JP2007092202A - 増毛具及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】植設フレーム11を構成する複数本のリブ11bに結束した毛髪12で成る増毛具10において、各毛髪12が、リブ11bに対して、一側12aで二回掛け、そして他側12bで一回掛け後払いにより結束されるように構成する。植設された毛髪の一側12aがリブに対して立ち上がるよう支持され、他側12bはリブ11b上でこれに沿って横たわって延び出るように結着されることで、毛流が複数本のリブ11b上でその長手方向に形成されるので、リブ11bが覆い隠されて視認されにくくなる。
【選択図】図1
Description
例えば、図13の概略斜視図に示すように、骨格様の植設フレーム32とこの植設フレーム32に結束された毛髪33とから構成された増毛具30は、軽量で通気性に優れることに加え、所望の適度な増毛処理を行うことができ、しかも自毛を十分に活用しつつ自在にヘアスタイルのバリエーションを表現し得ることから、近時普及しつつある。骨格様の増毛具30は、中心の連結用リブ32aとこの連結用リブ32aから両側に延びる複数本のリブ32bを備えた植設フレーム32からなり、これらのリブ32a,32bを含めて全体として使用者の頭部形状に沿うように湾曲して形成されている(特許文献1参照)。毛髪33は、上記植設フレーム32の各リブ32a,32bに対して緻密に結着されている。なお、図13では、毛髪33はその一部のみが示され、大部分の毛髪33は省略されている。
図15において、線材32bの上端側が前額部方向、下端側が後頭部方向に配置されているとすると、先ず、シングル植えは、二つ折りにした毛髪33を捻転してループ34を形成し(図15(A)参照)、このループ34を毛植え針で線材32bの下側から上側に巻回して毛髪の一側33aと他側33bの双方をループ34から引き出して結着する方法である(同図(B),(C)参照)。従って、シングル植えで結着された毛髪の一側33aと他側33bは共に頭部の前後方向に配置した線材32bに対して直角方向に水平状態で支持され、図において右側の毛流となる。
従って、第一に、頭部の前後方向に配置する線材32bに対して毛髪が左右に延び出るため、前頭部方向又は後頭部方向への毛流を表出し難く、左右に毛分かれする傾向を呈することからヘアスタイルの自由度が制限される。即ち、前頭部から後頭部にかけて後方への自然な毛流を作ろうとしても、毛髪の結び目に近い基端側が横方向、即ち、左右側頭部方向に結着されていることから、毛髪の先端側を後方へ流れるよう整髪しても、毛髪の弾性により暫くすると毛髪が横方向の流れとなってしまい、自毛との毛分かれが生じてしまう。このようにして、従来の結着方法ではヘアスタイルの自由性或いは多様性が制限されざるを得ない。
第二に、毛髪33の毛流方向に対して線材32bが直交して配設されるため、線材32bが毛髪で完全に覆われ難いことから、線材が使用者の前方や上方から縦の線として視認される恐れがあり、増毛具を装着していることが露見され易いという課題がある。
第三に、公知の毛髪結着方法、とくにシングル植えやパンシングル植えでは、何れも結着した毛髪が上記のように側方に寝てしまうことになり、毛髪を緻密に結着しても毛髪が垂直に立ち上がらず毛量感(ボリューム感)に乏しい。また、パンダブル植えでは毛髪の一側は立ち上がるとしても、他側は同様に線材と直角方向に寝てしまう。
第四に、公知の何れの方法でも結び目が緩くなり易い。このため、線材32a,32bに毛髪33を結着した後に確実に固定する為の毛止め工程が不可欠である。毛髪を確実に固定するためには、毛髪33を結着した後、線材32a,32bの裏面から有機溶剤で希釈した接着用溶液を塗布し硬化させる、所謂樹脂コーティング(図示せず)を施し、毛髪33の結着部をリブ32a,32bと樹脂コーティングとの間でサンドイッチ状に挟んで固定保持しなければならない。
また、植設した毛髪33をブラッシングによって整髪しても、毛髪33の毛流を線材32a,32bの長手方向に揃えること、すなわち、後頭部又は前額部に向けての毛流を付与することが困難であり、ヘアスタイルの自由性に乏しいという課題がある。
また、本発明は、増毛具への毛髪の新規な植設方法、並びにこの方法を適用した増毛具の製造方法を提供することを他の目的としている。
