JP3928101B2 - 毛髪用繊維の取付け方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自毛に毛髪用繊維を取付けて好みのヘアースタイルを形作る毛髪用繊維の取付け(ヘアーエクステンション)方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自毛に毛髪用繊維を取付けて、髪の毛の長さを見た目上伸張することにより、好みのヘアースタイルを形作ることができる。この技術はヘアーエクステンションと呼ばれ、本出願人は特許第3338433号にて、そのヘアーエクステンション技術を開示した。即ち、自毛束に毛髪用繊維束(以下、EX束と称す)を交差させ、自毛束をEX束の一端側に巻き付け、さらにEX束の他端側に巻き付け、自毛束の先端側を引っ張りつつ、EX束を地肌側へ移動させ、EX束の一端側、他端側及び自毛束の先端側を三つ編みにより編み合せて、EX束のループを含む編み合せ部分を形成し、EX束の他端側を2つに分け、一方の分岐EX束と編み合せ部分を束ね、他方の分岐EX束をループより先端側の編み合せ部分に巻き付けた後、その巻き付け部分を固定する。固定方法としては、巻き付けたEX束を熱融着すること、もしくは、ゴム糸を結び付けて固定することが適宜実施できるものである。EX束の材質としては、触感やボリューム感に優れた特性を有し、難燃性のポリエチレン系の合成繊維等が適宜使用される。しかし、このEX技術は部分的なものであり、この技術を頭髪全体に施す工程について、その開示が望まれていた。また、実開平5−27016には、ヘアーエクステンションの技術として、複数のリング状の縁部材を有し、複数の縁部材は適宜の間隔を置いて縦方向に延びる複数の連結部材により連結され、複数の縁部材の少なくとも一部は中間部に伸縮性を有する部材を介して形成され、且つ縁部材には適宜の擬毛が植毛され、縁部材が頭髪に装着部材により取付けられ、且つ縁部材の間より自毛が引き出されるようになされる技術が開示されている。しかし、リング状の縁部材が利用されるので、自然な頭髪のイメージにはならないものとなっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、自然な頭髪のイメージを保ちながら短時間で、且つ、地肌への負担が少なくなるように、毛髪用繊維の取付け(ヘアーエクステンション)を行うことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の毛髪用繊維の取付け方法は、頭髪から複数本の自毛を取り分けて束ねた自毛束に、複数本の毛髪用繊維を束ねた毛髪用繊維束を編み合せ、その下方に前記毛髪用繊維束を垂下させる毛髪用繊維の取付け方法において、前記自毛束 は、自毛の取り分け範囲が逆三角形状になるように、頭髪の下部より頭髪の上部が多く取り分けられた後、前記自毛束に前記毛髪用繊維束を交差させ、その交差させた部位の左右の位置で、前記自毛束を前記毛髪用繊維束に少なくとも1回転ずつ巻き付け、さらに、前記自毛束の先端側および前記毛髪用繊維束の両端側を編み合せて結合させることを特徴とする。前記毛髪用繊維の取付けの際に、地肌と前記結合させた部分との間で自毛束がその上部を下部より長くして取付けられることを特徴とする。
【0005】
これにより、毛髪用繊維の取付けが、自然な頭髪のイメージを保ちながら短時間でできる。また、自毛の取り分けの際に、頭髪の下部より頭髪の上部を多くすること、及び、自毛束がその上部を下部より長くして取付けられることにより、地肌への負担は少なくなる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基いて説明する。
図1は、頭髪から複数本の自毛1を取り分けて束ねた自毛束2を示したものである。この図1に示すように、自毛1を取り分ける際には、取り分けライン3に沿って下方に向けて少なくなるように取り分けるものであるが、その取り分け範囲4を逆三角形になるようにする。即ち、自毛1は頭髪の上部が頭髪の下部より多くなるように取り分けられる。
【0007】
