体調を崩す子どもたち、高校最終試験中止に涙 ガザで生きる家族
毎日新聞
2024/7/24 18:27(最終更新 7/28 19:41)
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パレスチナ自治区ガザ地区でのイスラム組織ハマスとイスラエル軍の戦闘は、開始から9カ月以上が経過した。避難生活の疲れや衛生状態の悪化から、中部デルバラーで暮らす高校教師、アシュラフ・ソラーニさん(48)の娘や息子は最近、相次いで体調不良を訴えた。アシュラフさんは子どもたちの看病をしながら、戦下の過酷な生活に耐えている。【構成・エルサレム松岡大地】
6月16日
この日は起きた時から疲れ果てていた。三男オマル(1)の体調が悪く、一晩中、妻と一緒に看病していたからだ。オマルにはミルクを飲んでもすぐ吐いてしまう症状があり、熱もあった。
そこで、デルバラーの大規模病院「アルアクサ殉教者病院」へ連れて行った。診断の結果は急性腸炎だった。オマルは点滴を3時間以上受け、熱はようやく下がった。その後、試しにミルクを飲ませてみると、無事に飲み干した。快方へ向かい、ひとまず安心した。
実は2日前にも、長女アヤ(21)と次女エタフ(19)を同じ病院へ連れて行った。2人は激しい腹痛や食欲不振に悩まされ、白目は黄色に変色していた。検査すると、ガザで感染が拡大しているA型肝炎だった。
医師からは、薬を処方しなくても2週間ほどで治ると説明された。衛生管理をしっかりし、ジャムや蜂蜜などから糖分をとり、新鮮な野菜や果物を食べ、揚げ物などは控えるようにアドバイスされた。
だが、どうやって新鮮な食材を手に入れればいいのか。戦争でインフラが破壊されたガザでは、清潔な水の入手も難しい。医師の助言は正しい。だが、実行するのは簡単ではない。とにかく、今は子どもたちが一日も早く元気になることを祈っている。
6月22日
このニュースを見た時、私…
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