なお、本発明で増毛具とは、フィラメントを縦横に組み合わせて形成したネット部材を主体とするかつらベース及びテニスラケットのガットのような剛性且つ弾性を有する合成繊維で例えば骨格様に形成した植設フレームに毛髪を結着したものを含むが、それらに限らず、人工皮膚等の面状のかつらベースで形成した公知のかつらを含み、また、本発明に係る毛髪植設方法も何れのかつらにも適用し得る。
すなわち、本発明の増毛具は、二つ折りにした毛髪の折り返し部を、線材に対して毛髪の一側で二回掛け、そして毛髪の他側で一回掛け後払いにより結着することで、毛髪の一側が線材に対して上方へ立ち上がると共に、毛髪の他側が線材の長手方向に沿って横に延びる毛流となるよう植設されている。
具体的には、本発明の増毛具は、二つ折りにした毛髪の折り返し部を捻転して形成した第一の輪と、第一の輪を線材に巻回し、折り返した毛髪の一側を第一の輪に通して該一側で形成した第二の輪と、さらに、上記一側を第二の輪に通して該一側で形成した第三の輪と、を備え、第三の輪から毛髪の他側を引き出して、第一、第二及び第三の輪を緊縛することで、毛髪の一側と他側で結び目を形成し、これにより毛髪の一側が結び目から線材に対して上方へ立ち上がって延びると共に、毛髪の他側が結び目から線材に沿って線材上に延びている。すなわち、毛髪の一側は第三の輪から引き出されると共にこの第三の輪に支持されて線材に対して上方へ立ち上がって延び、一方、毛髪の他側は第三の輪によって倒伏した第二の輪の下側と線材との間で挟圧されてこの線材上で横たわって延出する。
また、線材に結束された毛髪は、一側が、上方へ直立する方向の毛流を呈して線材からほぼ垂直に立ち上がるように延びるので、毛量感(ボリューム感)が増し、比較的少ない毛髪植設量で増毛感が出現する。
さらに、毛髪の他側は、線材の長手方向に沿って線材上に横たわって延びるので、線材の表面(上面)側が多数並列して結着した毛髪の他側によって覆い隠されることになる。従って、線材が毛髪によって隠蔽され、視認されにくくなるので、増毛具の使用が露見する恐れがない。
上記第一の輪は、毛髪の二つ折りにした折り返し部を半回転捻転させて毛髪の一側上に他側を交差させることにより形成することができる。第二の段階において、すくい取った毛髪の一側を第一の輪に通して第二の輪を形成すると共に、該第二の輪を半回転捻転してもよい。第三の段階において、毛髪の一側を第二の輪に通して第三の輪を形成すると共に、該第二の輪を半回転捻転してもよい。
第五の段階において、毛髪の一側を引っ張ると前記第一の輪、第二の輪及び第三の輪が緊締し、その際、第三の輪が第二の輪を通って該第二の輪から突出し最上位で線材に対して上下方向に開口し、毛髪の一側が該第三の輪の下側から開口を通って上方へ突出することで第三の輪に支持されて前記線材に対して上方へ立ち上がり、さらに、第三の輪が第二の輪を下向きに圧迫することで、毛髪の他側が第二の輪と線材との間で挟圧されて線材に沿って該線材上で横に延びることになる。
上記構成において、リブを複数本縦横に組み合わせて所定形状の植設フレームを形成した後、植設フレームを構成する各リブに毛髪を結着してもよく、又は、リブに予め毛髪を結着し、結着した複数本のリブを縦横に組み合わせて植設フレームを構成してもよい。
なお、本発明の毛髪の植設方法は、必ずしも、線材を用いたかつらベース又は植設フレームを必須とするものではなく、人工皮膚や織布などで形成した面状のかつらベースにも適用できることは勿論であり、この場合も本発明の範囲内である。
本発明の増毛具は、縦横に配置された線材とこれらの線材に植設した毛髪とから成り、二つ折りにして一対とした毛髪が線材に結着されていて、この一対の毛髪の一側が結び目から線材に対して上方へ立ち上がって延びると共に、他側が結び目から線材に沿ってこの線材上に横たわって延出している。そのため、本発明に従って多数本の毛髪を緻密に線材に結着することで、毛髪の一側は線材に対して上方に立ち上がるので毛量感(ボリューム感)に優れたものとなる。また、毛髪の他側が線材の長手方向に沿って延びるので、線材は毛髪の他側により覆い隠されることができる。
上記植設フレーム11は、図13に示した従来のリブ式増毛具1の植設フレーム2と同様に構成されており、中心の連結用リブ11aと、この連結用リブ11aに連結されて両側に延びる複数本のリブ11bを備えている。なお、連結用リブ11aも他の複数のリブ11bとほぼ同じ径の同じ材料で形成しており、例えば連結用リブ11aが横方向(すなわち、使用者の左右側頭部方向)の骨格を、また、他の複数のリブ11bが縦方向(使用者の前頭部から後頭部への方向)の骨格を示す。
