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JP4193977B2 - カード容器及びその製造装置 - Google Patents

カード容器及びその製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、名札、伝票、証票、各種リーフレット等、或いはそれらのレフィルなどのカード類を収容して、保存するなどに用いられるカード容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル等のプラスチックシートで作成した袋状のカード用ケースがあり、例えば名刺入れや身分証明書ケースなどのほか、各種のカードや用紙、或いはリーフレット類などを収容して一時的に保管するために、利用されることが多くなってきている。
【0003】
このようなプラスチックシートで形成されたカード容器には、例えば図12に示すような封筒状のものがあるが、この袋状のカード容器は、プラスチック製前側シート1とプラスチック製後側シート2を2層に重ね、その周囲部分の1方を開放したまま残して開口0とし、周囲の残りの部分を熱融着すると同時に切断するなどにより、略長方形状の袋体4とすると共に、前側シート1の端縁部分に、開口0を覆うための蓋となるフラップ1aを形成してなるものである。なお、3は、フラップ1aを後側シート2に対して固定する接着剤層である。
【0004】
こうして製造される袋状のカード容器は、紙を折り畳んで製造される封筒などに比べて製造コストが低く、量産も容易であるうえ、透明且つ軽量で水濡れに耐える利点もあって、薄いプラスチックシートで形成された袋状カード容器は、紙製の袋に代わって用いられる場合が多くなっている。
【0005】
しかし、こうしたプラスチック製カード容器は、材料のプラスチックシートが薄くなると剛性が低下し、また帯電しやすいために平滑であると表面が相互に貼り付き易く、製品の取り扱い性も低下する傾向があるほか、積み重ねるなどの際に一旦折り目などが付くと折り目が消え難く、商品価値が低下するという問題がある。更に、封入物を収容したカード容器のフラップを閉じて接着剤で封止すると、シートが薄くて透明であり、表面が滑らかなため、フラップを開く手掛かりが少なく、開封して封入物を取り出すのが容易でないという問題もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、上記のような欠点を解決するために、カード容器の構造を改良しようと試みた。しかし、カード容器の構造が複雑になると、従来のプラスチックシート袋の製造装置を使用しては、カード容器の生産効率が低下することが避けられず、商業的に生産することは不可能と判断するに至った。そこで、本発明は、上記の問題を解決できるカード容器を、極めて高能率で連続的に、しかも経済的に量産することができる、カード容器の製造装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のカード容器は、2層のプラスチックシートから形成され、1方の縁部に開口を残して3方の縁部で接続されてなる略長方形状の袋状容器であって、該開口の前側に設けたフラップの先端に左右両側方から切り残されたベロ状突起が延設され、該ベロ状突起の側縁が、該フラップの先端位置より深い位置を経て再び該フラップの先端位置まで戻るように形成された円弧状の凹隅部を介して、該フラップの先端縁と接続していることを要旨とする。
【0008】
本発明のカード容器において、前記袋状容器の前側シートと後側シートとが、縦折りして底部を形成した一体のシートよりなるものとすると、更に生産効率を高めることができて、より製造コストの低いカード容器を提供することができる。
【0009】
また本発明のカード容器において、前記フラップの左右両側端が狭く切り欠かれているように構成すると、カード容器の取り扱いに際してフラップの損傷防止が容易となって、商品価値の低下予防に効果があるほか、封入物の出し入れに際して気軽にフラップの開閉を行っても、フラップ部分に大きな変形を引き起こすようなことは起こらない。
【0010】
更に、前記フラップの先端部が左右端の少なくとも一方より切り欠かれ、ベロ状突起が残されているように構成すると、ベロ状突起を摘んでフラップを引くことで、封止状態のフラップを容易に剥離させて開閉させることができ、操作性が大幅に改善される。
【0011】
その一方、前記開口の後側縁部分に、少なくとも容器内の収容物を指で摘むことができる広さを有する切り欠き部を形成すると、上記フラップを開いたときに、前記開口の後側縁部分の切り欠き部を介して、開口内に指を差し入れることができ、封入物を取り出すことが極めて容易となる。
