本稿の目的は、「ライフプラン(ライフデザイン)教育」とはどのような内容や取組なのか、特色ある取組を行っている都道府県、特に高知県及び富山県を中心に、行政担当者や学校関係者等への聴き取り調査を行い、明らかになった現状と課題を指摘することにある。さらに取組が全国に浸透している要因の考察も行う。「ライフプラン教育」とは、国の少子化対策の交付金等により結婚を支援する「婚活政策」の一環で、地方自治体が中学・高校・大学生や市民に人生設計を考えさせ、若い時期での結婚や妊娠を増やそうとする取組である。 聴き取り調査の結果、ライフプラン教育には、婚活企業の関係者や国の少子化対策等の審議会委員等、婚活や婚活政策の利害関係者が関与していること、また取組内容は、早いうちの結婚や妊娠を奨励し、LGBTや独身、子どものいない生き方、ひとり親など、多様性の確保に課題があることが判明した。共働きの家事・育児を自己責任で解