上記植設フレーム11は、これらのリブ11a,11bを含む全体が、使用者の頭部形状に沿うように湾曲して形成されている。各リブ11a,11bの両先端には、好ましくは、膨出部11cが形成される。この膨出部11cを略球形状に膨出して形成することにより、各リブに取り付ける毛髪が抜け落ちるのを防ぐとともに、頭皮との接触をソフトにして、頭皮を傷つけるのを防止することができる。
そして、毛髪部分のうち他側12bはリブ11bから表側にてリブ11bの長手方向に沿って結着されてリブ11bの上面に横たわって延びていることから、リブ11bが毛髪12の他側12bにより覆い隠される。これにより、リブ11bの長手方向に沿って毛流が形成されるので、自然な毛流が形成できヘアスタイルの自由度が向上すると共に、増毛具の露顕が防止され得る。なお、連結用リブ11aへの毛髪結着も同様に行うことができるが、横断方向、即ち使用者の左右側頭部方向に装着する連結用リブ11aへの毛髪は公知の結着方法であってもよい。
最初に、所定形状の植設フレームを製作する。具体的には、植設フレーム11を構成するリブ11a,11bとして、例えば直径0.1〜3.0mmのナイロン繊維の撚り線などを用意し、被着者の頭部形状に適合した所定形状となるように、適宜の本数を組み合わせ、これらの交点を互いに、接着、結着、縫着、溶着などの各種の方法で接合することにより形成する。その際、図1に示すように、横リブとしての連結用リブ11aに適宜の間隔で順次縦リブ11bを接合していく。
次に、連結して植設フレーム11としたものを、予め用意した装着者の頭部形状の雄型(例えば、石膏型など)に被せ、所定の温度で所定時間加熱することで装着者の頭部形状に型付けする。なお、各リブ11a,11bの表面をサンドペーパーなどで粗面化処理を施すと、リブの表面の艶を抑えるとともに、後の工程で取り付ける毛髪12の抜け落ちやズレが一層防止される。また、各リブ11a,11bの両先端に、結着した毛髪12の脱落防止と頭皮保護のため膨出部11cを形成する。このようにして成形した植設フレーム11に対して、本発明の毛髪植設方法に従って順次毛髪を取り付ける。
図3〜図11は、毛髪12をリブ11bに結着する各段階を示す図であり、図12は結着した毛髪を緊縛して完成した状態を示す図である。
第一の段階として、図3に示すように頭部の前後方向に配置したリブ11bの、図において左方から、リブ11bの下側に持ってきた1本又は2〜4本ほどを一組とした毛髪12(図では1本で示す)を、リブ11bの右方からその下側(頭皮に接触する側)に持ってきた鉤針状の毛植え針20で引っ掛ける。この際、先ず、毛髪12を例えば中央部付近で折り返して二つ折りにすることでループを形成しておき、このループに毛植え針20を引っ掛け、図4に示すように、毛植え針20を図面上、反時計周りに半回転させてループを捻転させる。図では、折り返して一対とした毛髪の一側12a上に毛髪の他側12bを載せるように捻転している。これにより第一の輪21を形成する。この第一の輪21をリブ11bの下側から持ち上げてリブ11bの上方へ巻回する。
また、第二の輪22は、第三の輪23の下側で該第三の輪23によりリブ11b上に押圧される。このため、毛髪の他側12bは第二の輪22とリブ11bとの間に挟圧された状態でリブ11bの先端(図面において上方側)に向かって水平方向にこのリブ11b上に横たわって延在する(図12(A),(B)参照)。
一方、毛髪の他側12bは、第三の輪23によって押圧された第二の輪22の下側においてリブ11bとの間で挟圧され、このリブ11bの長手方向に沿ってこのリブ11b上で延出する。従って、毛髪12をリブ11bに対して多数本緻密に結着していけば、リブ11bはこれら毛髪の他側12bにより完全に覆い隠されることになるので、リブ11bが露見し難くなると共に、リブ11bの長手方向に沿った毛髪の他側12bにより頭部の前後方向への毛流を出現することができる。
なお、図1に示す連結用リブ11a、すなわち横断方向のリブに対しては、公知の結着方式、例えばパンダブル植えなどを用いて植設すれば、前後方向の毛流を形成できるので、上記毛髪の毛流と同一方向となって良く馴染む。或いは、本発明の結着方式と公知の結着方式とを、適宜、植毛部位により変化をつけると、興趣に富んだ種々の毛流が出現できることになる。
