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JP5796711B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

定着装置及び画像形成装置 Download PDF

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JP5796711B2 JP2011289278A JP2011289278A JP5796711B2 JP 5796711 B2 JP5796711 B2 JP 5796711B2 JP 2011289278 A JP2011289278 A JP 2011289278A JP 2011289278 A JP2011289278 A JP 2011289278A JP 5796711 B2 JP5796711 B2 JP 5796711B2
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Description

本発明は、記録媒体に画像を定着する定着装置、及び定着装置を備えた画像形成装置に関する。
プリンタ・複写機・ファクシミリなどの画像形成装置に対し、近年、省エネルギー化・高速化についての市場要求が強くなってきている。
画像形成装置では、電子写真記録・静電記録・磁気記録等の画像形成プロセスにより、画像転写方式もしくは直接方式により未定着トナー画像が記録媒体シート・印刷紙・感光紙・静電記録紙などの記録媒体に形成される。未定着トナー画像を定着させるための定着装置としては、熱ローラ方式、フィルム加熱方式、電磁誘導加熱方式等の接触加熱方式の定着装置が広く採用されている。
このような定着装置の一例として、ベルト方式の定着装置(例えば特許文献1参照)やセラミックヒータを用いたサーフ定着(フィルム定着)の定着装置(例えば特許文献2参照)が知られている。
ベルト方式の定着装置では、近年、さらなるウォームアップ時間(電源投入時など、常温状態から印刷可能な所定の温度(リロード温度)までに要する時間)や、ファーストプリント時間(印刷要求を受けた後、印刷準備を経て印字動作を行い排紙が完了するまでの時間)の短縮化が望まれている(課題1)。また、画像形成装置の高速化に伴い、単位時間あたりの通紙枚数が増え、必要熱量が増大しているため、特に連続印刷のはじめに熱量が不足する、いわゆる温度落ち込みが問題となっている(課題2)
一方、セラミックヒータを用いたサーフ定着方式では、ベルト方式の定着装置に比べ、低熱容量化,小型化が可能となるため、前記課題1の問題を解決することが可能である。しかしながら、サーフ定着方式は、ニップ部のみを局所加熱するため、その他の部分では加熱されておらず、ニップの用紙などの入口においてベルトは最も冷えた状態にあり、定着不良が発生しやすくなるという問題がある。特に、高速機においては、ベルトの回転が速く、ニップ部以外でのベルトの放熱が多くなるため、より定着不良が発生しやすくなるという問題がある(課題3)。
以上のような課題1〜3を解決するために、無端ベルトを用いる構成において、高生産の画像形成装置に搭載されても、良好な定着性を得ることができるようにした定着装置が提案されている(特許文献3参照)。
この定着装置は、図8に示すように、無端ベルト100と、無端ベルト100の内部に配設されたパイプ状の金属熱伝導体200と、金属熱伝導体200内に配設された熱源300と、無端ベルト100を介して金属熱伝導体200に当接してニップ部Nを形成する加圧ローラ400を備えている。加圧ローラ400の回転により無端ベルト100は連れ回りし、このとき、金属熱伝導体200は無端ベルト100の移動をガイドする。また、金属熱伝導体200内の熱源300により金属熱伝導体200を介して無端ベルト100が加熱されることで、無端ベルト100全体を温めることを可能にしている。これにより、加熱待機時からのファーストプリントタイムを短縮することができ、かつ高速回転時の熱量不足を解消することが可能となっている。
しかしながら、さらなる省エネ性及びファーストプリントタイム向上のためには熱効率をより一層向上させる必要がある。そこで、無端ベルトを金属熱伝導体を介して間接的に加熱するのではなく、無端ベルトを(金属熱伝導体を介さずに)直接加熱する構成が提案されている(特許文献4参照)。
この構成では、図9に示すように、無端ベルト100の内側から上記パイプ状の金属熱伝導体を取り除き、代わりに、加圧ローラ400と対向する位置に板状のニップ形成部材500を設けている。この構成の場合、ニップ形成部材500を配設した箇所以外で無端ベルト100を熱源300によって直接加熱することができるので、伝熱効率が大幅に向上し消費電力が低減する。これにより、加熱待機時からのファーストプリントタイムをさらに短縮することが可能となる。また、金属熱伝導体を設けないことによるコストダウンも期待できる。
また、図10に、無端ベルトを直接加熱するタイプの定着装置の別の構成を示す(特許文献5参照)。
図10に示す定着装置は、ニップ形成部材500を備えているが、ここでは、ニップ形成部材500を構成するベースパッド501の表面に低摩擦性の摺動シート502を設けている。このように、ベースパッド501の表面に摺動シート502を設けることで、無端ベルト100が回転する際、この摺動シート502に対し無端ベルト100が摺動することにより、無端ベルト100の摩耗や摩擦力による負荷が軽減される。
ところで、無端ベルトを用いた定着装置においては、無端ベルトが連れ回り回転すると、ニップ部よりも用紙搬送方向上流側では、無端ベルトがニップ部へと引き込まれることによる張り力が生じることが知られている。
このため、図9に示すように、ニップ形成部材500によって無端ベルト100をガイドする構成においては、回転時に無端ベルト100がニップ形成部材500の上流側のエッジに強く当たってしまい、無端ベルト100が破損又は破断することがある。
