国内で初めて新型コロナの患者が確認されてから15日で3年が経過した。パンデミック(世界的大流行)を経て、社会はどう正常化していくのか。各分野の現状を連載しながら、ウィズコロナ時代を展望する。
連載「パンデミックの先に」は、全7回です。
このほかのラインアップは次の通りです。
第1回 感染で認知症リスクが上がる
第3回 ワクチン不信の背景
第4回 子どもの発達に影響
第5回 飲食店が見いだした活路
第6回 移住で浮かんだ課題
第7回 途上国「コロナは過去の話」
1年近く前に新型コロナウイルスに感染して以来、外出する時につえが手放せなくなった。手足の震えがあり、支えがないと歩けないからだ。25歳と仕事に慣れてきた時期なのに、こんなことになるとは思わなかった。
滋賀県で暮らすこの女性は、念願かなって保育士として充実した日々を送っていた。しかし、昨年2月中旬に新型コロナにかかった後、休職したままだ。
後遺症の症状が出たのは、10日間のホテル療養が明け、自宅に戻った翌日のことだった。朝、目が覚めると、これまでに経験したことのないような倦怠(けんたい)感と脱力感、手足の震えに襲われた。
女性はかかりつけの医師の元へ駆け込んだものの、「しばらく症状が残ることがあるので、様子を見ましょう」と告げられた。だが、症状は改善するどころか、息苦しさが加わり、悪化の一途をたどった。専門的な相談をできる医師もおらず不安が募った。
しばらくすると歩くことも困難になり、外出時に車椅子を使わざるを得なくなった。生理不順もみられ、結婚したばかりなのに思い描いた新婚生活とはほど遠い。「料理や掃除など家のこともできず、今までできていたことができなくなり、とてもつらかった」と心が押しつぶされた。
連載「パンデミックの先に」、次回はワクチン不信の背景について報告します。
後遺症の受診、半年以上先に
自分の症状が後遺症かもしれないと思い始め、4月に病院に診察を申し込んだが、受診できたのは今年1月に入ってからだった。後遺症を訴える患者の数に対して、治療できる医療機関が少ないことが影響したとみられる。
車椅子で生活しながらも…
この記事は有料記事です。
残り1427文字(全文2329文字)
【時系列で見る】
-
福岡県で6339人感染確認 6日ぶりに前週上回る 新型コロナ
703日前 -
新型コロナの類型見直し 加藤厚労相「環境ができてきている」
703日前 -
全国で12万6989人感染確認 新型コロナ
703日前 -
コロナにかかった話
704日前 -
上司についた接種歴のうそ ワクチン接種に潜む社会の「分断」
704日前 -
福岡県で新たに2007人感染 新型コロナ
704日前 -
公明、山口代表の訪中断念 コロナ水際対策巡り「環境整わず」
704日前 -
全国の新規感染者は5万4378人 死者は284人 新型コロナ
704日前 -
コロナ初確認から3年 松野官房長官「現在は平時への移行期間」
705日前 -
20代、つえなしで歩けず 1年続くコロナ後遺症の恐ろしさ
705日前 -
「その話題は…」政策転換後も厳しい統制 ゼロコロナの実態
705日前深掘り -
3度の都市封鎖 「反ゼロコロナ」の発端・ウルムチで見えた現実
705日前 -
全国のコロナ死者415人 新規感染は10万8281人 厚労省
705日前 -
自分の苦しみも忘れる?新型コロナ後遺症で認知症リスク急増の恐れ
706日前 -
中国、コロナ死者5万9938人と発表 WHOの懸念受けて対応か
706日前 -
初詣見送りも 共通テスト備えコロナ厳戒態勢 受験生らピリピリ
706日前 -
病床使用率、34都府県で50%超え 高齢者にリスク 新型コロナ
706日前 -
「マンパワーの限界」 コロナ第8波、インフル同時流行で医療逼迫
706日前 -
福岡県で新たに7482人感染 3日連続で前週下回る 新型コロナ
706日前