ケーブル
5 AC結合用コンデンサ
6 送信回路
7 LD
8 PD
9 受信回路
10 AC結合用コンデンサ
11 光ファイバ
61 IDLE検出回路
62 スケルチ回路
63 変調ドライバ
64 補助ドライバ
65 バイアス電流源
66 補償電流源
A 変調電流
B 補助電流
C バイアス電流
D 補償電流
E 駆動電流

Claims (20)

  1. 光ファイバを収容したケーブルと、上記ケーブルの一端に設けられた第1のコネクタと、上記ケーブルの他端に設けられた第2のコネクタと、を備えたアクティブ光ケーブルであって、
    上記第1のコネクタには、上記第1のコネクタに接続された外部装置から上記第2のコネクタに接続された外部装置へと送信される3値のデータ信号を電流信号に変換する送信回路と、上記電流信号を光信号に変換する発光素子と、を備えた光送信器が内蔵されており、
    上記送信回路は、上記データ信号を参照することにより、当該データ信号の値がハイレベルとローレベルとの間の予め定められたレンジに含まれている期間をIDLE区間として検出するIDLE検出回路を備えており、上記IDLE区間において上記電流信号の値を上記発光素子の閾値電流以下に制御する、
    ことを特徴とするアクティブ光ケーブル。
  2. 上記IDLE検出回路は、上記データ信号の値が上記レンジの下限値以上となる第1の区間を特定する第1のコンパレータと、上記データ信号の値が上記レンジの上限値以下となる第2の区間を特定する第2のコンパレータとを備えており、上記第1の区間と上記第2の区間との共通部分をIDLE区間として検出する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のアクティブ光ケーブル。
  3. 上記第1のコンパレータは、上記データ信号の値を基準電圧と比較することによって、上記第1の区間を特定し、
    上記第2のコンパレータは、上記データ信号の逆相信号の値を上記基準電圧と比較することによって、上記第2の区間を特定する、
    ことを特徴とする請求項2に記載のアクティブ光ケーブル。
  4. 上記第1のコンパレータは、上記データ信号の値を第1の基準電圧と比較することによって、上記第1の区間を特定し、
    上記第2のコンパレータは、上記データ信号の値を第2の基準電圧と比較することによって、上記第2の区間を特定する、
    ことを特徴とする請求項2に記載のアクティブ光ケーブル。
  5. 上記IDLE検出回路は、上記第1のコンパレータの出力と上記第2のコンパレータの出力との論理積を取るANDゲートを更に備えている、
    ことを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載のアクティブ光ケーブル。
  6. 上記IDLE検出回路は、上記ANDゲートの出力を平滑化するローパスフィルタを更に備えている、
    ことを特徴とする請求項5に記載のアクティブ光ケーブル。
  7. 上記IDLE検出回路は、上記ANDゲートの出力を平滑化するコンパレータを更に備えている、
    ことを特徴とする請求項5に記載のアクティブ光ケーブル。
  8. 上記送信回路は、上記データ信号に応じた変調電流を吸い込む変調ドライバと、上記IDLE区間において補助電流を吸い込む又は吐き出す補助ドライバとを備えており、
    上記発光素子は、バイアス電流と上記変調電流との差又は和から上記補助電流を引いた駆動電流が流入又は流出する発光素子であり、
    上記補助電流の大きさは、上記IDLE区間における駆動電流の大きさが上記発光素子の閾値電流以下になるように設定されている、
    ことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のアクティブ光ケーブル。
  9. 上記補助ドライバは、上記IDLE区間において上記補助電流を吸い込むものであり、
    上記発光素子は、上記バイアス電流と上記変調電流との差から上記補助電流を引いた上記駆動電流が流入する発光素子であり、
    上記補助電流の大きさは、上記IDLEにおける上記変調電流の大きさとの和が上記バイアス電流の大きさ以上になるように設定されている、
    ことを特徴とする請求項8に記載のアクティブ光ケーブル。
  10. 上記補助電流の大きさは、上記IDLE区間での上記変調電流の大きさとの和が上記バイアス電流の大きさよりも大きくなるように設定されており、
    上記送信回路は、上記変調電流の大きさと上記補助電流の大きさとの和が上記バイアス電流の大きさを上回ったときに、上記バイアス電流の不足を補う補償電流を上記補助ドライバに供給する補償電流源を更に備えている、