また、図10に示す定着装置では、ベースパッド501の表面に摺動シート502を設けているが、無端ベルト100の回転時に、摺動シート502がベースパッド501のエッジに強く当たると、摺動シート502が摩耗する。そして、摺動シート502の機能が低下し、やがて無端ベルト100がベースパッド501のエッジに当たるようになると、無端ベルト100が破損又は破断するといった問題がある。
また、近年の省エネ性及びファーストプリントタイム向上のために、無端ベルトはさらに薄く形成される傾向にあり、特にこのようなベルトを用いた定着装置では、ベルトの強度低下により、上記のようなベルトの破損・破断の問題が発生する可能性が高くなる。
そこで、本発明は、斯かる事情に鑑み、ベルトの回転を円滑に維持しつつ、ベルトの破損又は破断を防止することが可能な定着装置、及びその定着装置を備えた画像形成装置を提供しようとするものである。
上記課題を解決するため、請求項1に係る本発明は、回転可能な無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトを加熱する加熱源と、前記定着ベルトの内側に配設されたニップ形成部材と、前記定着ベルトを介して前記ニップ形成部材と当接することにより定着ベルトとの間にニップ部を形成する対向回転体とを備え、未定着画像を担持した記録媒体を搬送して、当該記録媒体に未定着画像を定着する定着装置において、前記ニップ形成部材は、前記ニップ部の形状を決めるベースパッドを有し、前記ベースパッドは、前記定着ベルトを介して前記対向回転体と接触する接触面と、当該接触面から記録媒体搬送方向上流側に延在して、前記定着ベルトが摺動し、かつ、前記対向回転体とは接触しない延在面と、当該延在面から記録媒体搬送方向上流側に連続して設けられ、かつ、前記対向回転体とは接触しない曲面とを有し、前記接触面及び前記延在面をストレート状に形成し、前記定着ベルトは、非回転時には、前記曲面に接触しないことを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、ベースパッドが延在面を有しているので、定着ベルトを安定的かつ円滑に回転させ、ニップ部に進入させることができる。これにより、回転時における定着ベルトへの負荷を軽減することが可能となる。また、定着ベルトがベースパッドの曲面に接触した場合であっても、曲面は延在面と滑らかに連続して設けられていることにより、定着ベルトの摩耗を高度に抑制することが可能である。
このように、請求項1に係る発明によれば、回転時に生じる定着ベルトへの負荷と摩耗を抑制することができるので、定着ベルトの破損や破断を防止することができ、装置としての信頼性が向上する。
本発明に係る画像形成装置の実施の一形態を示す概略構成図である。 前記画像形成装置に搭載された定着装置の概略構成図である。 定着ベルトの端部の構成を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は定着ベルトの回転軸方向から見た側面図である。 ニップ部の拡大図である。 曲面の配設位置を説明するための図である。 他の実施形態に係る定着装置の概略構成図である。 ニップ部の拡大図である。 従来の定着装置の概略構成図である。 無端ベルトを直接加熱する従来の定着装置の概略構成図である。 無端ベルトを直接加熱する別の定着装置の概略構成図である。
以下、添付の図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の実施の形態を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
まず、図1を参照して、本発明の実施の一形態に係る画像形成装置の全体構成及び動作について説明する。
図1に示す画像形成装置1は、カラーレーザープリンタであり、その装置本体の中央には、4つの作像部4Y,4M,4C,4Kが設けられている。各作像部4Y,4M,4C,4Kは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の異なる色の現像剤を収容している以外は同様の構成となっている。
具体的に、各作像部4Y,4M,4C,4Kは、潜像担持体としてのドラム状の感光体5と、感光体5の表面を帯電させる帯電装置6と、感光体5の表面にトナーを供給する現像装置7と、感光体5の表面をクリーニングするクリーニング装置8などを備える。なお、図1では、ブラックの作像部4Kが備える感光体5、帯電装置6、現像装置7、クリーニング装置8のみに符号を付しており、その他の作像部4Y,4M,4Cにおいては符号を省略している。
各作像部4Y,4M,4C,4Kの下方には、感光体5の表面を露光する露光装置9が配設されている。露光装置9は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を有し、画像データに基づいて各感光体5の表面へレーザー光を照射するようになっている。
各作像部4Y,4M,4C,4Kの上方には、転写装置3が配設されている。転写装置3は、転写体としての中間転写ベルト30と、一次転写手段としての4つの一次転写ローラ31と、二次転写手段としての二次転写ローラ36と、二次転写バックアップローラ32と、クリーニングバックアップローラ33と、テンションローラ34、ベルトクリーニング装置35を備える。
中間転写ベルト30は、無端状のベルトであり、二次転写バックアップローラ32、クリーニングバックアップローラ33及びテンションローラ34によって張架されている。ここでは、二次転写バックアップローラ32が回転駆動することによって、中間転写ベルト30は図の矢印で示す方向に周回走行(回転)するようになっている。
