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JP4240891B2 - 再剥離型両面粘着テープ - Google Patents

再剥離型両面粘着テープ Download PDF

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JP4240891B2 JP2002053589A JP2002053589A JP4240891B2 JP 4240891 B2 JP4240891 B2 JP 4240891B2 JP 2002053589 A JP2002053589 A JP 2002053589A JP 2002053589 A JP2002053589 A JP 2002053589A JP 4240891 B2 JP4240891 B2 JP 4240891B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、不織布を支持体とする再剥離型両面粘着テープに関する。詳しくは金属やプラスチックから両面粘着テープを剥離するときの剥離性に優れる不織布を支持体とする再剥離型両面粘着テープに関する。
【0002】
【従来の技術】
不織布を支持体とする両面粘着テープ(以下、両面粘着テープ)は作業性が良好なことから各種産業分野にて利用されている。また近年、地球環境保護の高まりから省資源等を目的として、製品に使用されている再利用可能な部品については、使用後に分解して再利用することが多くなってきている。この際、両面粘着テープを使用している場合には、部品に貼付されたテープを剥離する作業が必要になることがあるが、一般的に剥離作業は困難であることが多い。具体的には、剥離時に粘着剤が被着体に残留したり、両面粘着テープが切れてしまったり、不織布層間で両面粘着テープが破壊したりするという問題がある。そのなかでも、不織布層間で破壊した両面粘着テープ片を部品表面から取り除く作業が、リサイクル工程上最も効率の悪い作業となっていた。
【0003】
上記問題を解決する手段として、特開2000-303041号公報には、特定の降伏点強度と特定の降伏点伸度を有する両面粘着テープが提案されている。しかしながら、上記粘着テープでも被着体への接着性が高い場合、必ずしも不織布層間の破壊を解決できなかった。
【0004】
また、特開2001-152111号公報には、特定の層間破壊面積率を有する両面粘着テープが提案されている。しかしながら、上記粘着テープは課題をパラメーターとしており、どのようにして層間破壊しにくい両面テープを提供するかを提案していない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題とするところは、金属やプラスチックの被着体より剥離する際に、粘着剤が被着体に残留せず、且つ両面粘着テープが切れたり、不織布層間で破壊したりしない不織布を支持体とする再剥離型両面粘着テープを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意研究した結果、不織布層間の破壊強度を検知する方法として、不織布を水に濡らすことにより膨潤させ、繊維の絡み合いを解いて測定した、湿潤引っ張り強度と従来より標準的に測定されている引っ張り強度との比(湿潤引張強度) / (引張強度)で表される不織布の層間強度係数γにより、従来評価が難しかった不織布の厚み方向の破壊強度を評価できることを見出した。また層間強度係数γが0.15〜0.6である不織布と特定の動的粘弾性を有する粘着剤を組み合わせることにより、本発明の課題が解決されること見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、1)坪量が10〜30g/m2であり、2)グレーン比が80%以上であり、3)引張強度が15〜30N/20mmであり、4)密度が0.15〜0.35g/cm3である麻を主成分とする不織布を支持体とし、前記不織布の両面に形成された粘着剤層の少なくとも一方の粘着剤層の70℃における貯蔵弾性率G'が3.0×104〜1.0×105Paであり、130℃での損失正接tanδが1より小さい再剥離型粘着テープにおいて、前記支持体の(湿潤引張強度) / (引張強度)で表される層間強度係数γが0.15〜0.6である再剥離型両面粘着テープを提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の不織布を支持体とする再剥離型両面粘着テープを、その構成及びラミネート条件に基づいて更に詳しく説明する。
