学位規則では、博士論文をインターネット公表することを定めています。 この趣旨は、文部科学省によると「博士論文等の質を相互に保証し合う仕組みとして、博士論文等を相互に参照できるよう公表すること」にあります[1]。この業務は、多くの大学でリポジトリを管理している図書館や研究支援部門が担っているのではないかと思います。 今回は、過去に発行されている報告書や発表資料のほか、筆者(リポジトリを2年担当)の事例をもとにして、博士論文のインターネット公表の実務において生じる課題を整理します。 博士論文の登録業務を行うにあたって 博士論文の登録業務だけに限らない話ですが、リポジトリ担当者の不安に思う点として一番に挙げられるのは「業務を進めるにあたって、どの資料を参照してよいかわからない」「何に気を付けて仕事をすればよいかわからない」点なのではないでしょうか。 機関リポジトリ業務は、2000年代前半から大学