4つの一次転写ローラ31は、それぞれ、各感光体5との間で中間転写ベルト30を挟み込んで一次転写ニップを形成している。また、各一次転写ローラ31には、図示しない電源が接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が各一次転写ローラ31に印加されるようになっている。
二次転写ローラ36は、二次転写バックアップローラ32との間で中間転写ベルト30を挟み込んで二次転写ニップを形成している。また、一次転写ローラ31と同様に、二次転写ローラ36にも図示しない電源が接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が二次転写ローラ36に印加されるようになっている。
ベルトクリーニング装置35は、中間転写ベルト30に当接するように配設されたクリーニングブラシとクリーニングブレードを有する。このベルトクリーニング装置35から伸びた図示しない廃トナー移送ホースは、図示しない廃トナー収容器の入り口部に接続されている。
プリンタ本体の上部には、ボトル収容部2が設けられており、ボトル収容部2には補給用のトナーを収容した4つのトナーボトル2Y,2M,2C,2Kが着脱可能に装着されている。各トナーボトル2Y,2M,2C,2Kと上記各現像装置7との間には、図示しない補給路が設けてあり、この補給路を介して各トナーボトル2Y,2M,2C,2Kから各現像装置7へトナーが補給されるようになっている。
一方、プリンタ本体の下部には、記録媒体としての用紙Pを収容した給紙トレイ10や、給紙トレイ10から用紙Pを搬出する給紙ローラ11等が設けてある。ここで、記録媒体には、普通紙以外に、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ、OHPシート等が含まれる。また、図示しないが、手差し給紙機構が設けてあってもよい。
プリンタ本体内には、用紙Pを給紙トレイ10から二次転写ニップを通過させて装置外へ排出するための搬送路Rが配設されている。搬送路Rにおいて、二次転写ローラ36の位置よりも用紙搬送方向上流側には、二次転写ニップへ用紙Pを搬送する搬送手段としての一対のレジストローラ12が配設されている。
また、二次転写ローラ36の位置よりも用紙搬送方向下流側には、用紙Pに転写された未定着画像を定着するための定着装置20が配設されている。さらに、定着装置20よりも搬送路Rの用紙搬送方向下流側には、用紙を装置外へ排出するための一対の排紙ローラ13が設けられている。また、プリンタ本体の上面部には、装置外に排出された用紙をストックするための排紙トレイ14が設けてある。
続いて、図1を参照して、本実施形態に係るプリンタの基本的動作について説明する。
作像動作が開始されると、各作像部4Y,4M,4C,4Kにおける各感光体5が図示しない駆動装置によって図の時計回りに回転駆動され、各感光体5の表面が帯電装置6によって所定の極性に一様に帯電される。帯電された各感光体5の表面には、露光装置9からレーザー光がそれぞれ照射されて、各感光体5の表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体5に露光する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。このように各感光体5上に形成された静電潜像に、各現像装置7によってトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー画像として顕像化(可視像化)される。
また、作像動作が開始されると、二次転写バックアップローラ32が図の反時計回りに回転駆動し、中間転写ベルト30を図の矢印で示す方向に周回走行させる。そして、各一次転写ローラ31に、トナーの帯電極性と逆極性の定電圧又は定電流制御された電圧が印加される。これにより、各一次転写ローラ31と各感光体5との間の一次転写ニップにおいて転写電界が形成される。
その後、各感光体5の回転に伴い、感光体5上の各色のトナー画像が一次転写ニップに達したときに、上記一次転写ニップにおいて形成された転写電界によって、各感光体5上のトナー画像が中間転写ベルト30上に順次重ね合わせて転写される。かくして中間転写ベルト30の表面にフルカラーのトナー画像が担持される。また、中間転写ベルト30に転写しきれなかった各感光体5上のトナーは、クリーニング装置8によって除去される。その後、図示しない除電装置によって各感光体5の表面が除電され、表面電位が初期化される。
画像形成装置の下部では、給紙ローラ11が回転駆動を開始し、給紙トレイ10から用紙Pが搬送路Rに送り出される。搬送路Rに送り出された用紙Pは、レジストローラ12によってタイミングを計られて、二次転写ローラ36と二次転写バックアップローラ32との間の二次転写ニップに送られる。このとき二次転写ローラ36には、中間転写ベルト30上のトナー画像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加されており、これにより、二次転写ニップに転写電界が形成されている。
その後、中間転写ベルト30の周回走行に伴って、中間転写ベルト30上のトナー画像が二次転写ニップに達したときに、上記二次転写ニップにおいて形成された転写電界によって、中間転写ベルト30上のトナー画像が用紙P上に一括して転写される。また、このとき用紙Pに転写しきれなかった中間転写ベルト30上の残留トナーは、ベルトクリーニング装置35によって除去され、除去されたトナーは図示しない廃トナー収容器へと搬送され回収される。
その後、用紙Pは定着装置20へと搬送され、定着装置20によって用紙P上のトナー画像が当該用紙Pに定着される。そして、用紙Pは、排紙ローラ13によって装置外へ排出され、排紙トレイ14上にストックされる。
以上の説明は、用紙上にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、4つの作像部4Y,4M,4C,4Kのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つ又は3つの作像部を使用して、2色又は3色の画像を形成したりすることも可能である。