【0012】
更にまた、前記フラップの先端部が、相互に接合された複数層のプラスチックシートから形成されているように構成すると、フラップ部分の強度が向上するほか開閉が容易となり、多数回の開閉操作に対しても変形などの劣化を起こすことなく、封止用の接着剤の封止性能が失われない限り、反復使用できる利点がある。
【0013】
そして、上述の本発明のカード容器は、長尺のプラスチックシートの中央位置近傍に長さ方向の折り目を形成する縦折りシート材供給部と、該縦折りシート材の給送速度を調整するダンサ−部と、該縦折りシート材の送り長さが所定値に達したときに給送を一時停止して該縦折りシート材を長さ方向に対して直角に溶断する袋体形成部とを備えたカード容器製造装置において、前記ダンサ−部と前記袋体形成部との間に、前記縦折りシート材の袋体開口予定位置に当たる一方側のシート縁部を切断加工して、フラップと該フラップの先端縁より更に先方に延設されたベロ状突起とを形成すると共に、該ベロ状突起の側縁とフラップの先端縁の間に円弧状の凹隅部を形成する、円弧状の屈曲切り刃を備えた開口加工部を設けたことを特徴とする、2層のプラスチックシートから形成され、3方の縁部が接続されて1方の縁部に残る開口と該開口を塞ぐためのフラップとを設けた略長方形状の袋状容器であって、該フラップの先端より更に先方に向かってベロ状突起が延設され、該ベロ状突起の側縁が、該フラップの先端位置より深い位置に設けた円弧状の凹隅部を介して、再び該フラップの先端縁と接続しているカード容器の製造装置を用いて、効率的且つ経済的に、量産することができる。
【0014】
このような構成を有する本発明のカード容器の製造装置において、前記縦折りシート材供給部は、該縦折りシート材の下側層の端縁が上側層の端縁よりも突出するように構成されていると、カード容器のフラップ部分の加工手段を一段と簡素化することができる利点がある。
【0015】
更に本発明のカード容器の製造装置における前記開口加工部を、前記縦折りシート材の下側層の端縁及び上側層の端縁の少なくとも一部を、所望の形状に沿って切断し除去するための打ち抜き用又は切り抜き用の型刃を備えてなる構成とすると、構造が簡素であって加工能率の高い開口加工部を備え、しかも所望に応じてカード容器のデザインを迅速に切り換えて、別デザインのカード容器を引き続いて製造することができる、融通性と生産性とが共に高い製造装置を提供することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明のカード容器と、その製造装置とを、以下に図面を参照して説明する。図1に本発明のカード容器の例を示すが、図11に示す従来のカード容器と異なるところは、前側シート1の端縁部分に形成したフラップ1aに、半円形のベロ状ツマミ1bが形成されており、また開口0の後側シート2の端縁2aに、半円形の切り欠き部2bが凹設されている点であって、その他の構造は本質的には大きく異なるものではない。
【0017】
また図2には、本発明のカード容器の製造装置の例を示したが、図におけるAは、縦折りシート材供給部であって、例えばOPPやCPPなどのポリプロピレンのフィルム状シート、OPPとPEとのラミネートしたポリオレフィンのフィルム状シートなどの、溶着と同時の切断加工に適したプラスチックシートを、ロール状に巻いて得た原反ロール5から、プラスチックシート材50 を引き出して、該シート材50 の中央位置近傍に長さ方向に谷折り部5aを形成するように、該シート材50 を二つ折りして長尺の縦折りシート材51 とし、次のダンサー部Bに向けて連続的に送出できるものである。この縦折りシート材51 は、幅が広い下側層52 と幅が狭い上側層53 とが重なった形態となっており、場合によって下側層52 の外側縁部を、更に内側に向かって折り返してあってもよい。
【0018】
ダンサー部Bは、送られて来た縦折りシート材51 が、上方の固定ローラー群B1 と下方の可動ローラー群B2 との間を交互に往復した後に、開口加工部Cと袋体形成部Dとを、所定時間間隔で間欠的に所定距離だけ進むときの、縦折りシート材51 にかかる張力の変化を緩和するものである。しかし、その構成は本例に限定されるものではなく、同等の作用を有する装置であれば、適宜の装置を使用することができる。
【0019】
袋体形成部Dでは、送り込まれた縦折りシート材51 を上下から圧着把持して搬送するコンベアと、該縦折りシート材51 を該コンベアの終端付近で、進行方向に直角方向に切断できる熱溶断型刃と、該縦折りシート材51 の切断位置を検出して、該縦折りシート材51 の進行距離、即ち次の縦折りシート材51 の切断位置の間隔、言い換えれば該切断によって得られる袋体4の左右の幅毎に行われる、間欠作動を制御するコントローラと、を備えたものである。このような装置としては、前記の熱溶断型刃が作動中には、前記のコンベアが停止しているように運転制御ができるものであれば、袋体形成部Dの構成は特に限定されることなく、適宜の装置を利用することができる。