図2は、複数本の毛髪用繊維を束ねた毛髪用繊維束(以下、EX束と称す)7及び自毛束2を編み合せ、その下方にEX束7及び自毛束2を垂下させることを示したものである。詳述すると、この毛髪用繊維の取付(エクステンション)の方法は、先ず、自毛束2に所定長さのEX束7の略中央部を交差させ(もしくは、一方を長く、他方を短くして交差させてもよい。)、その左右の位置、すなわち、自毛束2が垂直方向に垂れ下がっているとするならば、EX束7は水平方向に交差しているから、その交差した部位の左右で自毛束2をEX束7に少なくとも1回転ずつ巻き付ける(巻付け工程)。この巻付け工程は、交差した部位の右(左)のEX束7に、自毛束2を(1回転)巻き付け、次に、左(右)のEX束7に、自毛束2を(1回転)巻き付けることにより、交差部にループ部5を形成するものである。この段階では、ループ部5から、自毛束2の先端側が下方に垂れ下がっていて、さらに、所定長さのEX束7の両端側が下方に垂れ下がっている状態になる。この状態から、自毛束2の先端側及びEX束7の両端側をループ部5に続けて交差部付近で編み合せ、自毛束2にEX束7を結合させる。
そして、編み合せ部分は、EX束7の一部を取り分けて、これを巻き付けることにより固定する。
因みに、編み合せ部分6は、EX束7の一端側、他端側及び自毛束7の先端側を三つ編みにより編み合せて形成される。また、その編み合せ部分6は、弾性糸(糸ゴム)11を複数回(5から7回)巻き付けると共に、結んで固定してもよい。これにより、外観的には、図2に示すように、巻付け工程で形成されたループ部5と、編み合せで形成された編み合せ部分6(弾性糸11が巻きついている)とが形成され、その下には自毛束2及びEX束7が垂下したものとなる。
【0008】
固定の方法は、他に、ゴム糸を巻き付け熱融着(ヒートシール)させること、もしくは、EX束7を2つに分けて2つの分岐EX束とし、自毛束2の先端側及び一方の分岐EX束を、他方の分岐EX束で束ねて熱融着させることなど適宜実施される。しかし、熱融着による固定方法は、熱を使うことによる危険が伴う方法となることから、弾性糸11を結び付けて固定する方法がよい。さらに、弾性糸11を結び付けて固定した場合には、取付けられたEX束7を取り外す際に、切断することにより、容易に取り外せるものとなる。
【0009】
図3は、ループ部5及び編み合せ部分6(弾性糸11が巻き付いている)で形成された部分を結合部8として示したものであり、結合部8が頭部の輪郭(取り分けライン3)に 沿って順次形成されるものであることを示したものである。尚、エクステンション(毛髪用繊維の取付)は、結合部8が頭部の輪郭(取り分けライン3)に沿って順次形成されることにより行われる。また、結合部8は互いに上下で重なり合わないように、下方の輪郭(取り分けライン3)から上方の輪郭(取り分けライン3)へと段階的に行われる。この際、隣り合う結合部8の間隔は、結合部8の幅になるようにし、上方の輪郭で形成される結合部8は、下方の輪郭で形成される結合部8の間になるように形成される。
【0010】
図4の(b)は、毛髪用繊維の取付けの際に、地肌10と結合部8との間で自毛束2がその上部を下部より長くして取付けられていることを示したものである。図4の(a)と対比した場合、(b)のように、自毛束2がその上部を下部より長くして取付けられたものは地肌10への負担が軽減されたものとなる。
【0011】
エクステンションは、頭部全体を対象にして行われる。そして、それぞれのヘアースタイルに応じて、EX束7が取り付けられ、適宜な長さでEX束7がカットされる。図5の(a)、(b)は、それぞれ、エクステンションが行われる部位を示した配列図である。この図5に示すように、ラインで示した3a部分近傍にEX束7が取り付けられた場合には、これを適宜な長さでカットすることにより、ヘアースタイルのエンドライン(髪の長さ)が決定される。すなわち、3a部分は、図5(b)で示した頭髪の下方の部分(後頭部および側頭部における頭髪の生え際近傍、および、後頭部における下方部分)であるから、この3a部分の自毛束2にEX束7が施された場合には、全体として頭髪の長さが決定される。