次に、図2に基づき、上記定着装置20の構成について説明する。
図2に示すように、定着装置20は、回転可能な定着回転体としての定着ベルト21と、定着ベルト21に対向して回転可能に設けられた対向回転体としての加圧ローラ22と、定着ベルト21を加熱する加熱源としてのハロゲンヒータ23と、定着ベルト21の内側に配設されたニップ形成部材24と、ニップ形成部材24を支持する支持部材としてのステー25と、ハロゲンヒータ23から放射される光を定着ベルト21へ反射する反射部材26と、定着ベルト21の温度を検知する温度検知手段としての温度センサ27と、定着ベルト21から用紙を分離する分離部材28と、加圧ローラ22を定着ベルト21へ加圧する図示しない加圧手段等を備えている。
上記定着ベルト21は、薄肉で可撓性を有する無端状のベルト部材(フィルムも含む)で構成されている。詳しくは、定着ベルト21は、ニッケルもしくはSUS等の金属材料又はポリイミド(PI)などの樹脂材料で形成された内周側の基材と、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などで形成された外周側の離型層によって構成されている。また、基材と離型層との間に、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、又はフッ素ゴム等のゴム材料で形成された弾性層を介在させてもよい。
上記加圧ローラ22は、芯金22aと、芯金22aの表面に設けられた発泡性シリコーンゴム、シリコーンゴム、又はフッ素ゴム等から成る弾性層22bと、弾性層22の表面に設けられたPFA又はPTFE等から成る離型層22cによって構成されている。加圧ローラ22は、図示しない加圧手段によって定着ベルト21側へ加圧され定着ベルト21を介してニップ形成部材24に当接している。この加圧ローラ22と定着ベルト21とが圧接する箇所では、加圧ローラ22の弾性層22bが押しつぶされることで、所定の幅のニップ部Nが形成されている。また、加圧ローラ22は、プリンタ本体に設けられた図示しないモータ等の駆動源によって回転駆動するように構成されている。加圧ローラ22が回転駆動すると、その駆動力がニップ部Nで定着ベルト21に伝達され、定着ベルト21が従動回転するようになっている。
本実施形態では、加圧ローラ22を中実のローラとしているが、中空のローラであってもよい。その場合、加圧ローラ22の内部にハロゲンヒータ等の加熱源を配設してもよい。また、弾性層が無い場合は、熱容量が小さくなり定着性が向上するが、未定着トナーを押しつぶして定着させるときにベルト表面の微小な凹凸が画像に転写されて画像のベタ部に光沢ムラが生じる可能性がある。これを防止するには、厚さ100μm以上の弾性層を設けることが望ましい。厚さ100μm以上の弾性層を設けることで、弾性層の弾性変形により微小な凹凸を吸収することができるので、光沢ムラの発生を回避することができるようになる。弾性層22bはソリッドゴムでもよいが、加圧ローラ22の内部に加熱源が無い場合は、スポンジゴムを用いてもよい。スポンジゴムの方が、断熱性が高まり定着ベルト21の熱が奪われにくくなるのでより望ましい。また、定着回転体と対向回転体は、互いに圧接する場合に限らず、加圧を行わず単に接触させるだけの構成とすることも可能である。
上記ハロゲンヒータ23は、それぞれの両端部が定着装置20の側板(不図示)に固定されている。ハロゲンヒータ23は、プリンタ本体に設けられた電源部により出力制御されて発熱するように構成されており、その出力制御は、上記温度センサ27による定着ベルト21の表面温度の検知結果に基づいて行われる。このようなヒータ23の出力制御によって、定着ベルト21の温度(定着温度)を所望の温度に設定できるようになっている。また、定着ベルト21を加熱する加熱源として、ハロゲンヒータ以外に、IH、抵抗発熱体、又はカーボンヒータ等を用いてもよい。
上記ニップ形成部材24は、ベースパッド241と、ベースパッド241の表面に設けられた摺動シート(低摩擦シート)240とを有する。ベースパッド241は、定着ベルト21の軸方向又は加圧ローラ22の軸方向に渡って長手状に配設されており、加圧ローラ22の加圧力を受けてニップ部Nの形状を決めるものである。また、ベースパッド241は、ステー25によって固定支持されている。これにより、加圧ローラ22による圧力でニップ形成部材24に撓みが生じるのを防止し、加圧ローラ22の軸方向に渡って均一なニップ幅が得られるようにしている。なお、ステー25は、ニップ形成部材24の撓み防止機能を満足するために、ステンレスや鉄等の機械的強度が高い金属材料で形成することが望ましい。また、ベースパッド241も、強度確保のためにある程度硬い材料で構成されていることが望ましい。ベースパッド241の材料としては、液晶ポリマー(LCP)等の樹脂や、金属、あるいはセラミックなどを適用することができる。
また、ベースパッド241は、耐熱温度200℃以上の耐熱性部材で構成されている。これにより、トナー定着温度域で、熱によるニップ形成部材24の変形を防止し、安定したニップ部Nの状態を確保して、出力画質の安定化を図っている。ベースパッド241には、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの一般的な耐熱性樹脂を用いることが可能である。
摺動シート240は、ベースパッド241の少なくとも定着ベルト21と対向する表面に配設されていればよい。これにより、定着ベルト21が回転する際、この低摩擦シートに対し定着ベルト21が摺動することで、定着ベルト21に生じる駆動トルクが低減され、定着ベルト21への摩擦力による負荷が軽減される。なお、摺動シートを有しない構成とすることも可能である。