【0020】
ダンサー部Bと袋体形成部Dとの間に設置される開口加工部Cは、例えば、縦折りシート材51 の下側層52 の自由端、即ち得られる袋体4の前側シート1のフラップ1aとなる部位に、ベロ状ツマミ1bを残して余分のシート部分を切り取る第1切除機C1 と、例えば、縦折りシート材51 の上側層53 の自由端、即ち得られる袋体4の開口縁となる後側シート2の端縁2aの部位に、切り欠き部2bを形成する第2切除機C2 とを少なくとも組み合わせてなるもので、所望によりシートの部分的溶接を行う加工機などを備えていてもよい。しかしこれらの第1及び第2切除機は、それぞれが単一の切断刃を備えた装置に限られるものではなく、複数の曲線状や直線状などの切断刃や溶断刃を用いて順次に加工を進める装置を、組み合わせて構成されたものでもよい。
【0021】
このような第1切除機C1 及び第2切除機C2 は、例えばその1例を図3に示すが、エアシリンダなどの加圧機Caの下端に切り抜き用や切断用などの型刃Cbを取り付け、その下方に設けた刃受け台Ccと型刃Cbとの間に導入された、縦折りシート材51 の上下の自由端部位を、前記のコントローラの指令に従ってそれぞれ切除加工し、ここで発生するシートの切り屑などは、例えば真空吸引などの手段で除去される。
【0022】
こうして開口加工部Cで加工されるときの縦折りシート材51 の例を図4に示すが、この例では、形成される袋体4の溶着切り離し予定線5b上のフラップ1a部位に、楔形の狭い切除部分11 を、また袋体4の開口縁となる端縁2aの部位に、半円形の切り欠き部2cを設けるようにしている。
【0023】
上記のような開口加工部Cによって形成される切り欠き部の形状は、所望により種々の形状とすることができるが、完成した本発明のカード容器において、袋体開口の後側端縁2aに設ける切り欠き部のいくつかの例を、図5に示す。図5(a)における切り欠き部2dは、図4に示した切り欠き部2cより、一段と大きな半円形のものであり、図5(b)における切り欠き部2eは、袋体4の左右端部だけを残して中央部を広く切り取ったもの、また図5(c)における切り欠き部2fは、図4に示した切り欠き部2cより幅が狭くて深く切り取ったものである。
【0024】
また、開口加工部Cによって、縦折りシート材51 の下側層52 に加えられる切り欠き加工部分の形状は、前記の袋体4の溶着切り放し予定線5b上のフラップ1a予定部に形成した、狭い切除部分11 の他、図6の(a)に示すような広い切除部分12 や、同じく(b)に示すような丸い弧状の切除部分13 であっても良い。
【0025】
更に、図1に記載したようなベロ状ツマミ1bを、フラップ1aの先端に形成する際には、図7に示すように、最初にベロ状ツマミ予定位置を囲む切除部分14 を切り取り、次にベロ状ツマミを設けない切除部分15 を一括して切り取るようにするのが好ましい。この最初の切り取り操作に使用する型刃の形状は、切断線に鋭角の屈折が発生しないことが重要である。特にベロ状ツマミの基部の外側に発生する凹隅部10 は、引っ張っても裂け目が生じないよう、応力集中の少ない円弧状に形成する必要があるが、突出部は鋭角であっても差し支えない。
【0026】
また図8には、形状の異なるベロ状ツマミを備えたカード容器の例を示すが、この例のベロ状ツマミ1cは、フラップ1aの先端中央位置から、前例のベロ状ツマミ1bよりも長く突設されているものである。
【0027】
その他、図9に示す例では、先ず最初に縦折りシート材51 の下側層52 の自由端に、図6(a)における切除部分12 を並べて設けたと同様な切除部分16 を、溶着切り離し予定線5bより少し離れた位置などに形成し、次いで切除部分16 の間の離れた切除部分17 を、自由端と平行となるよう切り取ったのち、溶着切り離し予定線5b位置で袋体を切り離すと、台形状のベロ状ツマミ1dを備えたカード容器を得ることができる。
【0028】
上記の方法によれば、最初の切除部分の形状を変更することにより、ベロ状ツマミの形状や大きさを容易に変更することができ、図10に示したような幅広のベロ状ツマミ1eを備えたカード容器が得られる。そしてまた、溶着切り離し予定線5b位置を適宜変更することにより、フラップ1aにおけるベロ状ツマミを設ける位置を、任意に変更することができる。
【0029】