【0009】
1. 不織布
(層間強度係数)
本発明で用いられる不織布は、(湿潤引張強度) / (引張強度)で表される層間強度係数γが0.15〜0.6である。γが0.15未満の場合は、不織布の層間強度が弱く、テープを再剥離する際に、テープが不織布層間で破壊する。一方、γが0.6を超える場合は不織布の柔軟性が欠け、凹凸面への追従性が低下する。好ましくは、γは0.2〜0.6である。さらに好ましくは、γは0.25〜0.6である。
(引っ張り強度測定法)
引張強度は、不織布を標線長さ100mm、幅20mmのダンベル状に打ち抜き、テンシロン引張試験機を用い、引張速度300mm/min、測定雰囲気23℃,50%RHの条件で、測定した。湿潤引張強度は、イオン交換水中に24時間浸漬した後、過剰の水を除き、上記条件で測定した。
【0010】
(不織布の繊維組成)
不織布の繊維組成としては、麻単独または麻とビンロン、レーヨン、ポリエステル、パルプ等を混抄しても良い。麻としては、強度の点からマニラ麻が好ましい。
マニラ麻の含有率は50質量%以上のものが好ましい。マニラ麻が50質量%未満では、充分な引張強度が得られない。さらに好ましくは70質量%以上である。
【0011】
(強化剤)
不織布の強度を向上させる目的で、不織布製造工程で公知慣用の強化剤を添加することが好ましい。強化剤は、内添強化剤或いは外添強化剤を、単独又は併用しても良い。
【0012】
(内添強化剤)
内添強化剤としては、ポリアクリルアミド系樹脂、尿素−ホルムアルデヒド系樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド系樹脂、エポキシーポリアミド系樹脂等が使用できる。特にエポキシ−ポリアミド系樹脂であるポリアミドアミン・エピクロルヒドリン樹脂が著しく不織布層間強度を上げるため好ましい。
内添強化剤の添加量としては、好ましくは不織布に対し0.2〜1%、さらに好ましくは、0.3〜0.5%である。通常市販されている不織布の添加量である0.2%未満では、上記層間強度係数の範囲が得られず、高速で剥離する際に不織布層間で破壊する。
【0013】
(外添強化剤)
外添強化剤としては、ビスコース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド等の熱可塑性樹脂が使用できる。
【0014】
(坪量)
不織布の坪量が10g/m2未満の場合は、不織布の強度が弱く、テープを再剥離する際にテープが切れる。また、30g/m2を超える場合は、テープの柔軟性が低下し、テープを紙管に巻き取る際に、幅方向のシワが発生し、外観を悪い。さらに好ましくは、13〜25g/m2以下である。
【0015】
(密度)
不織布の密度が0.15g/m3未満の場合は、不織布の強度が弱く、テープを再剥離する際にテープが切れる。また、0.35g/m3を超える場合は、粘着剤の含浸性が低下し、粘着剤による充分なバインダー効果が得られず、テープを再剥離する際に、テープが不織布層間で破壊する。更に好ましい密度は、0.2〜0.3g/m3である。
【0016】
(引っ張り強度)
本発明に使用する不織布の引張強度は、MD方向、TD方向ともに15〜30N/20mmであるが、MD方向、TD方向のどちらか一方の引張強度が15N/20mm未満の場合は、テープを再剥離する際に、テープが切れ易くなる。また、MD方向、TD方向のどちらか一方の引張強度が30N/20mmを超える場合は、テープの柔軟性が低下し、凹凸へのテープの追従性が低下する。MD方向、TD方向に引っ張り強度が共に17〜30N/20mmであることが好ましく、20〜30N/20mmが更に好ましい。
【0017】
(グレーン比)
不織布のグレーン比は、好ましくは90〜100%である。グレーン比が80%未満の場合は、MD方向とTD方向の強度や伸びの等方性がなくなり、テープを再剥離する際に、不織布の強度の弱い方向に沿って、切れやすくなる。尚、グレーン比とは、不織布のTD方向の引張強度をMD方向の引張強度で除した値として定義される。
【0018】
(抄紙方法)
不織布の抄紙方法としては、特に限定されるものではないが、公知の湿式法により得られ、円網抄紙機、短網抄紙機、長網抄紙機、傾斜短網抄紙機等を使用した各種抄紙法が用いられる。グレーン比の高い不織布を得るためには、傾斜短網方式が好ましい。
【0019】
2.粘着剤