上記反射部材26は、ステー25とハロゲンヒータ23との間に配設されている。本実施形態では、反射部材26をステー25に固定している。反射部材26の材料としては、アルミニウムやステンレス等が挙げられる。このように反射部材26を配設していることにより、ハロゲンヒータ23からステー25側に放射された光が定着ベルト21へ反射される。これにより、定着ベルト21に照射される光量を多くすることができ、定着ベルト21を効率良く加熱することが可能となる。また、ハロゲンヒータ23からの輻射熱がステー25等に伝達されるのを抑制することができるので、省エネルギー化も図れる。
また、本実施形態に係る定着装置20は、さらなる省エネ性及びファーストプリントタイムなどの向上のために、種々の構成上の工夫が施されている。
具体的には、ハロゲンヒータ23によって定着ベルト21をニップ部N以外の箇所において直接加熱できるようにしている(直接加熱方式)。本実施形態では、ハロゲンヒータ23と定着ベルト21の図2の左側の部分の間に何も介在させないようにし、その部分においてハロゲンヒータ23からの輻射熱を定着ベルト21に直接与えるようにしている。
また、定着ベルト21の低熱容量化を図るために、定着ベルト21を薄くかつ小径化している。具体的には、定着ベルト21を構成する基材、弾性層、離型層のそれぞれの厚さを、20〜50μm、100〜300μm、10〜50μmの範囲に設定し、全体としての厚さを1mm以下に設定している。また、定着ベルト21の直径は、20〜40mmに設定している。さらに低熱容量化を図るためには、望ましくは、定着ベルト21全体の厚さを0.2mm以下にするのがよく、さらに望ましくは、0.16mm以下の厚さとするのがよい。また、定着ベルト21の直径は、30mm以下とするのが望ましい。
なお、本実施形態では、加圧ローラ22の直径を20〜40mmに設定しており、定着ベルト21の直径と加圧ローラ22の直径を同等となるように構成している。ただし、この構成に限定されるものではない。例えば、定着ベルト21の直径が加圧ローラ22の直径よりも小さくなるように形成してもよい。その場合、ニップ部Nにおける定着ベルト21の曲率が加圧ローラ22の曲率よりも小さくなるため、ニップ部Nから排出される記録媒体が定着ベルト21から分離されやすくなる。
また、上記のように、定着ベルト21を小径化した結果、定着ベルト21の内側のスペースが小さくなるが、ステー25を両端側において折り曲げられた凹状に形成し、その凹状に形成した部分の内側にハロゲンヒータ23を収容することで、小さいスペース内でもステー25やハロゲンヒータ23の配設を可能にしている。
また、小さいスペース内でもステー25をできるだけ大きく配設するために、ニップ形成部材24を反対にコンパクトに形成している。具体的には、ベースパッド241の用紙搬送方向の幅を、ステー25の用紙搬送方向の幅よりも小さく形成している。さらに、図2において、ベースパッド241の用紙搬送方向上流側端部24a及び下流側端部24bにおけるそれぞれのニップ部N又はその仮想延長線Eに対する高さをh1,h2とし、上流側端部24a及び下流側端部24b以外のベースパッド241の部分におけるニップ部N又はその仮想延長線Eに対する最大高さをh3とすると、h1≦h3、h2≦h3となるように構成している。このように構成することで、ベースパッド241の上流側端部24aと下流側端部24bは、ステー25の用紙搬送方向上流側及び下流側の各折り曲げ部と定着ベルト21との間に介在しないので、各折り曲げ部を定着ベルト21の内周面に近づけて配設することができる。これにより、定着ベルト21内の限られたスペース内でステー25をできるだけ大きく配設できるようになり、ステー25の強度を確保することができるようになる。その結果、加圧ローラ22によるニップ形成部材24の撓みを防止でき、定着性の向上を図れる。
さらにステー25の強度を確保するために、本実施形態では、ステー25が、ニップ形成部材24と接触し用紙搬送方向(図2の上下方向)に延在するベース部25aと、そのベース部25aの用紙搬送方向上流側と下流側の各端部から加圧ローラ22の当接方向(図2の左側)に向かって延びる立ち上がり部25bとを有するように構成している。すなわち、ステー25に立ち上がり部25bを設けることで、ステー25が加圧ローラ22の加圧方向に延在する横長の断面を有するようになり、断面係数が大きくなって、ステー25の機械的強度を向上させることが可能となる。
また、立ち上がり部25bを加圧ローラ22の当接方向により長く形成する方が、ステー25の強度が向上する。従って、立ち上がり部25bの先端は、定着ベルト21の内周面に対し、できる限り近接していることが望ましい。しかし、回転中、定着ベルト21には大小なりとも振れ(挙動の乱れ)が生じるので、立ち上がり部25bの先端を定着ベルト21の内周面に近づけすぎると、定着ベルト21が立ち上がり部25bの先端に接触する虞がある。特に、本実施形態のように、薄い定着ベルト21を用いている構成においては、定着ベルト21の振れ幅が大きいので、立ち上がり部25bの先端の位置設定には注意が必要である。
具体的に、本実施形態の場合、立ち上がり部25bの先端と定着ベルト21の内周面との加圧ローラ22の当接方向の距離dは、少なくとも2.0mm、望ましくは3.0mm以上に設定するのが好ましい。一方、定着ベルト21にある程度厚みがあって振れがほとんど無い場合は、上記距離dは0.02mmに設定することが可能である。なお、本実施形態のように、立ち上がり部25bの先端に反射部材26が取り付けられている場合は、反射部材26が定着ベルト21に接触しないように上記距離dを設定する必要がある。
このように、立ち上がり部25bの先端を定着ベルト21の内周面に対し可能な限り近接するように配設することで、立ち上がり部25bを加圧ローラ22の当接方向に長く配設することができる。これにより、小径の定着ベルト21を用いた構成においても、ステー25の機械的強度を向上させることが可能となる。