    ことを特徴とする請求項9に記載のアクティブ光ケーブル。
  11. 上記補助ドライバは、上記IDLE区間を示すIDLE検出信号を増幅するプリドライバと、上記プリドライバにより増幅されたIDLE検出信号を上記電流信号に変換するメインドライバとを備えている、
    ことを特徴とする請求項9又は10に記載のアクティブ光ケーブル。
  12. 上記補助ドライバは、電源と上記プリドライバとの間に挿入された電圧降下器と、上記プリドライバの出力電圧の大きさに応じて上記電圧降下器の電圧降下量を制御する制御回路とを更に備えている、
    ことを特徴とする請求項11に記載のアクティブ光ケーブル。
  13. 上記バイアス電流を生成するバイアス電流源として、1対のトランジスタにより構成された第1のカレントミラー回路と、上記第1のカレントミラー回路の入力点に接続された第1の直流電流源とを備えた第1のバイアス電流源、又は、オペアンプとトランジスタと1対の抵抗により構成された第2のカレントミラー回路と、上記第2のカレントミラー回路の入力点に接続された第2の直流電流源とを備えた第2のバイアス電流源を備えている、ことを特徴とする請求項9〜12の何れか1項に記載のアクティブ光ケーブル。
  14. 1対のトランジスタにより構成された第1のカレントミラー回路と、上記第1のカレントミラー回路の入力点に接続された第1の直流電流源とを備えた第1のバイアス電流源、及び、オペアンプとトランジスタと1対の抵抗により構成された第2のカレントミラー回路と、上記第2のカレントミラー回路の入力点に接続された第2の直流電流源とを備えた第2のバイアス電流源の両方を備えており、
    送信するデータ信号が間欠信号であるときには、上記第1のバイアス電流源を上記バイアス電流を生成するバイアス電流源として使用し、送信するデータ信号が連続信号であるときには、上記第2のバイアス電流源を上記バイアス電流を生成するバイアス電流源として使用する、
    ことを特徴とする請求項9〜12の何れか1項に記載のアクティブ光ケーブル。
  15. 上記補償電流源は、アノード端子がクランプ電源に接続されダイオード、ベース端子が上記クランプ電源に接続されたnpnトランジスタ、又は、ゲート端子が上記クランプ電源に接続されたNMOSトランジスタを備えている、
    ことを特徴とする請求項10に記載のアクティブ光ケーブル。
  16. 上記補償電流源は、クランプ電源に接続されたボルテージフォロワ回路と、上記ボルテージフォロワ回路を介してベース端子が上記クランプ電源に接続されたnpnトランジスタ、又は、上記ボルテージフォロワ回路を介してゲート端子が上記クランプ電源に接続されたNMOSトランジスタとを備えている、
    ことを特徴とする請求項10に記載のアクティブ光ケーブル。
  17. 上記補助ドライバは、上記IDLE区間において上記補助電流を吐き出すものであり、
    上記発光素子は、上記バイアス電流と上記変調電流との和から上記補助電流を引いた上記駆動電流が流出する発光素子であり、
    上記補助電流の大きさは、上記バイアス電流の大きさ以上に設定されている、
    ことを特徴とする請求項8に記載のアクティブ光ケーブル。
  18. 上記補助電流の大きさは、上記バイアス電流の大きさよりも大きくなるように設定されており、
    上記送信回路は、上記補助電流の大きさが上記バイアス電流の大きさを上回ったときに、上記バイアス電流の不足を補う補償電流を吐き出す補償電流源を更に備えている、
    ことを特徴とする請求項17に記載のアクティブ光ケーブル。
  19. 3値のデータ信号を電流信号に変換する送信回路と上記電流信号を光信号に変換する発光素子とを備えた光送信器であって、
    上記送信回路は、上記データ信号を参照することにより、当該データ信号の値がハイレベルとローレベルとの間の予め定められたレンジに含まれている期間をIDLE区間として検出するIDLE検出回路を備えており、上記IDLE区間において上記電流信号の値を上記発光素子の閾値電流以下に制御する、
    ことを特徴とする光送信器。
  20. 3値のデータ信号を電流信号に変換する第1の変換工程と、発光素子を用いて上記電流信号を光信号に変換する第2の変換工程とを含んだ光送信方法であって、
    上記第1の変換工程は、上記データ信号を参照することにより、当該データ信号の値がハイレベルとローレベルとの間の予め定められたレンジに含まれている期間をIDLE区間として検出する検出工程と、上記IDLE区間において上記電流信号の値を上記発光素子の閾値電流以下に制御する制御工程とを含んでいる、
    ことを特徴とする光送信方法。
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