次に、連結した植設フレーム11を、予め用意したかつら被着者の頭部形状の雄型となる石膏型に被せ、170℃で3時間加熱することで、かつら被着者の頭部形状の型付けを行うとともに、各リブ11a,11bの表面をサンドペーパーで粗面化処理を施し、その後、各リブ11a,11bの両先端部をナイロンの有機溶媒希釈液に浸漬し、冷却固化すること、又は、熱硬化性樹脂液を塗布或いは浸漬し乾燥することにより各膨出部11cを形成した。
続いて、上記の製造方法で説明した植設方法(図3〜図12参照)により、所定本数の毛髪を、各リブ11bに植設した。最後に、植設した毛髪を、毛髪用接着剤により各リブ11bに接着固定して、本発明の増毛具10を得た。
実施例と同じ植設フレーム11及びリブ11bを用い、同一本数の毛髪の植設を従来の方法で行い、比較例の増毛具を製造した。
実施例の増毛具10の場合には、比較例に比し植設された毛髪12による毛流が、リブ11bの長手方向に形成されており、リブ11bが露顕せずに見栄えに優れていることが分かった。これに対して比較例の場合には、毛流がリブ11bの側方に形成されているため、ブラッシングして整髪しても、時間が経過するに従って毛髪が毛分かれを生じてリブが露顕し易く、実施例に対して見栄えが悪いことが分かった。また、毛髪が寝てしまうのでボリューム感にも乏しかった。
なお、実施の形態では、第一の段階において、毛髪の折り返し部を反時計方向に捻転して毛髪の他側12bを一側12aの上に重ねてループ21を形成し、順次、結着していく例を示したが、折り返し部を時計方向に捻転し、毛髪の一側12aを他側12bの上に重ねてループ21を形成して、次段に進んでもよい(図示省略)。この場合は、毛髪の一側12aと他側12bとは上記説明とは逆に順次結着され、最終的に、毛髪の他側が結び目から線材に対して上方へ立ち上がって延びると共に、一側が結び目から線材に沿って該線材上に横たわって延びることになる。本出願で毛髪の一側と他側は相対的概念であり、何れを一側又は他側と称するかは本発明の重要な要素でないことは明白である。
11:植設フレーム
11a:連結用リブ
11b:リブ(線材)
12:毛髪
12a:毛髪の一側
12b:毛髪の他側
20:毛植え針
21:第一の輪
22:第二の輪
23:第三の輪
Claims (16)
- 線材と該線材に植設した毛髪とを有する増毛具において、
二つ折りにした毛髪が上記線材に結着されていて、
上記二つ折りにした毛髪の一側が結び目から上記線材に対して上方へ立ち上がって延びると共に、他側が結び目から線材に沿って該線材上に延びていることを特徴とする、増毛具。 - 線材と該線材に植設した毛髪とを有する増毛具において、
二つ折りにした毛髪の折り返し部を、上記線材に対して毛髪の一側で二回掛け、そして該毛髪の他側で一回掛け後払いにより結着することで、毛髪の一側が上記線材に対して上方へ立ち上がって延びると共に、毛髪の他側が該線材の長手方向に沿って横に延びる毛流となるよう植設したことを特徴とする、増毛具。 - 線材と該線材に植設した毛髪とを有する増毛具において、
二つ折りにした毛髪の折り返し部を捻転して形成した第一の輪と、
該第一の輪を線材に巻回し、折り返した毛髪の一側を該第一の輪に通して該一側で形成した第二の輪と、
さらに、上記一側を該第二の輪に通して該一側で形成した第三の輪と、を備え、
上記第三の輪から毛髪の他側を引き出して、上記第一、第二及び第三の輪を緊縛することで、毛髪の一側と他側で結び目を形成して成り、
毛髪の一側が該結び目から線材に対して上方へ立ち上がって延びると共に、毛髪の他側が該結び目から線材に沿って該線材上に延びていることを特徴とする、増毛具。 - 前記第一、第二及び第三の輪が緊縛された際、前記第三の輪が最上位で線材に対して上下方向に開口し該第三の輪から上方へ突出した毛髪の一側が該第三の輪に支持されて前記線材に対して上方へ立ち上がると共に、前記毛髪の他側が倒伏した第二の輪の下側で該第二の輪と前記線材との間に挟圧されて線材に沿って該線材上で横に延びることを特徴とする、請求項3に記載の増毛具。
- 前記線材が、かつらベースのネット部材を構成するフィラメントであることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載の増毛具。