図3は、定着ベルトの端部の構成を示す図である。同図中、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は定着ベルトの回転軸方向から見た側面図を示す。なお、図3の(a)〜(c)では、片側の端部の構成のみを図示しているが、反対側の端部も同様の構成となっているので、以下、図3に基づき片側の端部の構成についてのみ説明する。
図3の(a)又は(b)に示すように、定着ベルト21の端部にはベルト保持部材40が挿入されており、このベルト保持部材40によって定着ベルト21の端部は回転可能に保持されている。図3の(c)に示すように、ベルト保持部材40はニップ部の位置(ニップ形成部材24を配設した位置)で開口したC字形に形成されている。また、上記ステー25の端部は、このベルト保持部材40に固定され位置決めされている。
また、図3の(a)又は(b)に示すように、定着ベルト21の端面とそれに対向するベルト保持部材40の対向面との間には、定着ベルト21の端部を保護する保護部材としてのスリップリング41が設けられている。これにより、定着ベルト21に軸方向の寄りが生じた場合に、定着ベルト21の端部がベルト保持部材40に直接当接するのを防止することができ、端部の摩耗や破損を防ぐことができる。また、スリップリング41は、ベルト保持部材40に外周に対し余裕を持って嵌められている。このため、定着ベルト21の端部がスリップリング41に接触した際に、スリップリング41は定着ベルト21と連れ回り可能となっているが、スリップリング41が連れ回りせず、静止していても構わない。スリップリング41の材料としては、耐熱性に優れたいわゆるスーパーエンプラ、例えば、PEEK、PPS、PAI、PTFE等を適用することが好ましい。
なお、図示省略するが、定着ベルト21の軸方向両端部には、定着ベルト21とハロゲンヒータ23との間に、ハロゲンヒータ23からの熱を遮蔽する遮蔽部材を配設している。これにより、特に、連続通紙時の定着ベルトの非通紙領域における過剰な温度上昇を抑制することができ、定着ベルトの熱による劣化や損傷を防止することができる。
以下、図2を参照しつつ、本実施形態に係る定着装置の基本動作について説明する。
プリンタ本体の電源スイッチが投入されると、ハロゲンヒータ23に電力が供給されると共に、加圧ローラ22が図2中の時計回りに回転駆動を開始する。これにより、定着ベルト21は、加圧ローラ22との摩擦力によって、図2中の反時計回りに従動回転する。
その後、上述の画像形成工程により未定着のトナー画像Tが担持された用紙Pが、不図示のガイド板に案内されながら図2の矢印A1方向に搬送されて、圧接状態にある定着ベルト21及び加圧ローラ22のニップ部Nに送入される。そして、ハロゲンヒータ23によって加熱された定着ベルト21による熱と、定着ベルト21と加圧ローラ22との間の加圧力とによって、用紙Pの表面にトナー画像Tが定着される。
トナー画像Tが定着された用紙Pは、ニップ部Nから図2中の矢印A2方向に搬出される。このとき、用紙Pの先端が分離部材28の先端に接触することにより、用紙Pが定着ベルト21から分離される。その後、分離された用紙Pは、上述のように、排紙ローラによって機外に排出され、排紙トレイにストックされる。
以下、本実施形態の特徴部分について説明する。
図4は、ニップ部の拡大図である。
図4に示すように、ベースパッド241の加圧ローラ22側の面には、定着ベルト21を介して加圧ローラ22に接触するストレート状の接触面50が設けられている。さらに、この接触面50の用紙搬送方向上流側には、定着ベルト21を介して加圧ローラ22と当接しない延在面51が延在して設けられている。延在面51は、接触面50と同一平面上のストレート状に形成されており、定着ベルト21が図4の矢印の方向に回転すると、定着ベルト21は、延在面51に対し摺動シート240を介して摺動しつつニップ部Nへ進入するようになっている。すなわち、延在面51は、定着ベルト21を接触面50へと案内するガイドとしての機能を有する。
なお、接触面50と延在面51は、ストレート状に形成される以外に、定着ベルト21の内径側へ向かって窪んだ凹曲面状やその他の形状に形成してもよい。特に、接触面50と延在面51を凹曲面状に形成した場合は、ニップ部Nを通過した用紙の先端が加圧ローラ22寄りに排出されるため、定着ベルト21に対する用紙の分離性が向上し、ジャム等の搬送不良の発生を抑制できる利点がある。
延在面51のさらに用紙搬送方向上流側には、曲面52が連続して設けられている。この曲面52は、定着ベルト21の外径方向に凸状に形成されており、曲面52と延在面51との境界Bでは、角(エッジ)が形成されないように、曲面52が延在面51に対して滑らかに連続して形成されている。
このように、ベースパッド241は、加圧ローラ22と接触する接触面50と、接触面50から用紙搬送方向上流側に延在する延在面51と、延在面51から用紙搬送方向上流側に滑らかに連続して設けられた曲面52とを有する。また、これに倣って摺動シート240は配設されている。このため、摺動シート240も、ベースパッド241と同様に、ベースパッド241の接触面50に対応するストレート状の接触面60と、ベースパッド241の延在面51に対応するストレート状の延在面61と、ベースパッド241の曲面52に対応する曲面62を有している。
定着ベルト21は、非回転時には、摺動シート240の曲面62には接触しないようになっている。また、摺動シート240の曲面62は、定着ベルト21の理想の回転軌跡(ベルト挙動の乱れが無いとした場合の回転軌跡)に対し、接触しないように配設されている。従って、定着ベルト21が回転しても、基本的に定着ベルト21は摺動シート240の曲面62とは接触しない。ただし、実際は、回転時における定着ベルト21の挙動の乱れが多少はあると考えられるので、その挙動の乱れによっては、定着ベルト21が摺動シート240の曲面62に接触する場合もある。しかし、その場合であっても、摺動シート240は、ベースパッド241の形状に倣って、曲面62が延在面61と滑らかに連続しているので、定着ベルト21の摩耗を高度に抑制することが可能である。また、ベースパッド241の曲面52が延在面51と滑らかに連続していることにより、摺動シート240がベースパッド241と接触することによる摩耗も高度に抑制することができる。