本発明に用いる粘着剤は、70℃での貯蔵弾性率G'が3.0×104〜1.0×105Paであり、且つ130℃での損失正接tanδが1未満である。不織布の強度によって若干異なるが、70℃での貯蔵弾性率G'が3.0×104Pa未満の場合は接着力が強くなりすぎ、剥離時に不織布層間破壊やテープの切れが発生する。また1.0×105Paを越える場合は接着性が低下する。130℃でのtanδが1以上の場合は再剥離性が低下する。また、定荷重剥離性など耐剥がれ性を考慮する場合は、130℃での損失正接tanδは0.5以上が好ましい。
詳しくは、本発明に使用する不織布のなかで、引張強度および層間強度が強い不織布にあたる不織布の引張強度が20N〜30N/20mmであり、且つ層間強度係数が0.25〜0.6の場合は、70℃での貯蔵弾性率G'が3.0×104〜1.0×105Paであり、且つ130℃での損失正接 tanδが1未満の粘着剤が適している。
一方、本発明に使用する不織布のなかで、引張強度および層間強度が弱い不織布にあたる不織布の引張強度が15N〜20N/20mmであり、且つ層間強度係数が0.15〜0.25の場合は、70℃での貯蔵弾性率G'が5.0×104〜1.0×105Paであり、且つ130℃での損失正接tanδが0.8未満の粘着剤が適している。
(粘着剤の種類)
粘着剤の種類としては、公知のアクリル系やゴム系の粘着剤が使用できる。更に、必要に応じ粘着付与樹脂や架橋剤を添加してもよい。
(貯蔵弾性率G'と損失正接 tanδ測定法)
本発明における貯蔵弾性率G'と損失正接tanδは、5mm厚にまで重ね合わせ粘着剤を試験片とし、レオメトリックス社製粘弾性試験機アレス2kSTDに直径7.9mmのパラレルプレートを装着し、試験片を挟み込み周波数1Hzで測定した値である。
【0020】
(厚み)
両面粘着テープの片面の粘着剤層の厚みは、好ましくは10μm〜100μm、さらに好ましくは30μm〜80μm以下である。10μm未満では接着性が低下する。また100μmを超えると、再剥離性が低下する。
(塗布方法)
粘着剤の塗布方法としては、ロールコーター等で直接不織布に塗布する方法や、剥離紙上にいったん粘着剤層を形成後、不織布に転写する方法が用いられる。
【0021】
3.ラミネート条件
また粘着剤を不織布の紙層内部まで含浸させるために、粘着剤を不織布に直接塗布または転写し乾燥後、ラミネートする方法が使用される。
(温度)
ラミネートの温度としては、好ましくは80℃〜110℃、さらに好ましくは、90℃〜110℃である。80℃未満では粘着剤の不織布への含浸が悪くなり、再剥離した際にテープが不織布層間で破壊する。110℃を超えると、剥離紙のフクレが起きる。
(圧力)
ラミネート圧力としては、好ましくは通常80〜200N/cm、さらに好ましくは、120〜200N/cmである。80N/cm未満では充分に粘着剤が不織布の紙層内部まで含浸せず、200N/cmを超えるとラミネートロールの摩耗が激しくなる。
【0022】
【実施例】
以下に実施例により具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0023】
(不織布の作成)
マニラ麻100%、ポリアミドアミン・エピクロルヒドリン樹脂0.5%含む溶液を、傾斜短網抄紙機で、坪量17g/m2、密度0.27g/cm3、グレーン比96%になるよう抄紙し不織布Aを得た。この不織布Aの引張強度(切断強度)は、流れ方向(MD)24N/20mm、及び幅方向(TD)23N/20mmであり、層間強度係数は、MD、TDとも0.28であった。同様に表1に記載の処方で、不織布B〜Fを作製した。
【0024】
【表1】
Figure 0004240891
【0025】
〔実施例1〕
アクリル系粘着剤溶液(綜研化学社製SKダイン1717、固形分45%)100部に対し、イソシアネート系架橋剤(綜研化学社製L-45、固形分45%)を1.3部添加し15分攪拌後、剥離処理した厚さ75μmのポリエステルフィルム上に乾燥後の厚さが65μmになるように塗工して、80℃で3分間乾燥した。得られた粘着シートを、不織布Aの両面に転写し、80℃の熱ロールで150N/cmの圧力でラミネートし、不織布紙層内部まで粘着剤を充分含浸させた。その後40℃で2日間熟成し両面粘着テープを得た。
【0026】
〔実施例2〕
下記粘着剤aを用い、イソシアネート系架橋剤(綜研化学株式会社製L-45、固形分45%)を0.9部添加した以外は実施例1と同様に両面粘着テープを作製した。
【0027】
(粘着剤aの調製)
(1) 攪拌機、寒流冷却器、温度計、滴下漏斗及び窒素ガス導入口を備えた反応容器にブチルアクリレート93.4質量部(以下部)、酢酸ビニル3部、アクリル酸2.5部、N-ビニルピロリドリン1部、β-ヒドロキシエチルアクリレート0.1部のモノマー100質量部と重合開始剤として2,2'-アゾビスイソブチルニトリル0.2部とを酢酸エチル100部に溶解し、80℃で8時間重合して、重量平均分子量70万のアクリル共重合体溶液を得た。