また図11には、本発明のカード容器の別な例を示すが、この例では縦折りシート材供給部Aから送り出された縦折りシート材51 として、下側層52 の外側縁部が内側に向かって二重に折り返されて、上側層53 の外側縁と向かい合うように形成されたものを用いている。そして、この下側層52 の二重折り返し部1a′は、ダンサー部Bを経て開口加工部Cに至ったときに、先ず表裏から、例えば網目状の溶接型などにより圧熱するなどで一体に接合され、その後に前述と同様に、第1切除機C1 と第2切除機C2 による切除加工されてなるものである。従って、この例のカード容器におけるフラップ1aの外方縁部は、厚くて粗い手触りとなっていてベロ状ツマミ1bが摘みやすく、しかも強く引っ張っても、延びたり切れたりする恐れがない。
【0030】
【発明の効果】
本発明のカード容器は、プラスチックシートから形成された略長方形状の袋状容器で、フラップの左右両側部分に切り欠き部が形成されているか、又は開口部の後側縁の左右両端から外れた中間部分に切り欠き部が形成されているために、使い勝手がよくて取り扱い性も優れ、商品価値が低下し難いという利点がある。そして本発明のカード容器の製造装置を用いることにより、上記の優れた特長を備えたカード容器を、高能率で経済的に製造することができ、しかもカード容器のデザインの変更が特に容易であるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカード容器の例の構成を示す説明図で、(a)は背面図、(b)は断面図である。
【図2】本発明のカード容器の製造装置の説明図である。
【図3】本発明のカード容器の製造装置における開口加工部の説明図である。
【図4】開口加工部で加工状態にある縦折りシート材の説明図である。
【図5】本発明のカード容器の開口後側の切り欠き部の形状を説明する図面であり、(a),(b),(c)は、それぞれその例である。
【図6】本発明のカード容器のフラップ縁部予定位置の切り欠き部の形状を説明する図面であり、(a),(b)は、それぞれその例である。
【図7】本発明のカード容器のフラップベロ状ツマミ予定位置を切り欠き加工する手順の説明図である。
【図8】本発明のカード容器のフラップベロ状ツマミの別な例の形状を説明する図である。
【図9】本発明のカード容器の別な例のフラップベロ状ツマミ予定位置を切り欠き加工する手順の説明図である。
【図10】本発明のカード容器のフラップベロ状ツマミの形状の別な例を説明する図である。
【図11】本発明の別なカード容器の例の構成を示す説明図で、(a)は背面図、(b)は断面図である。
【図12】従来のカード容器の例の構成を示す説明図で、(a)は背面図、(b)は断面図である。
【符号の説明】
A 縦折りシート材供給部
B ダンサー部
1 固定ローラー群
2 可動ローラー群
C 開口加工部
1 第1切除機
2 第2切除機
Ca 加圧機
Cb 型刃
Cc 刃受け台
D 袋体形成部
0 開口
1 前側シート
1a フラップ
1a′ 二重折り返し部
1b,1c,1d,1eベロ状ツマミ
0 凹隅部
1 ,12 ,13 ,14 ,15 ,16 ,17 切除部分
2 後側シート
2a 端縁
2b,2c,2d,2e,2f切り欠き部
3 接着剤層
4 袋体
5 原反ロール
0 シート材
1 縦折りシート材
2 下側層
3 上側層
5a 谷折り部
5b 溶着切り離し予定線

Claims (2)

  1. 長尺のプラスチックシートの中央位置近傍に長さ方向の折り目を形成する縦折りシート材供給部と、該縦折りシート材の給送速度を調整するダンサ−部と、該縦折りシート材の送り長さが所定値に達したときに給送を一時停止して該縦折りシート材を長さ方向に対して直角に溶断する袋体形成部とを備えたカード容器製造装置において、前記ダンサ−部と前記袋体形成部との間に、前記縦折りシート材の袋体開口予定位置に当たる一方側のシート縁部を切断加工して、フラップと該フラップの先端縁より更に先方に延設されたベロ状突起とを形成すると共に、該ベロ状突起の側縁とフラップの先端縁の間に円弧状の凹隅部を形成する、円弧状の屈曲切り刃を備えた開口加工部を設けたことを特徴とする、2層のプラスチックシートから形成され、3方の縁部が接続されて1方の縁部に残る開口と該開口を塞ぐためのフラップとを設けた略長方形状の袋状容器であって、該フラップの先端より更に先方に向かってベロ状突起が延設され、該ベロ状突起の側縁が、該フラップの先端位置より深い位置に設けた円弧状の凹隅部を介して、再び該フラップの先端縁と接続しているカード容器の製造装置。
  2. 前記縦折りシート材供給部は、該縦折りシート材の下側層の端縁が上側層の端縁よりも突出するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のカード容器の製造装置。
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