- 前記線材が、弾性を有する剛性の合成繊維で複数本を組み合わせて形成した骨格様のリブで成ることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載の増毛具。
- 前記リブを複数本組み合わせて植設フレームとし、この植設フレームを使用者の頭部に装着して自毛と混ぜ合わせるようにしたことを特徴とする、請求項6に記載の増毛具。
- 増毛具を構成する線材に対して毛髪を結着する方法であって、
線材の下側に毛植え針を持ち来たし、毛髪の二つ折りにした折り返し部を該毛植え針に引っ掛けてすくい取った後、捻転して第一の輪を形成する第一の段階と、
上記第一の輪を線材に巻回して、該第一の輪の間から毛植え針を挿入して毛髪の一側をすくい取り、上記第一の輪に通して該すくい取った毛髪の一側で第二の輪を形成する第二の段階と、
上記第二の輪の間から毛植え針を挿入して再び上記毛髪の一側をすくい取り、上記第二の輪に通して該すくい取った毛髪の一側で第三の輪を形成する第三の段階と、
次に、上記第三の輪の間から毛植え針を挿入して上記毛髪の他側をすくい取り、該すくい取った上記毛髪の他側を第三の輪から完全に引き出す第四の段階と、
最後に、上記第一,第二及び第三の輪を締め付けることにより、毛髪の一側を線材に対して上方へ立ち上がらせると共に、他側を線材に沿って該線材上で延出させる第五の段階と、を含むことを特徴とする、線材への毛髪結着方法。 - 線材と該線材に植設した毛髪とを有する増毛具の製造方法において、
上記線材への毛髪結着工程が、
線材の下側に毛植え針を持ち来たし、毛髪の二つ折りにした折り返し部を該毛植え針に引っ掛けてすくい取った後、捻転して第一の輪を形成する第一の段階と、
上記第一の輪を線材に巻回して、該第一の輪の間から毛植え針を挿入して毛髪の一側をすくい取り、上記第一の輪に通して該すくい取った毛髪の一側で第二の輪を形成する第二の段階と、
上記第二の輪の間から毛植え針を挿入して再び上記毛髪の一側をすくい取り、上記第二の輪に通して該すくい取った毛髪の一側で第三の輪を形成する第三の段階と、
次に、上記第三の輪の間から毛植え針を挿入して上記毛髪の他側をすくい取り、該すくい取った上記毛髪の他側を第三の輪から完全に引き出す第四の段階と、
最後に、上記第一,第二及び第三の輪を締め付けることにより、毛髪の一側を線材に対して上方へ立ち上がらせると共に、他側を線材に沿って該線材上で延出させる第五の段階と、
上記第一乃至第五の段階を順次繰り返すことで、毛髪の他側により上記線材を覆いつつ該線材に対して植毛することを特徴とする、増毛具の製造方法。 - 前記第一の輪は、毛髪の二つ折りにした折り返し部を半回転捻転させて毛髪の一側上に他側を交差させることにより形成することを特徴とする、請求項9に記載の増毛具の製造方法。
- 前記第二の段階において、前記すくい取った毛髪の一側を第一の輪に通して第二の輪を形成すると共に、該第二の輪を半回転捻転することを特徴とする、請求項9に記載の増毛具の製造方法。
- 前記第三の段階において、前記毛髪の一側を前記第二の輪に通して第三の輪を形成すると共に、該第二の輪を半回転捻転することを特徴とする、請求項9に記載の増毛具の製造方法。
- 前記第五の段階において、前記毛髪の一側を引っ張って前記第一の輪、第二の輪及び第三の輪を緊締することにより、
第三の輪が第二の輪を通って該第二の輪から突出し最上位で線材に対して上下方向に開口すると共に、毛髪の一側が該第三の輪の下側から開口を通って上方へ突出することで該第三の輪に支持されて前記線材に対して上方へ立ち上がり、
さらに、前記第三の輪が前記第二の輪を下向きに圧迫することで、毛髪の他側が該第二の輪と線材との間で挟圧されて線材に沿って該線材上で横に延びることを特徴とする、請求項9に記載の増毛具の製造方法。 - 前記線材が、かつらベースのネット部材を構成するフィラメントであることを特徴とする、請求項9〜13の何れかに記載の増毛具の製造方法。
- 前記線材が、弾性を有する剛性の合成繊維で複数本を組み合わせて形成した骨格様のリブで成ることを特徴とする、請求項9〜13の何れかに記載の増毛具の製造方法。
- 前記リブを複数本で組み合わせて所定形状のフレームを形成した後、該フレームを構成する各リブに前記毛髪を結着することを特徴とする、請求項15に記載の増毛具の製造方法。
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