(2) 上記のアクリル共重合体固形分100部に対し、ロジンエステル系樹脂A-100(荒川化学社製)を15部、重合ロジンエステル系樹脂D-135(荒川化学社製)を15部添加し、トルエンで希釈混合し固形分40%の粘着剤溶液aを得た。
【0028】
〔実施例3〕
不織布Aの代わりに不織布Bを使用した以外は、実施例2と同様に両面粘着テープを作製した。
【0029】
〔実施例4〕
不織布Aの代わりに不織布Cを使用した以外は、実施例2と同様に両面粘着テープを作製した。
【0030】
〔実施例5〕
不織布Aの代わりに不織布Dを使用した以外は、実施例1と同様に両面粘着テープを作製した。
【0031】
〔比較例1〕
不織布Aの代わりに不織布Eを使用した以外は、実施例1と同様に両面粘着テープを作製した。
【0032】
〔比較例2〕
不織布Aの代わりに不織布Fを使用した以外は、実施例1と同様に両面粘着テープを作製した。
【0033】
実施例1〜5、比較例1および比較例2で作製した粘着剤溶液及び両面粘着テープについて、以下に示す方法により試験し、評価結果を表2、3に示した。
【0034】
[不織布の引張強度]
引張強度は、不織布を標線長さ100mm、幅20mmのダンベル状に打ち抜き、テンシロン引張試験機を用い、引張速度300mm/min、測定雰囲気23℃,50%RHの条件で、不織布が切断する強度を測定した。
【0035】
[不織布の層間強度係数]
層間強度係数γは(湿潤引張強度)/(引張強度)である。
湿潤引張強度は、イオン交換水中に24時間浸漬した後、過剰の水を除き、上記条件で測定した。
【0036】
[粘着剤の動的粘弾性]
架橋した粘着剤を5mm厚にまで重ね合わせ試験片とした。レオメトリックス社製粘弾性試験機アレス2kSTDに直径7.9mmのパラレルプレートを装着し、試験片を挟み込み、周波数1Hzで-50℃から150℃までの貯蔵弾性率(G')、損失正接(tanδ)を測定した。
【0037】
[テープの引張強度及び伸度]
テープの引張強度及び伸度は、テープを標線長さ100mm、幅20mmのダンベル状に打ち抜き、テンシロン引張試験機を用い、引張速度300mm/min、測定雰囲気23℃,50%RHの条件で測定し、降伏点の強度及び降伏点までの伸びをチャートから読みとった。
【0038】
[層間破壊面積率(%)]
15mm×15mmに切断した両面接着テープの両面に20mm×100mmに切断したt(厚み)=0.1mmのアルミ箔を貼合わせ、60℃×24時間保存後、常温まで徐冷し、アルミ箔の両端を手で持ち10m/分程度の速度で手によりT剥離を行い、剥離した後の糊面から不織布内部で破壊している面積割合(層間破壊面積率)を以下のようにして算出した。より詳しく説明すると、剥離表面を写真機などで画像として取り込み、印画紙に印画し、両面テープ印画部分を切り抜いてその重量(A)を測定するとともに、そのうち層間破壊部分を切り抜いてその重量(B)を測定し、(B/A)×100の値を層間破壊面積率(%)とした。
【0039】
[接着力]
23℃下、25μmポリエステルフィルムで裏打ちした20mm幅の両面粘着テープ試料をステンレス板に貼付し、2kgローラー1往復加圧した。23℃下で1時間静置した後、180°方向に引張速度300mm/minで引っ張り、接着力を測定した。
【0040】
[定荷重剥離性]
23℃下、25μmポリエステルフィルムで裏打ちした10mm幅×50mm長さの両面粘着テープ試料をステンレス板に貼付し、2kgローラー1往復加圧し、40℃下で1時間養生した。23℃下で試料に対して90°方向に300gの荷重をかけ、1時間後のハガレ距離を測定した。
【0041】
[再剥離性1]
25μmのポリエステルフィルムで裏打ちした20mm幅の両面粘着テープ試料をステンレスに貼付し2kgローラー1往復加圧した。貼付後60℃,90%RH雰囲気下で12日間放置し、23℃下で1日冷却した後、135°の方向にテープ試料を手で5m/minの速度で剥がした。
テープ不織布層間での破壊の有無及び剥離後の被着体への粘着剤の残留の程度を以下の基準で目視評価した。
(不織布層間破壊)
◎ :不織布層間破壊面積=0〜10%未満
○ :不織布層間破壊面積=10〜20%未満
× :不織布層間破壊面積=20%以上
(粘着剤残留)
◎ :糊残り=0〜10%未満
○ :糊残り=10〜20%未満
× :糊残り=20%以上
【0042】
[再剥離性2]
