渡部容疑者が被害者の女性に暴言を吐いたのは証人尋問の途中だった。 《女性が渡部容疑者に見られることで証言しづらくなることへの配慮から、高さ約170センチの間仕切りが被告人席の前に置かれた。渡部容疑者は当初、黙って証人尋問を聞いていたが、尋問開始から約25分後、女性が被告への感情を述べ始めると突然、様子が急変した》 やりとりは次の通り。 検察官 (事件の)ショックは? 女性 「小銭を稼ぎやがって」と言われ、ものすごく腹立たしい。仕事ではなく、趣味でやっていた。少しでも、悩んでいる人が癒えればと思い、占ってあげていた…。 被告 だったら無償でやれよ。 裁判長 静かに。 女性 すごくプライドが傷ついた。 被告 退廷でいいから。おまえたちはのろわれるぞ。茶番だ。エセ裁判だ。 裁判長 退廷しろ。 被告 オーケー。お前が裁判官なんて、聞いてあきれる。おれはお前(=女性)の顔を(今でも)覚えているぞ。い