なお、定着ベルト21が摺動シート240の曲面62に接触したときの摺動負荷をより一層低減するには、ベースパッド241の曲面52を、定着ベルト21の理想の回転軌跡に近くなるように形成することが望ましい。
このように、本実施形態では、定着ベルト21が回転すると、定着ベルト21は摺動シート240の曲面62とは基本的に非接触で、延在面61に対しては摺動しつつニップ部Nへと進入する。すなわち、回転中の定着ベルト21は、ベースパッド241によってストレート状の延在面51からストレート状の接触面50へと案内されるので、定着ベルト21の挙動の乱れをニップ部Nの手前で抑えることができ、安定的かつ円滑な定着ベルト21の回転を実現することが可能である。
また、回転時における定着ベルト21の挙動の多少の乱れにより、定着ベルト21が摺動シート240の曲面62に接触しても、ベースパッド241の形状に倣って摺動シート240の曲面62が延在面61と滑らかに連続しているので、定着ベルト21の摩耗を高度に抑制することができる。また、このとき、摺動シート240がベースパッド241に強く押し付けられたとしても、摺動シート240の摩耗も高度に抑制することが可能である。
なお、回転中の定着ベルト21は、ベースパッド241の延在面51と曲面52の位置では加圧ローラ22と接触しないようになっているので、定着ベルト21がこれらの位置で加圧ローラ22と接触することによる摩耗は生じない。
また、本実施形態では、回転中の定着ベルト21が摺動シート240の曲面62に対しより接触しにくくするように、ベースパッド241の配設位置を以下のように設定している。
図5に示す定着ベルト21の回転軸方向から見た状態において、C字形のベルト保持部材40の外周を通る真円又は略真円の仮想円を二点鎖線Dで表し、ニップ部Nの仮想延長線を二点鎖線Eで表すと、その仮想円Dと仮想延長線Eとで囲まれた領域内であって、かつ、仮想円Dと仮想延長線Eから離れた位置に、ベースパッド241の曲面52を配設するようにしている。これにより、定着ベルト21が摺動シート240の曲面62に対しより接触しにくくなり、定着ベルト21が曲面62に接触することによる摺動負荷や摩耗をより確実に抑制することが可能となる。
図6は、本発明を適用した他の実施形態の定着装置の構成を示す図、図7は、その定着装置のニップ部の拡大図である。
図6に示す定着装置20は、加熱源としてのハロゲンヒータ23を3本備えている。この場合、ハロゲンヒータ23ごとに発熱領域を異ならせることで、種々の幅の用紙幅に対応した範囲で定着ベルト21を加熱することが可能となっている。また、この場合、ニップ形成部材24を囲むように板金250が設けられており、この板金250を介してニップ形成部材24はステー25に支持されている。それ以外の構成については、上記図2に示す実施形態の構成と基本的に同様である。
すなわち、この実施形態においても、図7に示すように、ベースパッド241は、上記と同様の接触面50と延在面51と曲面52とを有しており、定着ベルト21の安定的かつ円滑な回転の実現と、定着ベルト21の摩耗の抑制を達成することができる。なお、図6において、h1、h2、h3は、上記と同様のベースパッド241における各高さであり、この実施形態においても、小さいスペース内でステー25をできるだけ大きく配設するために、h1≦h3、h2≦h3となるように構成されている。
以上のように、本発明によれば、ベースパッド241の延在面51によって定着ベルト21をガイドすることにより、定着ベルト21の両端部以外ではニップ形成部材24以外にガイド部材を設けていない構成においても、定着ベルト21を安定的かつ円滑に回転させることができるようになる。これにより、回転時における定着ベルト21への負荷を軽減することが可能となる。また、定着ベルト21が(摺動シート240を介して)ベースパッド241の曲面52に接触した場合であっても、曲面52は延在面51と滑らかに連続していることにより、定着ベルト21(及び摺動シート240)の摩耗を高度に抑制することが可能である。
このように、本発明によれば、回転時に生じる定着ベルト21への負荷と摩耗を抑制することができるので、定着ベルト21の破損や破断を防止することができ、装置としての信頼性が向上する。特に、上記実施形態のように、低熱容量化のために定着ベルト21を薄くした構成においては、定着ベルト21の強度が低下するので、このような構成の定着装置に本発明の構成を適用することにより大きな効果を期待できる。
また、本発明によれば、ニップ形成部材24によるコンパクトなガイドによって定着ベルト21を安定的かつ円滑に回転させることができるので、ガイド部材への無駄な熱量の消費が抑えられ、定着装置全体としてのさらなる低熱容量化を図ることができる。また、大きなガイドを設けなくてもよいため、ステー25の用紙搬送方向上流側及び下流側の部分と定着ベルト21の内周面にとの間に、何も介在させないように(互いに直接対向するように)構成することができる。これにより、ステー25を、用紙搬送方向上流側及び下流側において定着ベルト21の内周面に近づけて配設することが可能となり、定着ベルト21内の限られたスペース内でステー25をできるだけ大きく配設することができるようになる。その結果、上記各実施形態のように、低熱容量化のため定着ベルト21を小径化した構成においても、ステー25の強度を確保することができるようになり、加圧ローラ22によるニップ形成部材24の撓みを防止でき、定着性の向上を図れるようになる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態のように、省エネ性などの向上のために定着ベルトを薄く小径化した定着装置に限定されるものではない。また、本発明に係る定着装置は、図1に示すカラーレーザープリンタに限らず、モノクロ画像形成装置や、その他のプリンタ、複写機、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等に搭載することも可能である。また、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