5mm幅の両面粘着テープを、ステンレス板に2.0kgローラーで1往復加圧貼付した。両面粘着テープのもう一方の剥離紙を剥がし、両面粘着テープ単体の状態にする。23℃下で7日間放置後、両面粘着テープの一端を持ち、135°方向に1m/minで剥離した際のテープのキレ具合をN=10で評価した。
◎:テープキレ0回
○:テープキレ1〜2回
×:テープキレ3回以上
【0043】
【表2】
Figure 0004240891
【0044】
【表3】
Figure 0004240891
【0045】
表2の結果から明らかなように、本発明に基づく不織布と粘着剤層との組み合わせである実施例は何れも高い接着性及び良好な再剥離性を示している。
一方、表3の結果から明らかなように、比較例は何れも接着性には優れるものの、層間強度係数γが本発明の構成要件であるγ=0.15〜0.6を満たしていないため、不織布層間で破壊が起こり、再剥離性に劣る結果となった。
従来は層間破壊強度を評価するにあたり、テープを作製した後に、層間破壊面積率(%)を測定することにより、層間破壊強度の評価を行っていた。また、従来の技術の項で、特開平2000-303041号公報を例に挙げて説明したように、相関破壊強度が高いテープを得るために、層間破壊面積(%)が小さいテープを使うといったような、課題をテープ作製のための手段として規定することしか提案されていなかった。つまりどのような不織布と、どのような粘着剤層の組み合わせにより、本発明の課題である、テープが切れたり、不織布層間での破壊したりすることなく良好な粘着性を有する粘着テープが得られるかについては明確にされておらず、テープを作製し、テープの層間破壊面積(%)を測定して初めて、不織布と粘着剤層の組み合わせが良好であったかどうかがわかるのが現状であった。
表2、表3の結果から明らかなように、本発明で導入した支持体の(湿潤引張強度)/(引張強度)で表される層間強度係数γにより、層間破壊強度が的確に評価されている。すなわち、テープを作製することなく、部品としての不織布を層間強度係数γで特定し、特定の粘着剤層と組み合わせることにより、本発明の課題が解決されることが明確になった。
【0046】
【発明の効果】
本発明の不織布を支持体とする再剥離型両面粘着テープは、不織布が特定範囲の層間強度係数と引張強度を有し、粘着剤が特定範囲の粘弾性特性を有するため、金属やプラスチック等の再利用が可能な部品からテープを剥離するリサイクル行程で、不織布の層間破壊、テープのキレ及び粘着剤の残留が生じない。
さらに、本発明の粘着テープは従来に比べ高い接着性と再剥離性の両立が可能である。

Claims (5)

  1. 1)坪量が10〜30g/mであり、2)グレーン比が80%以上であり、3)引張強度が15〜30N/20mmであり、4)密度が0.15〜0.35g/cm3である麻を主成分とする不織布を支持体とし、前記不織布の両面に形成された粘着剤層の少なくとも一方の粘着剤層の70℃における貯蔵弾性率G’が3.0×10〜1.0×10Paであり、130℃での損失正接tanδが1より小さい再剥離型粘着テープにおいて、前記不織布が、ポリアクリルアミド系樹脂、尿素−ホルムアルデヒド系樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド系樹脂及びエポキシ−ポリアミド系樹脂からなる群から少なくとも1種選ばれる内添強化剤を含有し、前記内添強化剤の添加量が不織布に対し0.2〜1%であり、前記支持体の(湿潤引張強度)/(引張強度)で表される層間強度係数γが0.15〜0.6であることを特徴とする再剥離型両面粘着テープ。
  2. 前記内添強化剤が、ポリアミドアミン・エピクロルヒドリン樹脂である請求項1に記載の再剥離型両面粘着テープ。
  3. 前記内添強化剤の添加量が、不織布に対し0.3〜0.5%である請求項1又は2に記載の再剥離型両面粘着テープ。
  4. 前記不織布がビスコース、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、カルキシメチルセルロースからなる群から少なくとも1種選ばれる外添強化剤を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の再剥離型両面粘着テープ。
  5. 前記粘着剤層を支持体へラミネートするときのラミネート温度が80℃〜110℃であり、ラミネート圧力が80〜200N/cmである請求項1〜4のいずれかに記載の再剥離型両面粘着テープ。
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