確か昔、リサイクルショップで購入したと記憶しているトイカメラを引っ張り出してきました。「35ミリ、F10、100分の1秒、ピント1.2メートル~無限遠固定」と説明書に書かれていますが、メーカー名は見当たりません。このトイカメラで、まぶしい日中も、たそがれ時も、きっちり撮影してみせましょう! 【中村琢磨】
撮影を始める前に、自分に厳しい制約を課しました。使うフィルムは2本だけに限定する! 「予算の削減」+「働き方改革」とみせかけて、まあ要は“手抜き”です。
1本目は、ISO感度400のフィルムを約3200に増感現像して夕暮れ撮影。2本目は、ISO125のフィルムを約200にちょっとだけ増感して日中撮影。露出オーバーになりそうな時は、黄色や赤色のフィルターをレンズの前面に添えて露出と画質を整えます。
万事OKのはずでした。でも1本目の増感現像で現像液の疲労が激しくなり、2本目はちょっとアンダーになってしまいました。心配無用、ごまかすのはお手のものです。ほらね、何とか様になって見えるでしょう! 私の頭は、道具に合わせて手段を選ぶAI頭脳なのですよ。
撮影機材
フィルム(パトローネ)型カメラ
「逆ガリレオ式」のファインダーを取り出すと、撮影用レンズが現れる。絞りF10、シャッタースピード100分の1秒、ピントも固定。似たような発想で、缶ジュース型のカメラもあった。フィルム型カメラよりも、缶ジュース型カメラの方が、リアリティーがあるように思ったのは、持たざる者のひがみなのかも。