20 定着装置
21 定着ベルト
22 加圧ローラ(対向回転体)
23 ハロゲンヒータ(加熱源)
24 ニップ形成部材
25 ステー(支持部材)
40 ベルト保持部材
50 接触面
51 延在面
52 曲面
240 摺動シート
241 ベースパッド
D ベルト保持部材の外周を通る仮想円
E ニップ部の仮想延長線
h1 ベースパッドの上流側端部におけるニップ部の仮想延長線に対する高さ
h2 ベースパッドの下流側端部におけるニップ部の仮想延長線に対する高さ
h3 上流側端部及び下流側端部以外のベースパッドの部分におけるニップ部の仮想延長線に対する最大高さ
N ニップ部
P 用紙(記録媒体)
特開2004−286922号公報 特許第2861280号公報 特開2007−334205号公報 特開2007−233011号公報 特開2010−26256号公報

Claims (11)

  1. 回転可能な無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトを加熱する加熱源と、前記定着ベルトの内側に配設されたニップ形成部材と、前記定着ベルトを介して前記ニップ形成部材と当接することにより定着ベルトとの間にニップ部を形成する対向回転体とを備え、未定着画像を担持した記録媒体を搬送して、当該記録媒体に未定着画像を定着する定着装置において、
    前記ニップ形成部材は、前記ニップ部の形状を決めるベースパッドを有し、
    前記ベースパッドは、前記定着ベルトを介して前記対向回転体と接触する接触面と、
    当該接触面から記録媒体搬送方向上流側に延在して、前記定着ベルトが摺動し、かつ、前記対向回転体とは接触しない延在面と、
    当該延在面から記録媒体搬送方向上流側に連続して設けられ、かつ、前記対向回転体とは接触しない曲面とを有し、
    前記接触面及び前記延在面をストレート状に形成し、
    前記定着ベルトは、非回転時には、前記曲面に接触しないことを特徴とする定着装置。
  2. 回転可能な無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトを加熱する加熱源と、前記定着ベルトの内側に配設されたニップ形成部材と、前記定着ベルトを介して前記ニップ形成部材と当接することにより定着ベルトとの間にニップ部を形成する対向回転体とを備え、未定着画像を担持した記録媒体を搬送して、当該記録媒体に未定着画像を定着する定着装置において、
    前記ニップ形成部材は、前記ニップ部の形状を決めるベースパッドを有し、
    前記ベースパッドは、前記定着ベルトを介して前記対向回転体と接触する接触面と、
    当該接触面から記録媒体搬送方向上流側に延在して、前記定着ベルトが摺動し、かつ、前記対向回転体とは接触しない延在面と、
    当該延在面から記録媒体搬送方向上流側に連続して設けられ、かつ、前記対向回転体とは接触しない曲面とを有し、
    前記接触面及び前記延在面を前記定着ベルトの内径側に向かって窪んだ凹曲面状に形成し、
    前記定着ベルトは、非回転時には、前記曲面に接触しないことを特徴とする定着装置。
  3. 前記ニップ形成部材は、前記ベースパッドの少なくとも前記定着ベルトと対向する表面に配設された摺動シートを有する請求項1又は2に記載の定着装置。
  4. 前記加熱源は、前記定着ベルトの内周面に直接対向して配設された請求項1から3のいずれか1項に記載の定着装置。
  5. 前記曲面を前記定着ベルトの外径方向に凸状に形成した請求項1から4のいずれか1項に記載の定着装置。
  6. 前記定着ベルトの端部を回転可能に保持するベルト保持部材を備え、
    前記ベルト保持部材は、ニップ部の位置で開口したC字形に形成されており、
    前記定着ベルトの回転軸方向から見て、前記曲面を、ベルト保持部材の外周を通る仮想円と、ニップ部の仮想延長線とで囲まれた領域内であって、かつ、前記仮想円と前記仮想延長線から離れた位置に配設した請求項1から5のいずれか1項に記載の定着装置。
  7. 前記ニップ形成部材を支持する支持部材を備え、
    前記支持部材の記録媒体搬送方向上流側及び下流側の部分は、定着ベルトの内周面に直接対向して配設された請求項1から6のいずれか1項に記載の定着装置。
  8. 前記支持部材を凹状に形成し、当該凹状に形成した部分の内側に前記加熱源を収容するように配設した請求項に記載の定着装置。
  9. 前記ベースパッドの記録媒体搬送方向の幅を、前記支持部材の記録媒体搬送方向の幅よりも小さく形成した請求項7又は8に記載の定着装置。
  10. 前記ベースパッドの記録媒体搬送方向上流側端部及び下流側端部におけるそれぞれのニップ部又はその仮想延長線に対する高さをh1,h2とし、前記上流側端部及び下流側端部以外のベースパッドの部分における前記ニップ部又はその仮想延長線に対する最大高さをh3とすると、h1≦h3、h2≦h3となるように構成した請求項1から9のいずれか1項に記載の定着装置。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置
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