若者たちでにぎわうプールの背後に、夕焼け空が広がった。闇に包まれていく金融街のあちこちから、ビルの光が輝きだす。昔、SFアニメで見た宇宙都市のようだ。 シンガポールの新都心マリーナ・ベイ地区に昨年、55階建ての「マリーナ・ベイ・サンズ(MBS)」と呼ばれる3棟の高層ビルの屋上をまたいだ巨大な船型の空中庭園「サンズ・スカイ・パーク」が誕生した。米カジノ大手ラスベガス・サンズ社が建設した複合型リゾート施設だ。プールがあるのは、その一角。地上200メートルにあたる。 3棟のビルをつないだ空中庭園 プールサイドからは、金融街の超高層ビル群がすぐ目の前。天空に浮かんだ気分になる。アジア諸国のテレビ撮影も相次ぐ人気施設となった。 奇抜な発想は、このプールばかりでない。MBSの東側に開けた広大な埋め立て地では、来年6月のオープンを目指した植物園「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」の建設工事が進んでいた。 プロ