次に、ラインで示した3b部分は、図5(b)で示した頭髪の中間部分(側頭部および後頭部における中間部分)であるから、この3b部分の自毛束2にEX束7を取り付け、そのEX束7を適宜な長さでカットすることにより、全体として頭髪にボリュームが形成され、これによりヘアースタイルのフォルムやシルエットが形成される。
さらに、頭頂部の周囲(図5(a)、(b)においてラインで示した3c部分)に沿った自毛束2にEX束7を取り付け、そのEX束7を適宜な長さでカットした場合には、ヘアースタイル表面の質感が表現され、自毛との馴染み感を出すことができる。
【0012】
図6及び図7は、最終的にエクステンションされたヘアースタイルを示したものである。図6の(a)に示すヘアースタイルは、俗に、オカッパと言われるスタイルであるが、EX束7でエクステンションを行うことにより、(b)に示すようなレイヤースタイルとするものである。即ち、ボブ・トゥ・レイヤーであり、イヤー・トゥ・イヤーパート(図5におけるライン部3b)より後部の頭髪にエクステンションを行ったものである。図7は、ボブ・トゥ・レイヤーの逆で、レイヤー・トゥ・ボブと言われるものである。即ち、図7の(a)に示したヘアースタイルから(b)に示したヘアースタイルになるように、EX束7でエクステンションを行う。このエクステンションは、イヤー・トゥ・イヤーパート(図5におけるライン部3b)より前部の頭髪に対して行ったものである。これらのエクステンションは、頭髪に対して部分的行われたものであるが、全体的に短い髪を長く伸ばす場合、取付部位は頭髪全体となる。
【0013】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載するような効果を奏する。即ち、自毛束を頭髪の下部より頭髪の上部が多く取り分け、自毛束に毛髪用繊維束を交差させ、その交差させた部位の左右の位置で、自毛束を毛髪用繊維束に少なくとも1回転ずつ巻き付け、さらに、自毛束の先端側および前記毛髪用繊維束の両端側を編み合せて結合させることにより、自然な頭髪のイメージを保ちながら毛髪用繊維の取付けが短時間ででき、また、自毛の取り分けの際に、頭髪の下部より頭髪の上部を多くすることで、地肌への負担は少なくすることができる。そして、自毛束がその上部を下部より長くして取付けられることにより、さらに、地肌への負担が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】複数本の自毛を取り分けて束ねた自毛束を示したものである。
【図2】毛髪用繊維束及び自毛束を結合しその下方に垂下させたものである。
【図3】結合部が互いに上下で重なり合わないように、下方の輪郭から上方の輪郭へと段階的に行われることを示したものである。
【図4】(a)及び(b)は、毛髪用繊維の取付けの際に、自毛束がその上部を下部より長くして取付けられていることを対比して示したものである。
【図5】(a)、(b)は、それぞれ、エクステンションが行われた際にカットされる部位を示した配列図である。
【図6】(a)及び(b)は、エクステンションされたヘアースタイルを説明したものである。
【図7】(a)及び(b)は、エクステンションされたヘアースタイルを説明したものである。
【符号の説明】
1 自毛
2 自毛束
3 取り分けライン
4 取り分け範囲
5 ループ部
6 編み合せ部分
7 毛髪用繊維束
8 結合部
10 地肌
11 ゴム糸
Claims (2)
- 頭髪から複数本の自毛を取り分けて束ねた自毛束に、複数本の毛髪用繊維を束ねた毛髪用繊維束を編み合せ、その下方に前記毛髪用繊維束を垂下させる毛髪用繊維の取付け方法において、
前記自毛束は、自毛の取り分け範囲が逆三角形状になるように、頭髪の下部より頭髪の上部が多く取り分けられた後、前記自毛束に前記毛髪用繊維束を交差させ、その交差させた部位の左右の位置で、前記自毛束を前記毛髪用繊維束に少なくとも1回転ずつ巻き付け、さらに、前記自毛束の先端側および前記毛髪用繊維束の両端側を編み合せて結合させることを特徴とする毛髪用繊維の取付け方法。 - 前記毛髪用繊維の取付けの際に、地肌と前記結合させた部分との間で自毛束がその上部を下部より長くして取付けられることを特徴とする請求項1に記載の毛髪用繊維の取付け方法。
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